有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/01/30 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
97項目
第2期連結会計年度及び第3期第2四半期連結累計期間における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
第2期連結会計年度(自 2018年6月1日 至 2019年5月31日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善傾向が持続しており、個人消費は引き続き堅調に推移しました。総雇用者所得は緩やかな増加が持続しており、金融緩和政策と政府の大規模な経済対策により、今後も景気の拡大傾向は持続するものとみられております。しかしながら、米中貿易摩擦の影響を受けた世界経済の緩やかな減速を背景に、中国向けを中心に輸出の伸び悩みが続く見込みもあり、景気の先行きについては不透明感が拭えない状況でもあります。
葬儀業界におきましては、高齢者人口の増加に伴って潜在需要を示す死亡者人口が今後20年間にわたり年々増加すると推計されており、今後の葬儀件数増大が見込まれていますが、一方で核家族化の進展等により葬儀単価は下落する傾向にあります。また、既存の同業他社のみならず異業種から新規参入した事業者との競争も激しさを増しております。(注)1
そういった事業環境の構造的な変化の中、当連結会計年度におきましては、既存のエリアにおける葬儀需要を更に取り込むために、新規の直営ホールを5ホール(北海道支社1ホール、千葉支社2ホール、愛知支社2ホール)オープンし、直営ホール数が合計74ホールとなりました。(注)2
当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりであります。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度に比して776,279千円増加し、7,193,505千円(前年同期比12.1%増)となりました。これは2018年4月に連結子会社化した株式会社花駒の売上収益が当連結会計年度から連結の売上収益に加わったこと、及び前連結会計年度にオープンした直営の7ホールの収益が通年で寄与したこと等が要因であります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は前連結会計年度に比して531,753千円増加し、4,421,631千円(前年同期比13.7%増)となりました。これは売上収益に比例する直接原価が増加したこと、売上収益増を実現するために葬儀に携わる従業員を採用し労務費が増加したこと、ホール数増加に伴って減価償却費が増加したこと等が要因であります。
以上の結果、売上総利益は前連結会計年度に比して244,525千円増加し、2,771,873千円(前年同期比9.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比して136,211千円増加し、1,949,472千円(前年同期比7.5%増)となりました。これは売上収益増を実現するために広告宣伝費を増加させたこと等が要因であります。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比して171,214千円増加し、813,188千円(前年同期比26.7%増)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前当期利益)
当連結会計年度の金融費用は前連結会計年度に比して20,597千円増加し、196,958千円(前年同期比11.7%増)となりました。これはLBOローンの契約内容を見直すリファイナンスに伴うアレンジメントフィーが発生したことが要因であります。
以上の結果、税引前当期利益は前連結会計年度に比して150,616千円増加し、616,237千円(前年同期比32.3%増)となりました。
(法人所得税費用、当期利益、親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の法人所得税費用は前連結会計年度に比して37,534千円増加し、209,791千円(前年同期比21.8%増)となりました。これは税引前当期利益の増加に伴い課税所得が増加したことが要因であります。
以上の結果、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも前連結会計年度に比して113,082千円増加し、406,446千円(前年同期比38.5%増)となりました。
第3期第2四半期連結累計期間(自 2019年6月1日 至 2019年11月30日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善傾向が持続しており、景気は緩やかな回復基調をみせていますが、消費税増税による消費の減衰や世界経済の減速など、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
葬儀業界におきましては、高齢者人口の増加に伴う葬儀件数増大が見込まれていますが、一方で核家族化の進展等により葬儀単価は下落する傾向にあります。そういった事業環境の構造的な変化の中でも当社グループは、お客様に「ご家族の意向を汲んだ、ご家族のためのご葬儀」を提供できるよう、徹底的にお客様のお気持ちに耳を傾け、ご家族の故人に対する弔いの心情を理解し、お客様ごとに異なるそれらの想いを葬儀に表現する「オリジナルプラン」を訴求していくことなど、葬儀施行業を中心にネット集客業にも注力しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、「来館からのご依頼数(注)3」「ウェブからの事後入電数(注)4」「オリジナルプラン葬儀件数(注)5」の3つを業績向上につながる重要業績評価指標(KPI)と位置づけ、これら数値を向上させる施策を通じて、葬儀件数の増加及び葬儀単価の維持・向上に取り組んでまいりました。その結果、葬儀件数と仲介件数を合わせた葬儀取扱件数が4,132件となり、前年同期比で573件増加いたしました。また葬儀売上を葬儀件数で割った単価は969千円となり、前年同期比で23千円減少いたしました。
なお、各拠点別の取扱件数の内訳は、下記のとおりとなります。
(葬儀取扱の状況)
区分拠点展開
都道府県
取扱件数
当第2四半期
連結累計期間
前第2四半期
連結累計期間
増 減前連結
会計年度
葬儀施行業
(葬儀件数)
北海道支社北海道49344944944
