有価証券報告書-第101期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
(年間平均海外相場、年間平均為替相場)
当連結会計年度の世界経済は、米国の保護主義的な関税政策や中東情勢の緊迫化などによる景気の下押し圧力が強まったものの、概ね成長を維持しました。米国では、関税政策などによる物価上昇が個人消費を抑制し、また雇用情勢にも悪化傾向が見られましたが、AI関連投資が下支えとなり、景気は緩やかに拡大しました。欧州では、国や産業により違いはあるものの、物価の安定や実質賃金の上昇を背景に内需は総じて回復傾向となり、成長を維持しました。中国では、米国向け以外の輸出や景気刺激策が下支えしましたが、長引く不動産市況の低迷や景気刺激策の効果一巡により、成長は力強さを欠きました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、AI関連投資向けの需要拡大や銅鉱石の供給不足などを背景に、2026年1月には史上最高値を記録するなど、期を通して上昇基調で推移し、平均価格は前連結会計年度を上回りました。ニッケル価格は、インドネシアにおける増産などにより供給過多の状況が継続したため、期の大半は前連結会計年度に比べて低い水準で推移しました。このような状況を背景に、インドネシア政府によるニッケル鉱石採掘量割当の削減が発表されて以降は価格が上昇したものの、通期での平均価格は前連結会計年度を下回りました。金価格は、地政学的リスクの高まり、通貨に対する信認の低下や米国の利下げ観測などを背景に、2026年1月には史上最高値を記録するなど上昇基調で推移し、平均価格は前連結会計年度を大幅に上回りました。
為替相場につきましては、日本の積極的な財政政策を受けて期の後半は円安が進行しましたが、期の前半は円高で推移したことから、平均為替レートは前連結会計年度に比べて円高となりました。
材料事業の関連業界におきましては、電気自動車やハイブリッド車の需要は国や地域等で濃淡があり、車載用電池材料の需要は前連結会計年度に比べ緩やかな伸長となりました。一方、電子部品向け部材につきましては、データセンター向け部材や半導体関連の需要が市場を牽引し、緩やかであるものの需要は回復傾向となりました。
このような状況のなか、当連結会計年度の連結売上高は、銅及び金などの平均価格が前連結会計年度を上回ったことや期央以降の円安基調で推移した為替の影響などにより、前連結会計年度に比べ1,482億38百万円増加し、1兆7,415億86百万円となりました。
連結税引前当期利益は、コテ金鉱山(カナダ)や国内のニッケル工場などにおける順調な操業に加え、銅及び金などの非鉄金属価格の上昇を受け、多額の減損損失の影響を受けた前連結会計年度に比べ2,242億97百万円増加し、2,556億80百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,598億3百万円増加し、1,762億90百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
セグメント利益は、銅及び金などの非鉄金属価格の上昇に加え、コテ金鉱山の順調な操業などにより、前連結会計年度を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売金量は計画どおりの3.5tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、前連結会計年度並みの314千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、給鉱品位の低下などにより前連結会計年度を下回り、391千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は16.8%)。
ケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)の生産量は、尾鉱堆積場の処理能力に一時的な制約が生じたことで前連結会計年度を下回る183千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
コテ金鉱山の生産量は、順調な操業により計画を上回る12.4tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は30.0%)。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
(当社の主な製品別生産量)
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント損益は、海外ニッケル製錬子会社における減損損失の影響を受けた前連結会計年度に比べ、当連結会計年度は銅の買鉱条件が悪化したものの、金などの非鉄金属価格が上昇したことなどにより前連結会計年度を上回りました。
電気銅の生産量及び販売量は、東予工場の定期炉修(大型休転)を実施したことにより前連結会計年度を下回りましたが、電気ニッケル及びフェロニッケルの生産量及び販売量はともに前連結会計年度を上回りました。なお、電気ニッケルの生産量は過去最高を達成しました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は前連結会計年度を若干下回りましたが、Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は前連結会計年度を上回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
