有価証券届出書(新規公開時)

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2019/08/29 15:00
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102項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績
第18期連結会計年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の回復や雇用・所得環境の改善などを背景に、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済は、米中貿易摩擦の激化や朝鮮半島をめぐる地政学リスクの高まり等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する医療業界におきましては、本年4月に診療報酬と介護報酬の同時改定が行われ、効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上についてさまざまな取り組みが示されました。また、各都道府県で策定されている「地域医療構想」の実現に向けて、病床の機能分化、医療と介護の連携がより一層進められるものと推測され、今後は、各医療機関において、統合・再編を含めた病床転換が多く実施され、建築を伴う大型の設備投資の増加も見込んでおります。
このような状況の中、当社グループの主要事業であるメディカルトータルソリューション事業におきましては、新築・移転等の大型案件獲得の鍵となるコンサルティング営業の強化、大規模な設備投資を伴う高度急性期・急性期病院等を中心とした高付加価値の病院への深耕営業に努めてまいりました。これらの取り組みが奏功したこと等により、業績が好調に推移いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、25,715,941千円(前年同期比34.9%増)、営業利益は645,805千円(前年同期は営業利益6,736千円)、経常利益は652,381千円(前年同期は経常利益28,463千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は357,645千円(前年同期比47.5%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
・メディカルトータルソリューション事業
医療機関の開設者別では、各地方自治体病院、全国組織の国立病院機構のほか、民間病院への販路拡大を行うとともに、既存取引先の系列病院等での受注拡大を図ってまいりました。また、地方都市における受注力の強化にも努めております。進行中の案件におきましても、顧客ニーズを深耕するための営業活動を強化し、受注拡大と収益力向上に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は24,770,113千円(前年同期比36.0%増)、営業利益は551,384千円(前年同期は営業損失59,080千円)となりました。
・遠隔画像診断サービス事業
独自性を活かし、質を重視した遠隔画像診断を提供しつつ、放射線診断専門医の安定的確保と専門性の高いノウハウを確立してまいりました。導入医療機関及び取扱件数の増加により、売上高の増加を図ることができました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は552,207千円(前年同期比11.1%増)、営業利益は67,347千円(同23.1%増)となりました。
・給食事業
既存の受託施設の販売高の増加及び新規契約先の獲得により売上高が伸張いたしました。利益面では、食材原価の増加があったものの、その他の売上原価低減に努め、収益の確保に注力いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、393,620千円(前年同期比12.4%増)、営業利益は23,363千円(同171.9%増)となりました。
第19期第3四半期連結累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善傾向が持続し、景気は緩やかな回復基調にあるものの、海外経済は、米中貿易摩擦による減速懸念、地政学リスクの継続等、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループが属する医療業界におきましては、増加し続ける医療費を背景に、医療・介護提供体制の効率化・適正化がより一層求められ、各都道府県で策定されている「地域医療構想」の実現に向けて、病床の機能分化、医療と介護の連携等、様々な取り組みが進められております。今後は、各医療機関において、統合・再編を含めた病床転換が多く実施され、建築を伴う大型の設備投資の増加も見込まれます。
このような状況の中、当社グループの主要事業であるメディカルトータルソリューション事業におきましては、新築・移転等の大型案件獲得の鍵となるコンサルティング営業の強化、大規模な設備投資を伴う高度急性期・急性期病院等を中心とした高付加価値の病院への深耕営業を継続的に努めてまいりました。また、医療機関の開設者別では、各地方自治体病院、全国組織の国立病院機構のほか、民間病院への販路拡大を行うとともに、既存取引先の系列病院等での受注拡大を図ってまいりました。これらの取り組みが奏功したこと等により、業績が好調に推移いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、28,248,468千円、営業利益は1,185,158千円、経常利益は1,179,808千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は715,723千円となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
・メディカルトータルソリューション事業
当事業におきましては、大型案件を中心とした進行中の案件における受注拡大及び期中におけるスポット的な案件受注が好調に推移いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は27,499,826千円、営業利益は1,081,578千円となりました。
・遠隔画像診断サービス事業
独自性を活かし、質を重視した遠隔画像診断を提供しつつ、放射線診断専門医の安定的確保と専門性の高いノウハウを確立してまいりました。導入医療機関及び取扱件数の増加により、売上高の増加を図ることができました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は425,728千円、営業利益は69,488千円となりました。
・給食事業
既存の受託施設の販売高の増加及び新規契約先の獲得により売上高が伸張いたしました。利益面では、食材原価の増加があったものの、その他の売上原価低減に努め、収益の確保に注力いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、322,913千円、営業利益は31,706千円となりました。
② 財政状態
第18期連結会計年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
a 資産
流動資産は、前連結会計年度に比べて855,482千円増加し、11,666,650千円となりました。これは、受取手形及び売掛金の減少177,518千円及びその他の減少122,047千円があったものの、現金及び預金が1,113,053千円増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度に比べて26,713千円減少し、1,209,259千円となりました。これは、投資有価証券の増加27,642千円があったものの、有形固定資産の減少48,560千円などがあったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ828,769千円増加し、12,875,910千円となりました。
b 負債
流動負債は、前連結会計年度に比べて115,640千円増加し、8,132,314千円となりました。これは、買掛金の減少324,351千円があったものの、未払法人税等の増加274,679千円及びその他の増加184,431千円などがあったことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度に比べて63,795千円減少し、1,061,432千円となりました。これは、退職給付に係る負債の増加27,631千円があったものの、社債の減少60,100千円及び長期借入金の減少51,262千円などがあったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ51,845千円増加し、9,193,746千円となりました。
c 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べて776,923千円増加し、3,682,163千円となりました。これは、第1回新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ208,507千円増加し、利益剰余金の増加338,005千円などがあったことによるものです。
第19期第3四半期連結累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
a 資産
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ、4,647,270千円増加し、16,313,921千円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が3,739,954千円増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ、15,930千円増加し、1,225,190千円となりました。これは有形固定資産が12,180千円、投資その他の資産が7,274千円増加したことなどによるものです。
b 負債
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ、4,041,236千円増加し、12,173,550千円となりました。これは主に買掛金が4,104,477千円増加したものの、賞与引当金が61,378千円減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ、15,498千円減少し、1,045,933千円となりました。これは主に役員退職慰労引当金が36,023千円増加したものの、社債が35,350千円、長期借入金が17,959千円減少したことなどによるものです。
c 純資産
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、637,463千円増加し、4,319,627千円となりました。これは主に利益剰余金が644,443千円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,113,053千円増加し、3,702,552千円となりました。
主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、962,625千円であります。資金の増減の主な内訳は、仕入債務の減少324,351千円があったものの、税金等調整前当期純利益652,381千円、売上債権の減少177,512千円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、52,847千円であります。資金の増減の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出17,510千円、有形固定資産の取得による支出16,964千円、保険積立金の積立による支出14,937千円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、203,275千円であります。資金の増減の主な内訳は、長期借入金の返済による支出91,778千円、社債の償還による支出58,100千円などがあったものの、第1回新株予約権の行使による株式の発行による収入405,564千円などがあったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 仕入実績
第18期連結会計年度及び第19期第3四半期連結累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第18期連結会計年度第19期第3四半期連結累計期間
(自 2017年10月1日(自 2018年10月1日
至 2018年9月30日)至 2019年6月30日)
金額(千円)前年同期比
(%)
金額(千円)
メディカルトータルソリューション事業22,345,26235.324,957,741
遠隔画像診断サービス事業
給食事業156,17515.3132,045
合計22,501,43835.225,089,787

