有価証券報告書-第36期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,386百万円となり、前連結会計年度末と比べて155百万円増加しました。これは主に現金及び預金の増加358百万円、受取手形及び売掛金の減少182百万円、未収入金の減少16百万円によるものであります。固定資産は458百万円となり、前連結会計年度末と比べて2百万円減少しました。これは主に繰延税金資産の増加21百万円、投資有価証券の減少18百万円、敷金及び保証金の減少12百万円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は2,844百万円となり、前連結会計年度末と比べて153百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は681百万円となり、前連結会計年度末と比べて19百万円減少いたしました。これは主に買掛金の減少67百万円、未払法人税等の増加29百万円、賞与引当金の増加24百万円によるものであります。固定負債は336百万円となり、前連結会計年度末と比べて17百万円減少しました。これは主に社債の減少50百万円、退職給付に係る負債の増加32百万円によるものであります。
この結果、負債合計は1,017百万円となり、前連結会計年度末と比べて36百万円減少いたしました。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,827百万円となり、前連結会計年度末と比べて189百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が167百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い景気は著しく悪化しましたが、政府による各種政策や海外経済の改善により、製造業を中心に持ち直しの動きが見られました。しかし、感染症の再拡大に対する懸念は残っており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、人工知能やクラウドコンピューティング等のコロナ禍における企業活動を支援する先端技術が期待を集めており、これらの領域における新サービスの開発や提供、また技術者の確保や育成の重要度が日増しに高まっております。
このような状況下において、当社は、主力のデジタルソリューション事業およびエンジニアリングソリューション事業については、第1四半期において受注低迷を受けましたが、第2四半期以降は新規顧客の開拓に注力するとともに、旅費交通費や展示会費用などのコスト削減を行うことで、業績は徐々に改善へと向かいました。これとともに、製造・物流現場のデジタルトランスフォーメーションを支援するために極めて有効な3Dシミュレーションソフト「FlexSim」の拡販を進めるべく、体制整備を行いました。また、第3の事業である災害時位置情報通知サービスの「ココダヨ」については、利用者数や認知度も順次上がってきており、当期においては黒字化を達成しました。新サービスの開発も継続しており、次期のローンチを予定しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高4,079百万円(前期比13.6%減)、営業利益254百万円(前期比24.3%減)、経常利益276百万円(前期比15.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益173百万円(前期比18.4%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
[デジタルソリューション事業]
新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済停滞、生産活動停止の影響を受け、第1四半期においてオートモーティブ関連分野におけるソフトウェア開発案件の一時中断や受注低迷が発生しました。一方で、デジタル情報家電分野においては国内の「巣ごもり需要」による好影響で受注が堅調であったことに加え、委託元企業のスムーズなリモートワーク導入によって開発活動が滞りなく進みました。さらにハードウェア関連分野においては半導体需要の急拡大を受け、半導体製造装置の受注が好調に推移しました。また、当事業においては開発プロジェクトの売上高が顧客の検収時期である第4四半期に偏重する傾向があり、当期においても第4四半期に売上高が大きく伸長しましたが、第1四半期の受注低迷の影響を取り戻すには至りませんでした。
以上の結果、売上高は2,610百万円(前期比22.1%減)、セグメント利益は430百万円(前期比28.1%減)となりました。
[エンジニアリングソリューション事業]
3次元CAD/CAMソフトウェア「Mastercam」の主たる顧客層である中小製造業者が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け新規設備投資に消極的であったこと等から、第1四半期のライセンス販売は前年同期の実績を下回る結果となりました。しかしながら、第2四半期以降はウィズコロナを見据えリモート商談など新しい形式や手法での営業活動に転換したこともあり販売数は回復し、またコスト削減も進みました。既存のMastercamユーザーからのメンテナンス・サポート等を中心とするアフターサービスの発注は概ね例年通りの水準で推移しましたが、第1四半期の売上減少を取り戻すには至りませんでした。
また、工場・物流・マテハンの3Dシミュレーションシステム「FlexSim」においては、第1四半期の経済活動停滞時に工場レイアウトの見直しを目的とした数多くのお問合せをいただき、現在に至るまでオンラインセミナーなどの販促活動や個別デモンストレーションのような提案活動に積極的に取り組んでおります。
以上の結果、売上高は1,174百万円(前期比8.2%減)、セグメント利益は283百万円(前期比1.5%増)となりました。
[ココダヨ事業]
災害時位置情報通知システム「ココダヨ」につきましては、大手移動体通信事業者が提供するスマートフォンアプリケーション定額利用サービス向け「ココダヨ」のダウンロード数が好調に推移しました。
