有価証券報告書-第5期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されていましたが、足下で新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経済活動の停滞等により景気減速が懸念されます。世界経済においても、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内同様に景気減速が懸念され、先行きは不透明な状況が続いております。
人材サービス業界を取り巻く環境につきましては、有効求人倍率は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出始め低下傾向となっておりますが、介護分野は、依然として全産業の中で高い水準で推移しております。
また、2020年4月からは、働き方改革関連法により同一労働同一賃金の実現に向けた改正労働者派遣法が施行され、適切な対応が求められております。
このような情勢の中、当社は人材雇用の安定化が介護医療事業者の成長支援の基礎であると考えており、求人及び広告宣伝の積極的投資を行い、直接雇用である人材紹介を強化してまいりました。
当事業年度においては、組織再編等の基盤構築による営業機能の強化を図り、自社WEBサイトプロモーションや介護・医療施設への営業活動を継続するとともに、職場見学会の開催、介護業界展示会への出展、介護資格取得支援キャンペーン等を実施いたしました。
また、2019年11月からは人材の育成、離職防止に向けて福祉業界に特化したeラーニングサービス「E care labo(イーケアラボ)」を開始し、教育研修における新たな需要の獲得に努めてまいりました。
営業拠点については、既存の営業エリア拡大のため既存店を分割し、2019年5月には愛知県岡崎市、同年6月には福岡県北九州市に新たに支店を開設した結果、支店数は38支店となりました。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(単位:千円)
b. 経営成績
(単位:千円)
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は人材サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ47,564千円増加し、1,974,266千円(前期末比2.5%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
なお、本書提出日現在における新型コロナウイルス感染症に伴う影響は、軽微であると考えておりますが、今後さらなる感染拡大や流行が長期化した場合には、当社の事業活動に支障が生じ、翌事業年度のキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、107,731千円(前年同期比63.9%減)となりました。これは主に、税引前当期純利益357,267千円の計上、未払消費税等の増加額48,733千円等の資金増加要因が、未払金の減少額87,612千円、預り金の減少額59,923千円、法人税等の支払額142,238千円等の資金減少要因を上回った結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、20,530千円(前年同期比1.2%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出18,072千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、39,636千円(前年同期は295,042千円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入30,051千円及び配当金の支払額69,524千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社は人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため当該記載を省略しております。
c. 販売実績
販売実績は次のとおりであります。なお、当社は人材サービス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
(単位:千円)
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経済活動の停滞等により景気減速が懸念されます。
当社が展開する人材派遣、人材紹介サービスの提供先は介護・医療事業者であり、介護サービスを受けるご利用者は、重症化リスクの高い高齢者が多いことから、クライアント及び当社における安全対策を十分にとる必要があります。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大と長期化に伴い、求職者の面接及び施設見学の見合わせ等が増加することで業績への影響を及ぼす可能性があります。
また、教育研修サービスにおいて、クライアントの従業員を一堂に会して実施する集合研修は、そのサービスの特色から新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けやすいサービスであると考えております。マスクの着用の徹底、社会的距離の確保等の感染防止対策を講じることで、早期の安定開催を目指しております。一方、eラーニングサービス「E care labo(イーケアラボ)」は、研修受講の場所を選ばないため、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は受けないものと考えております。
このような環境下、当社は競争優位性の確立のため登録スタッフ獲得に向けた積極的求人投資と営業支援部門の強化を図り、生産性向上のためのシステム投資、営業人員の拡充等、持続的成長の実現のための先行投資を計画しております。
また、経営成績に重要な影響を与える要因として、介護保険利用者の増加に伴い介護職員や看護師に対する需要は増大しておりますが、少子高齢化の進展により労働力人口が減少しており、施設等へ派遣または紹介する登録スタッフの獲得ができない場合やコーポレート・ガバナンスやリスク管理、コンプライアンスについて継続的な強化の反面、業務の適正を図れない場合には、当社の人材サービス事業の量的、質的な低下を招くおそれがあります。その他、経営成績に重要な影響を与え得る様々なリスクにつきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
なお、財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a. 財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産合計は2,972,206千円となり、前事業年度末に比べ74,772千円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金が47,564千円、売掛金が32,168千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産合計は196,438千円となり、前事業年度末に比べ10,685千円の増加となりました。その主な要因は、ソフトウエアが10,607千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債合計は962,350千円となり、前事業年度末に比べ110,350千円の減少となりました。その主な要因は、未払金が87,438千円、預り金が59,923千円減少し、未払消費税等が48,733千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債合計は75,906千円となり、前事業年度末に比べ9,369千円の増加となりました。その主な要因は、退職給付引当金が9,432千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,130,387千円となり、前事業年度末に比べ186,438千円の増加となりました。その主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行により資本金が15,052千円、資本準備金が14,999千円増加したこと、当期純利益の計上により利益剰余金が226,075千円増加したこと、配当金の支払により利益剰余金が69,524千円減少したことによるものであります。
