有価証券報告書-第11期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 14:51
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【項目】
119項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社等及び持分法適用関連会社等)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりである。
①財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べ1兆4,081億円増加し9兆9,979億円となった。これは、中東情勢等の影響に伴う、燃料トレーディング事業を営む子会社におけるデリバティブ資産の増加等によるものである。
負債は、前連結会計年度末に比べ1兆1,323億円増加し6兆7,287億円となった。これは、中東情勢等の影響に伴う、燃料トレーディング事業を営む子会社におけるデリバティブ負債の増加等によるものである。
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加や為替換算調整勘定の増加等から、前連結会計年度末に比べ2,758億円増加し3兆2,691億円となった。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は、31.6%となった。
②経営成績
売上収益は、電力販売における収入単価の下落等により、前連結会計年度に比べ3,059億円減少し3兆500億円となった。また、海外・再エネ発電事業の利益増等により、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ96億円増加し1,935億円となった。
なお、期ずれについては、燃料価格の変動を販売価格に反映するまで文字とおり「タイムラグ」があるため、期間で区切った際には収支影響が生じるが、中長期的には収支影響はニュートラルになる。この期ずれ影響を除いた親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ398億円増加し1,836億円となった。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの資金(現金及び現金同等物)は、前連結会計年度末に比べ1,369億円減少し、1兆1,246億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の収入は、前連結会計年度に比べ206億円増加し4,258億円となった。これは、税引前当期利益の増加等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローにおける資金の支出は、前連結会計年度に比べ500億円減少し3,853億円となった。これは、海外IPPの資産売却による収入等によるものである。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ706億円増加し404億円の収入となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,534億円増加し2,721億円の支出となった。これは、主に社債の償還や借入金の返済による支出の増加等によるものである。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、主に国内火力・ガス事業が、連結会社の売上収益の大半を占めているため、生産、受注及び販売の実績については、上記国内火力・ガス事業について記載している。
国内火力・ガス事業における発電実績、販売実績並びに主要燃料の受払状況については以下のとおりである。
イ:発電実績
(国内火力・ガス事業における発電実績)
前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
発電電力量(百万kWh)227,235228,623

ロ:販売実績
(国内火力・ガス事業における販売実績)
前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
販売電力量(百万kWh)234,126233,784
販売額(百万円)4,222,8663,928,806

主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績(国内火力・ガス事業の販売額)に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
販売額
(百万円)
割合
(%)
販売額
(百万円)
割合
(%)
東京電力エナジーパートナー株式会社2,077,97449.21,998,05450.9
中部電力ミライズ株式会社1,339,98431.71,380,29835.1

ハ:主要燃料の受払状況
種別期首残高受入量前期比(%)払出量前期比(%)期末残高
石炭(t)1,795,25321,351,763102.9%21,638,589104.1%1,508,426
重油(kL)48,22536,45612.9%68,30020.7%16,381
LNG(t)917,20727,115,138101.1%26,631,601100.1%1,400,744