セグメント損益は、電池材料における減損損失の影響を受けた前連結会計年度に比べ、電子部品向け部材は通信デバイス向け部材等が増益となったことも加わり、上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
当連結会計年度末の資産合計は、非鉄金属価格の上昇による棚卸資産の増加及び株価急騰による非流動資産のその他の金融資産の増加に加えて、ウィヌ銅・金プロジェクト(オーストラリア)に係る権益を取得したことにより無形資産及びのれんに含まれる鉱業権等が増加したことから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
負債合計は、短期社債の発行や短期借入金の増加などにより流動負債の社債及び借入金が増加したことに加え、繰延税金負債が増加したことから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
資本合計は、自己株式の取得やその他の資本の構成要素に含まれる在外営業活動体の換算差額が円高により減少しましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加やその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が株価上昇により増加したため、前連結会計年度末に比べ増加しました。
④ 財務指標
当社は「財務戦略の基本方針、株主還元方針の変更」を2026年2月に公表しました。財務戦略の基本方針である「連結自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)50%超を維持」を掲げつつ、新たに、その適正水準を55%と位置づけました。なお、当連結会計年度の連結自己資本比率は、自己株式の取得など施策の実施により58.3%となりました。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益や営業債務及びその他の債務などが増加したものの、棚卸資産、営業債権及びその他の債権が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ収入が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出は減少したものの、権益譲渡による収入
がなくなり、投資有価証券の売却による収入も減少した上、権益取得による支出が発生したことなどから、前連結会計年度に比べ支出は増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出、社債の償還による支出や自己株式の取得
による支出が増加したものの、短期借入れによる収入や社債の発行による収入が増加したことなどから、収入が支
出を上回り、当連結会計年度は収入に転じました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a)財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、減耗する資源を取り扱っており、常に新たな資源権益獲得のための大型開発プロジェクト参画やM&Aに備える必要があります。また、新たな製錬所建設も含め、資源・製錬の開発プロジェクトは、投資を実行してから回収するまでに、比較的長期間を要します。従い一時的な大きなキャッシュ・アウトフローに耐えうる健全な財務体質を維持していくことが重要であると考えております。
一方で、資本構成の最適化と資本効率の向上を図りながら資本コストを意識した経営を推進していくことも重要だと考えており、2026年2月付で財務戦略の基本方針を見直しております。具体的には、連結自己資本比率 を50%超としつつ、その適正水準を55%と位置づけ、株主還元等を強化し2028年3月期までに58%とすることを目指す方針としております。
b)資金調達と流動性マネジメント
当社は事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金を確保することを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融のバランスを見極めつつ、その時々のマーケット状況での有利手段を追求しています。資源・製錬事業における海外大型プロジェクトでは、現地のカントリーリスクにさらされることも多く、政府系金融機関による各種支援メニューや複数の金融機関による協調型融資の活用、プロジェクトファイナンスの組成など、その都度最適な資金調達方法を検討しております。
また、当社はそのような大型プロジェクトや材料事業における戦略的増強対応など将来の投資計画を含めた全体の資金需要に対応しつつ、経営の安定化の観点から一定の手元流動性を維持することも必要であると考えています。
当社は、手元流動性の水準を考えるにあたり、流動性リスクとして連結売上高1.5ヶ月分と半年以内返済予定の借入金等の合計額を想定し、これに対し、現金・預金及び現金同等物(以下「手元現預金」)及びコマーシャル・ペーパー(CP)発行可能枠の未使用額を合わせた金額で賄うことで対応することとしています。また、金融市場の動向によりCPによる調達が一時的に困難になるリスクも想定し、発行に際してはコミットメントライン契約に基づく借入限度額の範囲内にとどめることを原則としています。
さらに、手元現預金が中長期にわたり必要額に満たなくなると想定される場合には、社債の発行や金融機関からの借入金等を通じて、必要な現預金残高を確保することを考えております。
なお、当社は、日本国内の市場において株式会社日本格付研究所(JCR)から「ダブルAマイナス」の長期発行体格付及び「J-ワンプラス」の国内CP格付を取得しており、資金調達にあたっては十分な信用力を保持しております。また、主要な国内金融機関と円貨及び外貨でのコミットメントライン契約を締結しており、金融・資本市場の流動性が逼迫した状況下でも、コミットメントラインを使用することによって十分な流動性を確保することができると考えております。
