有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、主にEC事業者のためのビジネスインフラとなるECプラットフォームを提供する企業グループとして事業活動を行っております。当社グループの主要な事業領域となる、国内EC市場は、販売商品の多様化、市場参加者の増加、物流事業者による配達時間の大幅な短縮化、SNSによる情報流通量の増加等を背景に継続的な成長をしてまいりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により急成長した国内EC市場は、経済活動が正常化するにつれて、成長が緩やかになりましたが着実に成長を続けております。消費者においては、新たなライフスタイルやワークスタイルの定着も見られ、時流に沿ったビジネス展開が求められるようになりました。このような変化の激しい市場で課題を抱える事業者を支援するため、当社グループでは、店舗売上の向上につながるオプション・アライアンスサービスの拡充やECコンサルティング事業への参入、ソーシャルメディア(SNS)とECを組み合わせたソーシャルコマースへの対応、バックオフィスの業務効率化につながる、生成AIを活用したソリューションの展開などにより事業領域を拡大しております。また、生成AIの利用拡大にともない増大する電力消費によるエネルギー不足や、化石燃料の利用に伴う地球温暖化等の環境課題に対応するため、当社はグループ企業の独自技術を活用したソリューションを開発し、グローバルで展開するために環境エネルギー事業へ開発投資を始めております。当社グループは、ECプラットフォーム事業並びに環境エネルギー事業に関連する事業領域を積極的に拡大しながら「テクノロジーを活用する人の力を最大化させるプラットフォーム」であることを目指しています。
このような状況のもと、当連結会計年度において当社グループは、市場成長に伴う売上高の確保を目指すとともに、今後の市場環境に適応し事業領域を拡大するべく、成長投資を積極的に行いました。
「futureshop」を提供する株式会社フューチャーショップは、「futureshop」を次世代のデジタルコマース基盤へと進化させるため、当事業年度は商品管理画面の全面刷新や新認証システムの導入といったインフラの再構築に加え、LINE連携を含むマーケティング機能や多チャネル受注管理といった機能強化を行いました。これらは単なる機能追加ではなく、AI活用や業務自動化を見据えた構造的な基盤整備として位置づけています。また、Web領収書発行やAPI強化といったEC事業者の利便性を向上させる実用的なアップデートも継続して行い、顧客企業の売上成長と業務効率化を支えるプラットフォームとして「futureshop」のさらなる強化を行いました。このような成長投資のもと、売上高は堅調に推移し対前年同期比では増収となりましたが、事業領域の拡大を目的とした人材採用の強化や、既存システムのリニューアル及び新規事業関連の開発をおこなったため、売上原価及び販管費が増加し営業利益は対前年同期比にて減益となりました。
「通販する蔵」を提供する株式会社ソフテルは、顧客ニーズに即したカスタマイズ案件の提案に注力した結果、売上高は前年同期を上回ったものの、大手モールの仕様変更や外部サービス連携への対応に伴いエンジニア工数が増加しましたが、前年同期において一時的に発生した、大規模案件におけるエンジニアコスト増加による影響の反動から収益率が改善し、対前年同期比では増収増益となりました。
2025年4月に設立した株式会社コマースコネクトにて、株式会社ソフテルが提供する「通販する蔵」のノウハウを生かし、AIを活用した次世代の受発注や在庫の一元管理機能を持つ、統合型ECプラットフォームの開発を進めております。
また、当社グループのエネサイクル株式会社において、「フィリピン共和国・インドネシア共和国・マレーシアにおける鉄鋼業界向け石炭代替としてのバイオ炭製造に関わる調査事業」が、経済産業省の「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されました。本事業を通じて、東南アジアにおける炭化プラントの最適な立地選定やサプライチェーン構築に向けた調査を行い、鉄鋼業界の脱炭素化支援とバイオ炭の安定供給という事業化の実現に向けた取り組みを進めております。また、当社では、エストニア発のクライメートテック企業であるCarbontribe Labsと提携して開発した、バイオ炭由来の脱炭素価値を国際的に証明可能な形式で可視化・資産化する方法論である「デジタルバイオ炭方法論」を国際的な第三者認証機関であるEarthood Services Limitedに申請いたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績及び主要な連結子会社の業績は、下表の通りとなりました。
〈連結業績〉
(単位:千円)
※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
〈主要な連結子会社の業績〉
(単位:千円)
※当社の連結子会社でありましたSAMURAI TECHNOLOGY㈱は2025年1月1日をもって㈱ソフテルが吸収合併しているため、㈱ソフテルの売上高及び営業利益は、2025年3月期期首に合併が行われたと仮定して算出しております。
