有価証券報告書-第35期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,230百万円となり、前連結会計年度末と比べて484百万円増加しました。これは主に現金及び預金が447百万円増加したことによるものです。固定資産は461百万円となり、前連結会計年度末と比べて10百万円減少しました。これは主に有形固定資産の減価償却によるものであります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は2,691百万円となり、前連結会計年度末と比べて473百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は700百万円となり、前連結会計年度末と比べて154百万円減少いたしました。これは主に買掛金が110百万円減少したことによるものであります。固定負債は353百万円となり、前連結会計年度末と比べて66百万円減少しました。これは主に社債が50百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,054百万円となり、前連結会計年度末と比べて220百万円減少いたしました。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,637百万円となり、前連結会計年度末と比べて694百万円増加いたしました。これは主に自己株式処分により資本剰余金が456百万円増加、また利益剰余金が207百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦と海外景気の行方の不透明さなど下振れ要因が残り、企業収益は足踏み感があるものの、設備投資マインドは回復基調にあり、雇用・所得環境の改善傾向が続く中、景気は横ばいで推移しておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大などにより世界的な景気減速感が強まり、先行きに対する不透明感が強まっております。
情報サービス産業におきましては、自動運転やFintech(フィンテック)をはじめとするAI(人工知能)、IoT、ビッグデータ収集・分析、ロボット等を活用した超スマート社会の実現(ソサエティ5.0)に大きな期待が寄せられております。一方では、巧妙化・複雑化するサイバー攻撃に対応するためのセキュリティサービス等、企業の成長を支援する新たなサービスの創出と、技術者採用・育成の重要性がさらに増しております。
このような状況の中、当社グループはスローガン「新たなるステージへ」の下、さらなる成長と企業価値の向上に向けた諸施策を推進いたしました。
売上高につきましては、オートモーティブ分野を中心とするシステム受託開発事業は堅調に推移し、また3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の販売・サポートを中心とするエンジニアリングソリューション事業は、主要販売代理店への効果的な販売施策の実施により、好調な売上となりました。利益面につきましては、システム受託開発事業におけるハードウェア開発の落ち込みを、オートモーティブ分野、デジタル家電分野等のソフトウェア開発で補いきれず、セグメント利益が減少しましたが、エンジニアリングソリューション事業の増収効果、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」事業の赤字幅が大幅に縮小したことから、連結グループ全体では増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高4,720百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益335百万円(前年同期比29.3%増)、経常利益327百万円(前年同期比18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益212百万円(前年同期比18.4%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
[システム受託開発事業]
当事業は、オートモーティブ分野、デジタル情報家電分野、半導体製造装置分野などの組込みシステムに係るソフトウェア開発およびハードウェア開発において、長年培ってきた受託開発ノウハウを駆使し、仕様分析・検討、基本設計から製造までシステムの一括受託開発を行っております。
当連結会計年度は、ハードウェア開発の落ち込みをオートモーティブ分野、デジタル家電分野等のソフトウェア開発で補いきれず、売上高は3,307百万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は599百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
[エンジニアリングソリューション事業]
当事業は、「製造業向け3次元CAD/CAMソリューション」「ロボットティーチングシステム」「工場・物流・マテハン3Dシミュレーションシステム」について、輸入販売、導入・技術支援、サポート、教育・研修などのソリューションサービス事業を行っております。また、今後、飛躍的な成長が見込まれる製造業向けIoT分野において、創立来35年間のシステム開発で培ってきた通信・制御・センサーデバイス、ネットワーク、クラウド技術をベースにしたモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を自社開発し、製造機械・設備の稼働監視システムや防犯・災害対策用遠隔カメラ監視ソリューションとして販売しております。
当連結会計年度は、主要販売代理店への効果的な販売施策の実施により好調に推移し、売上高は1,336百万円(前年同期比10.5%増)、セグメント利益は277百万円(前年同期比38.0%増)となりました。
[その他事業]
当事業は、緊急地震速報の受信と同時に、事前に合意登録されている家族の最新の居場所が自動配信され、お互いの安否が把握できるスマートフォン用防災アプリである、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」を提供しており、今後、高齢者や子供の見守り用としてのサービス拡大や、地震・自然災害の多い国や地域へのサービス拡大を目指しております。
2018年9月より株式会社NTTドコモの提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スゴ得」に採用されており、また、2019年8月からはKDDI株式会社の提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スマートパス」にも採用されております。