以上の結果、売上高は301百万円(前期比214.1%増)、セグメント利益は117百万円(前年同期はセグメント損失6百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ328百万円増加し、1,195百万円(前年同期は867百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は443百万円(前年同期は61百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益276百万円の計上、売上債権の減少194百万円、法人税等の支払額95百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は38百万円(前年同期は49百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の預入による支出30百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は76百万円(前年同期は403百万円の収入)となりました。これは主に社債の償還50百万円、短期借入金の減少40百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
デジタルソリューション事業において、半導体製造装置ユニットの受託製造を主とする組込みハードウェア開発をおこなっておりますが、当社の設計仕様に基づき外部企業に生産委託するファブレス形式によっており、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.当社グループは2020年10月1日に組織変更を行い、報告セグメントを第3四半期連結会計期間より従来「システム受託開発事業」としていたセグメント名称を「デジタルソリューション事業」と変更しております。また、第3四半期連結会計期間より、従来「エンジニアリングソリューション事業」に含めていたIoT/M2Mビジネスを、事業の見直しにより「デジタルソリューション事業」に含めております。
「その他」としていた災害発生時位置情報通知システム「ココダヨ」につきましては、グループ全体の利益の10%を超えたため、第3四半期連結会計期間より「ココダヨ事業」として報告セグメントに含めております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの経営成績
イ.売上高
当連結会計年度は、デジタルソリューション事業においては、第1四半期においてオートモーティブ関連分野におけるソフトウェア開発案件の受注低迷や一次中断が発生しました。デジタル情報家電分野やハードウェア関連は堅調に推移しましたが、オートモーティブ関連分野の落ち込みを補うには至りませんでした。次に、3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の販売・サポートを中心とするエンジニアリングソリューション事業は、第1四半期の外出自粛要請の影響を受け、一時的に営業活動が停滞しましたが、第2四半期以降はWeb商談等に移行することで、徐々に復調に向かいました。その他、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」事業は、大手携帯電話会社が提供するコンテンツプロバイダー向けサービスの売上が大きく伸びた結果、売上高は、4,079百万円(前期比13.6%減)となりました。
セグメント別(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)では、デジタルソリューション事業2,610百万円(前期比22.1%減)、エンジニアリングソリューション事業1,174百万円(前期比8.2%減)、ココダヨ事業301百万円(前期比214.1%増)となりました。
ロ.売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ593百万円減少の2,517百万円(前期比19.1%減)となりました。これは主に、第1四半期におけるソフトウェア開発案件の受注低迷をうけ、外注費の削減に努めたことによるものであります。なお、原価率(売上高に対する売上原価の比率)は61.7%(前期比4.2ポイント減)となりました。
ハ.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ34百万円増加の1,307百万円(前期比2.7%増)となりました。これは主に、広告宣伝費の増加によるもの、ならびに株式上場に伴う体制整備による支払手数料の増加によるものであります。なお、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前期比5.1ポイント増加の32.1%となりました。
ニ.営業利益
上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ81百万円減少の254百万円(前期比24.3%減)となりました。
ホ.経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ51百万円減少の276百万円(前期比15.7%減)となりました。これは主に、営業利益が減少した一方で、雇用調整助成金を受給したこと、ならびに株式公開が完了したことに伴い、これに係る費用が発生しなかったこと等によるものであります。
ヘ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ39百万円減少の173百万円(前期比18.4%減)となりました。これは主に、経常利益の減少によるものであります。
なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ46円66銭減少し94円61銭となり、1株当たり年間配当金は前連結会計年度から16円50銭増配の20円00銭といたしました。この結果、連結配当性向は21.1%となりました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因としては、市場動向、人材の確保、各プロジェクトの採算性及び新規ビジネスへの投資があります。
イ.市場動向
[デジタルソリューション事業]
今後の組込みシステム市場の動向につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、2019年度から2023年度までの年平均成長率は5.8%と堅調に推移するものと予測されております(出典:ミック経済研究所「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2020年度版」より)。
[エンジニアリングソリューション事業]
2021年度のCAD/CAM/CAE市場は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による設備投資抑制の影響が現れるため、前年度比で最大20%程度下落するとの見込みであり、正念場を迎えるものと予想されております。(出典:矢野経済研究所「CAD/CAM/CAEシステム市場の中期展望2020年度版」より)。
