有価証券報告書-第74期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 10:40
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178項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と
いう。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の継続や堅調な企業業績等を背景に、賃上げによる雇用・所得環境の改善に加え、政府による各種政策により、物価上昇の中でも緩やかな回復基調が続いております。一方で、中東やウクライナにおける紛争の長期化による原材料・エネルギー価格は依然として高止まりの状況にあることに加え、米国の通商政策などの影響による景気の下振れが懸念されることから、今後も引き続き国内外の様々な環境変化を注視していく必要があります。
当建設業界におきましては、土木分野は高速道路の大規模更新事業において発注者側の働き方改革や事業財源の制約などにより、整備スピードに鈍化傾向がみられるものの、災害復旧事業や「防災・減災、国土強靱化」関連の整備事業を中心に堅調に推移しました。土木分野の先行きにつきましては、従来の公共事業関係費に加え、2026年度からスタートする政府主導の「第1次国土強靭化実施中期計画」や高速道路会社の「中期事業見通し」などから、引き続きインフラ老朽化対策など必要性の高い事業を中心に一定量の発注が想定され、底堅く推移していくと見込まれます。また、建築分野につきましても首都圏を中心とした再開発事業や防衛関連施設への投資の増加に加え、民間設備投資に持ち直しの動きがみられ、今後も需要拡大が期待されます。一方で、労務費・建設資材・輸送費の高騰など建設コストが総じて高い価格水準で推移していることに加え、深刻な人手不足は業界全体における喫緊の課題であり、人材の確保や生産性の向上に向けた施策が必須となっております。
このような経営環境のもと、当社グループは「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」の中間年にあたる5年目を迎え、「工事工場利益改善プロジェクト」による収益性の向上、キャッシュ・フローの改善による財務体質の健全化、既存工場のリニューアルによる労働環境の改善や生産性の向上、専門部署による「DX」の推進・普及、生産現場の業務を支援するバックオフィスの機能向上、SBT認定に向けたカーボンニュートラル等の環境対策や補修補強・防災分野に関する研究開発、子会社を核としたメンテナンス事業の拡大、コンクリート構造物を主たる事業とするゼネコンとの業務提携など、整備してきたリソースを通じて「稼ぐ力」の向上を目指した取り組みを実施しながら企業活動を進めてまいりました。また、多様性を重視したリクルート活動、生産現場の働きがい改革「リ・ブランディング」の推進、時間外労働の減少などワークライフバランスの充実、経済産業省が推進する健康経営優良法人の認定継続、「SDGs」の全社的展開を通じた社会的な企業価値向上のための取り組みなど、生産性の向上とあわせて社員及び協力会社従業員の働き方改革の実現に向けて様々な施策を実施してまいりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,142百万円減少し、35,613百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,976百万円減少し、22,470百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ834百万円増加し、13,143百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の受注高は建築事業におけるプレキャスト製品の需要拡大などにより31,201百万円(前連結会計年度比18.1%増)、売上高は手持ち工事が順調に進捗したものの、建築事業売上高が前連結会計年度において過去最高額だったことによる反動減により32,230百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。利益につきましては、売上高は減少したものの、工事採算性が改善したことなどから、営業利益は1,588百万円(前連結会計年度比79.4%増)、経常利益は1,476百万円(前連結会計年度比73.4%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に保有資産の譲渡に伴う譲渡益を特別利益に計上した影響により993百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期より、従来報告セグメントとして開示しておりました「不動産賃貸事業」は、量的な重要性が低下したため、報告セグメントから除外し、「その他」として記載する方法に変更しております。
また、前連結会計年度のセグメント情報は、当連結会計年度の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
土木事業
土木事業は、官庁発注の工事が大型化・長期化の傾向がより強まる中で、長期の大型手持ち工事の確保と中・短期的な工事確保による安定経営を目指し公入札、民間受注活動に鋭意取り組みました。その結果、当連結会計年度においては、国土交通省発注の政府調達協定対象工事(WTO)で技術提案高評価により2件を受注、またNEXCO発注工事ではゼネコンとのJVで継続工事を随意契約で受注し、地元福岡においては福岡県、福岡北九州高速道路公社などでも複数件の工事を受注しました。さらに民間営業での工場製品である大型プレキャストPC床版製作工事を受注するなど営業活動を進めましたが、橋梁関連の公入札工事の発注に鈍化傾向がみられたこともあり、それに伴い競争が激化した影響などにより、受注高は17,080百万円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。
売上高につきましては、現場施工、製品製作とも大型工事を中心に概ね順調に進捗したことに加え、工期末を迎えた大型工事の最終設計変更契約による増額などにより、当連結会計年度においては23,053百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。
セグメント利益につきましては、売上高の増加に加え、上記のように発注者との各種スライド条項や協議による設計変更を進めた結果、想定以上の成果が得られたことなどにより工事採算性が改善したことから4,124百万円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。
建築事業
建築事業は、関東及び関西・中部地区におけるマンション事業の発注が順調に推移したことに加え、建設物価上昇分を販売価格に転嫁できたこと、また関東地区を中心に工事を含む複数のPCa物件の受注を獲得できたことにより、受注高は14,036百万円(前連結会計年度比79.7%増)となりました。
売上高につきましては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗が好転したこと、及び関西・関東地区の大型再開発現場も順調に進捗しましたが、前連結会計年度の売上高が過去最高額を更新したことによる反動減により、9,084百万円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。
セグメント利益につきましては、運送費、人件費等の建設コスト高騰の影響を受けたものの、適正な価格転嫁の推進により全工種に亘って原価率の改善が実施できたことで、942百万円(前連結会計年度比28.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,133百万円減少し、期末残高は1,950百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は418百万円(前連結会計年度は2,334百万円の使用)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上、売上債権の減少などによるものであります。支出の主な要因は、仕入債務の減少、未収入金の増加、法人税等の支払いなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,086百万円(前連結会計年度は1,701百万円の獲得)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は464百万円(前連結会計年度は1,514百万円の調達)となりました。これは、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払いが主な要因であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
土木事業17,080△6.7
建築事業14,03679.7
その他83△71.3
合計31,20118.1

