有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/01/24 15:00
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【項目】
137項目
(1) 経営成績等の状況
当社は2018年4月2日に株式移転により株式会社Kids Smile Projectの完全親会社として設立し、当連結会計年度が第1期となるため、前年同期との比較は行っておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断しているものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
第1期連結会計年度(自 2018年4月2日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、不安定な国際情勢により先行き不透明感があったものの、政府による景気対策を背景に企業収益や雇用情勢に改善の兆しが見られる等、緩やかな回復基調で推移してまいりました。
このような環境の中、女性の社会進出を背景として保育需要が増加しており、保育士の確保や保育所の用地の確保に課題が多い都市部は、引き続き深刻な待機児童問題が続いております。こうした保育需要増加に対応するため、政府は受け皿の拡大のため保育士の確保と処遇改善に更に取り組む方針「子育て安心プラン」を示しております。
このような状況のもと、当社グループは認可保育所の開設を推進し、2018年4月に東京都に11園、神奈川県に1園を新規開園したほか、2018年6月に東京都に1園を新規開園しました。その結果、当連結会計年度における保育所の数は、認可保育所32園、プレスクール一体型保育所4園となりました。
以上により、当連結会計年度の売上高は5,326百万円、営業損失は132百万円、経常利益は1,965百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,272百万円となりました。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、堅実な企業業績を背景に、緩やかな回復基調を維持しております。しかしながら、米中貿易摩擦の激化による世界経済の不確実性や消費税増税に伴う個人消費等への影響が懸念される等、先行き不透明な状況となっております。
このような環境の中、女性の社会進出に対する意識の変化や政府による女性の活躍推進等を背景に保育需要は増加し、待機児童問題は引き続き深刻化しております。
政府はこうした保育需要増加に対応するため、保育士確保や保育所整備の施策を進めており、2020年度末までに32万人分の保育の受け皿を確保する方針「子育て安心プラン」を示しております。また、2019年10月からの幼児教育・保育の無償化の実施により、保育所への入所希望者が増加することが想定される等、保育所の新設に対する需要は当面続くものと考えております。
このような状況のもと、当社グループは保育サービスの更なる向上に努めるとともに、認可保育所の開設を推進し、当第2四半期連結累計期間において、東京都に13園、幼児教室を1園新規開設いたしました。その結果、当第2四半期連結累計期間末における運営施設の数は、認可保育所45園、プレスクール一体型保育所4園、幼児教室1園の計50園となりました。
上記の結果、当第2四半期連結累計期間は、売上高3,438百万円、営業損失306百万円、経常利益1,770百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,111百万円となりました。
b.資産、負債及び純資産の状況
第1期連結会計年度(自 2018年4月2日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における総資産は、9,075百万円となりました。その内訳は以下のとおりとなります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、1,486百万円となりました。主な内訳は現金及び預金702百万円、前払費用309百万円、未収入金437百万円等であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、7,589百万円となりました。主な内訳は建物及び構築物(純額)3,988百万円、建設仮勘定2,672百万円、長期前払費用538百万円、敷金及び保証金289百万円等であります。
当連結会計年度末における負債は、6,460百万円となりました。その内訳は以下のとおりとなります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、3,996百万円となりました。主な内訳は短期借入金2,106百万円、1年内返済予定の長期借入金864百万円、未払金402百万円、未払費用335百万円等であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、2,463百万円となりました。主な内訳は長期借入金1,153百万円、繰延税金負債1,084百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,615百万円となりました。主な内訳は資本金100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金2,514百万円等であります。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、9,319百万円(前連結会計年度末は9,075百万円)となり、前連結会計年度末に比べ243百万円増加しました。その内訳は以下のとおりとなります。
(流動資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、1,256百万円(前連結会計年度末は1,486百万円)となり、前連結会計年度末に比べ230百万円減少しました。主な内訳は現金及び預金432百万円、前払費用232百万円、未収入金551百万円等であります。
(固定資産)