⑦ 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第
28号)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
(注)「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載している金額のうち、「(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容 ⑤ キャッシュ・フロー」は、消費税等を含んだ金額であります。
① 経営成績
(単位:百万円)
| 売上高 | 税引前当期利益 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | |
| 当連結会計年度 | 1,741,586 | 255,680 | 176,290 |
| 前連結会計年度 | 1,593,348 | 31,383 | 16,487 |
| 増減 | 148,238 | 224,297 | 159,803 |
| 増減率(%) | 9.3 | 714.7 | 969.3 |
(年間平均海外相場、年間平均為替相場)
| 単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) | |
| 銅 | $/t | 9,370 | 10,816 | 1,446 |
| ニッケル | $/lb | 7.51 | 7.08 | △0.43 |
| 金 | $/TOZ | 2,584.7 | 3,939.1 | 1,354.4 |
| 為替(TTM) | 円/$ | 152.58 | 150.78 | △1.80 |
当連結会計年度の世界経済は、米国の保護主義的な関税政策や中東情勢の緊迫化などによる景気の下押し圧力が強まったものの、概ね成長を維持しました。米国では、関税政策などによる物価上昇が個人消費を抑制し、また雇用情勢にも悪化傾向が見られましたが、AI関連投資が下支えとなり、景気は緩やかに拡大しました。欧州では、国や産業により違いはあるものの、物価の安定や実質賃金の上昇を背景に内需は総じて回復傾向となり、成長を維持しました。中国では、米国向け以外の輸出や景気刺激策が下支えしましたが、長引く不動産市況の低迷や景気刺激策の効果一巡により、成長は力強さを欠きました。
主要非鉄金属価格につきましては、銅価格は、AI関連投資向けの需要拡大や銅鉱石の供給不足などを背景に、2026年1月には史上最高値を記録するなど、期を通して上昇基調で推移し、平均価格は前連結会計年度を上回りました。ニッケル価格は、インドネシアにおける増産などにより供給過多の状況が継続したため、期の大半は前連結会計年度に比べて低い水準で推移しました。このような状況を背景に、インドネシア政府によるニッケル鉱石採掘量割当の削減が発表されて以降は価格が上昇したものの、通期での平均価格は前連結会計年度を下回りました。金価格は、地政学的リスクの高まり、通貨に対する信認の低下や米国の利下げ観測などを背景に、2026年1月には史上最高値を記録するなど上昇基調で推移し、平均価格は前連結会計年度を大幅に上回りました。
為替相場につきましては、日本の積極的な財政政策を受けて期の後半は円安が進行しましたが、期の前半は円高で推移したことから、平均為替レートは前連結会計年度に比べて円高となりました。
材料事業の関連業界におきましては、電気自動車やハイブリッド車の需要は国や地域等で濃淡があり、車載用電池材料の需要は前連結会計年度に比べ緩やかな伸長となりました。一方、電子部品向け部材につきましては、データセンター向け部材や半導体関連の需要が市場を牽引し、緩やかであるものの需要は回復傾向となりました。
このような状況のなか、当連結会計年度の連結売上高は、銅及び金などの平均価格が前連結会計年度を上回ったことや期央以降の円安基調で推移した為替の影響などにより、前連結会計年度に比べ1,482億38百万円増加し、1兆7,415億86百万円となりました。
連結税引前当期利益は、コテ金鉱山(カナダ)や国内のニッケル工場などにおける順調な操業に加え、銅及び金などの非鉄金属価格の上昇を受け、多額の減損損失の影響を受けた前連結会計年度に比べ2,242億97百万円増加し、2,556億80百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、連結税引前当期利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,598億3百万円増加し、1,762億90百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(資源セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 210,716 | 302,577 | 91,861 | 43.6 |
| セグメント利益 | 101,836 | 167,831 | 65,995 | 64.8 |
セグメント利益は、銅及び金などの非鉄金属価格の上昇に加え、コテ金鉱山の順調な操業などにより、前連結会計年度を上回りました。
主要鉱山の概況は以下のとおりであります。
菱刈鉱山は順調な操業を継続し、販売金量は計画どおりの3.5tとなりました。
モレンシー銅鉱山(米国)の生産量は、前連結会計年度並みの314千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は、給鉱品位の低下などにより前連結会計年度を下回り、391千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は16.8%)。
ケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)の生産量は、尾鉱堆積場の処理能力に一時的な制約が生じたことで前連結会計年度を下回る183千tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は25.0%)。
コテ金鉱山の生産量は、順調な操業により計画を上回る12.4tとなりました(うち非支配持分を除く当社権益は30.0%)。
(製錬セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 1,230,694 | 1,350,058 | 119,364 | 9.7 |
| セグメント利益又は 損失(△) | △7,147 | 91,593 | 98,740 | - |
(当社の主な製品別生産量)
| 製品 | 単位 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (△は減少) |
| 銅 | t | 442,960 | 412,591 | △30,369 |
| 金 | kg | 18,709 | 14,261 | △4,448 |
| 電気ニッケル | t | 60,108 | 66,155 | 6,047 |
| フェロニッケル | t | 3,317 | 4,800 | 1,483 |
(注)生産量には、受委託分を含めて表示しております。
セグメント損益は、海外ニッケル製錬子会社における減損損失の影響を受けた前連結会計年度に比べ、当連結会計年度は銅の買鉱条件が悪化したものの、金などの非鉄金属価格が上昇したことなどにより前連結会計年度を上回りました。
電気銅の生産量及び販売量は、東予工場の定期炉修(大型休転)を実施したことにより前連結会計年度を下回りましたが、電気ニッケル及びフェロニッケルの生産量及び販売量はともに前連結会計年度を上回りました。なお、電気ニッケルの生産量は過去最高を達成しました。
Coral Bay Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は前連結会計年度を若干下回りましたが、Taganito HPAL Nickel Corporation(フィリピン)の生産量は前連結会計年度を上回りました。
(材料セグメント)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 296,513 | 284,509 | △12,004 | △4.0 |
| セグメント利益又は 損失(△) | △54,231 | 15,290 | 69,521 | - |
セグメント損益は、電池材料における減損損失の影響を受けた前連結会計年度に比べ、電子部品向け部材は通信デバイス向け部材等が増益となったことも加わり、上回りました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、資源・製錬セグメントは、非鉄金属価格及び為替レートの変動、材料セグメントは、市場動向の変化が挙げられます。詳細及び他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | |
| 資産合計 | 3,068,622 | 3,559,006 | 490,384 |
| 負債合計 | 1,019,236 | 1,267,008 | 247,772 |
| 資本合計 | 2,049,386 | 2,291,998 | 242,612 |
当連結会計年度末の資産合計は、非鉄金属価格の上昇による棚卸資産の増加及び株価急騰による非流動資産のその他の金融資産の増加に加えて、ウィヌ銅・金プロジェクト(オーストラリア)に係る権益を取得したことにより無形資産及びのれんに含まれる鉱業権等が増加したことから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
負債合計は、短期社債の発行や短期借入金の増加などにより流動負債の社債及び借入金が増加したことに加え、繰延税金負債が増加したことから、前連結会計年度末に比べ増加しました。
資本合計は、自己株式の取得やその他の資本の構成要素に含まれる在外営業活動体の換算差額が円高により減少しましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加やその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が株価上昇により増加したため、前連結会計年度末に比べ増加しました。
④ 財務指標
当社は「財務戦略の基本方針、株主還元方針の変更」を2026年2月に公表しました。財務戦略の基本方針である「連結自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)50%超を維持」を掲げつつ、新たに、その適正水準を55%と位置づけました。なお、当連結会計年度の連結自己資本比率は、自己株式の取得など施策の実施により58.3%となりました。
⑤ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 149,644 | 101,810 | △47,834 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △138,884 | △185,248 | △46,364 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △6,180 | 36,736 | 42,916 |
