有価証券届出書(新規公開時)

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2020/12/28 15:00
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138項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下の通りであります。
① 経営成績の状況
第14期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の長期化等により世界経済の減速懸念が高まる中、消費増税による物価上昇懸念の高まりや自然災害等の影響も重なり、消費者心理の冷え込みは想定以上となり、消費増税後の景気指標は下振れする状況となりました。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行の影響もあり、予期せぬ社会不安が増大し、先行き不透明感の高まりとともに景気が急速に悪化する状況となってまいりました。
このような状況の中、当社では「人の可能性を照らせ。」のスローガンのもと、レーザダイオード製品の新規顧客開拓と米中貿易摩擦の影響による受注減少を補填するための受託開発需要の掘り起こし、網膜走査型レーザアイウェア『RETISSA® Display』の市場投入を進めてまいりました。
精密加工用1064nm帯レーザにおきましては、米中貿易摩擦の影響を受けて北米を中心に受注数が減少いたしました。
生命科学検査装置であるフローサイトメータや蛍光顕微鏡に採用されているセンサ用緑・黄緑・橙レーザにおきましては、主要顧客の在庫調整にともなって受注が減少いたしました。
センサ用赤色レーザにおきましては、640nmから785nmの波長帯で、主に産業用途向けのマシンビジョン、パーティクルカウンター、光電センサ、水準器、距離計用光源等、ニッチからマスまで広範なニーズに対応してビジネス展開をしてまいりました。
通信、光インターコネクト用量子ドットレーザにおきましては、シリコンフォトニクス用光源として有望で、日本・北米・中国・欧州の顧客からの受注が継続しました。
受託開発は当社の先端基盤技術に基づくもので、基盤技術の高度化、知財の蓄積、新規発想の具現化、新アプリケーション創造と市場の開拓、受託先の量産展開力の活用等、当社の利益に資する重要なビジネスモデルであります。受託開発におきましては、国内企業を中心に案件を獲得いたしましたが、新型コロナウイルスの影響で中国関連案件が停滞しました。
網膜走査型レーザアイウェアにおきましては、民生用機器「RETISSA® Display」の後継機種である「RETISSA® DisplayⅡ」を発売し、251台を出荷しました。また、弱視者支援用製品の医療機器製造販売承認を取得し、医療機器の販売へ大きく前進しました。
以上の結果、レーザダイオード製品の販売が減少したため、前事業年度より売上高減少となり、レーザアイウェア事業立ち上げ途上のために開発費を中心に固定費負担が依然大きく、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しており、売上高は756,633千円(前事業年度比21.3%減)、売上総利益は204,847千円(前事業年度比65.1%減)、営業損失1,207,239千円(前事業年度は営業損失976,172千円)、経常損失1,225,739千円(前事業年度は経常損失996,094千円)、当期純損失1,240,167千円(前事業年度は当期純損失1,040,521千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
a.レーザデバイス事業
当事業年度におきましては精密加工用1064nm帯レーザとセンサ用緑・黄緑・橙レーザを中心に受注が減少し、減収減益となりました。
この結果、当事業年度の売上高は679,614千円(前事業年度比30.2%減)、売上総利益は262,785千円(前事業年度比54.6%減)、セグメント利益は18,704千円(前事業年度比90.3%減)となりました。
b.レーザアイウェア事業