当第2四半期連結会計期間末における固定資産は、8,063百万円(前連結会計年度末は7,589百万円)となり、前連結会計年度末に比べ473百万円増加しました。主な内訳は建物及び構築物(純額)6,036百万円、建設仮勘定745百万円、長期前払費用692百万円、敷金及び保証金383百万円等であります。
当第2四半期連結会計期間末における負債は、5,591百万円(前連結会計年度末は6,460百万円)となり、前連結会計年度末に比べ868百万円減少しました。その内訳は以下のとおりとなります。
(流動負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、2,491百万円(前連結会計年度末は3,996百万円)となり、前連結会計年度末に比べ1,505百万円減少しました。主な内訳は短期借入金1,227百万円、1年内返済予定の長期借入金619百万円、未払金337百万円、未払費用101百万円等であります。
(固定負債)
当第2四半期連結会計期間末における固定負債は、3,100百万円(前連結会計年度末は2,463百万円)となり、前連結会計年度末に比べ636百万円増加しました。主な内訳は長期借入金983百万円、繰延税金負債1,725百万円等であります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、3,727百万円(前連結会計年度末は2,615百万円)となり、前連結会計年度末に比べ1,111百万円増加しました。主な内訳は資本金100百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金3,626百万円等であります。
② キャッシュ・フローの状況
第1期連結会計年度(自 2018年4月2日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13百万円減少し、696百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,649百万円となりました。
主な内訳は、法人税等の支払額67百万円等の減少要因があったものの、補助金の受取額2,338百万円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,749百万円となりました。
主な内訳は、定期預金の減少額9百万円等の増加要因があったものの、認可保育所等の新規開設による有形固定資産の取得による支出2,610百万円並びに敷金及び保証金の差入による支出87百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、86百万円となりました。
主な内訳は、短期借入金の純減少額309百万円及び長期借入金の返済による支出369百万円等の減少要因があったものの、認可保育所等の新規開設に伴う長期借入れによる収入766百万円等の増加要因があったことによるものであります。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ269百万円減少し、427百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,041百万円となりました。
主な内訳は、法人税等の支払額63百万円等の減少要因があったものの、補助金の受取額2,112百万円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,018百万円となりました。
主な内訳は、認可保育所等の新規開設に伴う有形固定資産の取得による支出1,013百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,293百万円となりました。
主な内訳は、認可保育所等の新規開設に伴う長期借入れによる収入405百万円等の増加要因があったものの、短期借入金の純減少額878百万円及び長期借入金の返済による支出821百万円等の減少要因があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b 受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
c 販売実績
第1期連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは幼児教育事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
幼児教育事業5,326,776
合計5,326,776

(注) 1.2018年4月2日に株式移転により株式会社Kids Smile Projectの完全親会社として設立し、当連結会計年度が第1期となるため、前年同期比は記載しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第1期連結会計年度
(自 2018年4月2日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)割合(%)
品川区1,320,69824.8

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
第2期第2四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは幼児教育事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
幼児教育事業3,438,631
合計3,438,631

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第2期第2四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
販売高(千円)割合(%)
品川区675,73619.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社は2018年4月2日に株式移転により株式会社Kids Smile Projectの完全親会社として設立されました。このため、当連結会計年度が第1期となるため、前年同期との比較分析は行っておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、一定の会計基準の範囲内で見積りが認められている部分があり、資産及び負債、並びに収益及び費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
