四半期報告書-第99期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
(単位:百万円)
(海外相場、為替)
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、緩やかに減速しました。米国では金融引き締めによる信用収縮の影響を受けたものの、堅調な個人消費などに支えられ景気は底堅く推移しましたが、欧州では物価高及び金融引き締めの長期化により内需は力強さに欠け、加えて中国では不動産市場の低迷などが経済成長を押し下げました。
為替相場につきましては、米国では金融政策を利下げへ転換するとの観測が高まる一方、日本の金融緩和政策にも利上げへ修正するとの観測が広がったことなどから一時的に円高基調となったものの、両国の金融政策は大幅な変更には至らなかったことから円安傾向で推移し、平均為替レートは前年同期間と比べ円安となりました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、中国をはじめとした各国の経済成長の減速による需要減少への懸念や米ドル高の継続などにより下落する局面があったものの、その後は概ね横ばいで推移し、平均価格は前年同期間を若干下回りました。ニッケル価格は、世界経済の成長減速、供給量の増加及び米ドル高などにより期を通して下落し、平均価格は前年同期間を下回りました。一方、金価格は、欧米の銀行破綻による金融不安などにより前連結会計年度末にかけて上昇した後、米国における相次ぐ利上げなどにより下落基調に転じましたが、中東の地政学的緊張の高まりなどから、平均価格は前年同期間を上回りました。
材料事業の関連業界におきましては、電気自動車の市場は堅調に拡大しており、車載用電池材料の需要は底堅く推移しました。一方、半導体不足の解消により自動車市場など一部の市場では回復が見られたものの、中国の景気回復のペースの鈍化、スマートフォン及びパソコンなどの出荷台数の低迷などにより、電子部品の在庫調整は未だ続いており、電子部品向け部材の需要は本格的な回復に至りませんでした。
このような状況のなか、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は、車載用電池材料の増販などにより、前年同期間に比べ93億55百万円増加し、1兆850億39百万円となりました。
連結税引前四半期利益は、銅及びニッケル価格の下落や、前年同期間の急速な円安進行によって生じた為替差益などの一時的な損益好転要因が当期間は縮小したことなどから、前年同期間に比べ1,312億71百万円減少し、873億59百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、連結税引前四半期利益の減少により、前年同期間に比べ944億57百万円減少し、583億26百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(セグメント利益は、要約四半期連結損益計算書の税引前四半期利益をもとに算出しております。)
(資源セグメント)
(単位:百万円)
セグメント利益は、銅価格の下落や世界的な物価高などによる生産コストの増加により、前年同期間を下回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は年間販売金量4.0tに向け順調な操業を継続し、当第3四半期連結累計期間の販売金量は2.9tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、採掘量の減少などにより前年同期間を下回り、274千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、給鉱品位の上昇や処理量の増加などにより前年同期間を上回り、343千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は16.8%)。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
(当社の主な製品別生産量)
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント利益は、ニッケル価格の下落に加え、前年同期間の急速な円安進行によって生じた一時的な損益好転要因が当期間は縮小したことなどから、前年同期間を下回りました。
電気ニッケルの生産量及び販売量は前年同期間を上回りましたが、電気銅の生産量は東予工場の定期炉修(大型休転)などにより前年同期間を下回り、販売量も前年同期間を下回りました。また、フェロニッケルの生産量も前年同期間を下回りました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、設備トラブルなどのため前年同期間を下回りました。Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)は、概ね計画どおりに操業を継続し、生産量は前年同期間並みとなりました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
セグメント利益は、車載用電池材料が増販となったものの、非鉄金属価格の下落などの影響により損益が押し下げられたことや、電子部品向け部材の需要が低調に推移したことなどにより、前年同期間を下回りました。
(2)財政状態に関する説明
① 財政状態
(単位:百万円)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、棚卸資産が減少したものの、有形固定資産、持分法で会計処理されている投資、非流動資産のその他の金融資産のうち主に投資有価証券及び長期貸付金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
負債合計は、流動負債の社債及び借入金や未払法人所得税等が減少したものの、非流動負債の社債及び借入金や繰延税金負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
