有価証券報告書-第21期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、世界的に広がる新型コロナウイルス感染症の影響により、経済に対する先行きの不透明感が高まっております。当社グループの事業活動に与える影響は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」や「2 事業等のリスク (10) 新型コロナウイルス感染拡大の影響について」にも記載のとおりです。本書提出日現在、当社グループの足元の経営成績等に与える影響は下記文中にも記載しておりますが、今後影響を及ぼす事項の発生に留意し、引き続き経営成績等に注視してまいります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の状況
(単位:百万円)
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より945百万円増加して5,851百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より302百万円増加し、3,124百万円となりました。これは主に、売上の入金などで現金及び預金が49百万円、売上の増加などにより、受取手形及び売掛金が98百万円増加、未収入金が130百万円増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末より641百万円増加し、2,725百万円となりました。これは主に、リネオソリューションズ株式会社の子会社化による116百万円ののれんの増加と、自社開発ソフトの開発が継続して実施されたことで、ソフトウエアが244百万円、ソフトウエア仮勘定が322百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より536百万円増加して1,998百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より473百万円増加し、1,585百万円となりました。これは主に、所得金額の増加により未払法人税等が104百万円、サポート更新のタイミングにより顧客から収受する前受収益が189百万円、賞与引当金が77百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末より63百万円増加し、413百万円となりました。これは主に、長期のリカーリングサービス提供により長期前受収益が75百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より408百万円増加して3,853百万円となりました。
これは主に、当連結会計年度に親会社株主に帰属する当期純利益を408百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものです。
②経営成績の状況
(注)当社は、2019年11月26日開催の取締役会決議により、2019年12月18日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っております。第20期(2020年3月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益金額を算定しております。
当社は、さまざまなモノがインターネットに繋がり、あらゆるプロセスがデジタル化される社会において「ヒト」「モノ」「コト」の正当性、完全性、真正性などを証明し、デジタル社会の信頼を支えるトラストサービス事業を推進しております。
なお、当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で景気の先行きは、依然として不透明な状況にあります。
当社を取り巻く環境は、テレワークの普及、脱ハンコ、オンライン化、非対面化など新たな生活様式への対応などに対する投資ニーズが生まれる一方で経営環境の不透明感の高まりや内外需要の縮小などを背景に設備投資に向けた活動に慎重な動きもあり、引き続き注視する必要があります。
このような環境の下、認証・セキュリティサービスにおいては、SSL/TLSサーバー証明書「SureServer」がコロナ禍の影響で他社からのリプレースが抑制されたこと、2019年9月に「DigiCert」証明書の販売が終了したことによりサーバー証明書は減収となりました。また、SSL/TLSサーバー証明書の新サービスとして「SureServer Prime(シュアサーバー プライム)」シリーズを2020年10月より提供開始しております。端末認証用証明書発行管理サービス「デバイスID」は、コロナ禍の影響もあり、テレワークの普及、クラウド利用が加速する中、必要なセキュリティとして需要が増加したため好調に推移しました。ビジネスプロセスのデジタル化を実現する電子的な本人確認、電子文書の真正性を確保する電子署名などの電子認証サービス「iTrust」についてもコロナ禍による脱ハンコの流れの中で2020年6月に弁護士ドットコム社の電子契約システム「クラウドサイン」において「iTrust」の取引が開始されたこと等から好調に推移いたしました。なお、2020年12月に「iTrust」の本人確認サービスを用いた日立製作所社の「eKYC支援サービス」が三菱UFJ銀行に採用されたことを発表いたしました。マネージドPKIで社会保険診療報酬支払基金案件(マイナンバーカードを保険証として利用する際のオンライン資格確認システムの医療機関側端末の認証)、主要顧客に対するシステムインテグレーションの大口受託案件、及びWeb/ネットワーク脆弱性診断サービスを獲得いたしました。
Linux/OSSサービスにおいては、企業内サーバーで多用されているCentOS等のLinuxOS旧バージョンのサポート終了による延長サポート及び統合システム監視ソフトウエア「MIRACLE ZBX」が好調で安定した収益を計上しています。なお、2021年3月にソフトウエアの脆弱性管理を自動化・効率化する脆弱性管理ソリューション「MIRACLE Vul Hammer(ミラクル バル ハンマー)」を2021年4月より提供開始することを発表いたしました。
