有価証券報告書-第96期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
(年間平均海外相場、年間平均為替相場)
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束していないことなどを背景に、景気が減速基調で推移しましたが、中国や米国等の地域では景気の回復傾向がみられるようになりました。
為替相場については、欧米などで当該感染症が再拡大したことに加え、米国での長期金利低下や金融緩和策によるドル需要の緩和などから、円高ドル安傾向で推移しておりましたが、米国の経済回復期待の高まりなどにより第4四半期連結会計期間に入り円安ドル高傾向に転じました。平均為替レートは前連結会計年度と比べ円高となりました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅及びニッケル価格は、当該感染症の拡大を受け前年度末にかけ下落しましたが、中国経済が回復していることなどを背景に上昇基調で推移しました。金価格は、当該感染症の影響による世界経済の先行き不透明感により第2四半期連結会計期間をピークに上昇基調で推移しました。この結果、当連結会計年度の銅及びニッケル並びに金価格はいずれも前連結会計年度を上回りました。
材料事業の関連業界におきましては、当該感染症の拡大による経済活動の停滞を受け、当社の車載用電池向け部材は需要が一時的に低迷し販売は伸び悩みました。スマートフォン市場は、当該感染症の拡大による影響を受け一部の部材で在庫調整があったものの、第5世代移動通信システム(5G)の進展などにより需要は回復傾向に転じました。
このような状況のなか、当連結会計年度の連結売上高は、電池材料事業での一時的な生産調整による減販などはあったものの、銅及びニッケル並びに金価格が前連結会計年度を上回ったことなどにより、前連結会計年度に比べ74,176百万円増加し、926,122百万円となりました。なお、当連結会計年度から、顧客から受領した有償支給品に係る会計処理を変更しております。また、前連結会計年度にも本会計方針の変更を遡及適用し、売上高を表示しております。
連結税引前当期利益は、増収及び持分法による投資損益が好転したことなどにより、前連結会計年度に比べ44,344百万円増加し、123,379百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ34,004百万円増加し、94,604百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
セグメント利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による販売量の減少、及びケブラダ・ブランカ銅鉱山フェーズ2開発プロジェクト(チリ)における建設中断期間費用の損失処理などによる悪化があったものの、金及び銅価格の上昇などにより前連結会計年度を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売金量は計画通り、前連結会計年度並みの6tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、鉱石処理量の減少などにより前連結会計年度を下回り、446千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は25.0%)
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、当該感染症の拡大に伴う国家非常事態宣言を受け、保安操業を実施した影響などにより前連結会計年度を下回り、372千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は16.8%)
シエラゴルダ銅鉱山(チリ)の生産量は、鉱石処理量の増加などにより前連結会計年度を上回り、149千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は31.5%)
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
(当社の主な製品別生産量)
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント利益は、非鉄金属価格が上昇したことなどにより、前連結会計年度を上回りました。
電気銅の生産量及び販売量は前連結会計年度を上回りましたが、電気ニッケルの生産量及び販売量は前連結会計年度を下回りました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は軽微であり、前連結会計年度並みとなりました。Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)では、当該感染症拡大の影響を受けて予定休転期間が一部長期化しました。休転後は概ね計画どおりに操業を行いましたが、降雨の影響等もあり、生産量は前連結会計年度を下回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
セグメント利益は、電池材料等では一時的な生産調整により販売量が減少しましたが、粉体材料等において前連結会計年度と比較し販売量が増加したことなどにより、前連結会計年度を上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べて増加しました。主な増減は次のとおりであります。PT Vale Indonesia Tbk(製錬セグメント、インドネシア共和国所在)株式の一部売却に伴い同社を持分法適用会社から除外したことなどにより、持分法で会計処理されている投資が減少したものの、同社株式のその他の金融資産への振替及び保有株式の価格上昇などにより、その他の金融資産が増加しました。さらに、非鉄金属価格の上昇などにより棚卸資産、営業債権及びその他の債権が増加しました。
負債合計は前連結会計年度末に比べ増加しました。主な増減は次のとおりであります。借入金の返済により社債及び借入金が減少したものの、営業債務及びその他の債務、保有株式の評価差額に係る繰延税金負債が増加しました。
資本合計は、前連結会計年度末に比べ増加しました。主な増減は次のとおりであります。その他の資本の構成要素のうち在外営業活動体の換算差額が円高の影響により減少したものの、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が保有株式の価格上昇により増加しました。また、当期利益を計上したことにより利益剰余金が増加しました。
④ 財務指標