| 換算差額 | 4,110 | 3,758 | △352 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 151,022 | 159,712 | 8,690 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 159,712 | 116,768 | △42,944 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益や営業債務及びその他の債務などが増加したものの、棚卸資産、営業債権及びその他の債権が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ収入が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出は減少したものの、権益譲渡による収入
がなくなり、投資有価証券の売却による収入も減少した上、権益取得による支出が発生したことなどから、前連結会計年度に比べ支出は増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出、社債の償還による支出や自己株式の取得
による支出が増加したものの、短期借入れによる収入や社債の発行による収入が増加したことなどから、収入が支
出を上回り、当連結会計年度は収入に転じました。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a)財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、減耗する資源を取り扱っており、常に新たな資源権益獲得のための大型開発プロジェクト参画やM&Aに備える必要があります。また、新たな製錬所建設も含め、資源・製錬の開発プロジェクトは、投資を実行してから回収するまでに、比較的長期間を要します。従い一時的な大きなキャッシュ・アウトフローに耐えうる健全な財務体質を維持していくことが重要であると考えております。
一方で、資本構成の最適化と資本効率の向上を図りながら資本コストを意識した経営を推進していくことも重要だと考えており、2026年2月付で財務戦略の基本方針を見直しております。具体的には、連結自己資本比率 を50%超としつつ、その適正水準を55%と位置づけ、株主還元等を強化し2028年3月期までに58%とすることを目指す方針としております。
b)資金調達と流動性マネジメント
当社は事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金を確保することを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融のバランスを見極めつつ、その時々のマーケット状況での有利手段を追求しています。資源・製錬事業における海外大型プロジェクトでは、現地のカントリーリスクにさらされることも多く、政府系金融機関による各種支援メニューや複数の金融機関による協調型融資の活用、プロジェクトファイナンスの組成など、その都度最適な資金調達方法を検討しております。
また、当社はそのような大型プロジェクトや材料事業における戦略的増強対応など将来の投資計画を含めた全体の資金需要に対応しつつ、経営の安定化の観点から一定の手元流動性を維持することも必要であると考えています。
当社は、手元流動性の水準を考えるにあたり、流動性リスクとして連結売上高1.5ヶ月分と半年以内返済予定の借入金等の合計額を想定し、これに対し、現金・預金及び現金同等物(以下「手元現預金」)及びコマーシャル・ペーパー(CP)発行可能枠の未使用額を合わせた金額で賄うことで対応することとしています。また、金融市場の動向によりCPによる調達が一時的に困難になるリスクも想定し、発行に際してはコミットメントライン契約に基づく借入限度額の範囲内にとどめることを原則としています。
さらに、手元現預金が中長期にわたり必要額に満たなくなると想定される場合には、社債の発行や金融機関からの借入金等を通じて、必要な現預金残高を確保することを考えております。
なお、当社は、日本国内の市場において株式会社日本格付研究所(JCR)から「ダブルAマイナス」の長期発行体格付及び「J-ワンプラス」の国内CP格付を取得しており、資金調達にあたっては十分な信用力を保持しております。また、主要な国内金融機関と円貨及び外貨でのコミットメントライン契約を締結しており、金融・資本市場の流動性が逼迫した状況下でも、コミットメントラインを使用することによって十分な流動性を確保することができると考えております。
⑦ 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第
28号)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| 資源 | 302,577 | 43.6 |
| 製錬 | 1,350,058 | 9.7 |
| 材料 | 284,509 | △4.0 |
| 報告セグメント計 | 1,937,144 | 11.5 |
| その他 | 10,972 | △1.7 |
| 調整額 | △206,530 | - |
| 連結財務諸表計上額 | 1,741,586 | 9.3 |
(注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| パナソニックホールディングス㈱ | 260,188 | 16.3 | 246,922 | 14.2 |
| 住友電気工業㈱ | 172,588 | 10.8 | 181,631 | 10.4 |
| 田中貴金属工業㈱ | 143,562 | 9.0 | 175,114 | 10.1 |