有価証券報告書-第94期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の財務数値についても、IFRSに組み替えて比較分析を行っております。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
(海外相場、為替)
当期の世界経済は、好調な米国経済が牽引役となり、各地域とも概ね拡大を維持しましたが、後半にかけて景気減速懸念が高まりました。
為替相場については、日米間の金利差などを背景に円安ドル高傾向で推移しました。しかし、世界的な景気減速懸念が更なる円安ドル高の進展に歯止めをかけたことで、平均為替レートは前期並みとなりました。
主要非鉄金属価格につきましては、第2四半期連結会計期間以降、米中の貿易摩擦のエスカレート及び米国の金融引き締めなどにより市場から資金の引上げが進んだことで、銅及びニッケル価格は下落基調に転じましたが、第4四半期連結会計期間に入り、需給バランスに沿って緩やかな上昇が見られました。その結果、銅価格は前期を小幅に下回りましたが、ニッケル価格は第1四半期連結会計期間の価格上昇の影響により前期を上回りました。
材料事業の関連業界におきましては、中国市場の不振が懸念される中で車載用電池向け部材の需要が引き続き増加しました。スマートフォン市場は、普及率が頭打ちとなったことでマイナス成長に転じ、一部の部材では在庫調整の長期化などが懸念されています。
このような状況のなか、当期の連結売上高は、電池材料の増販があったものの、Sumitomo Metal Mining Pogo LLCの売却に伴う減収などにより、前期に比べ17,538百万円減少し、912,208百万円となりました。
連結税引前当期利益は、為替差益などによる金融収益の増加及びSumitomo Metal Mining Pogo LLCの売却などによるその他の収益の増加があったものの、売上総利益及び持分法による投資損益の悪化などにより、前期に比べ18,915百万円減少し、89,371百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が減少したことなどにより、前期に比べ23,437百万円減少し、66,790百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
資源セグメントでは、Sumitomo Metal Mining Pogo LLCを売却したことによる売却益の計上があったものの、主要鉱山における鉱石中の銅品位低下による減産などにより、セグメント利益は前期を下回りました。なお、前期に計上したSociedad Minera Cerro Verde S.A.A.における鉱業事業者に対する過年度のロイヤリティ等を、当期にも計上いたしました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売鉱石の含有金量は計画通り、前期並みの6tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、鉱石の銅品位の低下などにより前期を下回り、430千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は25%)
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、鉱石の銅品位の低下などにより前期を下回り、476千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は16.8%)
シエラゴルダ銅鉱山(チリ)の生産量は、給鉱品位の一時的な低下があったものの、実収率の向上に伴う操業度等の改善により前期並みを維持し、97千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は31.5%)
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
(当社の主な製品別生産量)
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
製錬セグメントでは、ニッケルについて、Coral Bay Nickel Corporationの生産量は前期を上回りましたが、Taganito HPAL Nickel Corporationの生産量が設備トラブルなどにより前期を下回ったことで、電気ニッケルの生産量及び販売量は前期を下回りました。銅の生産量及び販売量は前期を上回ったものの、電気ニッケルの減販などにより、セグメント利益は前期を下回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
材料セグメントでは、車載用途向けの旺盛な需要を背景に電池材料の販売が好調を維持しました。結晶材料で顧客の在庫調整が続いているものの、前期に計上した有形固定資産減損損失が当期に計上されなかったことなどにより、セグメント利益は前期を上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
当期末の資産合計は前期末に比べて増加しました。主な増減は以下のとおりであります。ケブラダ・ブランカ銅鉱山の権益取得に伴い現金及び現金同等物が減少した一方で、非流動資産のうち、持分法で会計処理されている投資及びその他の金融資産に含まれる長期貸付金が増加しました。
負債合計は前期末に比べ増加しました。主な増減は以下のとおりであります。流動負債の社債を償還しましたが、営業債務及びその他の債務や新規発行により非流動負債の社債が増加しました。
資本合計は、前期末に比べ増加しました。主な増減は以下のとおりであります。親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したことから利益剰余金が増加しました。一方、その他の資本の構成要素に含まれる、在外営業活動体の換算差額が減少したことに加え、保有株式の株価下落によりその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が減少しました。
④ 財務指標
当社グループは、2016年度から2018年度までの3年間を対象とする「15中計」に基づき、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上に邁進しました。
「15中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持、株主還元として連結配当性向30%以上といたしました。当連結会計年度の親会社所有者帰属持分比率は58.3%となり、連結配当性向は30.0%となりました。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益が減少したものの、営業債権及びその他の債権、法人所得税の支払額が減少したことなどにより、前期に比べて収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、Sumitomo Metal Mining Pogo LLC の売却による収入があったものの、前期にあった長期貸付金の回収及び投資有価証券の売却による多額の収入が減少したことに加え、ケブラダ・ブランカ銅鉱山の権益取得に関わる関係会社株式の取得及び長期貸付けによる支出があったことなどから、前期に比べて支出が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行額を上回る償還があったものの、借入金の返済が減少したことなどから、前期に比べて支出が減少しました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、将来の大型プロジェクトやM&Aに備えて、健全な財務体質及び格付けの維持を財務目標とし、具体的には「18中計」において、自己資本比率50%以上の維持を掲げております。また、現状の信用格付け(JCR)「ダブルAマイナス」以上の取得・維持を目指します。
