有価証券報告書-第16期(令和2年6月1日-令和3年5月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況が続きました。各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが続くことが期待されるものの、依然として先行きが不透明な状況にあります。その一方で、当社の主要な事業領域であるインターネット広告市場の2020年の市場規模は、前年比5.9%増の2兆2,290億円となり、総広告費は前年比11.2%減となるなかでも、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速も伴い、成長を続けています(出典:株式会社電通「2020年日本の広告費」)。
このような経済状況のもと、当社では、「『働く』を豊かにする。~B2B領域でイノベーションを起こし続ける~」をミッションに掲げ、情報流通の最適化と効果的な広告運用サービス等を提供してきました。データフィード構築のために当社がこれまでに蓄積した膨大な商品・案件等のデータとその変換・更新ノウハウをもとに、企業が持つ情報を最適な形に加工し、ターゲットユーザーに対して適切な情報を適切なタイミングで適切なデバイスに提供することを実現してまいりました。また、当社は各デジタルプラットフォーマーと良好なリレーションを構築しており、その関係を活かし当社の複数のサービスを連携させることで、企業の顧客開拓支援に留まらずユーザーとの継続的な関係強化に資する包括的な支援に努めてまいりました。営業面においては、事業拡大に伴う人員体制の強化を行い、新規取引先の開拓等の事業展開に対する販売促進活動に注力してまいりました。また、事業開発においては、既存サービスの機能拡充に加えて、新規サービスの開発及び投資にも積極的に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,587,614千円(前期比69.5%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)1,058,587千円(前期比117.0%増)、営業利益889,649千円(前期比114.0%増)、経常利益874,653千円(前期比135.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益472,889千円(前期比189.6%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(プロフェッショナルサービス事業)
主としてエンタープライズを中心とした顧客に対して、リスティング広告をはじめとするインターネット広告運用代行事業やマーケティング支援を行う「Anagrams」、プラットフォーム等への広告運用受託サービス「Feedmatic」、個々のニーズに応じたデータフィードの構築サービス「DF PLUS」、サテライトサイトを生成・自動運用するSEO支援サービス「Contents Feeder」を提供しております。
当連結会計年度においては、上期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による広告出稿額の減少が見られたものの、下期にかけては新規案件の獲得及び既存案件の広告運用額の増加に伴う増収基調で推移しました。特に「Anagrams」では、採用による人員強化にも注力し、事業計画の売上見込みを上回って推移しました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,980,963千円(前期比88.7%増)、セグメント利益791,509千円(前期比112.1%増)となりました。
(SaaS事業)
ECサイトの商品情報を元に自動で最適化した広告を出稿することができる広告配信サービス「EC Booster」、データフィードの作成、管理及び最適化を広告担当者自身で行うことができるデータフィード統合管理サービス「dfplus.io」、並びにSNS登録情報を利用したWebの会員登録・ログインやダイレクトメッセージ送信による顧客リーチのサポートサービス「ソーシャルPLUS」を提供しております。
当連結会計年度においては、「dfplus.io」及び「ソーシャルPLUS」での新規案件の獲得及び売上単価の増加により、順調に売上げを積み上げました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高601,912千円(前期比26.4%増)、セグメント利益154,818千円(前期比264.1%増)となりました。
(DX事業)
DX事業では、「テクノロジーを使ったデジタルアセット活用の基盤づくり」を通じて企業のDXを支援する新サービスを展開しております。また、2020年10月14日に、事業者のデジタル活用支援、Eコマース支援を手掛ける子会社「株式会社リワイア」を設立いたしました。
当連結会計年度においては、Shopifyを基盤としたサイト構築、Shopify向けアプリの開発やリリースを開始するなど、新事業の開発及び投資を行ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,738千円、セグメント損失56,677千円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、6,467,507千円となり、前連結会計年度末に比べ1,248,431千円増加いたしました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、4,915,413千円となり、前連結会計年度末に比べ1,387,131千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,009,261千円、売掛金が380,424千円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、1,552,094千円となり、前連結会計年度末に比べ138,700千円減少いたしました。これは主に顧客関連資産が109,400千円、のれんが47,135千円それぞれ減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、2,255,010千円となり、前連結会計年度末に比べ884,833千円増加いたしました。