なお、株式会社フューチャーショップ及び株式会社ソフテルの2社におけるGMV、開発売上総額、契約店舗数及び開発売上顧客数、1契約店舗数あたりGMV、1社あたり開発売上高の実績推移につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
財政状態は次のとおりであります。
<資産>総資産につきましては、3,627,899千円となり、前連結会計年度末に比べ156,377千円増加いたしました。流動資産は2,472,942千円となり、前連結会計年度末に比べ93,872千円増加いたしました。これは、主に業容拡大により現金及び預金が11,405千円、サービス利用料等の増加により前払費用が21,773千円増加したことによるものであります。
固定資産は1,154,957千円となり、前連結会計年度末に比べ62,504千円増加いたしました。これは、償却によりソフトウェアが75,024千円減少したことや売却や減損に伴い投資有価証券が10,100千円減少したものの、新機能の開発に伴いソフトウェア仮勘定が106,958千円増加したことや、開発費の一時差異が増加したことにより繰延税金資産が70,419千円増加したことによるものであります。
負債につきましては、1,001,997千円となり、前連結会計年度末に比べ53,690千円増加いたしました。これは、主に業容拡大に伴い買掛金が9,497千円、未払法人税等が7,830千円増加したことによるものであります。
純資産につきましては、2,625,902千円となり、前連結会計年度末に比べ102,686千円増加いたしました。これは主に配当金の支払いや自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことや台湾株式の時価上昇等によりその他有価証券評価差額金が18,676千円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の72.7%から72.1%となりました。
なお、当社は、ECプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて11,405千円増加し、1,875,566千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は312,720千円(前連結会計年度は532,776千円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益481,308千円、減価償却費123,574千円、減損損失75,567千円、投資有価証券売却益90,526千円及び法人税等の支払額251,129千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は82,823千円(前連結会計年度は182,388千円の支出)となりました。
これは主に株式会社フューチャーショップ及び新規設立の株式会社コマースコネクトにおける新機能等のソフトウェア開発に係る無形固定資産取得による支出128,413千円や株式会社AttendMe(2026年3月1日に子会社の株式会社Newronaと合併し、株式会社AttendMeに商号変更)に対する子会社株式の取得による支出89,182千円、投資有価証券の売却による収入122,982千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は236,941千円(前連結会計年度は213,372千円の支出)となりました。
これは主に配当金の支払額141,927千円及び自己株式の取得による支出82,581千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
第20期連結会計年度及び第21期連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはECプラットフォーム事業の単一セグメントであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
2) 経営成績の分析
当社グループのECプラットフォーム事業セグメントの当連結会計年度の売上高は3,895,734千円(前期比5.5%増)となりました。
売上原価は主に開発人件費や開発外注費増加の影響により1,760,886千円(前期比10.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に人件費の増加や㈱空色における新プロダクトの開発費用等の計上により、1,754,143千円(前期比19.9%増)となりました。