ロ.人材の確保
当社グループは、継続的に付加価値の高いサービスを提供するために、高いITスキルを備え、当社グループの企業理念を理解し、主体的に課題解決を行うことのできる優秀な人材の育成及び確保が不可欠であると認識しております。OJTや体系的な育成プログラムによる研修を実施し、社員のスキル向上をはかるとともに、積極的な採用活動に取り組み、優秀な人材の確保に努めてまいります。
また、技術者確保のひとつの方法として、パートナーと位置付ける協力会社からの技術者の受け入れを行っております。
ハ.各プロジェクトの採算性
各プロジェクトの採算性の向上については、「品質・納期トラブルZERO」を継続テーマに、品質の見える化の実運用、量産品の安定供給、開発計画書の重視、計画変更に伴う開発計画の適時見直しにより、確かな品質で確実にお客様にお届けし、安心して使用いただくことを目指しております。
ニ.新規ビジネスへの投資
新規ビジネスへの投資については、「ココダヨ」における、安心・安全な社会づくりに寄与するミッションのもと、消費者のニーズに応え顧客満足の増大をはかるためのアプリケーションを開発する資源であるとともに、他社とのコラボレーションを実現する開発も行うことから、“家族の安心をささえる、絆アプリ「ココダヨ」“というサービスの認知やブランディングを行うマーケティングへの投資でもあります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況に分析については、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。当社グループは、運転資金については、内部資金、金融機関からの借入金、社債(私募債)により調達しております。今後、資金需要が発生する可能性がありますが、本書提出日現在において、記載すべき事象はございません。
③経営方針、経営戦略、営業上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長をしていくことによって企業価値を高め続けていくことを経営目標としており、売上高、売上総利益率、営業利益、営業利益率を経営指標として重視し、これらの拡大を目指しております。当連結会計年度における売上高は4,079百万円(前期比13.6%減)、売上総利益率は38.3%(同4.2ポイント上昇)、営業利益は254百万円(前期比24.3%減)、営業利益率は6.2%(同0.9ポイント下降)であります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループは、見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき継続して評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,386百万円となり、前連結会計年度末と比べて155百万円増加しました。これは主に現金及び預金の増加358百万円、受取手形及び売掛金の減少182百万円、未収入金の減少16百万円によるものであります。固定資産は458百万円となり、前連結会計年度末と比べて2百万円減少しました。これは主に繰延税金資産の増加21百万円、投資有価証券の減少18百万円、敷金及び保証金の減少12百万円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は2,844百万円となり、前連結会計年度末と比べて153百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は681百万円となり、前連結会計年度末と比べて19百万円減少いたしました。これは主に買掛金の減少67百万円、未払法人税等の増加29百万円、賞与引当金の増加24百万円によるものであります。固定負債は336百万円となり、前連結会計年度末と比べて17百万円減少しました。これは主に社債の減少50百万円、退職給付に係る負債の増加32百万円によるものであります。
この結果、負債合計は1,017百万円となり、前連結会計年度末と比べて36百万円減少いたしました。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は1,827百万円となり、前連結会計年度末と比べて189百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が167百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い景気は著しく悪化しましたが、政府による各種政策や海外経済の改善により、製造業を中心に持ち直しの動きが見られました。しかし、感染症の再拡大に対する懸念は残っており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、人工知能やクラウドコンピューティング等のコロナ禍における企業活動を支援する先端技術が期待を集めており、これらの領域における新サービスの開発や提供、また技術者の確保や育成の重要度が日増しに高まっております。
このような状況下において、当社は、主力のデジタルソリューション事業およびエンジニアリングソリューション事業については、第1四半期において受注低迷を受けましたが、第2四半期以降は新規顧客の開拓に注力するとともに、旅費交通費や展示会費用などのコスト削減を行うことで、業績は徐々に改善へと向かいました。これとともに、製造・物流現場のデジタルトランスフォーメーションを支援するために極めて有効な3Dシミュレーションソフト「FlexSim」の拡販を進めるべく、体制整備を行いました。また、第3の事業である災害時位置情報通知サービスの「ココダヨ」については、利用者数や認知度も順次上がってきており、当期においては黒字化を達成しました。新サービスの開発も継続しており、次期のローンチを予定しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高4,079百万円(前期比13.6%減)、営業利益254百万円(前期比24.3%減)、経常利益276百万円(前期比15.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益173百万円(前期比18.4%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めております。
[デジタルソリューション事業]