当連結会計年度は、上記の大手携帯電話会社向けのサービスが好調に推移し、売上高は96百万円(前年同期比210.0%増)、セグメント損失は6百万円(前年同期は46百万円の損失)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ415百万円増加し、867百万円(前年同期は451百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は61百万円(前年同期に得られた資金は227百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益327百万円の計上、未収入金の減少に伴う202百万円などの資金増加要因、売上債権の増加に伴う228百万円および仕入債務の減少に伴う107百万円、法人税等の支払額132百万円などの資金減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は49百万円(前年同期に使用した資金は103百万円)となりました。これは主に定期預金の預入による支出32百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は403百万円(前年同期は168百万円の支出)となりました。これは主に株式上場に伴う自己株式の処分による収入487百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
システム受託開発事業において、半導体製造装置ユニットの受託製造を主とする組込みハードウェア開発をおこなっておりますが、当社の設計仕様に基づき外部企業に生産委託するファブレス形式によっており、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの経営成績
イ.売上高
当連結会計年度は、システム受託開発事業においては、デジタル家電分野が伸びたほか、オートモーティブ分野のソフトウェア開発についても堅調に推移し、ハードウェア開発の売上の落ち込みを補いました。次に、3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の販売・サポートを中心とするエンジニアリングソリューション事業は、主要販売代理店への効果的な販売施策の実施により好調な売上となりました。その他、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」事業は、大手携帯電話会社が提供するコンテンツプロバイダー向けサービスの売上が大きく伸びた結果、売上高は、4,720百万円(前期比5.3%増)となりました。
セグメント別(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)では、システム受託開発事業3,307百万円(前期比1.7%増)、エンジニアリングソリューション事業1,336百万円(前期比10.5%増)、その他96百万円(前期比210.0%増)となりました。
ロ.売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ138百万円増加の3,111百万円(前期比4.7%増)となりました。これは主に、システム受託開発事業における技術者の増員等に伴う労務費および協力会社(外注先)に係る外注費の増加によるものであります。なお、原価率(売上高に対する売上原価の比率)は65.9%(前期比0.4ポイント減)となりました。
ハ.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ23百万円増加の1,273百万円(前期比1.8%増)となりました。これは主に、広告宣伝費の増加によるものであります。なお、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前期比0.9ポイント減少の27.0%となりました。
ニ.営業利益
上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ76百万円増加の335百万円(前期比29.3%増)となりました。
ホ.経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ51百万円増加の327百万円(前期比18.7%増)となりました。これは主に、株式公開に係る費用が営業外費用に計上されたこと等によるものであります。
ヘ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ33百万円増加の212百万円(前期比18.4%増)となりました。これは主に、経常利益の増加によるものであります。
なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ21円11銭増加し141円27銭(2019年12月27日付の1株につき1,000株の株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して算出した場合)となり、1株当たり年間配当金は前連結会計年度と同額の3円50銭(2019年12月27日付の1株につき1,000株の株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して算出した場合)といたしました。この結果、連結配当性向は2.5%となりました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因としては、市場動向、人材の確保、各プロジェクトの採算性及び新規ビジネスの研究開発投資があります。
イ.市場動向
[システム受託開発事業]
今後の組み込みシステム市場の動向につきましては、2018年度から2022年度までの年平均成長率は4.2%と堅調に推移し、2022年度の市場規模は1,189,300百万円に成長するものと予測されております(出典:ミック経済研究所「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2018年度版」より)。
[エンジニアリングソリューション事業]
機械系CAD/CAM/CAEの市場規模は、主要機械系CAD/CAM/CAE88社の2019年度の売上見込みは402,599百万円、前年比6.3%増となると予想されております(出典:矢野経済研究所「CAD/CAM/CAEシステム市場の中期展望2019年度版」より)。
ロ.人材の確保
当社グループは、継続的に付加価値の高いサービスを提供するために、高いITスキルを備え、当社グループの企業理念を理解し、主体的に課題解決を行うことのできる優秀な人材の育成及び確保が不可欠であると認識しております。OJTや体系的な育成プログラムによる研修を実施し、社員のスキル向上を図るとともに、積極的な採用活動に取り組み、優秀な人材の確保に努めてまいります。
また、技術者確保のひとつの方法として、パートナーと位置付ける協力会社からの技術者の受け入れを行っており、新規開拓及び継続的関係強化により社外からの技術者の確保にも努めております。
ハ.各プロジェクトの採算性
各プロジェクトの採算性の向上については、「品質・納期トラブルZERO」を継続テーマに、品質の見える化の実運用、量産品の安定供給、開発計画書の重視、計画変更に伴う開発計画の適時見直しにより、確かな品質で確実にお客様にお届けし、安心して使用いただくことを目指しております。
ニ.新規ビジネスの研究開発投資