IoTサービスにおいては、2020年5月に完全子会社化となったリネオソリューションズ社の売上が寄与しております。一方でコロナ禍の長期化に伴う製造業への影響範囲が拡大したことにより、各顧客による案件の見直しが行われ受注済案件も含めた凍結、縮小、時期見直し等により従来の組込み受託開発案件は減収となりました。もっとも、コロナ禍においても自動車産業、一部産業機器メーカーなどグローバル市場を顧客とする企業からのポストコロナに向けたIoT対応や、自動運転化など優先度の高い製品開発に関しての投資は回復基調にあり、当社が注力しているIoT化が進む車載機器、産業機器等の顧客へのコンサル、受託開発や「Secure IoT Platform」関連の初期導入及びライセンス、「EM+PLS」のライセンス取引等の収益を獲得いたしました。なお、経済産業省の公募により採択された、令和2年度産業技術実用化開発事業費補助金「地域分散クラウド技術開発事業」に基づいて「セキュアなIoTサービスを実現するための分散型低遅延IoT機器認証サービスの実証において当社サービスをベースとした実証実験を実施し、その有効性として研究開発目標の評価値を達成したことを2021年3月に発表いたしました。
(a)売上高
以上の結果、売上高は4,895百万円となり、前年同期と比較して473百万円(10.7%)増加となりました。
(b)営業利益
営業利益は574百万円となり、前年同期と比較して36百万円(6.9%)増加となりました。
上記(a)のとおり売上高が堅調に推移し、他方で人員増加に伴う人件費の増加、無形・有形固定資産取得に伴う償却費の増加により費用全体は増加傾向にありますが、コロナ禍の影響により業務活動費は大きく減額となっております。
(c)経常利益
経常利益は715百万円となり、前年同期と比較して180百万円(33.7%)増加となりました。
これは上記(b)及び、主として、持分法による投資利益、令和2年度産業技術実用化開発事業費補助金「地域分散クラウド技術開発事業」への採択による補助金129百万円等により営業外収益が前年同期と比較して142百万円増加したことによるものです。
(d)税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は630百万円となり、前年同期と比較して108百万円(20.8%)増加となりました。
これは上記(c)及び、主として、53百万円の固定資産除却損及び29百万円の投資有価証券評価損により特別損失が前年同期と比較して69百万円増加したことによるものです。
(e)親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は408百万円となり、前年同期と比較して58百万円(16.6%)増加となりました。
これは上記(d)及び、法人税等合計が221百万円となったことによるものです。法人税等合計は前年同期と比較して50百万円(29.6%)増加となりました。
<主なサービス内容>・認証・セキュリティサービス
SSL/TLSサーバー証明書やクライアント証明書、電子的本人確認や電子署名などの電子認証サービス、ウェブセキュリティサービス、脆弱性診断サービスを提供しています。
・Linux/OSSサービス
LinuxOS「MIRACLE LINUX」や統合システム監視ソリューション「MIRACLE ZBX」、バックアップソフトやカーネル技術を活かしたLinuxソリューションなど、オープンソースソフトウエアに関わるサービスを提供しています。
・IoTサービス
組込みLinuxと電子認証の技術を融合し、機器の開発、製造段階から脆弱性の低減や脅威への対策を考慮して長期の運用とセキュリティを実装する仕組みや、更新ソフトウエアが安全に配信される仕組みなど、IoTデバイスの安全・安心な利用を実現するための開発支援サービス「EM+PLS」と認証基盤「Secure IoT Platform」を提供しています。連結子会社のリネオソリューションズ社はLinuxを中心とした組込み/IoT向け受託開発、及び高速起動製品Warp!!、開発環境サービスなどの販売を行っております。
<サービス提供分類>・ライセンス
主に自社の製品(Linux/OSS製品など)を提供
・プロフェッショナルサービス
製品のカスタマイズや導入支援、セキュリティコンサルティングなどを提供
・リカーリングサービス(契約が更新されることで継続した収益が見込まれるもの)
電子証明書サービスや自社製品のサポートサービスなどを提供
(単位:百万円)
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より28百万円増加して1,941百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,119百万円となりました。主として、税金等調整前当期純利益が630百万円あったことに加え、減価償却費が364百万円発生し、前受収益の増加額264百万円が生じたことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,073百万円となりました。主として、リネオホールディングス株式会社の株式を追加取得した際に87百万円の支出があったことに加え、有形固定資産の取得による支出167百万円、自社開発ソフトウエアなどの無形固定資産の取得による支出833百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は17百万円となりました。全額リース債務の返済による支出となります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産は、完成後ただちに顧客に引き渡しており、生産実績は販売実績とほぼ一致しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要となる、運転資金及び設備投資資金につきましては、金利コスト等を勘案しながら、自己資金又は増資により資金調達することを基本としております。