営業外収益は、保有する台湾株式に係る受取配当金や金融サービス(OneCredit)に係る受取手数料の計上により、92,823千円(前期比109.5%増)となりました。営業外費用は主に支払利息や自己株式取得費用の計上により、1,130千円(前期比99.6%減)となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益の計上により、90,526千円(前期比182.4%増)となりました。特別損失は、主に㈱AttendMe及び㈱既読に係るのれんの減損損失の計上により、81,615千円(前期比19.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、営業利益380,704千円(前期比40.4%減)、経常利益472,398千円(前期比11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益302,311千円(前期比230.1%増)となりました。今後もグループ各社の独自性のある経営を重視し、より迅速な経営判断のできる体制を確立して業界の急速な変化に対応できるように努め、更なる企業価値向上を目指してまいります。
ECプラットフォーム事業セグメントを構成するグループ各社の概況は以下の通りとなります。
(注) 1.グループ内取引の相殺消去前の数値を記載しております。
2.株式会社コマースコネクトは2025年4月1日に設立しており、ソフトウェア開発に注力してい
るため、売上高及び前期比増減率は記載しておりません。
3.株式会社AttendMeはみなし取得日を2025年6月30日としているため、前期比増減率は記載して
おりません。
a.株式会社フューチャーショップ
「futureshop」を提供する株式会社フューチャーショップでは、導入企業の成長に伴い、オプション機能やアライアンスサービスの利用が引き続き拡大した結果、価格改定の影響もあり、対前年同期比で増収となりました。また、2025年11月末にはグループ会社の株式会社空色と連携し、統合UGCソリューション「future Review」をリリースいたしました。一方、売上高は成長したものの、事業拡大に伴う人材関連費用の増加やAI時代を見据え、既存システムを抜本的に再構築するための構造的な投資を開始した影響により、当連結会計年度の売上高は2,841,973千円(前期比2.7%増)、経常利益699,045千円(前期比17.2%減)となり増収減益となりました。
b.株式会社ソフテル
「通販する蔵」を提供する株式会社ソフテルでは、複数店舗の在庫や注文管理を一元化する主力システム「通販する蔵」の大型案件の受注が増加し、同システムの保守料金(お客さまごとにカスタマイズ)などを中心とする継続性の高いストック売上も好調に推移しました。また、前連結会計年度にはSAMURAI TECHNOLOGY株式会社を吸収合併し、エンジニアリソースの更なるスキルアップと効率化を推進することで単価向上と業務効率の改善が進んでおります。
当連結会計年度の売上高は898,982千円(前期比5.5%増)、経常利益90,809千円(前期比40.9%増)となりました。
c.株式会社TradeSafe
当連結会計年度の売上高は46,101千円(前期比1.9%減)、経常利益34,020千円(前期比267.7%増)となりました。当社はEC店舗認証事業であるトラストマーク事業において引き続き審査・モニタリングの質の維持向上を図り、優良店舗の差別化を行うことで、安心安全なEC社会を実現するための社会的なインフラ機能を目指してまいります。また、ECnote(EC店舗の販売分析ツール)については、株式会社ソフテルと連携して「通販する蔵の開発オプション機能」としてサービスの提供を行い、株式会社ソフテルとの連携を通じてグループシナジー追求によるサービスの普及に努めてまいります。なお、株式会社TradeSafeではEC事業者向けの財務・成長支援の一環として、「将来の売上(将来債権)」を早期に現金化できる、事業者向けの新しい資金調達(ファクタリング)サービスである「OneCredit」の試験的な提供を開始しております。今後、本格的な導入に向けて検討を進めてまいります。
d.株式会社空色
株式会社空色では新しいWeb接客の形を提案するソリューションの開発を行っており、2025年11月には統合UGCソリューション「future Review」をリリースいたしました。「future Review」は、購入者の声をECサイトの「信頼」として蓄積し、経営資産として創出および保有することで、差別化を図るものです。「future Review」は、GMV向上・解約防止・AI基盤構築を一体化した統合UGCソリューションであり、AI時代における当社グループの重要な成長エンジンと位置づけています。
当連結会計年度の売上高は26,638千円(前期比61.3%減)、経常損失57,391千円(前期は24,775千円の経常損失)となりました。
e.株式会社既読
株式会社既読では生成AIを活用した画像作成サービス「AI Creative One」の提供を開始しております。
当連結会計年度の売上高は13,356千円(前期比345.7%増)、経常損失12,745千円(前期は3,846千円の経常損失)となりました。
f.株式会社コマースコネクト
2025年4月に設立した株式会社コマースコネクトでは、AIを活用した次世代の受発注や在庫の一元管理機能を持つ、統合型ECプラットフォーム「Commerce Connect(コマースコネクト)」の開発を進めております。「Commerce Connect(コマースコネクト)」は、当社グループが開発を進めている次世代のマルチチャネル管理システムであり、現在提供されているECバックヤードシステム「通販する蔵」から移行していく計画のプロダクトです。単なる管理システムにとどまらず、「AI時代に対応した統合基盤」として、既存事業の高付加価値化や新たな収益源の創出を目指すための中心的な基盤として位置付けております。
