有価証券報告書-第97期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
(年間平均海外相場、年間平均為替相場)
当連結会計年度の世界経済は、変異を続ける新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化したものの、ワクチン接種の進展などにより欧米諸国等を中心に回復基調で推移しました。しかしながら、2022年2月下旬に起きたロシアによるウクライナ侵攻により、欧州を中心にエネルギー供給等に不確実性が増し、経済成長の減速懸念が高まりました。
為替相場につきましては、米国における量的金融緩和の縮小や急速に進むインフレーションを抑制するためのゼロ金利政策の解除などの金融政策の転換に伴い、当連結会計年度末にかけて円安ドル高傾向がより顕著となりました。これにより、当連結会計年度の平均為替レートは前連結会計年度に比べ円安となりました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、前連結会計年度から当連結会計年度初めまで上昇が継続し、その後は同感染症の拡大の影響を受けながらも底堅い需要に支えられ、高水準な価格帯で推移しました。ニッケル価格は、世界経済の回復傾向を受け総じて上昇基調で推移しました。金価格は、当連結会計年度中は概ね一定水準で推移し、年度末にかけて上昇基調に転じました。また、ロシアによるウクライナ侵攻後は非鉄金属価格が急騰する局面がありました。この結果、当連結会計年度の銅及びニッケル価格はいずれも前連結会計年度を上回り、金価格は前連結会計年度とほぼ同水準となりました。
材料事業の関連業界におきましては、脱炭素化を背景とした自動車の電動化の流れが加速していることに伴い、車載用電池向け部材の需要の拡大基調が続いております。また、電子部品向け部材につきましては、自動車の電装化の進展や第5世代移動通信システム(5G)の増設及び景気の回復基調などにより、概ね堅調な需要が持続しました。
このような状況のなか、当連結会計年度の連結売上高は、銅及びニッケル価格が前連結会計年度を上回ったこと、並びに旺盛な需要に支えられている車載用電池向け部材や粉体材料の増販などにより、前連結会計年度に比べ332,969百万円増加し、1,259,091百万円となりました。
連結税引前当期利益は、増収及び持分法による投資損益の好転並びにシエラゴルダ銅鉱山(チリ)に係る全持分の譲渡などにより、前連結会計年度に比べ234,055百万円増加し、357,434百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ186,433百万円増加し、281,037百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、各セグメントの業績をより適切に評価するため、一般管理費及び金融収益の配賦方法を変更しております。前連結会計年度のセグメント利益は、一般管理費及び金融収益の配賦方法の変更を反映した数値を記載しております。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
セグメント利益は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響があったものの、銅価格が前連結会計年度に比べ高水準で推移したことに加え、シエラゴルダ銅鉱山に係る全持分の譲渡に伴い売却益74,374百万円を計上したことから前連結会計年度を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売金量は計画通り、前連結会計年度並みの6tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、同感染症の拡大を踏まえ一部のミル(鉱石粉砕装置)の操業度低下策を実施したことなどにより、前連結会計年度を下回り、397千tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、同感染症の拡大に対し一時的に保安操業を実施した前連結会計年度を上回り、402千tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は16.8%)。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
(当社の主な製品別生産量)
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント利益は、非鉄金属価格の上昇などにより、前連結会計年度を上回りました。
電気銅の生産量及び販売量は、東予工場において定期炉修(大型休転)を実施したことなどにより前連結会計年度を下回りました。電気ニッケルの生産量及び販売量は、原料不足などにより前連結会計年度を下回りました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、新型コロナウイルス感染症の影響により操業度を一時的に低下させたことなどから前連結会計年度を下回りました。Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、設備トラブルや台風による影響などにより前連結会計年度を下回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
セグメント利益は、一時的に需要が低迷した前連結会計年度に比べ脱炭素化を背景に増加する需要により電池材料が増収となったほか、好調な需要が持続している粉体材料の増収などにより、前連結会計年度を上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ増加しました。棚卸資産、営業債権及びその他の債権などが非鉄金属価格の上昇などの影響により、持分法で会計処理されている投資が持分法による投資損益の計上などによりそれぞれ増加しました。