なお、当社は短期的な支払いに支障が生じないよう流動比率を150%以上に保つことを目標としており、当連結会計年度末において流動比率が197.1%とその水準を上回っていることから資金の流動性に問題はないと認識しております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「信頼とともに」という経営理念の下、認証技術とLinux/OSS技術を組み合わせ、ITインフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現することを目指しております。
そのため、現在、重要な経営指標として「売上高」を設定しております。当連結会計年度における売上高は前期比で10.7%増加し4,895百万円となりました。
この原因としては、主に、IoTサービスにおいて、2020年5月に完全子会社化となったリネオソリューションズ社の売上が寄与したためとなります。
また本業の収益性を図る「営業利益及び営業利益率」を経営の最重要指標と考えております。営業利益については前期比で6.9%増加し574百万円となっております。また営業利益率については11.7%となっており、前連結会計年度より0.4ポイント悪化しております。この原因としては、主に、事業拡大に対応するための継続した人員増加と無形・有形固定資産取得に伴う償却費の増加により費用が増加したためとなります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、世界的に広がる新型コロナウイルス感染症の影響により、経済に対する先行きの不透明感が高まっております。当社グループの事業活動に与える影響は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」や「2 事業等のリスク (10) 新型コロナウイルス感染拡大の影響について」にも記載のとおりです。本書提出日現在、当社グループの足元の経営成績等に与える影響は下記文中にも記載しておりますが、今後影響を及ぼす事項の発生に留意し、引き続き経営成績等に注視してまいります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の状況
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 総資産 | 4,906 | 5,851 |
| 純資産 | 3,444 | 3,853 |
| 自己資本比率 | 70.2% | 65.9% |
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より945百万円増加して5,851百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より302百万円増加し、3,124百万円となりました。これは主に、売上の入金などで現金及び預金が49百万円、売上の増加などにより、受取手形及び売掛金が98百万円増加、未収入金が130百万円増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末より641百万円増加し、2,725百万円となりました。これは主に、リネオソリューションズ株式会社の子会社化による116百万円ののれんの増加と、自社開発ソフトの開発が継続して実施されたことで、ソフトウエアが244百万円、ソフトウエア仮勘定が322百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より536百万円増加して1,998百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より473百万円増加し、1,585百万円となりました。これは主に、所得金額の増加により未払法人税等が104百万円、サポート更新のタイミングにより顧客から収受する前受収益が189百万円、賞与引当金が77百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末より63百万円増加し、413百万円となりました。これは主に、長期のリカーリングサービス提供により長期前受収益が75百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より408百万円増加して3,853百万円となりました。
これは主に、当連結会計年度に親会社株主に帰属する当期純利益を408百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものです。
②経営成績の状況
| 売上高 (百万円) | 営業利益 及び営業利益率 (百万円、%) | 経常利益 (百万円) | 親会社株主に帰属する 当期純利益 (百万円) | 1株当たり 当期純利益金額 (円) | |
| 2021年3月期 | 4,895 | 574(11.7) | 715 | 408 | 111.70 |
| 2020年3月期 | 4,421 | 537(12.1) | 535 | 350 | 95.82 |
| 増減率(%) | 10.7 | 6.9 | 33.7 | 16.6 | 16.6 |
(注)当社は、2019年11月26日開催の取締役会決議により、2019年12月18日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っております。第20期(2020年3月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益金額を算定しております。
当社は、さまざまなモノがインターネットに繋がり、あらゆるプロセスがデジタル化される社会において「ヒト」「モノ」「コト」の正当性、完全性、真正性などを証明し、デジタル社会の信頼を支えるトラストサービス事業を推進しております。
なお、当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で景気の先行きは、依然として不透明な状況にあります。
当社を取り巻く環境は、テレワークの普及、脱ハンコ、オンライン化、非対面化など新たな生活様式への対応などに対する投資ニーズが生まれる一方で経営環境の不透明感の高まりや内外需要の縮小などを背景に設備投資に向けた活動に慎重な動きもあり、引き続き注視する必要があります。