資本合計は、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額が円安により増加し、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が保有株式の価格上昇により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益が減少し、営業債務及びその他の債務が減少したものの、棚卸資産、営業債権及びその他の債権が減少したことなどから、前年同期間に比べ収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入が減少し、加えて長期貸付けによる支出、有形固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前年同期間に比べ支出が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出が前年同期間に比べ増加したものの、長期借入れによる収入と短期借入れによる収入が増加したことなどから、前年同期間は支出でしたが当期間は収入となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。また、新たに生じた優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題もありません。
なお、当社は、2021年中期経営計画において、連結自己資本比率50%超を維持することを財務戦略の基本とし、配当方針として「連結配当性向原則35%以上」を掲げておりますが、2024年2月8日開催の当社取締役会において、DOE(連結株主資本配当率※)1.5%を下限指標として追加し、配当方針を「剰余金の配当は、原則連結配当性向35%以上とし、下限指標はDOE1.5%とする」とするとともに、これを2024年3月期の期末配当より適用することを決議いたしました。
当社グループの業績は、事業の特性上、非鉄金属価格や為替相場の変動等による影響を受けることから、連結配当性向を原則とした剰余金の配当額は大きく変動します。そのため資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として、相場等の要因で当社グループの業績が悪化した場合の配当金への影響を緩和することを目的として、下限指標となるDOEを追加することとしました。
※DOE(連結株主資本配当率)=年間配当総額÷親会社の所有者に帰属する連結純資産
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、81億95百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況のセグメントごとの変更内容は、次のとおりであります。
製錬セグメントにおいて、使用済みリチウムイオン二次電池から回収したニッケル及びコバルトを使用した電池材料(正極材)が、顧客による電池性能評価において、天然資源由来中心の既存原料から製造したものと同等であることが実証されました。
材料セグメントにおいて、フィルムなどの基材の上に印刷技術で電子回路やセンサーを形成する「プリンテッドエレクトロニクス」向けの導電性インクとして、当社は国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、株式会社プリウェイズ(NIMS発ベンチャー企業)及びエヌ・イー ケムキャット株式会社と共同で厚膜導電性インクを開発いたしました。本インクには、プリンテッドエレクトロニクスで要求される膜厚制御と低温焼結性を実現すべく新居浜研究所にて開発中の微粒銅粉が添加されており、2024年1月に開催されたエレクトロニクス製造・実装展に出展しました。今後は、顧客との対話を通じ用途拡大や性能向上を行ってまいります。
この他に、上記報告セグメントに属さない基礎研究や新規事業向け研究開発として、塩湖かん水からリチウムを回収する直接リチウム抽出法の実証試験を開始すべくチリ共和国アントファガスタ州にパイロットプラントを設置いたしました。リチウム資源の安定調達、金属資源の有効活用、環境負荷の低減に向け、実証試験を通じて本技術の実用化を進めます。
(注)「事業の状況」に記載している金額は、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態に関する説明」を除き、消費税等を除いた金額であります。
(1)業績の状況
(単位:百万円)
| 売上高 | 税引前四半期利益 | 親会社の所有者に 帰属する四半期利益 | |
| 当第3四半期連結累計期間 | 1,085,039 | 87,359 | 58,326 |
| 前第3四半期連結累計期間 | 1,075,684 | 218,630 | 152,783 |
| 増減 (増減率%) | 9,355 (0.9) | △131,271 (△60.0) | △94,457 (△61.8) |
(海外相場、為替)
| 単位 | 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (△は減少) | |
| 銅 | $/t | 8,425 | 8,334 | △91 |
| 金 | $/TOZ | 1,777.0 | 1,961.2 | 184.2 |
| ニッケル | $/lb | 11.56 | 9.06 | △2.50 |
| 為替(TTM) | 円/$ | 136.52 | 143.30 | 6.78 |
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、緩やかに減速しました。米国では金融引き締めによる信用収縮の影響を受けたものの、堅調な個人消費などに支えられ景気は底堅く推移しましたが、欧州では物価高及び金融引き締めの長期化により内需は力強さに欠け、加えて中国では不動産市場の低迷などが経済成長を押し下げました。