負債合計は前連結会計年度末に比べ増加しました。営業債務及びその他の債務が、同様に非鉄金属価格の上昇などの影響により増加しました。
資本合計は前連結会計年度末に比べ増加しました。利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したことにより、その他の資本の構成要素のうち在外営業活動体の換算差額が円安の影響により、それぞれ増加しました。
④ 財務指標
当連結会計年度は2019年度から2021年度までの3年間を対象とする「18中計」の最終年度でありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化したことなどにより大型プロジェクトの進捗に遅れが生じました。当社グループは、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上に引き続き邁進してまいります。
「18中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持、株主還元の指標として連結配当性向35%以上としております。2022年3月期通期連結業績には、シエラゴルダ銅鉱山(チリ)に係る全持分の譲渡に伴う売却益等が含まれておりますが、この売却益には、2019年度の利益剰余金期首残高で調整したSierra Gorda S.C.M.への貸付金等に対する貸倒引当金の累積的影響額(改訂IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」)の戻入れに相当する金額が含まれておりますので、配当の算定においては、この会計処理の適用に起因する影響額を除いた上で、株主還元の指標である連結配当性向35%以上に照らし合わせ、算定しております。また、財務体質の健全性を示す親会社所有者持分比率の当連結会計年度の結果は63.7%となりました。
2022年2月に公表した「21中計」においても財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率、株主還元の指標として連結配当性向を引き続き維持し、それぞれ50%超、原則35%以上を方針としております。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、非鉄金属価格の上昇などの影響により棚卸資産及び前渡金が増加したものの、税引前当期利益が前連結会計年度に比べ増加したことなどにより、当連結会計年度は収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などが増加したものの、シエラゴルダ銅鉱山に係る全持分を譲渡したことによる収入などがあったことなどにより、当連結会計年度は収入が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れの返済額が前連結会計年度に比べ減少したものの、配当金の支払額が増加したこと、Coral Bay Nickel Corporationなどの子会社株式の追加取得及び発行額を上回る社債の償還による支出などにより、当連結会計年度は支出が増加しました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a)財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、減耗する資源を取り扱っており、常に新たな資源権益獲得のための大型開発プロジェクト参画やM&Aに備える必要があります。また、新たな製錬所建設も含め、資源・製錬の開発プロジェクトは、投資を実行してから回収するまでに、比較的長期間を要します。従い一時的な大きなキャッシュ・アウトフローに耐えうる健全な財務体質を維持していくことが重要であり、当社はこのような考え方のもと、具体的には連結自己資本比率を50%超に保つことを財務戦略の基本としております。
b)資金調達と流動性マネジメント
当社は事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金を確保することを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融のバランスを見極めつつ、その時々のマーケット状況での有利手段を追求しています。資源・製錬事業における海外大型プロジェクトでは、現地のカントリーリスクにさらされることも多く、政府系金融機関による各種支援メニューや複数の金融機関による協調型融資の活用、プロジェクトファイナンスの組成など、その都度最適な資金調達方法を検討しております。
また、当社はそのような大型プロジェクトも含めた将来の設備投資等の資金需要に対応しつつ、経営の安定化から一定の手元流動性を維持することも必要であると考えています。
当社は、手元流動性の水準を考えるにあたり、流動性リスクとして連結売上高1.5ヶ月分と半年以内返済予定の借入金等の合計額を想定し、これに対し、現金・預金及び現金同等物(以下「手元現預金」)及びコマーシャル・ペーパー発行可能枠の未使用額を合わせた金額で賄うことで対応することとしています。また、金融市場の動向によりコマーシャル・ペーパーによる調達が一時的に困難になるリスクも想定し、発行に際してはコミットメントライン契約に基づく借入限度額の範囲内にとどめることを原則としています。
さらに、手元現預金が中長期にわたり必要額に満たなくなると想定される場合には、社債の発行や金融機関からの借入金等を通じて、必要な現預金残高を確保することを考えております。
なお、当社は、日本国内の市場においてJCRから「ダブルAマイナス」の長期発行体格付及び「J-ワンプラス」の国内CP格付を取得しており、資金調達にあたっては十分な信用力を保持しております。また、主要な国内金融機関と円貨及び外貨でのコミットメントライン契約を締結しており、金融・資本市場の流動性が逼迫した状況下でも、コミットメントラインを使用することによって十分な流動性を確保することができると考えております。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第