当連結会計年度は、開発に注力し、収益化は来期以降となることから、経常損失7,258千円となりました。株式会社コマースコネクトは2025年4月1日に設立しており、前期比増減率は記載しておりません。
g.株式会社AttendMe
2025年5月に子会社化した㈱PINES及び㈱Newronaでは、2026年3月1付で㈱PINES及び㈱Newronaは合併し、㈱AttendMeに商号変更いたしました。株式会社AttendMeではVTuberと提携したインフルエンサーマーケティングサービスを提供しております。当グループでは、「共感」や「信頼」で選ばれるブランドへの転換を支援する戦略(オーセンティックコマース戦略)を推進しており、株式会社AttendMeが展開するVTuberマーケティングは、この戦略の中で消費者の「熱量」を高める役割を担っております。
当連結会計年度の売上高は182,166千円、経常損失14,117千円となりました。株式会社AttendMeは2025年6月30日をみなし取得日としており、前期比増減率は記載しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
4) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び業務委託費等であります。これらの資金需要に対しては現状では自己資金の範囲内で対応できております。今後は業容拡大に伴い自己資金、銀行借入、及びエクイティファイナンス等での多様な調達方法を資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討していく方針です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,875,566千円であり流動性を確保しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、主にEC事業者のためのビジネスインフラとなるECプラットフォームを提供する企業グループとして事業活動を行っております。当社グループの主要な事業領域となる、国内EC市場は、販売商品の多様化、市場参加者の増加、物流事業者による配達時間の大幅な短縮化、SNSによる情報流通量の増加等を背景に継続的な成長をしてまいりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により急成長した国内EC市場は、経済活動が正常化するにつれて、成長が緩やかになりましたが着実に成長を続けております。消費者においては、新たなライフスタイルやワークスタイルの定着も見られ、時流に沿ったビジネス展開が求められるようになりました。このような変化の激しい市場で課題を抱える事業者を支援するため、当社グループでは、店舗売上の向上につながるオプション・アライアンスサービスの拡充やECコンサルティング事業への参入、ソーシャルメディア(SNS)とECを組み合わせたソーシャルコマースへの対応、バックオフィスの業務効率化につながる、生成AIを活用したソリューションの展開などにより事業領域を拡大しております。また、生成AIの利用拡大にともない増大する電力消費によるエネルギー不足や、化石燃料の利用に伴う地球温暖化等の環境課題に対応するため、当社はグループ企業の独自技術を活用したソリューションを開発し、グローバルで展開するために環境エネルギー事業へ開発投資を始めております。当社グループは、ECプラットフォーム事業並びに環境エネルギー事業に関連する事業領域を積極的に拡大しながら「テクノロジーを活用する人の力を最大化させるプラットフォーム」であることを目指しています。
このような状況のもと、当連結会計年度において当社グループは、市場成長に伴う売上高の確保を目指すとともに、今後の市場環境に適応し事業領域を拡大するべく、成長投資を積極的に行いました。
また、当社グループのエネサイクル株式会社において、「フィリピン共和国・インドネシア共和国・マレーシアにおける鉄鋼業界向け石炭代替としてのバイオ炭製造に関わる調査事業」が、経済産業省の「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されました。本事業を通じて、東南アジアにおける炭化プラントの最適な立地選定やサプライチェーン構築に向けた調査を行い、鉄鋼業界の脱炭素化支援とバイオ炭の安定供給という事業化の実現に向けた取り組みを進めております。また、当社では、エストニア発のクライメートテック企業であるCarbontribe Labsと提携して開発した、バイオ炭由来の脱炭素価値を国際的に証明可能な形式で可視化・資産化する方法論である「デジタルバイオ炭方法論」を国際的な第三者認証機関であるEarthood Services Limitedに申請いたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績及び主要な連結子会社の業績は、下表の通りとなりました。