当社は、上記の目標の下、金融環境の変化も踏まえ、中長期にわたる安定的かつ低利な投資資金及び運転資金を調達することを基本としております。具体的には、自己資金による充当を主とし、必要に応じて銀行借入、資本市場における社債発行等により資金調達を行うこととしております。
流動性については、事業活動を行う上で十分な運転資金を有するとともに、即時に借入可能なコミットメントラインに基づく借入枠を設定しており、万一の緊急時における資金調達に備えております。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。」)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(表示方法の変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日。以下「税効果会計基準一部改正」という。)を当連結会計年度の期首から適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しております。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」に表示されていた1,424百万円を「投資その他の資産」の「繰延税金資産」に、「流動負債」に表示されていた「繰延税金負債」1,342百万円を「固定負債」の「繰延税金負債」に、それぞれ組替えて表示しております。
なお、同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺して表示しておりますことから、表示変更前に比して総資産が312百万円減少しております。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されております。これによる当連結会計年度における影響として、日本基準に比べてIFRSでは、販売費及び一般管理費が154百万円減少しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の財務数値についても、IFRSに組み替えて比較分析を行っております。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
売上高 | 税引前当期利益 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | |
当連結会計年度 | 912,208 | 89,371 | 66,790 |
前連結会計年度 | 929,746 | 108,286 | 90,227 |
増減 | △17,538 | △18,915 | △23,437 |
増減率(%) | △1.9 | △17.5 | △26.0 |
(海外相場、為替)
単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) | |
銅 | $/t | 6,444 | 6,341 | △103 |
金 | $/TOZ | 1,285.2 | 1,263.1 | △22.1 |
ニッケル | $/lb | 5.06 | 5.85 | 0.79 |
為替(TTM) | 円/$ | 110.86 | 110.92 | 0.06 |
当期の世界経済は、好調な米国経済が牽引役となり、各地域とも概ね拡大を維持しましたが、後半にかけて景気減速懸念が高まりました。
為替相場については、日米間の金利差などを背景に円安ドル高傾向で推移しました。しかし、世界的な景気減速懸念が更なる円安ドル高の進展に歯止めをかけたことで、平均為替レートは前期並みとなりました。
主要非鉄金属価格につきましては、第2四半期連結会計期間以降、米中の貿易摩擦のエスカレート及び米国の金融引き締めなどにより市場から資金の引上げが進んだことで、銅及びニッケル価格は下落基調に転じましたが、第4四半期連結会計期間に入り、需給バランスに沿って緩やかな上昇が見られました。その結果、銅価格は前期を小幅に下回りましたが、ニッケル価格は第1四半期連結会計期間の価格上昇の影響により前期を上回りました。
材料事業の関連業界におきましては、中国市場の不振が懸念される中で車載用電池向け部材の需要が引き続き増加しました。スマートフォン市場は、普及率が頭打ちとなったことでマイナス成長に転じ、一部の部材では在庫調整の長期化などが懸念されています。
このような状況のなか、当期の連結売上高は、電池材料の増販があったものの、Sumitomo Metal Mining Pogo LLCの売却に伴う減収などにより、前期に比べ17,538百万円減少し、912,208百万円となりました。
連結税引前当期利益は、為替差益などによる金融収益の増加及びSumitomo Metal Mining Pogo LLCの売却などによるその他の収益の増加があったものの、売上総利益及び持分法による投資損益の悪化などにより、前期に比べ18,915百万円減少し、89,371百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が減少したことなどにより、前期に比べ23,437百万円減少し、66,790百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
売上高 | 154,726 | 130,078 | △24,648 | △15.9 |
セグメント利益 | 57,994 | 36,465 | △21,529 | △37.1 |
資源セグメントでは、Sumitomo Metal Mining Pogo LLCを売却したことによる売却益の計上があったものの、主要鉱山における鉱石中の銅品位低下による減産などにより、セグメント利益は前期を下回りました。なお、前期に計上したSociedad Minera Cerro Verde S.A.A.における鉱業事業者に対する過年度のロイヤリティ等を、当期にも計上いたしました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売鉱石の含有金量は計画通り、前期並みの6tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、鉱石の銅品位の低下などにより前期を下回り、430千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は25%)
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、鉱石の銅品位の低下などにより前期を下回り、476千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は16.8%)