当社グループは、2019年度から2021年度までの3年間を対象とする「18中計」に基づき、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上に邁進しております。
「18中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持、株主還元の指標として連結配当性向35%以上といたしました。当連結会計年度の親会社所有者帰属持分比率は59.1%となり、連結配当性向は35.1%となりました。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益が前連結会計年度に比べて増加し、営業債務及びその他の債務が増加したものの、棚卸資産、営業債権及びその他の債権が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却収入が減少したものの、PT ValeIndonesia Tbk株式の一部売却などの関係会社株式の売却による収入が増加し、前連結会計年度のケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)への参入などに伴う関係会社株式の取得による支出が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が前連結会計年度に比べて減少したことに加え、社債の発行による収入が当連結会計年度はなかったこと、短期借入金の返済による支出及び長期借入金の返済による支出が増加したことなどから、当連結会計年度は支出となりました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a)財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、減耗する資源を取り扱っており、常に新たな資源権益獲得のための大型開発プロジェクト参画やM&Aに備える必要があります。また、新たな製錬所建設も含め、資源・製錬の開発プロジェクトは、投資を実行してから回収するまでに、比較的長期間を要します。従い一時的な大きなキャッシュ・アウトフローに耐えうる健全な財務体質を維持していくことが重要であり、当社はこのような考え方のもと、具体的には連結自己資本比率を50%以上に保つことを財務戦略の基本としております。
b)資金調達と流動性マネジメント
当社は事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金を確保することを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融のバランスを見極めつつ、その時々のマーケット状況での有利手段を追求しています。資源・製錬事業における海外大型プロジェクトでは、現地のカントリーリスクにさらされることも多く、政府系金融機関による各種支援メニューや複数の金融機関による協調型融資の活用、プロジェクトファイナンスの組成など、その都度最適な資金調達方法を検討しております。
また、当社はそのような大型プロジェクトも含めた将来の設備投資等の資金需要に対応しつつ、経営の安定化から一定の手元流動性を維持することも必要であると考えています。
当社は、手元流動性の水準を考えるにあたり、流動性リスクとして連結売上高1.5ヶ月分と半年以内返済予定の借入金等の合計額を想定し、これに対し、現金・預金及び現金同等物(以下「手元現預金」)及びコマーシャルペーパー発行可能枠の未使用額を合わせた金額で賄うことで対応することとしています。また、金融市場の動向によりコマーシャルペーパーによる調達が一時的に困難になるリスクも想定し、発行に際してはコミットメントライン契約に基づく借入限度額の範囲内にとどめることを原則としています。
さらに、手元現預金が中長期にわたり必要額に満たなくなると想定される場合には、社債の発行や金融機関からの借入金等を通じて、必要な現預金残高を確保することを考えております。
なお、当社は、日本国内の市場においてJCRから「ダブルAマイナス」の長期発行体格付及び「J-ワンプラス」の国内CP格付を取得しており、資金調達にあたっては十分な信用力を保持しております。また、主要な国内金融機関と円貨及び外貨でのコミットメントライン契約を締結しており、金融・資本市場の流動性が逼迫した状況下でも、コミットメントラインを使用することによって十分な流動性を確保することができると考えております。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度より顧客から受領した有償支給品に係る会計処理について会計方針の変更を行っております。本会計方針の変更を遡及適用したため、前連結会計年度及び前連結会計年度比について、遡及適用後の数値をもとに算定しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
| 売上高 | 税引前当期利益 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | |
| 当連結会計年度 | 926,122 | 123,379 | 94,604 |
| 前連結会計年度 | 851,946 | 79,035 | 60,600 |
| 増減 | 74,176 | 44,344 | 34,004 |
| 増減率(%) | 8.7 | 56.1 | 56.1 |
(年間平均海外相場、年間平均為替相場)
| 単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) | |
| 銅 | $/t | 5,860 | 6,879 | 1,019 |
| 金 | $/TOZ | 1,462.3 | 1,824.1 | 361.8 |
| ニッケル | $/lb | 6.35 | 6.80 | 0.45 |
| 為替(TTM) | 円/$ | 108.74 | 106.07 | △2.67 |
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束していないことなどを背景に、景気が減速基調で推移しましたが、中国や米国等の地域では景気の回復傾向がみられるようになりました。
為替相場については、欧米などで当該感染症が再拡大したことに加え、米国での長期金利低下や金融緩和策によるドル需要の緩和などから、円高ドル安傾向で推移しておりましたが、米国の経済回復期待の高まりなどにより第4四半期連結会計期間に入り円安ドル高傾向に転じました。平均為替レートは前連結会計年度と比べ円高となりました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅及びニッケル価格は、当該感染症の拡大を受け前年度末にかけ下落しましたが、中国経済が回復していることなどを背景に上昇基調で推移しました。金価格は、当該感染症の影響による世界経済の先行き不透明感により第2四半期連結会計期間をピークに上昇基調で推移しました。この結果、当連結会計年度の銅及びニッケル並びに金価格はいずれも前連結会計年度を上回りました。