〈連結業績〉
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減額 | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 3,693,315 | 3,895,734 | 202,418 | 5.5 |
| EBITDA | 767,722 | 531,350 | △236,371 | △30.8 |
| 営業利益 | 638,411 | 380,704 | △257,707 | △40.4 |
| 経常利益 | 423,446 | 472,398 | 48,951 | 11.6 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 91,594 | 302,311 | 210,717 | 230.1 |
※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
〈主要な連結子会社の業績〉
(単位:千円)
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 増減率 (%) | ||
| ㈱フューチャーショップ | 売上高 | 2,767,587 | 2,841,973 | 74,385 | 2.7 |
| 営業利益 | 840,673 | 694,876 | △145,796 | △17.3 | |
| ㈱ソフテル | 売上高 | 851,963 | 898,982 | 47,019 | 5.5 |
| 営業利益 | 55,839 | 89,658 | 33,819 | 60.6 |
※当社の連結子会社でありましたSAMURAI TECHNOLOGY㈱は2025年1月1日をもって㈱ソフテルが吸収合併しているため、㈱ソフテルの売上高及び営業利益は、2025年3月期期首に合併が行われたと仮定して算出しております。
なお、株式会社フューチャーショップ及び株式会社ソフテルの2社におけるGMV、開発売上総額、契約店舗数及び開発売上顧客数、1契約店舗数あたりGMV、1社あたり開発売上高の実績推移につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
財政状態は次のとおりであります。
<資産>総資産につきましては、3,627,899千円となり、前連結会計年度末に比べ156,377千円増加いたしました。流動資産は2,472,942千円となり、前連結会計年度末に比べ93,872千円増加いたしました。これは、主に業容拡大により現金及び預金が11,405千円、サービス利用料等の増加により前払費用が21,773千円増加したことによるものであります。
固定資産は1,154,957千円となり、前連結会計年度末に比べ62,504千円増加いたしました。これは、償却によりソフトウェアが75,024千円減少したことや売却や減損に伴い投資有価証券が10,100千円減少したものの、新機能の開発に伴いソフトウェア仮勘定が106,958千円増加したことや、開発費の一時差異が増加したことにより繰延税金資産が70,419千円増加したことによるものであります。
負債につきましては、1,001,997千円となり、前連結会計年度末に比べ53,690千円増加いたしました。これは、主に業容拡大に伴い買掛金が9,497千円、未払法人税等が7,830千円増加したことによるものであります。
純資産につきましては、2,625,902千円となり、前連結会計年度末に比べ102,686千円増加いたしました。これは主に配当金の支払いや自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことや台湾株式の時価上昇等によりその他有価証券評価差額金が18,676千円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の72.7%から72.1%となりました。
なお、当社は、ECプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて11,405千円増加し、1,875,566千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は312,720千円(前連結会計年度は532,776千円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益481,308千円、減価償却費123,574千円、減損損失75,567千円、投資有価証券売却益90,526千円及び法人税等の支払額251,129千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は82,823千円(前連結会計年度は182,388千円の支出)となりました。