新規ビジネスの研究開発投資については、「ココダヨ」における、安心・安全な社会づくりに寄与するミッションのもと、消費者のニーズに応え顧客満足の増大を図るためのアプリケーションを開発する資源であるとともに、他社とのコラボレーションを実現する開発も行うことから、“家族の安心をささえる、絆アプリ「ココダヨ」“というサービスの認知やブランディングを行うマーケティングへの投資でもあります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況に分析については、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。当社グループは、運転資金については、内部資金、金融機関からの借入金、社債(私募債)により調達しております。今後、資金需要が発生する可能性がありますが、本書提出日現在において、記載すべき事象はございません。
③経営方針、経営戦略、営業上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長をしていくことによって企業価値を高め続けていくことを経営目標としており、売上高、売上総利益率、営業利益、営業利益率を経営指標として重視し、これらの拡大を目指しております。当連結会計年度における売上高は4,720百万円(前期比5.3%増)、売上総利益率は34.1%(同0.4ポイント上昇)、営業利益は335百万円(同29.3%増)、営業利益率は7.1%(同1.3ポイント上昇)であります。
④重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループは、見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき継続して評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。当社グループでは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
イ.貸倒引当金
当社グループは、お客様の支払不能時及び回収懸念時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。お客様の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
ロ.たな卸資産及び受注損失引当金
当社グループは、商品については主として移動平均法による原価法、原材料、仕掛品及び貯蔵品については個別法による原価法(いずれも貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、仕損品について見積り額にて受注損失引当金を計上しております。
ハ.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる額に減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の計算に当たっては、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高い継続的なタックスプランニングに基づき検討しておりますが、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、その判断を行った連結会計年度に繰延税金資産を法人税等調整額のプラス(費用)として計上しております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,230百万円となり、前連結会計年度末と比べて484百万円増加しました。これは主に現金及び預金が447百万円増加したことによるものです。固定資産は461百万円となり、前連結会計年度末と比べて10百万円減少しました。これは主に有形固定資産の減価償却によるものであります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は2,691百万円となり、前連結会計年度末と比べて473百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は700百万円となり、前連結会計年度末と比べて154百万円減少いたしました。これは主に買掛金が110百万円減少したことによるものであります。固定負債は353百万円となり、前連結会計年度末と比べて66百万円減少しました。これは主に社債が50百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,054百万円となり、前連結会計年度末と比べて220百万円減少いたしました。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,637百万円となり、前連結会計年度末と比べて694百万円増加いたしました。これは主に自己株式処分により資本剰余金が456百万円増加、また利益剰余金が207百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦と海外景気の行方の不透明さなど下振れ要因が残り、企業収益は足踏み感があるものの、設備投資マインドは回復基調にあり、雇用・所得環境の改善傾向が続く中、景気は横ばいで推移しておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大などにより世界的な景気減速感が強まり、先行きに対する不透明感が強まっております。
情報サービス産業におきましては、自動運転やFintech(フィンテック)をはじめとするAI(人工知能)、IoT、ビッグデータ収集・分析、ロボット等を活用した超スマート社会の実現(ソサエティ5.0)に大きな期待が寄せられております。一方では、巧妙化・複雑化するサイバー攻撃に対応するためのセキュリティサービス等、企業の成長を支援する新たなサービスの創出と、技術者採用・育成の重要性がさらに増しております。
このような状況の中、当社グループはスローガン「新たなるステージへ」の下、さらなる成長と企業価値の向上に向けた諸施策を推進いたしました。
売上高につきましては、オートモーティブ分野を中心とするシステム受託開発事業は堅調に推移し、また3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の販売・サポートを中心とするエンジニアリングソリューション事業は、主要販売代理店への効果的な販売施策の実施により、好調な売上となりました。利益面につきましては、システム受託開発事業におけるハードウェア開発の落ち込みを、オートモーティブ分野、デジタル家電分野等のソフトウェア開発で補いきれず、セグメント利益が減少しましたが、エンジニアリングソリューション事業の増収効果、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」事業の赤字幅が大幅に縮小したことから、連結グループ全体では増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高4,720百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益335百万円(前年同期比29.3%増)、経常利益327百万円(前年同期比18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益212百万円(前年同期比18.4%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
[システム受託開発事業]