新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済停滞、生産活動停止の影響を受け、第1四半期においてオートモーティブ関連分野におけるソフトウェア開発案件の一時中断や受注低迷が発生しました。一方で、デジタル情報家電分野においては国内の「巣ごもり需要」による好影響で受注が堅調であったことに加え、委託元企業のスムーズなリモートワーク導入によって開発活動が滞りなく進みました。さらにハードウェア関連分野においては半導体需要の急拡大を受け、半導体製造装置の受注が好調に推移しました。また、当事業においては開発プロジェクトの売上高が顧客の検収時期である第4四半期に偏重する傾向があり、当期においても第4四半期に売上高が大きく伸長しましたが、第1四半期の受注低迷の影響を取り戻すには至りませんでした。
以上の結果、売上高は2,610百万円(前期比22.1%減)、セグメント利益は430百万円(前期比28.1%減)となりました。
[エンジニアリングソリューション事業]
3次元CAD/CAMソフトウェア「Mastercam」の主たる顧客層である中小製造業者が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け新規設備投資に消極的であったこと等から、第1四半期のライセンス販売は前年同期の実績を下回る結果となりました。しかしながら、第2四半期以降はウィズコロナを見据えリモート商談など新しい形式や手法での営業活動に転換したこともあり販売数は回復し、またコスト削減も進みました。既存のMastercamユーザーからのメンテナンス・サポート等を中心とするアフターサービスの発注は概ね例年通りの水準で推移しましたが、第1四半期の売上減少を取り戻すには至りませんでした。
また、工場・物流・マテハンの3Dシミュレーションシステム「FlexSim」においては、第1四半期の経済活動停滞時に工場レイアウトの見直しを目的とした数多くのお問合せをいただき、現在に至るまでオンラインセミナーなどの販促活動や個別デモンストレーションのような提案活動に積極的に取り組んでおります。
以上の結果、売上高は1,174百万円(前期比8.2%減)、セグメント利益は283百万円(前期比1.5%増)となりました。
[ココダヨ事業]
災害時位置情報通知システム「ココダヨ」につきましては、大手移動体通信事業者が提供するスマートフォンアプリケーション定額利用サービス向け「ココダヨ」のダウンロード数が好調に推移しました。
以上の結果、売上高は301百万円(前期比214.1%増)、セグメント利益は117百万円(前年同期はセグメント損失6百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ328百万円増加し、1,195百万円(前年同期は867百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は443百万円(前年同期は61百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益276百万円の計上、売上債権の減少194百万円、法人税等の支払額95百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は38百万円(前年同期は49百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の預入による支出30百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は76百万円(前年同期は403百万円の収入)となりました。これは主に社債の償還50百万円、短期借入金の減少40百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
デジタルソリューション事業において、半導体製造装置ユニットの受託製造を主とする組込みハードウェア開発をおこなっておりますが、当社の設計仕様に基づき外部企業に生産委託するファブレス形式によっており、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| デジタルソリューション事業(千円) | 2,610,920 | △22.1 |
| エンジニアリングソリューション事業(千円) | 1,174,200 | △8.2 |
| ココダヨ事業(千円) | 301,682 | +214.1 |
| 合計(千円) | 4,086,803 | △13.5 |
(注)1.各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
2.当社グループは2020年10月1日に組織変更を行い、報告セグメントを第3四半期連結会計期間より従来「システム受託開発事業」としていたセグメント名称を「デジタルソリューション事業」と変更しております。また、第3四半期連結会計期間より、従来「エンジニアリングソリューション事業」に含めていたIoT/M2Mビジネスを、事業の見直しにより「デジタルソリューション事業」に含めております。
「その他」としていた災害発生時位置情報通知システム「ココダヨ」につきましては、グループ全体の利益の10%を超えたため、第3四半期連結会計期間より「ココダヨ事業」として報告セグメントに含めております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社ニューフレアテクノロジー | 450,682 | 9.5 | 483,129 | 11.8 |
(注)4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの経営成績
イ.売上高
当連結会計年度は、デジタルソリューション事業においては、第1四半期においてオートモーティブ関連分野におけるソフトウェア開発案件の受注低迷や一次中断が発生しました。デジタル情報家電分野やハードウェア関連は堅調に推移しましたが、オートモーティブ関連分野の落ち込みを補うには至りませんでした。次に、3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の販売・サポートを中心とするエンジニアリングソリューション事業は、第1四半期の外出自粛要請の影響を受け、一時的に営業活動が停滞しましたが、第2四半期以降はWeb商談等に移行することで、徐々に復調に向かいました。その他、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」事業は、大手携帯電話会社が提供するコンテンツプロバイダー向けサービスの売上が大きく伸びた結果、売上高は、4,079百万円(前期比13.6%減)となりました。