これは主に短期借入金が180,000千円減少した一方、買掛金が863,417千円、賞与引当金が9,782千円及び未払法人税等が102,537千円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、1,810,955千円となり、前連結会計年度末に比べ208,017千円減少いたしました。これは主に長期借入金が170,000千円、繰延税金負債が38,017千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、2,401,542千円となり、前連結会計年度末に比べ571,615千円増加いたしました。これは主に非支配株主持分が870,130千円減少した一方、資本金が16,845千円、資本剰余金が919,489千円、利益剰余金が472,889千円及び新株予約権が32,569千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は36.6%(前連結会計年度末は18.3%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、3,193,056千円(前連結会計年度比1,009,261千円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,333,735千円の収入(前連結会計年度は424,105千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額334,351千円があり、売上債権が380,424千円増加した一方、税金等調整前当期純利益の計上874,653千円及び減価償却費の計上121,803千円があり、仕入債務が863,417千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,716千円の支出(前連結会計年度は232,443千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11,726千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、312,757千円の支出(前連結会計年度は1,811,827千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入33,690千円があった一方、短期借入金の減少180,000千円、長期借入金の返済による支出170,000千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごと及びサービスごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。なお、前連結会計年度における販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績については、2020年1月に連結子会社化したアナグラム㈱の通期寄与に加え、プロフェッショナルサービス事業及びSaaS事業の各サービスでの利用企業の増加及び利用単価の上昇により、売上高2,587,614千円(前期比69.5%増)となりました。また、労務費及び人件費はアナグラムの通期寄与及び事業拡大に伴い増加したものの、営業利益は889,649千円(前期比114.0%増)となりました。
(プロフェッショナルサービス事業)
プロフェッショナルサービス事業では、売上高1,980,963千円(前期比88.7%増)、セグメント利益791,509千円(前期比112.1%増)となりました。上期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による広告出稿額の減少が見られたものの、下期にかけては新規案件の獲得及び既存案件の広告運用額の増加に伴う増収基調で推移しました。特に「Anagrams」では、採用による人員強化にも注力し、事業計画の売上見込みを上回って推移し、「Feedmatic」においてもEC事業者からの広告運用額増額や新規案件の受注により増収となりました。
当事業セグメントにおいては、当社グループが広告運用の代行及び広告用データの作成等の受託をするものであり、事業の拡大に伴い相応の人的リソースが必要となることから、当社とアナグラム㈱でのシナジー創出により取引先の拡大やオペレーション効率化に取り組み利益率の向上を図ることにより、今後の成長を目指しております。
(SaaS事業)
SaaS事業では、売上高601,912千円(前期比26.4%増)、セグメント利益154,818千円(前期比264.1%増)となりました。「dfplus.io」及び「ソーシャルPLUS」での新規案件の獲得及び売上単価の増加により、順調に売上げを積み上げました。一方、「EC Booster」では、売上高は概ね横這いで推移しました。
当事業セグメントにおいては、月額料金による継続利用に基づく収入を前提としており長期にわたる安定的な売上が期待できる構造となっていることから、新規顧客の獲得に注力するとともに、サービス連携先の拡大、新機能の追加、サポートの充実やUI/UXの改善を行うことで、利用単価の増加や継続利用を促進することにより、今後の成長を目指しております。
(DX事業)
DX事業では、売上高4,738千円、セグメント損失56,677千円となりました。2020年10月に事業者のデジタル活用支援、Eコマース支援を手掛ける子会社「株式会社リワイア」を設立し、2021年5月には国内環境に適合したShopifyアプリを提供する企業アライアンス「App Unity」を設立し、当社グループでもShopifyアプリを開発・提供を行っていく方針です。
当事業セグメントにおいては、Shopifyを基盤としたサイト構築、Shopify向けアプリ開発・提供をしており、特にShopifyアプリについてはインストール・アクティベートを促し、その後、有料プラン等への切り替えや継続利用を促進することにより、今後の成長を目指しております。
