訂正有価証券報告書-第111期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/11/26 9:19
【資料】
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【項目】
124項目

対処すべき課題

(1) 対処すべき課題の内容及び具体的取組状況
世界経済は、新興国の一部では減速が続いているものの、米国など先進国を中心に全体としては回復基調にあります。わが国においても緩やかな物価上昇や円安による輸出環境の改善など、景気回復に向けた動きが継続しています。一方では、消費税増税による需要の反動減の懸念など、不透明な状況も存在しています。平成26年度は、3年間の中期計画「中期計画V」の最終年度にあたります。市場動向を見極めながら、引き続き海外事業の拡大や成長分野への積極展開、事業競争力の強化に向けた諸施策を進めていきます。
なお、具体的には、各事業部門で次のような取り組みを行います。
環境・リサイクル部門
廃棄物処理事業では、低濃度PCB処理事業を着実に推進するとともに、営業体制の強化に継続して取り組みます。土壌浄化事業では、活発化する公共投資を背景に発生増加が見込まれる場外処理案件の獲得を図ります。リサイクル事業では、米国やアジアを中心としてグローバルにリサイクル原料の集荷を拡大し、金属リサイクルを強化します。また、中国では家電リサイクル事業の収益力向上に取り組み、東南アジアにおいては、廃棄物処理事業での更なる事業拡大に加えて、土壌浄化及びリサイクル事業の新規展開を進めていきます。
製錬部門
貴金属銅事業では、小坂製錬㈱における不純物対応力向上により生産性を高めるとともに、リサイクル原料等の積極処理を進め収益力を強化します。レアメタル事業では、海外を中心に原料の集荷拡大を進め、合わせて処理効率の向上等により増処理を図ります。亜鉛事業では、秋田製錬㈱における生産の拡大やコスト競争力の向上に取り組み、タイにおいては亜鉛加工工場の操業体制確立と東南アジア市場への拡販を進めます。また、パルマー亜鉛・銅プロジェクト(アメリカ・アラスカ州)の推進等、引き続き自山鉱比率の向上に取り組み、製錬所向け原料のより一層の安定確保を図ります。
電子材料部門
半導体事業では、人体検知用や医療用などのセンサー向けLEDの需要増加に合わせた生産体制の増強を図るとともに、窒化物半導体(HEMT)では量産体制の確立と新規ユーザー認定の取得を進め、販売量の拡大を図ります。電子材料事業では、電極材料向け銀粉の生産能力増強と、新規製品開発によるラインナップ拡充を進めていきます。機能材料事業では、データテープ用次世代材料の開発や、複写機向けキャリア粉の特性改善と拡販に取り組みます。また、将来の成長に向けて、燃料電池向け電極材料や導電性合金粉など今後市場拡大が見込まれる分野の新規製品開発を進め、早期事業化を図ります。
金属加工部門
金属加工事業では、車載向け高特性銅合金の開発や、多機能携帯端末向けコネクタ材の拡販を進めシェア拡大を図るとともに、品質改善や工程効率化、コストダウンによる競争力の強化を進めます。めっき事業では、タイ拠点の製造ラインを増強し、車載向けを中心に、拡大するアジア市場での受注拡大を図ります。回路基板事業では、中国や欧州の電鉄向けへの拡販に加え、太陽光発電や風力発電向けに付加価値の高い新製品の開発・投入を進め、また、生産性向上とコストダウンにより収益力強化を図ります。
熱処理部門
工業炉事業では、新興国の需要拡大を捉えた増販や海外メンテナンス拠点の拡充を進め、国内においては製造拠点の統合を進めます。熱処理事業では、インドネシア拠点の設備増強を進め、北米やインド、タイにおいても拡大する現地需要の取り込みを図り、海外事業の収益拡大を進めます。また、国内においては、顧客や市場の動向に対応した生産体制の再編とコストダウンに取り組み、競争力強化を図ります。
以上のような方針のもと、今後も「選択と集中」に取り組み、当社グループの基盤を強化し、成長と発展を目指します。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、上記方針を定めておりませんが、基本的な考え方として、次のとおり「情報と時間ルール」を定めております。
情報と時間ルール
当社取締役会は、議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為(以下、大規模買付といいます)を受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると認識しております。その判断にあたっては、当社の事業規模や事業領域に照らして、大規模買付を行おうとする者(以下、大規模買付者といいます)と当社取締役会の双方からの「適切な情報提供」と「十分な検討期間の確保」が必要であると考えます。
このような基本的な考え方に基づき、当社取締役会は、大規模買付を認識したときは、大規模買付者に対し、次の情報(以下、大規模買付情報といいます)を他の株主及び取締役会に提供することを求めます。
① 大規模買付の目的及び内容
② 買付価格の算定根拠及び買付資金の裏付け
③ 大規模買付完了後に意図する当社経営方針及び事業計画
④ その他株主価値に影響する重要な事項に関する情報
当社取締役会は、大規模買付情報を検討したうえで、当該大規模買付に対する評価意見を公表します。その際には、取締役会から独立した第三者により構成される委員会の意見を求めます。
また、当社取締役会は、当社株式の取引や異動状況を常に注視し、大規模買付がなされた場合に迅速かつ適切な対応をとり得る社内体制を整備いたします。