28号)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積
りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理
の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会
計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
※2022年4月1日付で商号をパナソニックホールディングス(株)に変更しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
| 売上高 | 税引前当期利益 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | |
| 当連結会計年度 | 1,259,091 | 357,434 | 281,037 |
| 前連結会計年度 | 926,122 | 123,379 | 94,604 |
| 増減 | 332,969 | 234,055 | 186,433 |
| 増減率(%) | 36.0 | 189.7 | 197.1 |
(年間平均海外相場、年間平均為替相場)
| 単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) | |
| 銅 | $/t | 6,879 | 9,691 | 2,812 |
| 金 | $/TOZ | 1,824.1 | 1,818.4 | △5.7 |
| ニッケル | $/lb | 6.80 | 9.35 | 2.55 |
| 為替(TTM) | 円/$ | 106.07 | 112.39 | 6.32 |
当連結会計年度の世界経済は、変異を続ける新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化したものの、ワクチン接種の進展などにより欧米諸国等を中心に回復基調で推移しました。しかしながら、2022年2月下旬に起きたロシアによるウクライナ侵攻により、欧州を中心にエネルギー供給等に不確実性が増し、経済成長の減速懸念が高まりました。
為替相場につきましては、米国における量的金融緩和の縮小や急速に進むインフレーションを抑制するためのゼロ金利政策の解除などの金融政策の転換に伴い、当連結会計年度末にかけて円安ドル高傾向がより顕著となりました。これにより、当連結会計年度の平均為替レートは前連結会計年度に比べ円安となりました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、前連結会計年度から当連結会計年度初めまで上昇が継続し、その後は同感染症の拡大の影響を受けながらも底堅い需要に支えられ、高水準な価格帯で推移しました。ニッケル価格は、世界経済の回復傾向を受け総じて上昇基調で推移しました。金価格は、当連結会計年度中は概ね一定水準で推移し、年度末にかけて上昇基調に転じました。また、ロシアによるウクライナ侵攻後は非鉄金属価格が急騰する局面がありました。この結果、当連結会計年度の銅及びニッケル価格はいずれも前連結会計年度を上回り、金価格は前連結会計年度とほぼ同水準となりました。
材料事業の関連業界におきましては、脱炭素化を背景とした自動車の電動化の流れが加速していることに伴い、車載用電池向け部材の需要の拡大基調が続いております。また、電子部品向け部材につきましては、自動車の電装化の進展や第5世代移動通信システム(5G)の増設及び景気の回復基調などにより、概ね堅調な需要が持続しました。
このような状況のなか、当連結会計年度の連結売上高は、銅及びニッケル価格が前連結会計年度を上回ったこと、並びに旺盛な需要に支えられている車載用電池向け部材や粉体材料の増販などにより、前連結会計年度に比べ332,969百万円増加し、1,259,091百万円となりました。
連結税引前当期利益は、増収及び持分法による投資損益の好転並びにシエラゴルダ銅鉱山(チリ)に係る全持分の譲渡などにより、前連結会計年度に比べ234,055百万円増加し、357,434百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ186,433百万円増加し、281,037百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、各セグメントの業績をより適切に評価するため、一般管理費及び金融収益の配賦方法を変更しております。前連結会計年度のセグメント利益は、一般管理費及び金融収益の配賦方法の変更を反映した数値を記載しております。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 127,042 | 157,315 | 30,273 | 23.8 |
| セグメント利益 | 63,110 | 208,548 | 145,438 | 230.5 |
セグメント利益は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響があったものの、銅価格が前連結会計年度に比べ高水準で推移したことに加え、シエラゴルダ銅鉱山に係る全持分の譲渡に伴い売却益74,374百万円を計上したことから前連結会計年度を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売金量は計画通り、前連結会計年度並みの6tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、同感染症の拡大を踏まえ一部のミル(鉱石粉砕装置)の操業度低下策を実施したことなどにより、前連結会計年度を下回り、397千tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、同感染症の拡大に対し一時的に保安操業を実施した前連結会計年度を上回り、402千tとなりました(うち非支配持分を除く当社持分は16.8%)。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 693,758 | 942,341 | 248,583 | 35.8 |