各事業セグメントにおける個別サービスの成長を評価する客観的な指標として、「当社サービスの利用案件数」を把握しており、当該指標の推移は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。特にSaaS事業における各サービスでの利用案件数は、順調に増加しております。
なお、各セグメント及び各サービスにおける売上高及び損益の推移は、以下のとおりであり、特にSaaS事業において顧客基盤の拡大に伴い、損益面でも大幅に改善しております。
(年度推移)
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(財政状態)
当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高並びにキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資本の財源及び資金の流動性については、運転資金の確保は自己資金及び金融機関からの借入によることを基本としており、将来の収益拡大が見込める開発投資や新規事業投資のために必要な資金の確保は自己資金を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況が続きました。各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが続くことが期待されるものの、依然として先行きが不透明な状況にあります。その一方で、当社の主要な事業領域であるインターネット広告市場の2020年の市場規模は、前年比5.9%増の2兆2,290億円となり、総広告費は前年比11.2%減となるなかでも、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速も伴い、成長を続けています(出典:株式会社電通「2020年日本の広告費」)。
このような経済状況のもと、当社では、「『働く』を豊かにする。~B2B領域でイノベーションを起こし続ける~」をミッションに掲げ、情報流通の最適化と効果的な広告運用サービス等を提供してきました。データフィード構築のために当社がこれまでに蓄積した膨大な商品・案件等のデータとその変換・更新ノウハウをもとに、企業が持つ情報を最適な形に加工し、ターゲットユーザーに対して適切な情報を適切なタイミングで適切なデバイスに提供することを実現してまいりました。また、当社は各デジタルプラットフォーマーと良好なリレーションを構築しており、その関係を活かし当社の複数のサービスを連携させることで、企業の顧客開拓支援に留まらずユーザーとの継続的な関係強化に資する包括的な支援に努めてまいりました。営業面においては、事業拡大に伴う人員体制の強化を行い、新規取引先の開拓等の事業展開に対する販売促進活動に注力してまいりました。また、事業開発においては、既存サービスの機能拡充に加えて、新規サービスの開発及び投資にも積極的に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,587,614千円(前期比69.5%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)1,058,587千円(前期比117.0%増)、営業利益889,649千円(前期比114.0%増)、経常利益874,653千円(前期比135.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益472,889千円(前期比189.6%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(プロフェッショナルサービス事業)
主としてエンタープライズを中心とした顧客に対して、リスティング広告をはじめとするインターネット広告運用代行事業やマーケティング支援を行う「Anagrams」、プラットフォーム等への広告運用受託サービス「Feedmatic」、個々のニーズに応じたデータフィードの構築サービス「DF PLUS」、サテライトサイトを生成・自動運用するSEO支援サービス「Contents Feeder」を提供しております。
当連結会計年度においては、上期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による広告出稿額の減少が見られたものの、下期にかけては新規案件の獲得及び既存案件の広告運用額の増加に伴う増収基調で推移しました。特に「Anagrams」では、採用による人員強化にも注力し、事業計画の売上見込みを上回って推移しました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,980,963千円(前期比88.7%増)、セグメント利益791,509千円(前期比112.1%増)となりました。
(SaaS事業)
ECサイトの商品情報を元に自動で最適化した広告を出稿することができる広告配信サービス「EC Booster」、データフィードの作成、管理及び最適化を広告担当者自身で行うことができるデータフィード統合管理サービス「dfplus.io」、並びにSNS登録情報を利用したWebの会員登録・ログインやダイレクトメッセージ送信による顧客リーチのサポートサービス「ソーシャルPLUS」を提供しております。
当連結会計年度においては、「dfplus.io」及び「ソーシャルPLUS」での新規案件の獲得及び売上単価の増加により、順調に売上げを積み上げました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高601,912千円(前期比26.4%増)、セグメント利益154,818千円(前期比264.1%増)となりました。
(DX事業)
DX事業では、「テクノロジーを使ったデジタルアセット活用の基盤づくり」を通じて企業のDXを支援する新サービスを展開しております。また、2020年10月14日に、事業者のデジタル活用支援、Eコマース支援を手掛ける子会社「株式会社リワイア」を設立いたしました。
