有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/25 15:00
【資料】
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【項目】
122項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
第31期事業年度(自 2018年8月1日 至 2019年7月31日)
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は709,017千円で、前事業年度末に比べ152,072千円増加しております。工事件数の増加に伴う完成工事高及び完成工事総利益の増加及び順調に完成工事未収入金が回収できたことにより、現金及び預金が164,481千円増加、完成工事未収入金が20,665千円減少したことが主な変動要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は39,472千円で、前事業年度末に比べ424千円増加しております。工具、器具及び備品の増加1,545千円、繰延税金資産の増加698千円、車両運搬具の減少1,536千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は193,957千円で、前事業年度末に比べ41,357千円増加しております。税引前当期純利益が前事業年度に比べ増加したことにより未払法人税等が20,983千円増加、工事代金を前受した大口工事の増加により未成工事受入金が9,224千円増加したことが主な変動要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は4,686千円で、前事業年度末に比べ1,771千円減少しております。リース債務の減少1,245千円、長期未払金の減少526千円がその変動要因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は549,845千円で、前事業年度末に比べ112,911千円増加しております。当期純利益の計上による利益剰余金の増加112,911千円がその変動要因であります。
第32期第1四半期累計期間(自 2019年8月1日 至 2019年10月31日)
(流動資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産の残高は756,541千円で、前事業年度末に比べ47,524千円増加しております。工事件数の増加に伴う完成工事高の増加により完成工事未収入金が40,677千円増加したことが主な変動要因であります。
(固定資産)
当第1四半期会計期間末における固定資産の残高は49,540千円で、前事業年度末に比べ10,067千円増加しております。投資その他の資産の増加5,313千円、無形固定資産の増加2,909千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当第1四半期会計期間末における流動負債の残高は213,362千円で、前事業年度末に比べ19,404千円増加しております。工事件数増に伴う完成工事原価の計上により工事未払金の増加35,680千円、年度と四半期の算定基礎となる支給対象期間の相違による賞与引当金の増加14,900千円、年度と四半期の課税所得の差異による未払法人税等の減少13,149千円が主な変動要因であります。
(固定負債)
当第1四半期会計期間末における固定負債の残高は4,241千円で、前事業年度末に比べ445千円減少しております。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産の残高は588,478千円で、前事業年度末に比べ38,633千円増加しております。当第1四半期累計期間の四半期純利益の計上による利益剰余金の増加38,633千円がその変動要因であります。
②経営成績の状況
第31期事業年度(自 2018年8月1日 至 2019年7月31日)
当事業年度における我が国経済は企業収益が緩やかに改善し、雇用・設備投資も概ね横ばい程度に推移いたしました。しかし、米中貿易対立等海外発の不安定要素、さらに少子高齢化による慢性的な人手不足は深刻化し、今後も不透明な状況が続くと予測されます。一方、当社の属する住宅リフォーム業界は、新たな参入業者の増加・新築専門業者からの参入もあり、さらに競争が激化しているものの、古い建物はますます増え、住宅リフォーム市場規模としては微増ではありますが中古住宅の増加に伴い中長期的に安定的な成長が見込まれます。
このような環境の中で当社は、顧客に対する対応力向上のため、外注先の取引先社数及び業種の増強に取り組んでまいりました。
また積極的な営業活動、広告活動を継続的に行い、また休眠顧客の掘り起こしなどにも注力した結果、取引顧客数及び工事件数が増加しました。
社員においては、中途採用や育成に注力し営業力の底上げを図り、更なる業容拡大を目指し事業活動を展開してまいりました。
これらの結果、完成工事高は2,214,539千円(前年同期比21.5%増)、営業利益は159,340千円(前年同期比54.6%増)、経常利益は161,005千円(前年同期比66.8%増)、当期純利益は112,911千円(前年同期比66.3%増)となりました。
なお、当社はリフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
第32期第1四半期累計期間(自 2019年8月1日 至 2019年10月31日)
当第1四半期累計期間における我が国経済は雇用・所得環境の改善が継続するなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米中の通商政策の動向や、中国を始めとするアジア諸国における景気の下振れの懸念、英国のEU離脱など海外経済の影響が懸念され、今後も不透明な状況が続くと予測されます。一方、当社の属するリフォーム業界は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設費の高止まりや原材料価格の高騰、人手不足に伴う物流費、人件費の上昇に加え10月に実施された消費税率引上げの影響が懸念される一方、古い建物はますます増え、住宅リフォーム市場規模としては微増ではありますが中古住宅の増加に伴い中長期的に安定的な成長が見込まれます。
このような環境の中で当社は、積極的な営業活動、広告活動を継続的に行った結果、販売金額の高いリノベーション工事の獲得及び主要顧客からのリフォーム工事の受注が増加しました。
これらの結果、当第1四半期累計期間の完成工事高は651,690千円、営業利益は58,913千円、経常利益は58,926千円、四半期純利益は38,633千円となりました。
なお、当社はリフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