(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものである。
①経営成績等
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、緩やかな回復基調を維持した。設備投資にも緩やかな持ち直しがみられ、企業収益に改善傾向が見られている。一方で、イランを巡る中東情勢の不安定化に伴う地政学リスクなどにより、先行きには引き続き注視が必要とされている。
エネルギー業界では、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東地域での紛争の発生等により、エネルギー供給の不確実性が一段と増すとともに、各国でのエネルギー安全保障の重要性が再認識された。加えて、国連気候変動枠組条約に関し、米国がパリ協定から再離脱するなど、先進国と途上国間での気候資金をめぐる対立や脱炭素社会の実現に向けた課題が一層顕在化した年となった。
日本国内では、第7次エネルギー基本計画の具体化に向けた制度設計の議論が本格化し、供給力確保に向けた容量市場の見直し議論や長期脱炭素電源オークションの進展に加え、GX推進法の改正法案が可決され、2026年度から排出量取引制度の法制化・義務化されることが決定されるなど、成長と脱炭素の同時実現に向けた制度整備や支援策の具体化が進展している。
このような環境下、当社は「共同CEO体制」のもと、グループの総力を挙げてエネルギーの安定供給と脱炭素の両立に向けた取組みを進めた。
まず、安定供給については、火力発電の重要性が高まるなか、稼働中の火力発電設備の計画外停止の削減に努めるとともに、柔軟な運用の高度化に取り組み、安定供給の継続に努めた。加えて、CO2排出量の少ない最新鋭の設備へのリプレースによる電源の新陳代謝を着実に進めており、知多火力発電所7、8号の開発に向けた検討・準備を継続している。
燃料調達については、将来の供給源の多様化と調達柔軟性の向上に向けた取組みとして、米国からの新規調達契約の締結やカタールにおける長期のLNG売買契約の締結により、安定的な供給基盤の強化を図ったほか、変化の激しいエネルギー市場における総合的なリスク低減を目的として米国においてシェールガス開発・生産事業権益を取得した。また、子会社であるJERA Global Markets Pte. Ltd. (JERAGM)を通じ、安定調達に加えて、トレーディング機能を活用した最適化を進めることで、LNGバリューチェーン全体での競争力および安定供給の強化に取り組んだ。加えて、戦略的余剰LNG(SBL)の確保を継続的に行い、日本全体のエネルギー安全保障にも貢献した。
次に脱炭素に向けては、「JERA環境コミット2035」に基づき、クリーンエネルギー基盤の構築をさらに加速した。
再生可能エネルギーにおいては、JERA Nex Limitedを中心に開発・導入を進めるとともに、bp社との洋上風力発電事業の統合により「JERA Nex bp」を発足させ、グローバルな事業基盤の強化を図った。また、国内においても、洋上風力発電事業の開発を着実に推進している。加えて、事業環境を踏まえ、投資規律を維持しつつ厳選した投資を行うことで、中長期的な成長に向けた取組みを進めている。
火力発電のゼロエミッション化においては、碧南火力発電所におけるアンモニア燃焼の商用化に向けた取組みを着実に進めるとともに、米国における低炭素アンモニア製造プロジェクトへの参画を決定し、水素社会推進法に基づく価格差に着目した支援制度において低炭素水素等供給等事業者として認定を受けるなど、水素・アンモニアバリューチェーンの構築を具体的に推進した。同プロジェクトを起点としたアンモニアの調達・輸送体制の整備に向けた取組みを進めるとともに、発電用途における大規模利用に向けた設備や他の事業者への供給設備の整備を図るなど、製造・調達・輸送・利用の各段階を一体的に推進し、脱炭素ソリューションの実装に向けた基盤強化を図っている。
さらに、再生可能エネルギーやゼロエミッション火力を活用した付加価値の創出に向けては、JERA Crossを通じ、電力の脱炭素価値を需要家に提供する新たなビジネスモデルの構築を進めた。具体的には、株式会社良品計画と共同で再生可能エネルギー発電事業会社「MUJI ENERGY」を設立するとともに、同社が創出する環境価値を供給する仕組みを構築したほか、SMBCグループおよびヤンマーグループとの連携による地域産業の高付加価値化に向けた取組みを推進するなど、エネルギーと農林水産業の融合による価値創出に取り組んだ。
海外においては、エネルギーの安定供給と脱炭素の両立に向け、各国・地域の特性に応じたエネルギーソリューションの提供に取り組んだ(JERAとPLN EPI社によるインドネシアにおけるLNGバリューチェーン構築等に向けた共同調査等)。アジアを中心にパートナー企業との連携を通じた脱炭素化の推進や、LNGバリューチェーンの構築に向けた取組みを進めるなど、引き続き持続可能なエネルギー供給体制の構築に貢献していく。
加えて、これらの取り組みを支える経営基盤を強化するため、CEOを主査/委員長とする安全責任者会議/コンプライアンス委員会の下での3線モデルによる安全・コンプライアンス管理システムの構築・運用、デジタル戦略推進体制の構築、Job型人財マネジメントへの変革の推進等に取り組んだ。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[燃料事業]
燃料上流事業等への投資、燃料輸送・燃料トレーディング事業を行っており、燃料輸送事業を営む子会社の利益減少や燃料トレーディング事業を営む子会社利益の減少等から、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ243億円減少し983億円の利益となった。
[海外・再エネ発電事業]
海外の発電事業や国内外の再生可能エネルギーの発電事業等への投資を行っており、海外IPP事業の増益の影響等から、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ43億円増加し126億円の利益となった。
[国内火力・ガス事業]
国内における電力・ガスの販売等を行っており、燃料調達価格影響の改善等はあったものの、期ずれによる差益の減少や期首燃料在庫単価の影響等により、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ17億円減少し1,225億円の利益となった。

②キャッシュ・フローの現状の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
イ.キャッシュ・フロー等
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
(b)有利子負債
当連結会計年度末での有利子負債残高は、2兆7,760億円(うち、社債7,765億円、長期借入金1兆6,285億円、短期借入金3,509億円、コマーシャル・ペーパー200億円)となり、前連結会計年度より3,236億円減少した。
ロ.財務政策
当社グループの主要な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金である。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行による資金調達等にて対応していく方針である。
また、短期運転資金は、主に短期借入金やコマーシャル・ペーパーにより対応していく方針である。
なお、資金の短期流動性を確保する目的でコミットメントライン契約を締結している。
③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当連結会計年度は当期利益額(※「期ずれ」額除き)2,000億円という目標に対し、海外・再エネ発電事業における事業環境の厳しさ等の影響により、1,836億円と未達であった。また、ROICは、4.5%程度という目標に対し、4.4%程度と僅かながら未達であり、資本効率性をより一層高めることが課題である。一方、Net DERおよびNet Debt/ EBITDAについては、それぞれ1.0倍以下および4.5年以下という目標に対し、0.5倍程度および2.4年程度であり、財務健全性指標については目標を上回る実績となった。現時点で2035年度までに目指す水準として、当期利益3,500億円程度、ROIC-WACCスプレッド150bp以上等を掲げており、目標達成に向けて全社一丸となって取り組んで行く。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成している。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施している。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載している。

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