当事業は、オートモーティブ分野、デジタル情報家電分野、半導体製造装置分野などの組込みシステムに係るソフトウェア開発およびハードウェア開発において、長年培ってきた受託開発ノウハウを駆使し、仕様分析・検討、基本設計から製造までシステムの一括受託開発を行っております。
当連結会計年度は、ハードウェア開発の落ち込みをオートモーティブ分野、デジタル家電分野等のソフトウェア開発で補いきれず、売上高は3,307百万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は599百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
[エンジニアリングソリューション事業]
当事業は、「製造業向け3次元CAD/CAMソリューション」「ロボットティーチングシステム」「工場・物流・マテハン3Dシミュレーションシステム」について、輸入販売、導入・技術支援、サポート、教育・研修などのソリューションサービス事業を行っております。また、今後、飛躍的な成長が見込まれる製造業向けIoT分野において、創立来35年間のシステム開発で培ってきた通信・制御・センサーデバイス、ネットワーク、クラウド技術をベースにしたモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を自社開発し、製造機械・設備の稼働監視システムや防犯・災害対策用遠隔カメラ監視ソリューションとして販売しております。
当連結会計年度は、主要販売代理店への効果的な販売施策の実施により好調に推移し、売上高は1,336百万円(前年同期比10.5%増)、セグメント利益は277百万円(前年同期比38.0%増)となりました。
[その他事業]
当事業は、緊急地震速報の受信と同時に、事前に合意登録されている家族の最新の居場所が自動配信され、お互いの安否が把握できるスマートフォン用防災アプリである、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」を提供しており、今後、高齢者や子供の見守り用としてのサービス拡大や、地震・自然災害の多い国や地域へのサービス拡大を目指しております。
2018年9月より株式会社NTTドコモの提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スゴ得」に採用されており、また、2019年8月からはKDDI株式会社の提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スマートパス」にも採用されております。
当連結会計年度は、上記の大手携帯電話会社向けのサービスが好調に推移し、売上高は96百万円(前年同期比210.0%増)、セグメント損失は6百万円(前年同期は46百万円の損失)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ415百万円増加し、867百万円(前年同期は451百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は61百万円(前年同期に得られた資金は227百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益327百万円の計上、未収入金の減少に伴う202百万円などの資金増加要因、売上債権の増加に伴う228百万円および仕入債務の減少に伴う107百万円、法人税等の支払額132百万円などの資金減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は49百万円(前年同期に使用した資金は103百万円)となりました。これは主に定期預金の預入による支出32百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は403百万円(前年同期は168百万円の支出)となりました。これは主に株式上場に伴う自己株式の処分による収入487百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
システム受託開発事業において、半導体製造装置ユニットの受託製造を主とする組込みハードウェア開発をおこなっておりますが、当社の設計仕様に基づき外部企業に生産委託するファブレス形式によっており、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| システム受託開発事業(千円) | 3,307,925 | 101.7 |
| エンジニアリングソリューション事業(千円) | 1,336,175 | 110.5 |
| 報告セグメント計(千円) | 4,644,100 | 104.1 |
| その他(千円) | 96,060 | 310.0 |
| 合計(千円) | 4,740,161 | 105.5 |
(注)1.各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| パナソニックITS株式会社 | 689,604 | 15.4 | 687,018 | 14.6 |
| パナソニック株式会社 | 536,581 | 12.0 | 610,582 | 12.9 |
| 株式会社ニューフレアテクノロジー | 626,383 | 14.0 | 450,682 | 9.5 |
(注)3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの経営成績
イ.売上高
当連結会計年度は、システム受託開発事業においては、デジタル家電分野が伸びたほか、オートモーティブ分野のソフトウェア開発についても堅調に推移し、ハードウェア開発の売上の落ち込みを補いました。次に、3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の販売・サポートを中心とするエンジニアリングソリューション事業は、主要販売代理店への効果的な販売施策の実施により好調な売上となりました。その他、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」事業は、大手携帯電話会社が提供するコンテンツプロバイダー向けサービスの売上が大きく伸びた結果、売上高は、4,720百万円(前期比5.3%増)となりました。
セグメント別(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)では、システム受託開発事業3,307百万円(前期比1.7%増)、エンジニアリングソリューション事業1,336百万円(前期比10.5%増)、その他96百万円(前期比210.0%増)となりました。
ロ.売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ138百万円増加の3,111百万円(前期比4.7%増)となりました。これは主に、システム受託開発事業における技術者の増員等に伴う労務費および協力会社(外注先)に係る外注費の増加によるものであります。なお、原価率(売上高に対する売上原価の比率)は65.9%(前期比0.4ポイント減)となりました。