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 販売実績
第18期連結会計年度及び第19期第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第18期連結会計年度第19期第3四半期連結累計期間
(自 2017年10月1日(自 2018年10月1日
至 2018年9月30日)至 2019年6月30日)
金額(千円)前年同期比
(%)
金額(千円)
メディカルトータルソリューション事業24,770,11336.027,499,826
遠隔画像診断サービス事業552,20711.1425,728
給食事業393,62012.4322,913
合計25,715,94134.928,248,468

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計上の見積りを行う必要があり、賞与引当金等各引当金の計上及び繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて見積りを実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第18期連結会計年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当社グループは、医療・福祉・保健というフィールドに活動範囲を定め、その問題解決に寄与するエキスパー
トとして、また、未来に対する付加価値を創造するパイオニアとして、時代を読み、これからの社会と人々の繁
栄に貢献することを責務と考え事業に取り組んでおります。特に、当社グループの中核事業であるメディカルトータルソリューション事業におきましては、医療、福祉、保健に関わる人たちのすべてのニーズに応え、付加価値を提供していくことを念頭に置き、「トータルパックシステム」(注)にて全体最適な病院づくりに貢献することにより、医療機関の新築・移転、再編・統合等の大型案件に対して、付加価値の高い営業を強力に推進し、事業に取り組んでおります。
当連結会計年度における経営成績等は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益とも前連結会計年度比大幅な伸長となる結果を得ることができました。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業活動のための適切な資金確保を図るため、営業活動によるキャッシュ・フローの向上を最優先事項と考えております。当連結会計年度末における現金及び預金の残高は、3,722,552千円となり、十分な流動性を確保しているものと判断しておりますが、急な資金需要や不測の状態にも備えるため、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。(未実行残高1,000,000千円)
(注)トータルパックシステム
トータルパックシステムとは、「お客様のすべての期待・要望に応えること」であります。新築・移転のための基本計画から開院までの様々な場面で、ノウハウ及びソリューションを提供することで、お客様から営業姿勢や相性も含め、厚い信頼を得て、当事者としてすべてに対し、責任感を持って全力で取組むことであります。
第19期第3四半期連結累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
当第3四半期連結累計期間における経営成績等は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益とも好調に推移しております。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業活動のための適切な資金確保を図るため、営業活動によるキャッシュ・フローの向上を最優先事項と考えております。当第3四半期連結累計期間末における現金及び預金の残高は、4,685,774千円となり、十分な流動性を確保しているものと判断しておりますが、急な資金需要や不測の状態にも備えるため、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。(未実行残高1,000,000千円)