これは主に株式会社フューチャーショップ及び新規設立の株式会社コマースコネクトにおける新機能等のソフトウェア開発に係る無形固定資産取得による支出128,413千円や株式会社AttendMe(2026年3月1日に子会社の株式会社Newronaと合併し、株式会社AttendMeに商号変更)に対する子会社株式の取得による支出89,182千円、投資有価証券の売却による収入122,982千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は236,941千円(前連結会計年度は213,372千円の支出)となりました。
これは主に配当金の支払額141,927千円及び自己株式の取得による支出82,581千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
第20期連結会計年度及び第21期連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはECプラットフォーム事業の単一セグメントであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(千円) | 金額(千円) | 前期比増減率(%) | |
| ECプラットフォーム事業 | 3,693,315 | 3,895,734 | 5.5 |
| 合計 | 3,693,315 | 3,895,734 | 5.5 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| SBペイメントサービス株式会社 | 353,230 | 9.6 | 403,500 | 10.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
2) 経営成績の分析
当社グループのECプラットフォーム事業セグメントの当連結会計年度の売上高は3,895,734千円(前期比5.5%増)となりました。
売上原価は主に開発人件費や開発外注費増加の影響により1,760,886千円(前期比10.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に人件費の増加や㈱空色における新プロダクトの開発費用等の計上により、1,754,143千円(前期比19.9%増)となりました。
営業外収益は、保有する台湾株式に係る受取配当金や金融サービス(OneCredit)に係る受取手数料の計上により、92,823千円(前期比109.5%増)となりました。営業外費用は主に支払利息や自己株式取得費用の計上により、1,130千円(前期比99.6%減)となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益の計上により、90,526千円(前期比182.4%増)となりました。特別損失は、主に㈱AttendMe及び㈱既読に係るのれんの減損損失の計上により、81,615千円(前期比19.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、営業利益380,704千円(前期比40.4%減)、経常利益472,398千円(前期比11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益302,311千円(前期比230.1%増)となりました。今後もグループ各社の独自性のある経営を重視し、より迅速な経営判断のできる体制を確立して業界の急速な変化に対応できるように努め、更なる企業価値向上を目指してまいります。
ECプラットフォーム事業セグメントを構成するグループ各社の概況は以下の通りとなります。
| 売上高(千円) | 前期比増減率(%) | |
| ㈱フューチャーショップ | 2,841,973 | 2.7 |
| ㈱ソフテル | 898,982 | 5.5 |
| ㈱TradeSafe | 46,101 | △1.9 |
| ㈱空色 | 26,638 | △61.3 |
| ㈱既読 | 13,356 | 345.7 |
| ㈱コマースコネクト | - | - |
| ㈱AttendMe | 182,166 | - |
(注) 1.グループ内取引の相殺消去前の数値を記載しております。
2.株式会社コマースコネクトは2025年4月1日に設立しており、ソフトウェア開発に注力してい
るため、売上高及び前期比増減率は記載しておりません。
3.株式会社AttendMeはみなし取得日を2025年6月30日としているため、前期比増減率は記載して
おりません。
a.株式会社フューチャーショップ
「futureshop」を提供する株式会社フューチャーショップでは、導入企業の成長に伴い、オプション機能やアライアンスサービスの利用が引き続き拡大した結果、価格改定の影響もあり、対前年同期比で増収となりました。また、2025年11月末にはグループ会社の株式会社空色と連携し、統合UGCソリューション「future Review」をリリースいたしました。一方、売上高は成長したものの、事業拡大に伴う人材関連費用の増加やAI時代を見据え、既存システムを抜本的に再構築するための構造的な投資を開始した影響により、当連結会計年度の売上高は2,841,973千円(前期比2.7%増)、経常利益699,045千円(前期比17.2%減)となり増収減益となりました。
b.株式会社ソフテル