千葉支社千葉県6415391021,144
愛知支社愛知県42736661784
宮崎支社宮崎県698622761,325
熊本支社熊本県46141843863
都市総合支社東京都
神奈川県
埼玉県
6565131431,097
(株)花駒京都府288288-599
葬儀件数 計3,6643,1954696,756
ネット集客業
(仲介件数)
都市総合支社29道府県468364104793
取扱件数 合計4,1323,5595737,549

また、出店の状況につきましては、7月に「ファミーユ共和」(愛知県大府市)、8月に「ファミーユ久世」(京都市南区)、9月に「ファミーユ桜ヶ丘別館」(宮崎県宮崎市)及び「ファミーユ柏十余二」(千葉県柏市)と、新規の直営ホールを4ホール開業いたしました。この結果、当第2四半期連結会計期間末における直営ホール数が合計78ホールとなりました。(注)2
当第2四半期連結累計期間の経営成績の状況は以下のとおりであります。
(売上収益)
当第2四半期連結累計期間の売上収益は前第2四半期連結累計期間に比して387,219千円増加し、3,829,072千円(前年同期比11.3%増)となりました。これは前連結会計年度にオープンした直営の5ホールの収益が通年で寄与したこと、ウェブプロモーションの強化に伴い委託モデルの葬儀件数が前第2四半期連結累計期間比で増加したこと等が要因であります。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期連結累計期間の売上原価は前第2四半期連結累計期間に比して229,515千円増加し、2,378,740千円(前年同期比10.7%増)となりました。これは売上収益に比例する直接原価が増加したこと、ホール数増加に伴って減価償却費が増加したこと等が要因であります。
以上の結果、売上総利益は前第2四半期連結累計期間に比して157,703千円増加し、1,450,331千円(前年同期比12.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は前第2四半期連結累計期間に比して123,630千円増加し、1,069,042千円(前年同期比13.1%増)となりました。これは上場のための一時費用が増加したこと、及び上場に向けた体制充実により人件費が増加したこと等が要因であります。
当第2四半期連結累計期間のその他の費用は前第2四半期連結累計期間に比して10,575千円減少し、4,430千円(前年同期比70.5%減)となりました。これはホール設備の更新に伴う固定資産除却費用が減少したことが要因であります。
以上の結果、営業利益は前第2四半期連結累計期間に比して46,632千円増加し、380,708千円(前年同期比14.0%増)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前四半期利益)
当第2四半期連結累計期間の金融費用は前第2四半期連結累計期間に比して12,718千円減少し、77,937千円(前年同期比14.0%減)となりました。これはLBOローンの契約内容を見直すリファイナンスを実行したことに伴い借入利息支払額が減少したことが要因であります。
以上の結果、税引前四半期利益は前第2四半期連結累計期間に比して59,590千円増加し、303,014千円(前年同期比24.5%増)となりました。
(法人所得税費用、四半期利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益)
当第2四半期連結累計期間の法人所得税費用は前連結会計年度に比して23,351千円増加し、106,358千円(前年同期比28.1%増)となりました。これは税引前四半期利益の増加に伴い課税所得が増加したことが要因であります。
以上の結果、当期利益及び親会社の所有者に帰属する四半期利益は、いずれも前第2四半期連結累計期間に比して36,240千円増加し、196,656千円(前年同期比22.6%増)となりました。
(注)1.死亡者人口の推移は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口 平成29年推計」より
2.2019年12月31日現在の直営ホール数は合計79ホールとなっております。
3.来館からのご依頼数とは、葬儀相談のためにホールに来館頂き、そこから受注につながった件数で、件数増加の指標としております。
4.ウェブからの事後入電数とは、故人が逝去された後(事後)にご遺族が当社グループのウェブサイトを閲覧し、表示された電話番号から問い合わせや相談を受けた件数で、件数増加の指標としております。
5.オリジナルプラン葬儀件数とは、通常のセットプランよりも高額の葬儀単価が見込めるオリジナルプランの受注件数で、葬儀単価上昇の指標としております。
② 財政状態の状況
第2期連結会計年度(自 2018年6月1日 至 2019年5月31日)
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ238,693千円増加し、920,559千円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の増加219,021千円、営業債権及びその他の債権の増加20,333千円等によるものであります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べ981,658千円増加し、15,756,944千円となりました。これは主として、有形固定資産、使用権資産の増加979,796千円等によるものであります。この結果、資産は、前連結会計年度末に比べ1,220,351千円増加し、16,677,503千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ101,073千円減少し、1,676,960千円となりました。これは主として、未払法人所得税の減少147,853千円、リース負債の増加74,095千円等によるものであります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べ909,255千円増加し、11,731,853千円となりました。これは主として、リース負債の増加819,725千円、借入金の増加59,495千円等によるものであります。この結果、負債は、前連結会計年度末に比べ808,181千円増加し、13,408,813千円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末に比べ412,169千円増加し、3,268,689千円となりました。これは主として、当期利益の計上に伴う利益剰余金の増加406,446千円等によるものであります。