当事業年度におきましては民生用網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA® DisplayⅡ」の販売を開始し、増収となりましたが、製品開発の加速に合わせて開発費や人件費等販売管理費の増加により減益となりました。
この結果、当事業年度の売上高は87,739千円(前事業年度比30.0%増)、売上総利益は△57,938千円(前事業年度は売上総利益9,367千円)、セグメント損失は999,766千円(前事業年度はセグメント損失976,932千円)となりました。
第15期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、世界規模での新型コロナウイルス蔓延の影響で、いまだ国内企業の業績は全く見通せず、先行きは今まで経験したことのない不透明感が続いております。
当社に関連する主な市場の状況について、レーザデバイス事業の分野では精密加工用、センサ用ともに比較的堅調に推移しました。レーザアイウェア事業の分野では眼鏡店が新型コロナウイルス感染症対策に伴う休業等の影響を受け、需要が低迷しました。
このような状況の中、当社ではテレワークやオフピーク出社の積極的な活用により、新型コロナウイルス感染症対策と生産性の維持の両立を図り、「人の可能性を照らせ。」のコーポレートスローガンのもと、製品の開発・販売を進めてまいりました。
この結果、当第2四半期累計期間の売上高は339,894千円、レーザアイウェア事業立ち上げ途上のために開発を中心に固定費負担が依然大きく、営業損失は392,334千円、経常損失は419,872千円、四半期純損失は581,707千円となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
a.レーザデバイス事業
当第2四半期累計期間におきましては精密加工用レーザ、センサ用赤色レーザの受注が増加した一方、シリコンフォトニクスを含む通信用レーザの受注が減少しました。
この結果、当第2四半期累計期間の売上高は325,299千円、セグメント損失は54,549千円となりました。
b.レーザアイウェア事業
当第2四半期累計期間におきましては新型コロナウイルス感染症対策に伴う海外渡航制限や眼鏡店等の休業等の影響を受け、民生用網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA® DisplayⅡ」の受注が低迷しました。
この結果、当第2四半期累計期間の売上高は14,595千円、セグメント損失は226,797千円となりました。
② 財政状態の状況
第14期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(資産)
当事業年度末における総資産は2,919,364千円となり、前事業年度末と比較して80,042千円の減少となりました。流動資産は2,404,125千円となり、前事業年度と比較して159,391千円減少しております。これは主に当期純損失の計上により現金及び預金が258,509千円、売上高の減少により売掛金が93,863千円減少した一方で、消費税率上昇に伴う未収消費税の増加により未収入金が39,534千円、レーザアイウェア事業の立ち上がりにより棚卸資産が172,285千円増加したこと等によるものであります。固定資産は515,238千円となり、前事業年度と比較して79,348千円増加しております。これは主にレーザアイウェア事業の立ち上がりによる生産設備を中心に有形固定資産が79,987千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は1,189,664千円となり、前事業年度末と比較して321,210千円の増加となりました。流動負債は750,735千円となり、前事業年度と比較して40,258千円減少しております。これは主に株式への転換により1年以内償還予定の社債が299,988千円減少した一方で、運転資金の調達により短期借入金が100,000千円、1年以内返済予定の長期借入金が174,644千円増加したこと等によるものであります。固定負債は438,929千円となり、前事業年度と比較して361,469千円増加しております。これは主に運転資金の調達により長期借入金が365,356千円増加したこと等によるものであります。