シエラゴルダ銅鉱山(チリ)の生産量は、給鉱品位の一時的な低下があったものの、実収率の向上に伴う操業度等の改善により前期並みを維持し、97千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は31.5%)
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
売上高 | 668,694 | 637,779 | △30,915 | △4.6 |
セグメント利益 | 47,763 | 40,935 | △6,828 | △14.3 |
(当社の主な製品別生産量)
製品 | 単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) |
銅 | t | 432,207 | 454,177 | 21,970 |
金 | kg | 21,151 | 21,351 | 200 |
電気ニッケル | t | 60,325 | 56,674 | △3,651 |
フェロニッケル | t | 12,968 | 12,887 | △81 |
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
製錬セグメントでは、ニッケルについて、Coral Bay Nickel Corporationの生産量は前期を上回りましたが、Taganito HPAL Nickel Corporationの生産量が設備トラブルなどにより前期を下回ったことで、電気ニッケルの生産量及び販売量は前期を下回りました。銅の生産量及び販売量は前期を上回ったものの、電気ニッケルの減販などにより、セグメント利益は前期を下回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
売上高 | 184,792 | 219,396 | 34,604 | 18.7 |
セグメント利益 | 7,087 | 13,780 | 6,693 | 94.4 |
材料セグメントでは、車載用途向けの旺盛な需要を背景に電池材料の販売が好調を維持しました。結晶材料で顧客の在庫調整が続いているものの、前期に計上した有形固定資産減損損失が当期に計上されなかったことなどにより、セグメント利益は前期を上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | |
資産合計 | 1,732,333 | 1,797,701 | 65,368 |
負債合計 | 618,984 | 646,421 | 27,437 |
資本合計 | 1,113,349 | 1,151,280 | 37,931 |
当期末の資産合計は前期末に比べて増加しました。主な増減は以下のとおりであります。ケブラダ・ブランカ銅鉱山の権益取得に伴い現金及び現金同等物が減少した一方で、非流動資産のうち、持分法で会計処理されている投資及びその他の金融資産に含まれる長期貸付金が増加しました。
負債合計は前期末に比べ増加しました。主な増減は以下のとおりであります。流動負債の社債を償還しましたが、営業債務及びその他の債務や新規発行により非流動負債の社債が増加しました。
資本合計は、前期末に比べ増加しました。主な増減は以下のとおりであります。親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したことから利益剰余金が増加しました。一方、その他の資本の構成要素に含まれる、在外営業活動体の換算差額が減少したことに加え、保有株式の株価下落によりその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が減少しました。
④ 財務指標
当社グループは、2016年度から2018年度までの3年間を対象とする「15中計」に基づき、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上に邁進しました。
「15中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持、株主還元として連結配当性向30%以上といたしました。当連結会計年度の親会社所有者帰属持分比率は58.3%となり、連結配当性向は30.0%となりました。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 78,552 | 114,744 | 36,192 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △22,787 | △142,354 | △119,567 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △89,797 | △29,047 | 60,750 |
換算差額 | △1,545 | 588 | 2,133 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 172,907 | 137,330 | △35,577 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 137,330 | 81,261 | △56,069 |
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益が減少したものの、営業債権及びその他の債権、法人所得税の支払額が減少したことなどにより、前期に比べて収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、Sumitomo Metal Mining Pogo LLC の売却による収入があったものの、前期にあった長期貸付金の回収及び投資有価証券の売却による多額の収入が減少したことに加え、ケブラダ・ブランカ銅鉱山の権益取得に関わる関係会社株式の取得及び長期貸付けによる支出があったことなどから、前期に比べて支出が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行額を上回る償還があったものの、借入金の返済が減少したことなどから、前期に比べて支出が減少しました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、将来の大型プロジェクトやM&Aに備えて、健全な財務体質及び格付けの維持を財務目標とし、具体的には「18中計」において、自己資本比率50%以上の維持を掲げております。また、現状の信用格付け(JCR)「ダブルAマイナス」以上の取得・維持を目指します。
当社は、上記の目標の下、金融環境の変化も踏まえ、中長期にわたる安定的かつ低利な投資資金及び運転資金を調達することを基本としております。具体的には、自己資金による充当を主とし、必要に応じて銀行借入、資本市場における社債発行等により資金調達を行うこととしております。
流動性については、事業活動を行う上で十分な運転資金を有するとともに、即時に借入可能なコミットメントラインに基づく借入枠を設定しており、万一の緊急時における資金調達に備えております。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。」)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
資源 | 130,078 | △15.9 |