第3期第2四半期連結累計期間(自 2019年6月1日 至 2019年11月30日)
当第2四半期連結会計期間末における資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ49,838千円増加し、970,397千円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が33,937千円増加したためであります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べ312,617千円増加し、16,069,561千円となりました。これは主として、有形固定資産が130,215千円、使用権資産が158,136千円それぞれ増加したためであります。その結果、資産は、前連結会計年度末に比べ362,455千円増加し、17,039,958千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ123,458千円増加し、1,800,418千円となりました。これは主として、未払法人所得税が56,816千円増加したためであります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べ41,704千円増加し、11,773,557千円となりました。これは主として、リース負債が144,511千円増加した一方で、借入金が115,231千円減少したためであります。その結果、負債は、前連結会計年度末に比べ165,162千円増加し、13,573,975千円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末に比べ197,293千円増加し、3,465,982千円となりました。これは主として、四半期利益の計上に伴う利益剰余金の増加196,657千円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第2期連結会計年度(自 2018年6月1日 至 2019年5月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ219,021千円増加し、696,823千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は1,233,294千円(前年同期比94,746千円減)となりました。これは主に、税引前当期利益が616,237千円であったことや減価償却費及び償却費910,392千円を計上した一方で、法人所得税の支払305,237千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は488,072千円(前年同期比395,042千円減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出415,706千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は526,201千円(前年同期比310,710千円減)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出576,201千円があったこと等によるものであります。
第3期第2四半期連結累計期間(自 2019年6月1日 至 2019年11月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ33,937千円増加し、730,760千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は765,502千円(前年同期比334,410千円増)となりました。これは主に、税引前四半期利益が303,014千円であったことや減価償却費及び償却費494,216千円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は305,648千円(前年同期比68,964千円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出264,280千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は425,916千円(前年同期比231,800千円増)となりました。これは、リース負債の返済による支出315,916千円及び長期借入金の返済による支出110,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループでは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
第2期連結会計年度及び第3期第2四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
収益計上区分第2期連結会計年度
(自 2018年6月1日
至 2019年5月31日)
第3期第2四半期連結累計期間
(自 2019年6月1日
至 2019年11月30日)
売上収益(千円)前年同期比(%)売上収益(千円)
葬儀売上6,662,690113.03,550,958
仲介手数料収入427,329113.4237,312
その他のサービス103,48671.440,800
合 計7,193,505112.13,829,072

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.売上収益は千円未満切り捨てにより表示しております。
3.総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
4. 当社グループは、葬儀事業の単一セグメントであるため、収益計上区分別の売上収益(IFRS基準)を記載しております。
d.葬儀請負の状況
当社グループは、葬儀施行業の拠点を以下のとおり設けております。ネット集客業と合わせた第1期連結会計年度及び第2期連結会計年度の各拠点別の取扱件数の内訳は、下記のとおりとなります。
(葬儀取扱の状況)
区分拠点展開
都道府県
取扱件数
第1期連結会計年度
(自 2017年6月1日
至 2018年5月31日)
第2期連結会計年度
(自 2018年6月1日
至 2019年5月31日)
増 減
葬儀施行業
(葬儀件数)
北海道支社北海道810944134
千葉支社千葉県1,0761,14468
愛知支社愛知県76078424
宮崎支社宮崎県1,3201,3255
熊本支社熊本県81986344
都市総合支社東京都
神奈川県