セグメント別(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)では、デジタルソリューション事業2,610百万円(前期比22.1%減)、エンジニアリングソリューション事業1,174百万円(前期比8.2%減)、ココダヨ事業301百万円(前期比214.1%増)となりました。
ロ.売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ593百万円減少の2,517百万円(前期比19.1%減)となりました。これは主に、第1四半期におけるソフトウェア開発案件の受注低迷をうけ、外注費の削減に努めたことによるものであります。なお、原価率(売上高に対する売上原価の比率)は61.7%(前期比4.2ポイント減)となりました。
ハ.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ34百万円増加の1,307百万円(前期比2.7%増)となりました。これは主に、広告宣伝費の増加によるもの、ならびに株式上場に伴う体制整備による支払手数料の増加によるものであります。なお、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前期比5.1ポイント増加の32.1%となりました。
ニ.営業利益
上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ81百万円減少の254百万円(前期比24.3%減)となりました。
ホ.経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ51百万円減少の276百万円(前期比15.7%減)となりました。これは主に、営業利益が減少した一方で、雇用調整助成金を受給したこと、ならびに株式公開が完了したことに伴い、これに係る費用が発生しなかったこと等によるものであります。
ヘ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ39百万円減少の173百万円(前期比18.4%減)となりました。これは主に、経常利益の減少によるものであります。
なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ46円66銭減少し94円61銭となり、1株当たり年間配当金は前連結会計年度から16円50銭増配の20円00銭といたしました。この結果、連結配当性向は21.1%となりました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因としては、市場動向、人材の確保、各プロジェクトの採算性及び新規ビジネスへの投資があります。
イ.市場動向
[デジタルソリューション事業]
今後の組込みシステム市場の動向につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、2019年度から2023年度までの年平均成長率は5.8%と堅調に推移するものと予測されております(出典:ミック経済研究所「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2020年度版」より)。
[エンジニアリングソリューション事業]
2021年度のCAD/CAM/CAE市場は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による設備投資抑制の影響が現れるため、前年度比で最大20%程度下落するとの見込みであり、正念場を迎えるものと予想されております。(出典:矢野経済研究所「CAD/CAM/CAEシステム市場の中期展望2020年度版」より)。
ロ.人材の確保
当社グループは、継続的に付加価値の高いサービスを提供するために、高いITスキルを備え、当社グループの企業理念を理解し、主体的に課題解決を行うことのできる優秀な人材の育成及び確保が不可欠であると認識しております。OJTや体系的な育成プログラムによる研修を実施し、社員のスキル向上をはかるとともに、積極的な採用活動に取り組み、優秀な人材の確保に努めてまいります。
また、技術者確保のひとつの方法として、パートナーと位置付ける協力会社からの技術者の受け入れを行っております。
ハ.各プロジェクトの採算性
各プロジェクトの採算性の向上については、「品質・納期トラブルZERO」を継続テーマに、品質の見える化の実運用、量産品の安定供給、開発計画書の重視、計画変更に伴う開発計画の適時見直しにより、確かな品質で確実にお客様にお届けし、安心して使用いただくことを目指しております。
ニ.新規ビジネスへの投資
新規ビジネスへの投資については、「ココダヨ」における、安心・安全な社会づくりに寄与するミッションのもと、消費者のニーズに応え顧客満足の増大をはかるためのアプリケーションを開発する資源であるとともに、他社とのコラボレーションを実現する開発も行うことから、“家族の安心をささえる、絆アプリ「ココダヨ」“というサービスの認知やブランディングを行うマーケティングへの投資でもあります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況に分析については、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。当社グループは、運転資金については、内部資金、金融機関からの借入金、社債(私募債)により調達しております。今後、資金需要が発生する可能性がありますが、本書提出日現在において、記載すべき事象はございません。
③経営方針、経営戦略、営業上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長をしていくことによって企業価値を高め続けていくことを経営目標としており、売上高、売上総利益率、営業利益、営業利益率を経営指標として重視し、これらの拡大を目指しております。当連結会計年度における売上高は4,079百万円(前期比13.6%減)、売上総利益率は38.3%(同4.2ポイント上昇)、営業利益は254百万円(前期比24.3%減)、営業利益率は6.2%(同0.9ポイント下降)であります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループは、見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき継続して評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。