(純資産)
当事業年度末の純資産は1,729,699千円となり、前事業年度末と比較して401,253千円の減少となりました。これは第三者割当増資と転換社債の株式転換により資本金が419,458千円、資本準備金が419,458千円増加した一方で、当期純損失の計上により剰余金が1,240,170千円減少したことによるものであります。
第15期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における総資産は前事業年度末から786,328千円減少し、2,133,036千円となりました。流動資産は1,816,219千円となり、前事業年度末から587,906千円減少しております。これは主に四半期純損失の計上により現金及び預金が629,378千円減少したこと等によるものであります。固定資産は316,817千円となり、前事業年度末から198,421千円減少しております。これは主に減価償却及び減損損失により有形固定資産が189,479千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債は前事業年度末から204,620千円減少し、985,044千円となりました。流動負債は678,283千円となり、前事業年度末から72,452千円減少しております。これは主に仕入代金決済により買掛金が18,112千円、試作用外注費等決済により未払金が133,755千円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が83,320千円増加したこと等によるものであります。固定負債は306,761千円となり、前事業年度末から132,168千円減少しております。これは主に、長期借入金が1年内返済予定の長期借入金への振替により128,982千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産は前事業年度末から581,707千円減少し、1,147,992千円となりました。これは利益剰余金が四半期純損失の計上により581,707千円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第14期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は前事業年度末と比較して258,509千円減少し、1,464,175千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の減少は1,208,362千円(前事業年度は1,184,162千円の減少)となりました。これは主に増加要因としては減価償却費119,439千円(前事業年度は減価償却費110,643千円)、売上債権の減少額110,270千円(前事業年度は売上債権の増加額173,408千円)があった一方で、減少要因としては、税引前当期純損失1,236,869千円(前事業年度は税引前当期純損失1,045,580千円)、たな卸資産の増加額163,195千円(前事業年度はたな卸資産の増加額88,586千円)があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は204,730千円(前事業年度は112,880千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出199,888千円(前事業年度は有形固定資産の取得による支出97,940千円)、無形固定資産の取得による支出4,157千円(前事業年度は無形固定資産の取得による支出14,221千円)があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の増加は1,161,374千円(前事業年度は2,897,541千円の増加)となりました。これは主に増加要因としては、株式の発行による収入532,625千円(前事業年度は株式の発行による収入2,916,268千円)、短期借入金借入による収入100,000千円(前事業年度は短期借入金借入による収入無し)、長期借入金借入による収入540,000千円(前事業年度は長期借入金借入による収入無し)があった一方で、減少要因としてはリース債務の返済による支出6,475千円(前事業年度はリース債務の返済による支出18,727千円)があったこと等によるものあります。
第15期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、834,797千円(前事業年度末比629,378千円の減少)となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における営業活動の結果減少した資金は529,163千円となりました。主な資金増加要因は減損損失161,282千円、売上債権の減少額49,262千円、減価償却費47,837千円、その他の流動資産の減少額73,381千円であり、主な資金減少要因は税引前四半期純損失581,155千円、たな卸資産の増加額173,272千円、その他の流動負債の減少102,115千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における投資活動の結果減少した資金は33,064千円となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出32,711千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における財務活動の結果減少した資金は50,088千円となりました。主な資金減少要因は長期借入金返済による支出45,662千円であります。
④ 生産受注及び販売実績
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(a) 生産実績
セグメントの名称第14期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第15期第2四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年9月30日)
生産高(千円)前年同期比(%)生産高(千円)
レーザデバイス事業484,677116.59246,840
レーザアイウェア事業123,760152.0362,354
合計608,437122.39309,194