「通販する蔵」を提供する株式会社ソフテルでは、複数店舗の在庫や注文管理を一元化する主力システム「通販する蔵」の大型案件の受注が増加し、同システムの保守料金(お客さまごとにカスタマイズ)などを中心とする継続性の高いストック売上も好調に推移しました。また、前連結会計年度にはSAMURAI TECHNOLOGY株式会社を吸収合併し、エンジニアリソースの更なるスキルアップと効率化を推進することで単価向上と業務効率の改善が進んでおります。
当連結会計年度の売上高は898,982千円(前期比5.5%増)、経常利益90,809千円(前期比40.9%増)となりました。
c.株式会社TradeSafe
当連結会計年度の売上高は46,101千円(前期比1.9%減)、経常利益34,020千円(前期比267.7%増)となりました。当社はEC店舗認証事業であるトラストマーク事業において引き続き審査・モニタリングの質の維持向上を図り、優良店舗の差別化を行うことで、安心安全なEC社会を実現するための社会的なインフラ機能を目指してまいります。また、ECnote(EC店舗の販売分析ツール)については、株式会社ソフテルと連携して「通販する蔵の開発オプション機能」としてサービスの提供を行い、株式会社ソフテルとの連携を通じてグループシナジー追求によるサービスの普及に努めてまいります。なお、株式会社TradeSafeではEC事業者向けの財務・成長支援の一環として、「将来の売上(将来債権)」を早期に現金化できる、事業者向けの新しい資金調達(ファクタリング)サービスである「OneCredit」の試験的な提供を開始しております。今後、本格的な導入に向けて検討を進めてまいります。
d.株式会社空色
株式会社空色では新しいWeb接客の形を提案するソリューションの開発を行っており、2025年11月には統合UGCソリューション「future Review」をリリースいたしました。「future Review」は、購入者の声をECサイトの「信頼」として蓄積し、経営資産として創出および保有することで、差別化を図るものです。「future Review」は、GMV向上・解約防止・AI基盤構築を一体化した統合UGCソリューションであり、AI時代における当社グループの重要な成長エンジンと位置づけています。
当連結会計年度の売上高は26,638千円(前期比61.3%減)、経常損失57,391千円(前期は24,775千円の経常損失)となりました。
e.株式会社既読
株式会社既読では生成AIを活用した画像作成サービス「AI Creative One」の提供を開始しております。
当連結会計年度の売上高は13,356千円(前期比345.7%増)、経常損失12,745千円(前期は3,846千円の経常損失)となりました。
f.株式会社コマースコネクト
2025年4月に設立した株式会社コマースコネクトでは、AIを活用した次世代の受発注や在庫の一元管理機能を持つ、統合型ECプラットフォーム「Commerce Connect(コマースコネクト)」の開発を進めております。「Commerce Connect(コマースコネクト)」は、当社グループが開発を進めている次世代のマルチチャネル管理システムであり、現在提供されているECバックヤードシステム「通販する蔵」から移行していく計画のプロダクトです。単なる管理システムにとどまらず、「AI時代に対応した統合基盤」として、既存事業の高付加価値化や新たな収益源の創出を目指すための中心的な基盤として位置付けております。
当連結会計年度は、開発に注力し、収益化は来期以降となることから、経常損失7,258千円となりました。株式会社コマースコネクトは2025年4月1日に設立しており、前期比増減率は記載しておりません。
g.株式会社AttendMe
2025年5月に子会社化した㈱PINES及び㈱Newronaでは、2026年3月1付で㈱PINES及び㈱Newronaは合併し、㈱AttendMeに商号変更いたしました。株式会社AttendMeではVTuberと提携したインフルエンサーマーケティングサービスを提供しております。当グループでは、「共感」や「信頼」で選ばれるブランドへの転換を支援する戦略(オーセンティックコマース戦略)を推進しており、株式会社AttendMeが展開するVTuberマーケティングは、この戦略の中で消費者の「熱量」を高める役割を担っております。
当連結会計年度の売上高は182,166千円、経常損失14,117千円となりました。株式会社AttendMeは2025年6月30日をみなし取得日としており、前期比増減率は記載しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
4) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び業務委託費等であります。これらの資金需要に対しては現状では自己資金の範囲内で対応できております。今後は業容拡大に伴い自己資金、銀行借入、及びエクイティファイナンス等での多様な調達方法を資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討していく方針です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,875,566千円であり流動性を確保しております。