第31期事業年度(自 2018年8月1日 至 2019年7月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前事業年度末と比較して161,637千円増加し、398,416千円(前年同期比68.2%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は172,909千円(前年同期は79,095千円の獲得)となりました。主に工事件数の増加に伴い完成工事高及び完成工事総利益が増加し、税引前当期純利益164,685千円を獲得したこと、完成工事未収入金の回収が順調に進んだことにより売上債権の減少20,665千円、工事件数の増加に伴い仕入債務の増加1,792千円等の収入と、期末における未成工事件数等の増加に伴いたな卸資産の増加8,887千円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は10,037千円(前年同期は14,263千円の使用)になりました。主に有形固定資産の取得による支出5,983千円、無形固定資産の取得による支出5,530千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,234千円(前年同期は1,223千円の使用)となりました。これはリース債務の返済による支出1,234千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社では生産形態をとらないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社では受注から引渡しまでの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
第31期事業年度及び第32期第1四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。なお、当社はリフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称第31期事業年度
(自 2018年8月1日
至 2019年7月31日)
前年同期比(%)第32期第1四半期累計期間
(自 2019年8月1日
至 2019年10月31日)
リフォーム事業(千円)2,214,539121.5651,690
合計(千円)2,214,539121.5651,690

(注)1.最近2事業年度及び第32期第1四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第30期事業年度
(自 2017年8月1日
至 2018年7月31日)
第31期事業年度
(自 2018年8月1日
至 2019年7月31日)
第32期第1四半期累計期間
(自 2019年8月1日
至 2019年10月31日)
金額
(千円)
割合
(%)
金額
(千円)
割合
(%)
金額
(千円)
割合
(%)
㈱リプライス--323,46714.6124,82219.1

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
3.第30期事業年度の株式会社リプライスに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第31期事業年度(自 2018年8月1日 至 2019年7月31日)
経営成績の分析
当社の当事業年度の経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(完成工事高)
当事業年度における完成工事高は2,214,539千円(前年同期比21.5%増)となりました。その要因といたしましては、積極的な営業活動、広告活動を継続的に行い、また休眠顧客の掘り起こしなどにも注力した結果、取引顧客数及び工事件数が増加したことであります。
(完成工事総利益)
当事業年度における完成工事総利益は661,554千円(前年同期比22.7%増)となりました。その要因といたしましては、前述の完成工事高が増加したためであります。
(営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、502,214千円(前年同期比15.1%増)となりました。その要因といたしましては、人員増に伴う人件費の増加、及び完成工事高、受注件数の増加により、顧客の紹介に伴い発生する不動産会社に対して支払った販売手数料の増加によるものであります。
この結果、当事業年度における営業利益は159,340千円(前年同期比54.6%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は161,005千円(前年同期比66.8%増)となりました。その要因といたしましては、営業外収益で貸倒引当金戻入額があったため及び営業外費用でTOKYO PRO Market上場に係る上場審査料及びコンサルタント料等の上場関連費用がなくなったためであります。
(当期純利益)
当事業年度における税引前当期純利益は164,685千円(前年同期比70.3%増)となり、当期純利益は112,911千円(前年同期比66.3%増)となりました。その要因といたしましては、税金費用が増加した一方、特別利益で固定資産売却益が発生したためであります。
第32期第1四半期累計期間(自 2019年8月1日 至 2019年10月31日)
経営成績の分析
当第1四半期累計期間の経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(完成工事高)
当第1四半期累計期間における完成工事高は651,690千円となりました。その要因といたしましては、積極的な営業活動、広告活動を継続的に行い取引顧客数及び工事件数が増加したこと及び、消費税増税に伴う駆け込み受注があったことであります。
(完成工事総利益)
当第1四半期累計期間における完成工事総利益は195,480千円となりました。その要因といたしましては、前述の完成工事高が増加したためであります。
(営業利益)
当第1四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、136,566千円となりました。その要因といたしましては、人員増に伴う人件費の増加によるものであります。
この結果、当第1四半期累計期間における営業利益は58,913千円となりました。
(経常利益)
当第1四半期累計期間の営業外収益は24千円、営業外費用は11千円となりました。この結果、当第1四半期累計期間の経常利益は58,926千円となりました。
(四半期純利益)
当第1四半期累計期間の税金費用は20,293千円となりました。この結果、当第1四半期累計期間の四半期純利益は38,633千円となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため当社は市場動向に留意しつつ内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、顧客のニーズに合ったサービスを展開していく事により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④資本の財源及び資金の流動性
当社の事業活動における資金需要の主なものは、完成工事原価である材料費及び外注費、人件費及び広告宣伝費等の販売費及び一般管理費であります。これらの資金需要に対して安定的な資金供給を行うための財源については、短期の運転資金につき基本的に内部留保資金により確保し、充当することとしております。現時点では十分な現金及び預金を保有しており、今後、当座貸越契約等の締結による資金調達も可能であることから財源について問題はないと認識しております。
⑤経営者の問題認識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおりであります。当社の経営者は、それらの課題に対処することで、収益の拡大と経営の安定化を図っていくことが必要と認識しております。