製錬 | 637,779 | △4.6 |
材料 | 219,396 | 18.7 |
報告セグメント計 | 987,253 | △2.1 |
その他 | 8,864 | △14.1 |
調整額 | △83,909 | - |
連結財務諸表計上額 | 912,208 | △1.9 |
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
パナソニック㈱ | 127,128 | 13.7 | 179,529 | 19.7 |
住友商事㈱ | 124,029 | 13.3 | 90,048 | 9.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2018年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年3月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 586,007 | 522,450 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 464,414 | 459,689 |
無形固定資産 | 65,950 | 60,937 |
投資その他の資産 | 582,354 | 716,195 |
固定資産合計 | 1,112,718 | 1,236,821 |
資産合計 | 1,698,725 | 1,759,271 |
負債の部 | ||
流動負債 | 216,421 | 227,870 |
固定負債 | 362,296 | 377,038 |
負債合計 | 578,717 | 604,908 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 938,847 | 974,796 |
その他の包括利益累計額 | 97,590 | 76,994 |
非支配株主持分 | 83,571 | 102,573 |
純資産合計 | 1,120,008 | 1,154,363 |
負債純資産合計 | 1,698,725 | 1,759,271 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
売上高 | 933,517 | 912,139 |
売上原価 | 776,428 | 784,680 |
売上総利益 | 157,089 | 127,459 |
販売費及び一般管理費 | 46,886 | 48,866 |
営業利益 | 110,203 | 78,593 |
営業外収益 | 30,198 | 24,643 |
営業外費用 | 15,548 | 20,989 |
経常利益 | 124,853 | 82,247 |
特別利益 | 1,315 | 10,580 |
特別損失 | 20,373 | 3,139 |
税金等調整前当期純利益 | 105,795 | 89,688 |
法人税等合計 | 9,466 | 25,438 |
当期純利益 | 96,329 | 64,250 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 4,681 | △327 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 91,648 | 64,577 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
当期純利益 | 96,329 | 64,250 |
その他の包括利益合計 | △2,518 | △19,721 |
包括利益 | 93,811 | 44,529 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 92,490 | 43,981 |
非支配株主に係る包括利益 | 1,321 | 548 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 864,941 | 96,749 | 62,431 | 1,024,121 |
当期変動額合計 | 73,906 | 841 | 21,140 | 95,887 |
当期末残高 | 938,847 | 97,590 | 83,571 | 1,120,008 |
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円) |
株主資本 | その他の包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 938,847 | 97,590 | 83,571 | 1,120,008 |
当期変動額合計 | 35,949 | △20,596 | 19,002 | 34,355 |
当期末残高 | 974,796 | 76,994 | 102,573 | 1,154,363 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 79,405 | 118,877 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △22,994 | △142,962 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △90,095 | △29,047 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △1,564 | △652 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △35,248 | △53,784 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 170,293 | 135,045 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 135,045 | 81,261 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(表示方法の変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日。以下「税効果会計基準一部改正」という。)を当連結会計年度の期首から適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しております。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」に表示されていた1,424百万円を「投資その他の資産」の「繰延税金資産」に、「流動負債」に表示されていた「繰延税金負債」1,342百万円を「固定負債」の「繰延税金負債」に、それぞれ組替えて表示しております。
なお、同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺して表示しておりますことから、表示変更前に比して総資産が312百万円減少しております。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されております。これによる当連結会計年度における影響として、日本基準に比べてIFRSでは、販売費及び一般管理費が154百万円減少しております。