ハ.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ23百万円増加の1,273百万円(前期比1.8%増)となりました。これは主に、広告宣伝費の増加によるものであります。なお、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前期比0.9ポイント減少の27.0%となりました。
ニ.営業利益
上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ76百万円増加の335百万円(前期比29.3%増)となりました。
ホ.経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ51百万円増加の327百万円(前期比18.7%増)となりました。これは主に、株式公開に係る費用が営業外費用に計上されたこと等によるものであります。
ヘ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ33百万円増加の212百万円(前期比18.4%増)となりました。これは主に、経常利益の増加によるものであります。
なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ21円11銭増加し141円27銭(2019年12月27日付の1株につき1,000株の株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して算出した場合)となり、1株当たり年間配当金は前連結会計年度と同額の3円50銭(2019年12月27日付の1株につき1,000株の株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して算出した場合)といたしました。この結果、連結配当性向は2.5%となりました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因としては、市場動向、人材の確保、各プロジェクトの採算性及び新規ビジネスの研究開発投資があります。
イ.市場動向
[システム受託開発事業]
今後の組み込みシステム市場の動向につきましては、2018年度から2022年度までの年平均成長率は4.2%と堅調に推移し、2022年度の市場規模は1,189,300百万円に成長するものと予測されております(出典:ミック経済研究所「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2018年度版」より)。
[エンジニアリングソリューション事業]
機械系CAD/CAM/CAEの市場規模は、主要機械系CAD/CAM/CAE88社の2019年度の売上見込みは402,599百万円、前年比6.3%増となると予想されております(出典:矢野経済研究所「CAD/CAM/CAEシステム市場の中期展望2019年度版」より)。
ロ.人材の確保
当社グループは、継続的に付加価値の高いサービスを提供するために、高いITスキルを備え、当社グループの企業理念を理解し、主体的に課題解決を行うことのできる優秀な人材の育成及び確保が不可欠であると認識しております。OJTや体系的な育成プログラムによる研修を実施し、社員のスキル向上を図るとともに、積極的な採用活動に取り組み、優秀な人材の確保に努めてまいります。
また、技術者確保のひとつの方法として、パートナーと位置付ける協力会社からの技術者の受け入れを行っており、新規開拓及び継続的関係強化により社外からの技術者の確保にも努めております。
ハ.各プロジェクトの採算性
各プロジェクトの採算性の向上については、「品質・納期トラブルZERO」を継続テーマに、品質の見える化の実運用、量産品の安定供給、開発計画書の重視、計画変更に伴う開発計画の適時見直しにより、確かな品質で確実にお客様にお届けし、安心して使用いただくことを目指しております。
ニ.新規ビジネスの研究開発投資
新規ビジネスの研究開発投資については、「ココダヨ」における、安心・安全な社会づくりに寄与するミッションのもと、消費者のニーズに応え顧客満足の増大を図るためのアプリケーションを開発する資源であるとともに、他社とのコラボレーションを実現する開発も行うことから、“家族の安心をささえる、絆アプリ「ココダヨ」“というサービスの認知やブランディングを行うマーケティングへの投資でもあります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況に分析については、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。当社グループは、運転資金については、内部資金、金融機関からの借入金、社債(私募債)により調達しております。今後、資金需要が発生する可能性がありますが、本書提出日現在において、記載すべき事象はございません。
③経営方針、経営戦略、営業上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長をしていくことによって企業価値を高め続けていくことを経営目標としており、売上高、売上総利益率、営業利益、営業利益率を経営指標として重視し、これらの拡大を目指しております。当連結会計年度における売上高は4,720百万円(前期比5.3%増)、売上総利益率は34.1%(同0.4ポイント上昇)、営業利益は335百万円(同29.3%増)、営業利益率は7.1%(同1.3ポイント上昇)であります。
④重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループは、見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき継続して評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。当社グループでは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
イ.貸倒引当金
当社グループは、お客様の支払不能時及び回収懸念時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。お客様の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
ロ.たな卸資産及び受注損失引当金
当社グループは、商品については主として移動平均法による原価法、原材料、仕掛品及び貯蔵品については個別法による原価法(いずれも貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、仕損品について見積り額にて受注損失引当金を計上しております。
ハ.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる額に減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の計算に当たっては、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高い継続的なタックスプランニングに基づき検討しておりますが、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、その判断を行った連結会計年度に繰延税金資産を法人税等調整額のプラス(費用)として計上しております。