(注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 仕入実績
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称第14期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第15期第2四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年9月30日)
仕入高(千円)前年同期比(%)仕入高(千円)
レーザデバイス事業446,307102.82208,507
レーザアイウェア事業222,477265.51138,615
合計668,785129.14347,123

(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(c) 受注実績
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称第14期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第15期第2四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年9月30日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
レーザデバイス事業743,17682.496,902428.4295,30172,149
レーザアイウェア事業104,957154.918,2181,821.813,407-
合計848,13387.5115,120487.4308,70872,149

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(d) 販売実績
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称第14期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)第15期第2四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年9月30日)
レーザデバイス事業668,89474.86325,299
レーザアイウェア事業87,739130.0514,595
合計(千円)756,63378.74339,894

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
相手先第14期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第15期第2四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社彩世92,02212.1639,82311.72
Wiseome Inc.44,49413.09

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.第13期事業年度の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の「追加情報 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについて」に記載の通りであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析
第14期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
a.売上高
当事業年度における売上高は756,633千円(前事業年度比204,352千円の減少)となりました。これは主に、精密加工用1064nm帯レーザとセンサ用緑・黄緑・橙レーザにおいて米中貿易摩擦や顧客の在庫調整により、特に海外の顧客からの受注が減少したことによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は551,786千円(前事業年度比178,379千円の増加)となりました。これは主に、レーザアイウェアの民生用初号機『RETISSA® Display』の在庫評価減によるものであります。この結果、売上総利益は204,847千円(前事業年度比382,731千円の減少)、売上総利益率は27.1%(前事業年度は61.1%)となりました。利益率の減少はレーザアイウェアの民生用初号機『RETISSA® Display』の在庫評価減を行ったためです。
c.販売費及び一般管理費、営業損失
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,412,087千円(前事業年度比151,664千円の減少)となりました。これは主に、網膜走査型レーザアイウェアの商品化が完了したために開発費が減少したことと、医療機器認証のための治験および申請の完了により認証費が減少したことによるものであります。この結果、営業損失は1,207,239千円(前事業年度は営業損失976,172千円)となりました。なお、臨時職員を含めた当事業年度末の従業員数は前事業年度末から2名増加しております。
d.営業外収益、営業外費用、経常損失
当事業年度において医療機器認証に伴う補助金収入等により営業外収益が10,899千円(前事業年度比7,698千円の増加)、円高による為替差損等により、営業外費用が29,399千円(前事業年度比6,275千円の増加)発生しております。この結果、経常損失は1,225,739千円(前事業年度は経常損失996,094千円)となりました。
e.特別損失、当期純損失
当事業年度において、固定資産の減損により特別損失が11,130千円(前事業年度比38,356千円の減少)発生しております。この結果、当期純損失は1,240,167千円(前事業年度は当期純損失1,040,521千円)となりました。
第15期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
a.売上高
当第2四半期累計期間における売上高は339,894千円となりました。これは主に、精密加工用レーザ、センサ用緑・黄緑・橙レーザ、センサ用赤色レーザ、シリコンフォトニクス用レーザの販売が順調に推移したことによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当第2四半期累計期間における売上原価は246,972千円となりました。これは主にLD事業の順調な販売によるものです。この結果、売上総利益は92,921千円、売上総利益率は27.3%となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損失
当第2四半期累計期間における販売費及び一般管理費は485,255千円となりました。これは主に、網膜走査型レーザアイウェアの商品化が完了したために開発費が減少したことと、医療機器認証のための治験および申請の完了により認証費が減少したことによるものであります。この結果、営業損失は392,334千円となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常損失
当第2四半期累計期間においてスクラップ売却等により営業外収益が839千円、円高による為替差損等により営業外費用が28,378千円発生しております。この結果、経常損失は419,872千円となりました。
e.特別損失、四半期純損失
当第2四半期累計期間において、固定資産の減損により特別損失が161,282千円発生しております。この結果、四半期純損失は581,707千円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、材料仕入、外注費、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは測定装置等の機械と生産用金型等であります。
運転資金、投資資金ともに自己資金から確保することを基本方針としており、当事業年度末の現金及び現金同等物は1,465,175千円、第15期第2四半期会計期間末においては834,797千円であり、現状の事業運営に必要な運転資金、投資資金は十分であると考えておりますが、1,000,000千円の金融機関のコミットメントライン枠を有しているほか、必要に応じて銀行借入を中心とした調達手段を検討しております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は売上高総利益率であり、当事業年度の売上高総利益率は27.1%(前事業年度は61.1%)となりました。これは主にレーザデバイス事業が当事業年度より試作開発段階から量産段階に移行したものと位置づけ、前事業年度まで販売費及び一般管理費に計上していた生産設備等の減価償却費、生産場所の賃借料等を当事業年度より売上原価に計上したためであります。現時点では今後の売上総利益率について数値目標を定めておりませんが、今後、業界動向及び当社の業績の推移等を勘案し、早期に数値目標を決定する予定です。
レーザデバイス事業の指標としましては認定顧客数の20%増加としており、当事業年度末の認定顧客数は39社(前事業年度末は31社)で前事業年度末から25.8%増加となりました。これは主に精密加工用レーザとセンサ用レーザが新規で顧客に認定されたためであります。今後はバイオ系検査装置用レーザとシリコンフォトニクス用レーザを中心に認定顧客を増やしていく方針であります。
レーザアイウェア事業の指標としましては累計販売10万台・年間生産5万台と定めており、当事業年度末までの累計販売台数は約380台、当事業年度の生産台数は584台となりました。今後は国内外大学病院・教育機関・有力眼鏡店等と密に連携するとともに代理店を通した海外展開を推進し、販売拡大を進める方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。