なお、自己資本比率は67.2%(前事業年度末は63.0%)となりました。
b. 経営成績
(売上高)
人材派遣(紹介予定派遣及び委託含む)は、売上単価は増加したものの、派遣スタッフ数に連動して総稼働時間が減少した結果、7,470,243千円(前年同期比0.3%減)となりました。一方で人材紹介は、成約プロセスの見直しや料率改定等、人材紹介の強化施策実施で紹介件数及び紹介単価の増加により、733,252千円(前年同期比22.1%増)、教育研修は、研修件数及び研修単価の増加により、47,014千円(前年同期比30.4%増)となりました。この結果、当事業年度の売上高は、8,257,215千円(前年同期比1.6%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、6,978,620千円(前年同期比0.8%増)となりました。これは主に、派遣スタッフ及び原価部門人件費ならびに登録スタッフ獲得のための求人費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は1,278,595千円(前年同期比5.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、912,779千円(前年同期比19.7%増)となりました。これは主に、管理部門等の人件費及び登録スタッフ獲得のための自社WEBサイトの広告費用等の計上によるものであります。この結果、営業利益は、365,815千円(前年同期比18.0%減)となりました。
当社の収益性指標である営業利益率は、前事業年度の5.5%から当事業年度は4.4%に低下いたしましたが、これは将来の成長に資する人件費及び求人・広告費用等の増加によるものであります。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は主に助成金収入の計上により834千円、営業外費用は障害者雇用納付金の計上により9,382千円となり、この結果、経常利益は357,267千円(前年同期比14.5%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は131,191千円となり、この結果、当期純利益は226,075千円(前年同期比16.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当社は、健全な財務バランスを重視した経営に努めております。
当事業年度の営業活動の結果得られた資金は、107,731千円(前年同期比63.9%減)、投資活動の結果使用した資金は、20,530千円(前年同期比1.2%増)、財務活動の結果使用した資金は、39,636千円(前年同期は295,042千円の獲得)となりました。この結果、当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ47,564千円増加し、1,974,266千円(前期末比2.5%増)となりました。
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(財務政策)
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、原則内部資金で対応しております。本書提出日現在、借入金はございませんが、金融機関との間で合計500,000千円の当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態に備えております。今後も十分な流動性の維持に努めてまいります。
なお、本書提出日現在における新型コロナウイルス感染症に伴う影響は、軽微であると考えておりますが、今後さらなる感染拡大や流行が長期化した場合には、当社の事業活動に支障が生じ、翌事業年度のキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社を取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
なお、当社の新型コロナウイルス感染症による影響につきまして、人材派遣及び人材紹介事業においては、派遣スタッフの待機、求職者の面接及び施設見学の見合わせ等が一部発生しており、教育研修においては、講師派遣型研修(集合研修)のキャンセルが発生しておりますが、当事業年度における会計上の見積りに与える影響は軽微であると考えております。
翌事業年度中には当社の事業運営が正常化することを仮定して、以下の会計上の見積りを行っております。
新型コロナウイルス感染症による影響は不確定要素が多く、今後、実際の経過が上述の仮定と乖離する場合には、翌事業年度の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
a.貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。
b. 返金引当金
人材紹介サービスにおいては、人材紹介業界での取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヵ月未満で自己都合により退職した場合には、その退職までの期間に応じて紹介料を返金する旨を求人先との契約に定めております。
当社は、求人先と求職者双方のニーズを十分に斟酌した上で紹介を進めておりますが、人材紹介手数料の返金等の負担に備えるため、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しております。
c. 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によって行っており、数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
d. 繰延税金資産
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込額を勘案し、回収可能性を慎重に検討した結果をもとに、法定実効税率を用いて繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、実際の結果は、見積り根拠となる仮定または条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。また、将来の課税所得が予想を下回った場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されていましたが、足下で新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経済活動の停滞等により景気減速が懸念されます。世界経済においても、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内同様に景気減速が懸念され、先行きは不透明な状況が続いております。
人材サービス業界を取り巻く環境につきましては、有効求人倍率は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出始め低下傾向となっておりますが、介護分野は、依然として全産業の中で高い水準で推移しております。
また、2020年4月からは、働き方改革関連法により同一労働同一賃金の実現に向けた改正労働者派遣法が施行され、適切な対応が求められております。
このような情勢の中、当社は人材雇用の安定化が介護医療事業者の成長支援の基礎であると考えており、求人及び広告宣伝の積極的投資を行い、直接雇用である人材紹介を強化してまいりました。