第1期連結会計年度(自 2018年4月2日 至 2019年3月31日)
(売上高)
当連結会計年度における売上高は5,326百万円となりました。これは、2018年4月に認可保育所を東京都に11園、神奈川県に1園を新規開園したほか、2018年6月に東京都に1園を新規開園したことにより、施設数が認可保育所32園、プレスクール一体型保育所4園となったことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、認可保育所の施設数の増加及び新規開設等に伴い4,589百万円となりました。主な内訳は、給与及び手当1,755百万円、地代家賃729百万円等であります。この結果、売上総利益は737百万円となり、売上総利益率は13.9%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、認可保育所の新規開設に伴う採用費及び本社人員等を増加させたことによる人件費等の計上に伴い870百万円となりました。主な内訳は、役員報酬101百万円、給与及び手当188百万円、採用費217百万円等であります。この結果、営業損失は132百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は2,179百万円となり、主な内訳は補助金収入2,177百万円等であります。営業外費用は80百万円となり、主な内訳は支払利息27百万円及び支払手数料51百万円等であります。この結果、経常利益は1,965百万円となり、売上高経常利益率は36.9%となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は1百万円となり、主な内訳は固定資産売却益1百万円であります。特別損失は13百万円となり、主な内訳は退職給付費用13百万円であります。また法人税等合計(法人税等調整額を含む)は681百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,272百万円となりました。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
(売上高)
当第2四半期連結累計期間における売上高は3,438百万円となりました。これは、2019年4月に認可保育所を東京都に10園、2019年6月に東京都に2園、2019年7月に東京都に1園を新規開園したほか、2019年9月に幼児教室を東京都に1園を新規開園したことにより、施設数が認可保育所45園、プレスクール一体型保育所4園、幼児教室1園となったことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期連結累計期間における売上原価は、認可保育所の施設数の増加及び新規開設等に伴い3,120百万円となりました。主な内訳は、給与及び手当1,132百万円、地代家賃506百万円等であります。この結果、売上総利益は318百万円となり、売上総利益率は9.3%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当第2四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、認可保育所の新規開設に伴う採用費及び本社人員等を増加させたことによる人件費等の計上に伴い624百万円となりました。主な内訳は、役員報酬59百万円、給与及び手当114百万円、採用費246百万円等であります。この結果、営業損失は306百万円となりました。
(営業外収益、営業外損失及び経常利益)
当第2四半期連結累計期間における営業外収益は2,113百万円となり、主な内訳は補助金収入2,112百万円等であります。営業外費用は36百万円となり、主な内訳は支払利息14百万円及び支払手数料20百万円等であります。この結果、経常利益は1,770百万円となり、売上高経常利益率は51.5%となりました。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第2四半期連結累計期間における法人税等合計(法人税等調整額を含む)は658百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,111百万円となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、今後の中長期的な成長に向けて、事業基盤強化のための投資等を推進していきたいと考えております。資金需要のうち短期運転資金につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの短期借入にて、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入等にて対応していくこととしております。
なお、資金の流動性については、金融情勢等を勘案しながら、現金及び現金同等物の残高が適正になるように努めてまいります。
c.経営者の問題意識と今後の方針について
2019年10月より幼児教育の無償化が始まることで、子育て世帯の可処分所得の増加等に伴い、保育所の入所者数の増加が見込まれ、保育士の確保や保育所用地の確保に課題が多い都市部は、引き続き深刻な待機児童問題が続いていくと見込まれます。
そのような状況のもと当社グループは、「教育を通じて社会に貢献する」を経営方針として、東京都、神奈川県等首都圏を中心とした認可保育所の新設、プレスクール一体型保育所の未就学児を対象とする教育サービスの拡充、またそのノウハウを活かし、非認知能力育成を目的としたモンテッソーリや英語、体操、受験対策に力を入れた幼児教室の新展開、就学児を対象とする学童・アフタースクールの展開等対象年齢層の拡大、新たな教育サービスの展開を進めていくことや、既存事業のフランチャイズ化による提供サービスの拡大、海外展開、同業・関連業種とのアライアンスやM&Aも検討することで企業価値の向上を図ってまいります。
d.経営戦略の現状と見直し
第1期連結会計年度におきましては、順調に業績が推移し、この実績をもとに2020年3月期からの中期計画を策定し、持続的な成長のため、幼児教育を提供するインフラとしての認可保育所の拡大、幼児教育及び教育に関連する新規事業の立ち上げ等領域の拡大を図り、収益の最大化を目指してまいります。