埼玉県
1,0931,0974
株式会社花駒京都府-599599
葬儀件数 計5,8786,756878
ネット集客業
(仲介件数)
都市総合支社29道府県78179312
取扱件数 合計6,6597,549890

(注)ネット集客業における仲介件数とは、当社グループのウェブサイトから葬儀の申込を受け、提携葬儀社及び代理店に仲介し、葬儀の施行が完了した件数であります。
第2期第2四半期連結累計期間及び第3期第2四半期連結累計期間の拠点別の葬儀件数及び仲介件数は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
なお、旧株式会社エポック・ジャパン及び新株式会社エポック・ジャパン(現 株式会社家族葬のファミーユ)における2015年5月期から2017年5月期までの葬儀件数及び仲介件数、またそれらを合計した取扱件数は、次のとおりであります。
ビジネスモデル2015年5月期2016年4月期及び
2016年5月期の合計
(注)
2017年5月期
葬儀施行業 (葬儀件数・件)4,2544,5995,463
ネット集客業(仲介件数・件)466672764
合 計 (取扱件数・件)4,7205,2716,227

(注)旧株式会社エポック・ジャパンにおける2016年4月期と、新株式会社エポック・ジャパンにおける2016年5月期の合計であります。
上記のとおり、当社グループの事業は葬儀施行業、ネット集客業ともに継続的に成長しており、取扱件数及び日本基準の売上高は2015年5月期より増加し、IFRS基準の売上収益も2018年5月期より増加しております。なお日本基準の売上高及びIFRS基準の売上収益の推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表等は、IFRSに基づき作成されております。IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
② 経営成績等に関する分析
経営成績等に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、投資規模が小さく投資回収期間の短い「家族葬」に特化したホールをドミナント展開していくことで、投資効率と生産性を高めていく出店戦略を採用しております。この自社による既存展開地域の拡大に加え、M&Aによる新規エリアへの進出も行い、将来的には全国47都道府県でのサービス提供を目指しております。
当社グループへの葬儀のご依頼は、ウェブサイトでの検索、近隣でのホールの存在、過去の当社顧客による再度の依頼など複数の理由に依りますが、このうち当社の自助努力で葬儀件数や葬儀単価を向上させられる手段として、2020年5月期より「来館からのご依頼数」、「ウェブからの事後入電数」、「オリジナルプラン葬儀件数」の3つを重要業績評価指標(KPI)とし、これらの数値を向上させる施策を通じて、葬儀ご依頼件数の増加及び葬儀単価の維持・向上に取り組んでおります。
各KPIの、2019年12月31日までの月次累月実績は、来館からのご依頼数が1,161件、ウェブからの事後入電数が2,200件、オリジナルプラン葬儀件数が1,026件となっております。来館からのご依頼数、ウェブからの事後入電数については、2020年5月期よりKPIとして定めたため、実績の推移は記載できませんが、今後は、来館時の分かり易いプラン説明や電話相談を訴求するウェブ広告を強化することでこれらKPIの向上を図り、取扱件数の増加に努めてまいります。
オリジナルプランについては、お客様のお気持ちに耳を傾け、ご家族の故人に対する弔いの心情を理解し、お客様ごとに異なる想いを表現する「ご家族の意向を汲んだ、ご家族のためのご葬儀」を提供しており、高い葬儀単価を実現しております。市場全体の葬儀単価が下落傾向にあり、当社グループもその影響を受けているなかで、当社グループでは「生活者目線」に立ったご葬儀を行うことで葬儀の付加価値を高め、葬儀単価の維持・向上を図ってまいります。
オリジナルプランにて施行した葬儀件数の推移は、次のとおりであります。通常のセットプランよりも高額の葬儀単価が見込めるオリジナルプランについては、2017年5月期のサービス開始から、葬儀件数に占めるオリジナルプラン葬儀件数の割合が毎年増加しております。
2017年5月期2018年5月期2019年5月期
オリジナルプラン葬儀件数(件)894921,079
葬儀件数に占めるオリジナル
プラン葬儀件数の割合(%)
1.68.416.0

(注)1.オリジナルプランは全て株式会社家族葬のファミーユで施行しております。
2.オリジナルプラン葬儀件数は、葬儀施行業の葬儀件数に含まれております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの所要資金は、大きく分けて設備投資資金及び運転資金であります。
設備投資資金については、連結の営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とし、多額の設備資金については長期借入金にて調達しております。また今後、多額の設備投資や既存葬儀社の買収を実施する際には、金融機関からの借入又は株式発行による調達を予定しております。
運転資金についても、連結の営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としておりますが、資金の流動性を確保しておくため、取引金融機関と総額500,000千円の当座貸越契約を締結しております。
なおキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥ 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(のれん及び無形資産)
のれんの会計処理について、日本基準では一定期間にわたって均等償却をしておりますが、IFRSでは識別可能な資産をのれんとは区別して認識するとともに、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産を非償却としております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が第1期連結会計年度においては273,825千円、第2期連結会計年度においては278,946千円、それぞれ減少しております。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるため、様々な課題に対処しております。
具体的には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。