材料事業の関連業界におきましては、当該感染症の拡大による経済活動の停滞を受け、当社の車載用電池向け部材は需要が一時的に低迷し販売は伸び悩みました。スマートフォン市場は、当該感染症の拡大による影響を受け一部の部材で在庫調整があったものの、第5世代移動通信システム(5G)の進展などにより需要は回復傾向に転じました。
このような状況のなか、当連結会計年度の連結売上高は、電池材料事業での一時的な生産調整による減販などはあったものの、銅及びニッケル並びに金価格が前連結会計年度を上回ったことなどにより、前連結会計年度に比べ74,176百万円増加し、926,122百万円となりました。なお、当連結会計年度から、顧客から受領した有償支給品に係る会計処理を変更しております。また、前連結会計年度にも本会計方針の変更を遡及適用し、売上高を表示しております。
連結税引前当期利益は、増収及び持分法による投資損益が好転したことなどにより、前連結会計年度に比べ44,344百万円増加し、123,379百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ34,004百万円増加し、94,604百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 114,861 | 127,042 | 12,181 | 10.6 |
| セグメント利益 | 37,956 | 65,290 | 27,334 | 72.0 |
セグメント利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による販売量の減少、及びケブラダ・ブランカ銅鉱山フェーズ2開発プロジェクト(チリ)における建設中断期間費用の損失処理などによる悪化があったものの、金及び銅価格の上昇などにより前連結会計年度を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売金量は計画通り、前連結会計年度並みの6tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、鉱石処理量の減少などにより前連結会計年度を下回り、446千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は25.0%)
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、当該感染症の拡大に伴う国家非常事態宣言を受け、保安操業を実施した影響などにより前連結会計年度を下回り、372千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は16.8%)
シエラゴルダ銅鉱山(チリ)の生産量は、鉱石処理量の増加などにより前連結会計年度を上回り、149千tとなりました。(うち非支配持分を除く当社持分は31.5%)
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 614,031 | 693,758 | 79,727 | 13.0 |
| セグメント利益 | 48,257 | 55,816 | 7,559 | 15.7 |
(当社の主な製品別生産量)
| 製品 | 単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) |
| 銅 | t | 399,399 | 442,626 | 43,227 |
| 金 | kg | 17,933 | 17,170 | △763 |
| 電気ニッケル | t | 58,813 | 55,861 | △2,952 |
| フェロニッケル | t | 13,539 | 13,023 | △516 |
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント利益は、非鉄金属価格が上昇したことなどにより、前連結会計年度を上回りました。
電気銅の生産量及び販売量は前連結会計年度を上回りましたが、電気ニッケルの生産量及び販売量は前連結会計年度を下回りました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は軽微であり、前連結会計年度並みとなりました。Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)では、当該感染症拡大の影響を受けて予定休転期間が一部長期化しました。休転後は概ね計画どおりに操業を行いましたが、降雨の影響等もあり、生産量は前連結会計年度を下回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 207,966 | 211,533 | 3,567 | 1.7 |
| セグメント利益 | 5,274 | 11,326 | 6,052 | 114.8 |
セグメント利益は、電池材料等では一時的な生産調整により販売量が減少しましたが、粉体材料等において前連結会計年度と比較し販売量が増加したことなどにより、前連結会計年度を上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | |
| 資産合計 | 1,719,690 | 1,885,999 | 166,309 |
| 負債合計 | 608,830 | 663,016 | 54,186 |
| 資本合計 | 1,110,860 | 1,222,983 | 112,123 |
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べて増加しました。主な増減は次のとおりであります。PT Vale Indonesia Tbk(製錬セグメント、インドネシア共和国所在)株式の一部売却に伴い同社を持分法適用会社から除外したことなどにより、持分法で会計処理されている投資が減少したものの、同社株式のその他の金融資産への振替及び保有株式の価格上昇などにより、その他の金融資産が増加しました。さらに、非鉄金属価格の上昇などにより棚卸資産、営業債権及びその他の債権が増加しました。
負債合計は前連結会計年度末に比べ増加しました。主な増減は次のとおりであります。借入金の返済により社債及び借入金が減少したものの、営業債務及びその他の債務、保有株式の評価差額に係る繰延税金負債が増加しました。
