四半期報告書-第92期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/10 9:44
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境が底堅く推移する一方で、自然災害や通商問題などを背景とした生産や輸出の弱含みに伴い、景況感の見通しが悪化する中で推移した。
建設業界においては、当連結会計年度に引渡しを終える大型工事案件の施工がピークを迎える中、資材価格の値上がりや労務費の上昇が拡大するなど、課題が深刻化している。
このような経営環境のもと当社グループは、中期経営計画(2015年度~2019年度:5カ年計画)の最終年度を迎えた本年度を「完成と総括」の年と定め、これまでの成果を検証・分析し、課題を整理した上で、継続的な成長を実現する企業づくりを行ってきた。
また、事業領域・事業エリアの拡大、収益力の強化と受注確率の向上、現場戦力の充実強化などの具体的取り組みに加え、利益率低下に対する原因の分析と改善対策の実施に全力を傾注してきた。
このような事業運営の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は下記のとおりとなった。
[連結業績]
工事受注高274,162百万円(前年同期実績 297,007百万円)
売 上 高279,872百万円(前年同期実績 252,083百万円)
営業利益18,761百万円(前年同期実績 16,947百万円)
経常利益21,057百万円(前年同期実績 19,282百万円)
親会社株主に帰属する四半期純利益14,319百万円(前年同期実績 12,501百万円)


セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
① 設備工事業
売上高の状況は、前連結会計年度に比べ増加した期首の手持工事が順調に進捗したことなどから、前年同四半期と比べ24,455百万円増加(10.2%増)し、263,697百万円となった。
また、セグメント利益(営業利益)についても、売上高の増加に伴い、前年同四半期と比べ1,471百万円増加(9.4%増)し、17,052百万円となった。
② その他
売上高の状況は、工事に関する材料並びに機器の販売事業が増加したことなどから、前年同四半期と比べ3,333百万円増加(26.0%増)し、16,175百万円となった。
また、セグメント利益(営業利益)については、工事に関する材料並びに機器の販売事業の売上高の増加に伴い、前年同四半期と比べ426百万円増加(37.3%増)し、1,571百万円となった。
財政状態は、次のとおりである。
資産合計は、手持工事の進捗に伴い未成工事支出金が増加したが、受取手形・完成工事未収入金等の売掛債権の回収などから、前連結会計年度末に比べ21,084百万円減少し、336,187百万円となった。
負債合計は、手持工事の出来高に対する請負代金の回収に伴い未成工事受入金が増加したが、仕入債務の決済による支払手形・工事未払金等の減少などから、前連結会計年度末に比べ27,158百万円減少し、147,936百万円となった。
純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ6,074百万円増加し、188,251百万円となった。
(2) 経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「快適な環境づくりを通して社会に貢献します」を企業理念の柱に掲げ、電気、空調・衛生、情報通信などの設計・施工を営む総合設備業として、社会的使命を果たすと同時に、お客さまや地域社会とともに発展し続ける企業であることを経営の基本としている。
この方針に基づき、当社グループは、中期経営計画の具現化はもとより、その後の安定的・永続的な成長・発展をより確実なものとするための経営基盤の強化に向け、次に掲げる重点施策に全力で取り組んでいく。
[中期経営計画の重点施策]
① お客さまの信頼と期待に応える「営業力」の追求
② 競争に打ち勝つ「技術力」の進化
③ 収益を生み出す「現場力」の向上
④ 未来へ飛躍する「成長力」の強化
[連結数値目標(2020年3月期:中期経営計画最終年度)]
売上高4,000億円
売上総利益率15.0%以上
営業利益率9.0%以上
ROE14.0%以上


(3) 経営成績に重要な影響を与える要因及び対処すべき課題
今後の経済見通しについては、総合経済対策の決定や雇用情勢の改善などにより回復基調が見込まれるものの、企業業績の成長鈍化、地政学的リスクの高まり、消費税増税後の消費動向など、引き続き注視が必要である。
建設業界においては、製造業の設備投資意欲の減退が懸念されるものの、政府主導による国土強靭化やインフラ設備強化など、建設需要は引き続き堅調に推移するものと期待される。一方で、東京オリンピック・パラリンピック後の工事確保を見据えた受注競争の激化、施工のピークを迎える大型工事案件での工程遅れ、資材費・労務費の一層の上昇など課題の拡大も予測される。
このような環境認識を踏まえ、当社グループでは、特に大型工事案件の利益率向上を図るために、受注前及び施工の初期段階で工程全体の改善策検討を行なう、フロントローディングなどの具体的対策を引き続き講じていく。一方で、足元では建築工程の遅れを受けた追加労務費の支出や労務費単価の高騰が依然続いており、東京・関西などの大型工事案件の利益率低下に伴い今後の利益確保が危惧される。当連結会計年度末に向けて、竣工が迫った案件の追加工事獲得と粘り強い価格交渉に努め、利益確保に努めていく。受注については、人材の適正配置を踏まえつつ、今後予定されている首都圏や地元九州の大型再開発、メガソーラー発電所の建設などの受注活動に取り組む。配電工事については、電力会社の発送電分離を4月に控え、当社としてもより効率的で時代に適合した契約や施工体制の整備を進めている。
なお、築上町し尿処理施設建設工事の一般競争入札に関する当社社員の法令違反に伴い、国土交通省より、全国における土木工事業に関する営業のうち、公共工事に係るものについて2019年12月25日より90日間の営業停止処分を受けた。一方で、各公共団体等からの指名停止については徐々に解除されており、営業停止及び指名停止に伴う受注額に対する影響は期首に想定した範囲内程度と見込んでいる。当社グループは、すべての事業活動において法令遵守を徹底して、信頼の回復に努めていく。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、213百万円である。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。