このような環境の下、認証・セキュリティサービスにおいては、SSL/TLSサーバー証明書「SureServer」がコロナ禍の影響で他社からのリプレースが抑制されたこと、2019年9月に「DigiCert」証明書の販売が終了したことによりサーバー証明書は減収となりました。また、SSL/TLSサーバー証明書の新サービスとして「SureServer Prime(シュアサーバー プライム)」シリーズを2020年10月より提供開始しております。端末認証用証明書発行管理サービス「デバイスID」は、コロナ禍の影響もあり、テレワークの普及、クラウド利用が加速する中、必要なセキュリティとして需要が増加したため好調に推移しました。ビジネスプロセスのデジタル化を実現する電子的な本人確認、電子文書の真正性を確保する電子署名などの電子認証サービス「iTrust」についてもコロナ禍による脱ハンコの流れの中で2020年6月に弁護士ドットコム社の電子契約システム「クラウドサイン」において「iTrust」の取引が開始されたこと等から好調に推移いたしました。なお、2020年12月に「iTrust」の本人確認サービスを用いた日立製作所社の「eKYC支援サービス」が三菱UFJ銀行に採用されたことを発表いたしました。マネージドPKIで社会保険診療報酬支払基金案件(マイナンバーカードを保険証として利用する際のオンライン資格確認システムの医療機関側端末の認証)、主要顧客に対するシステムインテグレーションの大口受託案件、及びWeb/ネットワーク脆弱性診断サービスを獲得いたしました。
Linux/OSSサービスにおいては、企業内サーバーで多用されているCentOS等のLinuxOS旧バージョンのサポート終了による延長サポート及び統合システム監視ソフトウエア「MIRACLE ZBX」が好調で安定した収益を計上しています。なお、2021年3月にソフトウエアの脆弱性管理を自動化・効率化する脆弱性管理ソリューション「MIRACLE Vul Hammer(ミラクル バル ハンマー)」を2021年4月より提供開始することを発表いたしました。
IoTサービスにおいては、2020年5月に完全子会社化となったリネオソリューションズ社の売上が寄与しております。一方でコロナ禍の長期化に伴う製造業への影響範囲が拡大したことにより、各顧客による案件の見直しが行われ受注済案件も含めた凍結、縮小、時期見直し等により従来の組込み受託開発案件は減収となりました。もっとも、コロナ禍においても自動車産業、一部産業機器メーカーなどグローバル市場を顧客とする企業からのポストコロナに向けたIoT対応や、自動運転化など優先度の高い製品開発に関しての投資は回復基調にあり、当社が注力しているIoT化が進む車載機器、産業機器等の顧客へのコンサル、受託開発や「Secure IoT Platform」関連の初期導入及びライセンス、「EM+PLS」のライセンス取引等の収益を獲得いたしました。なお、経済産業省の公募により採択された、令和2年度産業技術実用化開発事業費補助金「地域分散クラウド技術開発事業」に基づいて「セキュアなIoTサービスを実現するための分散型低遅延IoT機器認証サービスの実証において当社サービスをベースとした実証実験を実施し、その有効性として研究開発目標の評価値を達成したことを2021年3月に発表いたしました。
(a)売上高
以上の結果、売上高は4,895百万円となり、前年同期と比較して473百万円(10.7%)増加となりました。
(b)営業利益
営業利益は574百万円となり、前年同期と比較して36百万円(6.9%)増加となりました。
上記(a)のとおり売上高が堅調に推移し、他方で人員増加に伴う人件費の増加、無形・有形固定資産取得に伴う償却費の増加により費用全体は増加傾向にありますが、コロナ禍の影響により業務活動費は大きく減額となっております。
(c)経常利益
経常利益は715百万円となり、前年同期と比較して180百万円(33.7%)増加となりました。
これは上記(b)及び、主として、持分法による投資利益、令和2年度産業技術実用化開発事業費補助金「地域分散クラウド技術開発事業」への採択による補助金129百万円等により営業外収益が前年同期と比較して142百万円増加したことによるものです。
(d)税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は630百万円となり、前年同期と比較して108百万円(20.8%)増加となりました。
これは上記(c)及び、主として、53百万円の固定資産除却損及び29百万円の投資有価証券評価損により特別損失が前年同期と比較して69百万円増加したことによるものです。
(e)親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は408百万円となり、前年同期と比較して58百万円(16.6%)増加となりました。
これは上記(d)及び、法人税等合計が221百万円となったことによるものです。法人税等合計は前年同期と比較して50百万円(29.6%)増加となりました。
<主なサービス内容>・認証・セキュリティサービス
SSL/TLSサーバー証明書やクライアント証明書、電子的本人確認や電子署名などの電子認証サービス、ウェブセキュリティサービス、脆弱性診断サービスを提供しています。
・Linux/OSSサービス
LinuxOS「MIRACLE LINUX」や統合システム監視ソリューション「MIRACLE ZBX」、バックアップソフトやカーネル技術を活かしたLinuxソリューションなど、オープンソースソフトウエアに関わるサービスを提供しています。
・IoTサービス
組込みLinuxと電子認証の技術を融合し、機器の開発、製造段階から脆弱性の低減や脅威への対策を考慮して長期の運用とセキュリティを実装する仕組みや、更新ソフトウエアが安全に配信される仕組みなど、IoTデバイスの安全・安心な利用を実現するための開発支援サービス「EM+PLS」と認証基盤「Secure IoT Platform」を提供しています。連結子会社のリネオソリューションズ社はLinuxを中心とした組込み/IoT向け受託開発、及び高速起動製品Warp!!、開発環境サービスなどの販売を行っております。
<サービス提供分類>・ライセンス
主に自社の製品(Linux/OSS製品など)を提供
・プロフェッショナルサービス