当事業年度においては、組織再編等の基盤構築による営業機能の強化を図り、自社WEBサイトプロモーションや介護・医療施設への営業活動を継続するとともに、職場見学会の開催、介護業界展示会への出展、介護資格取得支援キャンペーン等を実施いたしました。
また、2019年11月からは人材の育成、離職防止に向けて福祉業界に特化したeラーニングサービス「E care labo(イーケアラボ)」を開始し、教育研修における新たな需要の獲得に努めてまいりました。
営業拠点については、既存の営業エリア拡大のため既存店を分割し、2019年5月には愛知県岡崎市、同年6月には福岡県北九州市に新たに支店を開設した結果、支店数は38支店となりました。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(単位:千円)
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減額 | 増減率 | |
| 総資産 | 3,083,186 | 3,168,644 | 85,457 | 2.8% |
| 負債 | 1,139,238 | 1,038,257 | △100,981 | △8.9% |
| 純資産 | 1,943,948 | 2,130,387 | 186,438 | 9.6% |
| 自己資本比率 | 63.0% | 67.2% | 4.2pt | |
b. 経営成績
(単位:千円)
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 8,130,692 | 8,257,215 | 126,523 | 1.6% |
| 営業利益 (営業利益率) | 446,158 (5.5%) | 365,815 (4.4%) | △80,343 | △18.0% |
| 経常利益 (経常利益率) | 417,758 (5.1%) | 357,267 (4.3%) | △60,491 | △14.5% |
| 当期純利益 (当期純利益率) | 272,127 (3.3%) | 226,075 (2.7%) | △46,052 | △16.9% |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は人材サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ47,564千円増加し、1,974,266千円(前期末比2.5%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
なお、本書提出日現在における新型コロナウイルス感染症に伴う影響は、軽微であると考えておりますが、今後さらなる感染拡大や流行が長期化した場合には、当社の事業活動に支障が生じ、翌事業年度のキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、107,731千円(前年同期比63.9%減)となりました。これは主に、税引前当期純利益357,267千円の計上、未払消費税等の増加額48,733千円等の資金増加要因が、未払金の減少額87,612千円、預り金の減少額59,923千円、法人税等の支払額142,238千円等の資金減少要因を上回った結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、20,530千円(前年同期比1.2%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出18,072千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、39,636千円(前年同期は295,042千円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入30,051千円及び配当金の支払額69,524千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社は人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため当該記載を省略しております。
c. 販売実績
販売実績は次のとおりであります。なお、当社は人材サービス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
(単位:千円)
| サービスの名称 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減額 | 増減率 |
| 人材派遣 | 7,211,397 | 7,231,734 | 20,337 | 0.3% |
| 紹介予定派遣 | 172,931 | 130,250 | △42,681 | △24.7% |
| 人材紹介 | 600,718 | 733,252 | 132,534 | 22.1% |
| 委託 | 109,566 | 108,258 | △1,307 | △1.2% |
| 教育研修 | 36,054 | 47,014 | 10,959 | 30.4% |
| その他 | 25 | 6,705 | 6,680 | - |
| 合 計 | 8,130,692 | 8,257,215 | 126,523 | 1.6% |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経済活動の停滞等により景気減速が懸念されます。
当社が展開する人材派遣、人材紹介サービスの提供先は介護・医療事業者であり、介護サービスを受けるご利用者は、重症化リスクの高い高齢者が多いことから、クライアント及び当社における安全対策を十分にとる必要があります。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大と長期化に伴い、求職者の面接及び施設見学の見合わせ等が増加することで業績への影響を及ぼす可能性があります。
また、教育研修サービスにおいて、クライアントの従業員を一堂に会して実施する集合研修は、そのサービスの特色から新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けやすいサービスであると考えております。マスクの着用の徹底、社会的距離の確保等の感染防止対策を講じることで、早期の安定開催を目指しております。一方、eラーニングサービス「E care labo(イーケアラボ)」は、研修受講の場所を選ばないため、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は受けないものと考えております。
このような環境下、当社は競争優位性の確立のため登録スタッフ獲得に向けた積極的求人投資と営業支援部門の強化を図り、生産性向上のためのシステム投資、営業人員の拡充等、持続的成長の実現のための先行投資を計画しております。
また、経営成績に重要な影響を与える要因として、介護保険利用者の増加に伴い介護職員や看護師に対する需要は増大しておりますが、少子高齢化の進展により労働力人口が減少しており、施設等へ派遣または紹介する登録スタッフの獲得ができない場合やコーポレート・ガバナンスやリスク管理、コンプライアンスについて継続的な強化の反面、業務の適正を図れない場合には、当社の人材サービス事業の量的、質的な低下を招くおそれがあります。その他、経営成績に重要な影響を与え得る様々なリスクにつきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