当連結会計年度においては、Shopifyを基盤としたサイト構築、Shopify向けアプリの開発やリリースを開始するなど、新事業の開発及び投資を行ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,738千円、セグメント損失56,677千円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、6,467,507千円となり、前連結会計年度末に比べ1,248,431千円増加いたしました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、4,915,413千円となり、前連結会計年度末に比べ1,387,131千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,009,261千円、売掛金が380,424千円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、1,552,094千円となり、前連結会計年度末に比べ138,700千円減少いたしました。これは主に顧客関連資産が109,400千円、のれんが47,135千円それぞれ減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、2,255,010千円となり、前連結会計年度末に比べ884,833千円増加いたしました。これは主に短期借入金が180,000千円減少した一方、買掛金が863,417千円、賞与引当金が9,782千円及び未払法人税等が102,537千円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、1,810,955千円となり、前連結会計年度末に比べ208,017千円減少いたしました。これは主に長期借入金が170,000千円、繰延税金負債が38,017千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、2,401,542千円となり、前連結会計年度末に比べ571,615千円増加いたしました。これは主に非支配株主持分が870,130千円減少した一方、資本金が16,845千円、資本剰余金が919,489千円、利益剰余金が472,889千円及び新株予約権が32,569千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は36.6%(前連結会計年度末は18.3%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、3,193,056千円(前連結会計年度比1,009,261千円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,333,735千円の収入(前連結会計年度は424,105千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額334,351千円があり、売上債権が380,424千円増加した一方、税金等調整前当期純利益の計上874,653千円及び減価償却費の計上121,803千円があり、仕入債務が863,417千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,716千円の支出(前連結会計年度は232,443千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11,726千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、312,757千円の支出(前連結会計年度は1,811,827千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入33,690千円があった一方、短期借入金の減少180,000千円、長期借入金の返済による支出170,000千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごと及びサービスごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) | 前年同期比(%) |
プロフェッショナルサービス事業 | ||
Anagrams(千円) | 1,499,653 | 252.9% |
Feedmatic(千円) | 295,791 | 109.9% |
DF PLUS(千円) | 166,814 | 105.3% |
その他(千円) | 18,703 | 63.3% |
計(千円) | 1,980,963 | 188.7% |
SaaS事業 | ||
EC Booster(千円) | 61,937 | 107.0% |
dfplus.io(千円) | 173,781 | 136.6% |
ソーシャルPLUS(千円) | 366,194 | 125.8% |
計(千円) | 601,912 | 126.4% |
DX事業 | ||
計(千円) | 4,738 | - |
合計(千円) | 2,587,614 | 169.5% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。なお、前連結会計年度における販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため、記載を省略しております。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
㈱NTTドコモ | - | - | 329,157 | 12.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績については、2020年1月に連結子会社化したアナグラム㈱の通期寄与に加え、プロフェッショナルサービス事業及びSaaS事業の各サービスでの利用企業の増加及び利用単価の上昇により、売上高2,587,614千円(前期比69.5%増)となりました。また、労務費及び人件費はアナグラムの通期寄与及び事業拡大に伴い増加したものの、営業利益は889,649千円(前期比114.0%増)となりました。
(プロフェッショナルサービス事業)
プロフェッショナルサービス事業では、売上高1,980,963千円(前期比88.7%増)、セグメント利益791,509千円(前期比112.1%増)となりました。上期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による広告出稿額の減少が見られたものの、下期にかけては新規案件の獲得及び既存案件の広告運用額の増加に伴う増収基調で推移しました。特に「Anagrams」では、採用による人員強化にも注力し、事業計画の売上見込みを上回って推移し、「Feedmatic」においてもEC事業者からの広告運用額増額や新規案件の受注により増収となりました。