為替相場につきましては、米国では金融政策を利下げへ転換するとの観測が高まる一方、日本の金融緩和政策にも利上げへ修正するとの観測が広がったことなどから一時的に円高基調となったものの、両国の金融政策は大幅な変更には至らなかったことから円安傾向で推移し、平均為替レートは前年同期間と比べ円安となりました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、中国をはじめとした各国の経済成長の減速による需要減少への懸念や米ドル高の継続などにより下落する局面があったものの、その後は概ね横ばいで推移し、平均価格は前年同期間を若干下回りました。ニッケル価格は、世界経済の成長減速、供給量の増加及び米ドル高などにより期を通して下落し、平均価格は前年同期間を下回りました。一方、金価格は、欧米の銀行破綻による金融不安などにより前連結会計年度末にかけて上昇した後、米国における相次ぐ利上げなどにより下落基調に転じましたが、中東の地政学的緊張の高まりなどから、平均価格は前年同期間を上回りました。
材料事業の関連業界におきましては、電気自動車の市場は堅調に拡大しており、車載用電池材料の需要は底堅く推移しました。一方、半導体不足の解消により自動車市場など一部の市場では回復が見られたものの、中国の景気回復のペースの鈍化、スマートフォン及びパソコンなどの出荷台数の低迷などにより、電子部品の在庫調整は未だ続いており、電子部品向け部材の需要は本格的な回復に至りませんでした。
このような状況のなか、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は、車載用電池材料の増販などにより、前年同期間に比べ93億55百万円増加し、1兆850億39百万円となりました。
連結税引前四半期利益は、銅及びニッケル価格の下落や、前年同期間の急速な円安進行によって生じた為替差益などの一時的な損益好転要因が当期間は縮小したことなどから、前年同期間に比べ1,312億71百万円減少し、873億59百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、連結税引前四半期利益の減少により、前年同期間に比べ944億57百万円減少し、583億26百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(セグメント利益は、要約四半期連結損益計算書の税引前四半期利益をもとに算出しております。)
(資源セグメント)
(単位:百万円)
| 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 126,533 | 118,936 | △7,597 | △6.0 |
| セグメント利益 | 57,133 | 44,955 | △12,178 | △21.3 |
セグメント利益は、銅価格の下落や世界的な物価高などによる生産コストの増加により、前年同期間を下回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は年間販売金量4.0tに向け順調な操業を継続し、当第3四半期連結累計期間の販売金量は2.9tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、採掘量の減少などにより前年同期間を下回り、274千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、給鉱品位の上昇や処理量の増加などにより前年同期間を上回り、343千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は16.8%)。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
| 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 810,480 | 790,659 | △19,821 | △2.4 |
| セグメント利益 | 118,024 | 43,208 | △74,816 | △63.4 |
(当社の主な製品別生産量)
| 製品 | 単位 | 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (△は減少) |
| 銅 | t | 335,668 | 269,900 | △65,768 |
| 金 | kg | 13,785 | 13,157 | △628 |
| 電気ニッケル | t | 37,394 | 42,580 | 5,186 |
| フェロニッケル | t | 7,869 | 4,166 | △3,703 |
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント利益は、ニッケル価格の下落に加え、前年同期間の急速な円安進行によって生じた一時的な損益好転要因が当期間は縮小したことなどから、前年同期間を下回りました。
電気ニッケルの生産量及び販売量は前年同期間を上回りましたが、電気銅の生産量は東予工場の定期炉修(大型休転)などにより前年同期間を下回り、販売量も前年同期間を下回りました。また、フェロニッケルの生産量も前年同期間を下回りました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、設備トラブルなどのため前年同期間を下回りました。Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)は、概ね計画どおりに操業を継続し、生産量は前年同期間並みとなりました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
| 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 241,577 | 263,129 | 21,552 | 8.9 |
| セグメント利益 | 20,274 | 1,398 | △18,876 | △93.1 |
セグメント利益は、車載用電池材料が増販となったものの、非鉄金属価格の下落などの影響により損益が押し下げられたことや、電子部品向け部材の需要が低調に推移したことなどにより、前年同期間を下回りました。
(2)財政状態に関する説明
① 財政状態
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 | 当第3四半期 連結会計期間末 | 増減 | |
| 資産合計 | 2,707,899 | 3,025,088 | 317,189 |