| セグメント利益 | 53,038 | 114,753 | 61,715 | 116.4 |
(当社の主な製品別生産量)
| 製品 | 単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) |
| 銅 | t | 442,626 | 418,847 | △23,779 |
| 金 | kg | 17,170 | 16,662 | △508 |
| 電気ニッケル | t | 55,861 | 52,450 | △3,411 |
| フェロニッケル | t | 13,023 | 12,330 | △693 |
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント利益は、非鉄金属価格の上昇などにより、前連結会計年度を上回りました。
電気銅の生産量及び販売量は、東予工場において定期炉修(大型休転)を実施したことなどにより前連結会計年度を下回りました。電気ニッケルの生産量及び販売量は、原料不足などにより前連結会計年度を下回りました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、新型コロナウイルス感染症の影響により操業度を一時的に低下させたことなどから前連結会計年度を下回りました。Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は、設備トラブルや台風による影響などにより前連結会計年度を下回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 211,533 | 277,962 | 66,429 | 31.4 |
| セグメント利益 | 10,481 | 27,625 | 17,144 | 163.6 |
セグメント利益は、一時的に需要が低迷した前連結会計年度に比べ脱炭素化を背景に増加する需要により電池材料が増収となったほか、好調な需要が持続している粉体材料の増収などにより、前連結会計年度を上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | |
| 資産合計 | 1,885,999 | 2,268,756 | 382,757 |
| 負債合計 | 663,016 | 711,338 | 48,322 |
| 資本合計 | 1,222,983 | 1,557,418 | 334,435 |
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ増加しました。棚卸資産、営業債権及びその他の債権などが非鉄金属価格の上昇などの影響により、持分法で会計処理されている投資が持分法による投資損益の計上などによりそれぞれ増加しました。
負債合計は前連結会計年度末に比べ増加しました。営業債務及びその他の債務が、同様に非鉄金属価格の上昇などの影響により増加しました。
資本合計は前連結会計年度末に比べ増加しました。利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したことにより、その他の資本の構成要素のうち在外営業活動体の換算差額が円安の影響により、それぞれ増加しました。
④ 財務指標
当連結会計年度は2019年度から2021年度までの3年間を対象とする「18中計」の最終年度でありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化したことなどにより大型プロジェクトの進捗に遅れが生じました。当社グループは、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上に引き続き邁進してまいります。
「18中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持、株主還元の指標として連結配当性向35%以上としております。2022年3月期通期連結業績には、シエラゴルダ銅鉱山(チリ)に係る全持分の譲渡に伴う売却益等が含まれておりますが、この売却益には、2019年度の利益剰余金期首残高で調整したSierra Gorda S.C.M.への貸付金等に対する貸倒引当金の累積的影響額(改訂IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」)の戻入れに相当する金額が含まれておりますので、配当の算定においては、この会計処理の適用に起因する影響額を除いた上で、株主還元の指標である連結配当性向35%以上に照らし合わせ、算定しております。また、財務体質の健全性を示す親会社所有者持分比率の当連結会計年度の結果は63.7%となりました。
2022年2月に公表した「21中計」においても財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率、株主還元の指標として連結配当性向を引き続き維持し、それぞれ50%超、原則35%以上を方針としております。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 91,522 | 159,489 | 67,967 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △32,393 | 9,796 | 42,189 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △55,758 | △129,618 | △73,860 |