当事業セグメントにおいては、当社グループが広告運用の代行及び広告用データの作成等の受託をするものであり、事業の拡大に伴い相応の人的リソースが必要となることから、当社とアナグラム㈱でのシナジー創出により取引先の拡大やオペレーション効率化に取り組み利益率の向上を図ることにより、今後の成長を目指しております。
(SaaS事業)
SaaS事業では、売上高601,912千円(前期比26.4%増)、セグメント利益154,818千円(前期比264.1%増)となりました。「dfplus.io」及び「ソーシャルPLUS」での新規案件の獲得及び売上単価の増加により、順調に売上げを積み上げました。一方、「EC Booster」では、売上高は概ね横這いで推移しました。
当事業セグメントにおいては、月額料金による継続利用に基づく収入を前提としており長期にわたる安定的な売上が期待できる構造となっていることから、新規顧客の獲得に注力するとともに、サービス連携先の拡大、新機能の追加、サポートの充実やUI/UXの改善を行うことで、利用単価の増加や継続利用を促進することにより、今後の成長を目指しております。
(DX事業)
DX事業では、売上高4,738千円、セグメント損失56,677千円となりました。2020年10月に事業者のデジタル活用支援、Eコマース支援を手掛ける子会社「株式会社リワイア」を設立し、2021年5月には国内環境に適合したShopifyアプリを提供する企業アライアンス「App Unity」を設立し、当社グループでもShopifyアプリを開発・提供を行っていく方針です。
当事業セグメントにおいては、Shopifyを基盤としたサイト構築、Shopify向けアプリ開発・提供をしており、特にShopifyアプリについてはインストール・アクティベートを促し、その後、有料プラン等への切り替えや継続利用を促進することにより、今後の成長を目指しております。
各事業セグメントにおける個別サービスの成長を評価する客観的な指標として、「当社サービスの利用案件数」を把握しており、当該指標の推移は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。特にSaaS事業における各サービスでの利用案件数は、順調に増加しております。
なお、各セグメント及び各サービスにおける売上高及び損益の推移は、以下のとおりであり、特にSaaS事業において顧客基盤の拡大に伴い、損益面でも大幅に改善しております。
(年度推移)
第12期事業年度 (自 2016年6月1日 至 2017年5月31日) | 第13期事業年度 (自 2017年6月1日 至 2018年5月31日) | 第14期事業年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) | 第15期連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) | 第16期連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) | |
プロフェッショナルサービス事業 | |||||
Anagrams 売上高(千円) | - | - | - | 592,872 | 1,499,653 |
Feedmatic 売上高(千円) | 134,110 | 171,778 | 188,617 | 269,194 | 295,791 |
DF PLUS 売上高(千円) | 155,491 | 177,787 | 174,679 | 158,425 | 166,814 |
その他 売上高(千円) | 104,256 | 51,378 | 36,548 | 29,535 | 18,703 |
計(千円) | 393,857 | 400,944 | 399,845 | 1,050,028 | 1,980,963 |
セグメント損益(千円) | 125,926 | 138,849 | 111,908 | 373,214 | 791,509 |
SaaS事業 | |||||
EC Booster 売上高(千円) | - | 590 | 26,894 | 57,903 | 61,937 |
dfplus.io 売上高(千円) | 1,570 | 23,635 | 64,367 | 127,176 | 173,781 |
ソーシャルPLUS 売上高(千円) | 90,864 | 136,978 | 209,025 | 291,176 | 366,194 |
計(千円) | 92,434 | 161,204 | 300,287 | 476,256 | 601,912 |
セグメント損益(千円) | △154,750 | △164,478 | △66,046 | 42,523 | 154,818 |
DX事業 | |||||
売上高計(千円) | - | - | - | - | 4,738 |
セグメント損益(千円) | - | - | - | - | △56,677 |
全社 | |||||
売上高(千円) | 486,291 | 562,148 | 700,133 | 1,526,284 | 2,587,614 |
営業損益(千円) | △28,824 | △25,628 | 45,861 | 415,737 | 889,649 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(財政状態)
当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高並びにキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資本の財源及び資金の流動性については、運転資金の確保は自己資金及び金融機関からの借入によることを基本としており、将来の収益拡大が見込める開発投資や新規事業投資のために必要な資金の確保は自己資金を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。