製品のカスタマイズや導入支援、セキュリティコンサルティングなどを提供
・リカーリングサービス(契約が更新されることで継続した収益が見込まれるもの)
電子証明書サービスや自社製品のサポートサービスなどを提供
(単位:百万円)
| サービス | サービス提供分類 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 |
| 認証・セキュリティ サービス | ライセンス | 251 | 126 | 106 | 3.8% |
| プロフェッショナルサービス | 480 | 592 | |||
| リカーリングサービス | 2,086 | 2,205 | |||
| Linux/OSSサービス | ライセンス | 274 | 296 | 93 | 9.4% |
| プロフェッショナルサービス | 135 | 182 | |||
| リカーリングサービス | 592 | 617 | |||
| IoTサービス | ライセンス | 117 | 118 | 273 | 45.5% |
| プロフェッショナルサービス | 475 | 725 | |||
| リカーリングサービス | 8 | 30 | |||
| 売上合計 | 4,421 | 4,895 | 473 | 10.7% | |
| 全社 | ライセンス | 642 | 541 | △101 | △15.8% |
| プロフェッショナルサービス | 1,090 | 1,500 | 410 | 37.6% | |
| リカーリングサービス | 2,688 | 2,853 | 165 | 6.2% | |
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より28百万円増加して1,941百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2021年3月期 | (参考) 2020年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,119 | 811 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,073 | △684 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △17 | △17 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,941 | 1,913 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,119百万円となりました。主として、税金等調整前当期純利益が630百万円あったことに加え、減価償却費が364百万円発生し、前受収益の増加額264百万円が生じたことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,073百万円となりました。主として、リネオホールディングス株式会社の株式を追加取得した際に87百万円の支出があったことに加え、有形固定資産の取得による支出167百万円、自社開発ソフトウエアなどの無形固定資産の取得による支出833百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は17百万円となりました。全額リース債務の返済による支出となります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産は、完成後ただちに顧客に引き渡しており、生産実績は販売実績とほぼ一致しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| トラストサービス事業 | 5,055 | 110.33 | 886 | 162.27 |
| 合計 | 5,055 | 110.33 | 886 | 162.27 |
(注)1.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| トラストサービス事業(百万円) | 4,895 | 110.7 |
| 合計(百万円) | 4,895 | 110.7 |
(注)1.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ソフトバンク株式会社 | 515 | 11.7 | 371 | 7.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要となる、運転資金及び設備投資資金につきましては、金利コスト等を勘案しながら、自己資金又は増資により資金調達することを基本としております。
なお、当社は短期的な支払いに支障が生じないよう流動比率を150%以上に保つことを目標としており、当連結会計年度末において流動比率が197.1%とその水準を上回っていることから資金の流動性に問題はないと認識しております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「信頼とともに」という経営理念の下、認証技術とLinux/OSS技術を組み合わせ、ITインフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現することを目指しております。
そのため、現在、重要な経営指標として「売上高」を設定しております。当連結会計年度における売上高は前期比で10.7%増加し4,895百万円となりました。
この原因としては、主に、IoTサービスにおいて、2020年5月に完全子会社化となったリネオソリューションズ社の売上が寄与したためとなります。
また本業の収益性を図る「営業利益及び営業利益率」を経営の最重要指標と考えております。営業利益については前期比で6.9%増加し574百万円となっております。また営業利益率については11.7%となっており、前連結会計年度より0.4ポイント悪化しております。この原因としては、主に、事業拡大に対応するための継続した人員増加と無形・有形固定資産取得に伴う償却費の増加により費用が増加したためとなります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。