| 負債合計 | 918,603 | 1,034,414 | 115,811 |
| 資本合計 | 1,789,296 | 1,990,674 | 201,378 |
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、棚卸資産が減少したものの、有形固定資産、持分法で会計処理されている投資、非流動資産のその他の金融資産のうち主に投資有価証券及び長期貸付金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
負債合計は、流動負債の社債及び借入金や未払法人所得税等が減少したものの、非流動負債の社債及び借入金や繰延税金負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
資本合計は、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額が円安により増加し、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が保有株式の価格上昇により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 74,838 | 204,954 | 130,116 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △85,589 | △215,672 | △130,083 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △18,081 | 54,136 | 72,217 |
| 換算差額 | 24,733 | 16,059 | △8,674 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 213,977 | 215,007 | 1,030 |
| 現金及び現金同等物の四半期末残高 | 209,878 | 274,484 | 64,606 |
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益が減少し、営業債務及びその他の債務が減少したものの、棚卸資産、営業債権及びその他の債権が減少したことなどから、前年同期間に比べ収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入が減少し、加えて長期貸付けによる支出、有形固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前年同期間に比べ支出が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出が前年同期間に比べ増加したものの、長期借入れによる収入と短期借入れによる収入が増加したことなどから、前年同期間は支出でしたが当期間は収入となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。また、新たに生じた優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題もありません。
なお、当社は、2021年中期経営計画において、連結自己資本比率50%超を維持することを財務戦略の基本とし、配当方針として「連結配当性向原則35%以上」を掲げておりますが、2024年2月8日開催の当社取締役会において、DOE(連結株主資本配当率※)1.5%を下限指標として追加し、配当方針を「剰余金の配当は、原則連結配当性向35%以上とし、下限指標はDOE1.5%とする」とするとともに、これを2024年3月期の期末配当より適用することを決議いたしました。
当社グループの業績は、事業の特性上、非鉄金属価格や為替相場の変動等による影響を受けることから、連結配当性向を原則とした剰余金の配当額は大きく変動します。そのため資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として、相場等の要因で当社グループの業績が悪化した場合の配当金への影響を緩和することを目的として、下限指標となるDOEを追加することとしました。
※DOE(連結株主資本配当率)=年間配当総額÷親会社の所有者に帰属する連結純資産
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、81億95百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況のセグメントごとの変更内容は、次のとおりであります。
製錬セグメントにおいて、使用済みリチウムイオン二次電池から回収したニッケル及びコバルトを使用した電池材料(正極材)が、顧客による電池性能評価において、天然資源由来中心の既存原料から製造したものと同等であることが実証されました。
材料セグメントにおいて、フィルムなどの基材の上に印刷技術で電子回路やセンサーを形成する「プリンテッドエレクトロニクス」向けの導電性インクとして、当社は国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、株式会社プリウェイズ(NIMS発ベンチャー企業)及びエヌ・イー ケムキャット株式会社と共同で厚膜導電性インクを開発いたしました。本インクには、プリンテッドエレクトロニクスで要求される膜厚制御と低温焼結性を実現すべく新居浜研究所にて開発中の微粒銅粉が添加されており、2024年1月に開催されたエレクトロニクス製造・実装展に出展しました。今後は、顧客との対話を通じ用途拡大や性能向上を行ってまいります。
この他に、上記報告セグメントに属さない基礎研究や新規事業向け研究開発として、塩湖かん水からリチウムを回収する直接リチウム抽出法の実証試験を開始すべくチリ共和国アントファガスタ州にパイロットプラントを設置いたしました。リチウム資源の安定調達、金属資源の有効活用、環境負荷の低減に向け、実証試験を通じて本技術の実用化を進めます。
(注)「事業の状況」に記載している金額は、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態に関する説明」を除き、消費税等を除いた金額であります。