資本合計は、前連結会計年度末に比べ増加しました。主な増減は次のとおりであります。その他の資本の構成要素のうち在外営業活動体の換算差額が円高の影響により減少したものの、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が保有株式の価格上昇により増加しました。また、当期利益を計上したことにより利益剰余金が増加しました。
④ 財務指標
当社グループは、2019年度から2021年度までの3年間を対象とする「18中計」に基づき、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上に邁進しております。
「18中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持、株主還元の指標として連結配当性向35%以上といたしました。当連結会計年度の親会社所有者帰属持分比率は59.1%となり、連結配当性向は35.1%となりました。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 136,545 | 91,522 | △45,023 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △70,334 | △32,393 | 37,941 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 9,149 | △55,758 | △64,907 |
| 換算差額 | △1,091 | △528 | 563 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 81,261 | 155,530 | 74,269 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 155,530 | 158,373 | 2,843 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益が前連結会計年度に比べて増加し、営業債務及びその他の債務が増加したものの、棚卸資産、営業債権及びその他の債権が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却収入が減少したものの、PT ValeIndonesia Tbk株式の一部売却などの関係会社株式の売却による収入が増加し、前連結会計年度のケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)への参入などに伴う関係会社株式の取得による支出が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が前連結会計年度に比べて減少したことに加え、社債の発行による収入が当連結会計年度はなかったこと、短期借入金の返済による支出及び長期借入金の返済による支出が増加したことなどから、当連結会計年度は支出となりました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a)財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、減耗する資源を取り扱っており、常に新たな資源権益獲得のための大型開発プロジェクト参画やM&Aに備える必要があります。また、新たな製錬所建設も含め、資源・製錬の開発プロジェクトは、投資を実行してから回収するまでに、比較的長期間を要します。従い一時的な大きなキャッシュ・アウトフローに耐えうる健全な財務体質を維持していくことが重要であり、当社はこのような考え方のもと、具体的には連結自己資本比率を50%以上に保つことを財務戦略の基本としております。
b)資金調達と流動性マネジメント
当社は事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金を確保することを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融のバランスを見極めつつ、その時々のマーケット状況での有利手段を追求しています。資源・製錬事業における海外大型プロジェクトでは、現地のカントリーリスクにさらされることも多く、政府系金融機関による各種支援メニューや複数の金融機関による協調型融資の活用、プロジェクトファイナンスの組成など、その都度最適な資金調達方法を検討しております。
また、当社はそのような大型プロジェクトも含めた将来の設備投資等の資金需要に対応しつつ、経営の安定化から一定の手元流動性を維持することも必要であると考えています。
当社は、手元流動性の水準を考えるにあたり、流動性リスクとして連結売上高1.5ヶ月分と半年以内返済予定の借入金等の合計額を想定し、これに対し、現金・預金及び現金同等物(以下「手元現預金」)及びコマーシャルペーパー発行可能枠の未使用額を合わせた金額で賄うことで対応することとしています。また、金融市場の動向によりコマーシャルペーパーによる調達が一時的に困難になるリスクも想定し、発行に際してはコミットメントライン契約に基づく借入限度額の範囲内にとどめることを原則としています。
さらに、手元現預金が中長期にわたり必要額に満たなくなると想定される場合には、社債の発行や金融機関からの借入金等を通じて、必要な現預金残高を確保することを考えております。
なお、当社は、日本国内の市場においてJCRから「ダブルAマイナス」の長期発行体格付及び「J-ワンプラス」の国内CP格付を取得しており、資金調達にあたっては十分な信用力を保持しております。また、主要な国内金融機関と円貨及び外貨でのコミットメントライン契約を締結しており、金融・資本市場の流動性が逼迫した状況下でも、コミットメントラインを使用することによって十分な流動性を確保することができると考えております。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| 資源 | 127,042 | 10.6 |
| 製錬 | 693,758 | 13.0 |
| 材料 | 211,533 | 1.7 |
| 報告セグメント計 | 1,032,333 | 10.2 |
| その他 | 9,703 | △3.2 |
| 調整額 | △115,914 | 22.1 |
| 連結財務諸表計上額 | 926,122 | 8.7 |
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| パナソニック㈱ | 158,297 | 18.6 | 145,322 | 15.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度より顧客から受領した有償支給品に係る会計処理について会計方針の変更を行っております。本会計方針の変更を遡及適用したため、前連結会計年度及び前連結会計年度比について、遡及適用後の数値をもとに算定しております。