| 換算差額 | △528 | 15,937 | 16,465 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 155,530 | 158,373 | 2,843 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 158,373 | 213,977 | 55,604 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、非鉄金属価格の上昇などの影響により棚卸資産及び前渡金が増加したものの、税引前当期利益が前連結会計年度に比べ増加したことなどにより、当連結会計年度は収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などが増加したものの、シエラゴルダ銅鉱山に係る全持分を譲渡したことによる収入などがあったことなどにより、当連結会計年度は収入が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れの返済額が前連結会計年度に比べ減少したものの、配当金の支払額が増加したこと、Coral Bay Nickel Corporationなどの子会社株式の追加取得及び発行額を上回る社債の償還による支出などにより、当連結会計年度は支出が増加しました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a)財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、減耗する資源を取り扱っており、常に新たな資源権益獲得のための大型開発プロジェクト参画やM&Aに備える必要があります。また、新たな製錬所建設も含め、資源・製錬の開発プロジェクトは、投資を実行してから回収するまでに、比較的長期間を要します。従い一時的な大きなキャッシュ・アウトフローに耐えうる健全な財務体質を維持していくことが重要であり、当社はこのような考え方のもと、具体的には連結自己資本比率を50%超に保つことを財務戦略の基本としております。
b)資金調達と流動性マネジメント
当社は事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金を確保することを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融のバランスを見極めつつ、その時々のマーケット状況での有利手段を追求しています。資源・製錬事業における海外大型プロジェクトでは、現地のカントリーリスクにさらされることも多く、政府系金融機関による各種支援メニューや複数の金融機関による協調型融資の活用、プロジェクトファイナンスの組成など、その都度最適な資金調達方法を検討しております。
また、当社はそのような大型プロジェクトも含めた将来の設備投資等の資金需要に対応しつつ、経営の安定化から一定の手元流動性を維持することも必要であると考えています。
当社は、手元流動性の水準を考えるにあたり、流動性リスクとして連結売上高1.5ヶ月分と半年以内返済予定の借入金等の合計額を想定し、これに対し、現金・預金及び現金同等物(以下「手元現預金」)及びコマーシャル・ペーパー発行可能枠の未使用額を合わせた金額で賄うことで対応することとしています。また、金融市場の動向によりコマーシャル・ペーパーによる調達が一時的に困難になるリスクも想定し、発行に際してはコミットメントライン契約に基づく借入限度額の範囲内にとどめることを原則としています。
さらに、手元現預金が中長期にわたり必要額に満たなくなると想定される場合には、社債の発行や金融機関からの借入金等を通じて、必要な現預金残高を確保することを考えております。
なお、当社は、日本国内の市場においてJCRから「ダブルAマイナス」の長期発行体格付及び「J-ワンプラス」の国内CP格付を取得しており、資金調達にあたっては十分な信用力を保持しております。また、主要な国内金融機関と円貨及び外貨でのコミットメントライン契約を締結しており、金融・資本市場の流動性が逼迫した状況下でも、コミットメントラインを使用することによって十分な流動性を確保することができると考えております。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第
28号)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積
りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理
の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会
計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| 資源 | 157,315 | 23.8 |
| 製錬 | 942,341 | 35.8 |
| 材料 | 277,962 | 31.4 |
| 報告セグメント計 | 1,377,618 | 33.4 |
| その他 | 9,843 | 1.4 |
| 調整額 | △128,370 | 10.7 |
| 連結財務諸表計上額 | 1,259,091 | 36.0 |
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| パナソニック㈱ ※ | 145,322 | 15.7 | 193,909 | 15.4 |
| 住友電気工業㈱ | 81,225 | 8.8 | 130,739 | 10.4 |
※2022年4月1日付で商号をパナソニックホールディングス(株)に変更しております。