有価証券報告書-第39期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 10:21
【資料】
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【項目】
141項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は下記のとおりとなります。
①財政状態の状況
(資産)
資産は、前連結会計年度末に比べ1,478百万円減少し、26,994百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少2,097百万円、商品の減少679百万円が、のれんの増加1,473百万円を上回ったことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ471百万円増加し、23,781百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加2,182百万円、短期借入金の増加749百万円が、買掛金の減少2,489百万円を上回ったことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,949百万円減少し、3,212百万円となり自己資本比率は11.9%となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少1,601百万円及び利益剰余金の配当による減少384百万円によるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の抑制により消費活動は著しく停滞し、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通業界におきましても、2020年5月の緊急事態宣言解除後、一時的に個人消費の回復の兆しがあったものの、11月以降の新型コロナウイルス感染症の再拡大は、緊急事態宣言の再発出、それに伴う飲食店への営業時間短縮の再要請に至り、その影響は2021年3月後半まで続きました。また感染拡大防止策に伴う外出自粛、在宅勤務などによる外食機会の減少は、家飲みの増加や個人飲食店を中心としたニーズも高めており、当社グループを取り巻く経営環境を著しく変化させております。
このような状況のなか、当社グループは「お客様のご要望になんでも応えたい」という基本コンセプトのもと、お客様と従業員の徹底した感染防止策を取りながら、当社グループの持続的成長のための経営戦略立案や事業拡大に伴うМ&A、グループ共通業務の集約化による経営インフラの強化・効率化に取り組んでおります。今後も中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現を目指して、さまざまなサービスの提供に積極的に取り組んでまいります。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高80,226百万円(前連結会計年度比26.1%減)、営業損失2,602百万円(前連結会計年度は営業利益1,259百万円)、経常損失1,728百万円(前連結会計年度は経常利益1,259百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,601百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益513百万円)となりました。
売上区分別の状況につきましては、構成比が「業務用」53.1%、「宅配」24.4%、「POS」22.2%、「卸その他」0.3%となりました。
「業務用」の売上高は、42,593百万円(前連結会計年度比44.6%減)となり、顧客数・客単価ともに前連結会計年度を下回りました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策による緊急事態宣言の発出、飲食店への営業時間短縮要請は、当社得意先からの注文量にも大きく影響を与えております。
「宅配」の売上高は、19,545百万円(前連結会計年度比21.9%増)となりました。新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施に伴う家庭内消費の需要増加に伴い、チラシやインターネット上での情報発信による家庭向け配達サービスの認知拡大や利用の促進、また配達体制の確保に努めたことで顧客数は前連結会計年度を上回りました。客単価は、納会や花見等の大人数が集まるようなイベント自粛の影響により前連結会計年度を下回りました。
「POS(注)」の売上高は、17,825百万円(前連結会計年度比16.5%増)となりました。新型コロナウイルスの感染拡大防止策の実施に伴う影響から家飲み需要が増加し、酒類のほか食品や備蓄品等の新規商品の販売が好調に推移したこともあり顧客数・客単価ともに前連結会計年度を上回りました。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注)POSとは「Point of sale system」(販売時点情報管理システム)の略であり、お客様来店時のPOS レジ購入売上を指します。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,525百万円となり、前連結会計年度末に比べ964百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,634百万円(前連結会計年度は1,945百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費684百万円、売上債権の減少額2,735百万円、たな卸資産の減少額889百万円、助成金の受取額541百万円等の増加要因が、税金等調整前当期純損失1,888百万円、仕入債務の減少額3,368百万円、法人税等の支払額486百万円等の減少要因を下回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,385百万円(前連結会計年度は1,195百万円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入486百万円等の増加要因が、固定資産の取得による支出412百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,330百万円等の減少要因を下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は2,055百万円(前連結会計年度は899百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額394百万円、長期借入れによる収入3,013百万円等の増加要因が、長期借入金の返済による支出825百万円、配当金の支払額384百万円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
酒類販売事業(百万円)62,46271.7
合計62,46271.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
酒類販売事業(百万円)80,22673.9
合計80,22673.9

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.販売実績の4つの区分の「業務用」、「宅配」、「POS」、「卸その他」別の売上は以下の通りです。
区分名当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
業務用 (百万円)42,59355.4
宅配 (百万円)19,545121.9
POS (百万円)17,825116.5
卸その他(百万円)26273.8
合計80,22673.9

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損については、新型コロナウイルス感染症の影響について、入手可能な情報を基に合理的に見積り、数値を反映しております。
イ.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」及び社内で定める基準等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、機関決定された利益計画等を基礎にその実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。
ロ.固定資産の減損
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当連結会計年度において営業活動から生じる損益がマイナスとなった資産グループについて、将来キャッシュ・フローに基づく評価額がマイナスであると仮定して、減損損失を計上しております。
重要な会計上の見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、自社直営の店舗と店頭販売を行わない小型倉庫拠点及び業務用センターを組み合わせた配達網の構築への投資を積極的に行い、継続的な事業成長を実現いたしました。
また、売上高の拡大に向けて、顧客数増加の各種施策に取り組んでまいりました。業務用販売におきましては取引先の維持及び新規顧客の獲得に取り組むととともに、家庭用販売においては顧客接点の拡大に向けて新規店舗の出店やWEBサイトの利便性向上を継続して行ってまいりました。新規出店につきましては、既存店舗との相乗効果や配達効率を考慮して、効率的な配達ネットワークを構築し、売上成長を加速してまいります。
なお、経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資等に充当しております。