なお、財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a. 財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産合計は2,972,206千円となり、前事業年度末に比べ74,772千円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金が47,564千円、売掛金が32,168千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産合計は196,438千円となり、前事業年度末に比べ10,685千円の増加となりました。その主な要因は、ソフトウエアが10,607千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債合計は962,350千円となり、前事業年度末に比べ110,350千円の減少となりました。その主な要因は、未払金が87,438千円、預り金が59,923千円減少し、未払消費税等が48,733千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債合計は75,906千円となり、前事業年度末に比べ9,369千円の増加となりました。その主な要因は、退職給付引当金が9,432千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,130,387千円となり、前事業年度末に比べ186,438千円の増加となりました。その主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行により資本金が15,052千円、資本準備金が14,999千円増加したこと、当期純利益の計上により利益剰余金が226,075千円増加したこと、配当金の支払により利益剰余金が69,524千円減少したことによるものであります。
なお、自己資本比率は67.2%(前事業年度末は63.0%)となりました。
b. 経営成績
(売上高)
人材派遣(紹介予定派遣及び委託含む)は、売上単価は増加したものの、派遣スタッフ数に連動して総稼働時間が減少した結果、7,470,243千円(前年同期比0.3%減)となりました。一方で人材紹介は、成約プロセスの見直しや料率改定等、人材紹介の強化施策実施で紹介件数及び紹介単価の増加により、733,252千円(前年同期比22.1%増)、教育研修は、研修件数及び研修単価の増加により、47,014千円(前年同期比30.4%増)となりました。この結果、当事業年度の売上高は、8,257,215千円(前年同期比1.6%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、6,978,620千円(前年同期比0.8%増)となりました。これは主に、派遣スタッフ及び原価部門人件費ならびに登録スタッフ獲得のための求人費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は1,278,595千円(前年同期比5.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、912,779千円(前年同期比19.7%増)となりました。これは主に、管理部門等の人件費及び登録スタッフ獲得のための自社WEBサイトの広告費用等の計上によるものであります。この結果、営業利益は、365,815千円(前年同期比18.0%減)となりました。
当社の収益性指標である営業利益率は、前事業年度の5.5%から当事業年度は4.4%に低下いたしましたが、これは将来の成長に資する人件費及び求人・広告費用等の増加によるものであります。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は主に助成金収入の計上により834千円、営業外費用は障害者雇用納付金の計上により9,382千円となり、この結果、経常利益は357,267千円(前年同期比14.5%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は131,191千円となり、この結果、当期純利益は226,075千円(前年同期比16.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当社は、健全な財務バランスを重視した経営に努めております。
当事業年度の営業活動の結果得られた資金は、107,731千円(前年同期比63.9%減)、投資活動の結果使用した資金は、20,530千円(前年同期比1.2%増)、財務活動の結果使用した資金は、39,636千円(前年同期は295,042千円の獲得)となりました。この結果、当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ47,564千円増加し、1,974,266千円(前期末比2.5%増)となりました。
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(財務政策)
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、原則内部資金で対応しております。本書提出日現在、借入金はございませんが、金融機関との間で合計500,000千円の当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態に備えております。今後も十分な流動性の維持に努めてまいります。
なお、本書提出日現在における新型コロナウイルス感染症に伴う影響は、軽微であると考えておりますが、今後さらなる感染拡大や流行が長期化した場合には、当社の事業活動に支障が生じ、翌事業年度のキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社を取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
なお、当社の新型コロナウイルス感染症による影響につきまして、人材派遣及び人材紹介事業においては、派遣スタッフの待機、求職者の面接及び施設見学の見合わせ等が一部発生しており、教育研修においては、講師派遣型研修(集合研修)のキャンセルが発生しておりますが、当事業年度における会計上の見積りに与える影響は軽微であると考えております。
翌事業年度中には当社の事業運営が正常化することを仮定して、以下の会計上の見積りを行っております。
新型コロナウイルス感染症による影響は不確定要素が多く、今後、実際の経過が上述の仮定と乖離する場合には、翌事業年度の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
a.貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。
b. 返金引当金
人材紹介サービスにおいては、人材紹介業界での取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヵ月未満で自己都合により退職した場合には、その退職までの期間に応じて紹介料を返金する旨を求人先との契約に定めております。
当社は、求人先と求職者双方のニーズを十分に斟酌した上で紹介を進めておりますが、人材紹介手数料の返金等の負担に備えるため、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しております。
c. 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によって行っており、数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
d. 繰延税金資産
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込額を勘案し、回収可能性を慎重に検討した結果をもとに、法定実効税率を用いて繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、実際の結果は、見積り根拠となる仮定または条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。また、将来の課税所得が予想を下回った場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。