b.売上実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
土木事業23,0531.5
建築事業9,084△15.6
その他92△67.2
合計32,230△4.6

(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
中日本高速道路㈱4,45313.25,45616.9
西日本高速道路㈱3,3209.83,78511.8

(参考)提出会社の建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績は次のとおりであります。
(1)受注工事高、完成工事高及び繰越工事高
期別区分前期繰越工事高
(百万円)
当期受注工事高
(百万円)

(百万円)
当期完成工事高
(百万円)
次期繰越
工事高
(百万円)
前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
土木工事38,83212,88251,71517,48934,225
建築工事1,2599282,1881,236951
40,09213,81153,90318,72635,176
その他11,98311,40623,38913,5809,809
合計52,07525,21777,29332,30644,986
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
土木工事34,22512,04646,27117,64228,629
建築工事9511,0782,0291,426602
35,17613,12548,30119,06929,232
その他9,80916,16425,97411,66114,313
合計44,98629,28974,27530,73043,545

(注)前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にそ
の増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
期別区分特命(%)競争(%)計(%)
前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
土木工事34.365.7100
建築工事100-100
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
土木工事50.849.2100
建築工事99.30.7100

(注) 百分比は請負金額比であります。
(3)完成工事高
期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
土木工事17,4543417,489
建築工事8703661,236
18,32540118,726
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
土木工事17,6271517,642
建築工事1,2401861,426
18,86720119,069

(注)1.前事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。
中日本高速道路㈱北陸自動車道(特定更新等)九頭竜川橋他2橋床版取替工事(その2)
中国地方整備局令和4年度三隅・益田道路木部高架橋PC上部工事
㈱大林組新東名高速道路大御神西跨道橋他3橋(PC上部工)工事
㈱大林組東名阪津島高架橋拡幅梁外ケーブル工事
四国地方整備局令和4-6年度 横断道江田高架橋上部PA27-PA32工事

2.当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。
東日本高速道路㈱首都圏中央連絡自動車道 阿見高架橋(PC上部工)工事
阪神高速道路㈱喜連瓜破橋大規模更新工事
宮崎県道路公社令和4年度 一ツ葉道路工事 第4号 但し、一ツ葉大橋耐震工事
福岡県県道甘木田主丸線両筑橋橋梁上部工工事(2工区)
関東地方整備局R5国道20号八王子南BP寺田跨道橋上部工事

3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度中日本高速道路㈱4,246百万円22.7%
西日本高速道路㈱3,320百万円17.7%
当事業年度中日本高速道路㈱5,302百万円27.8%
西日本高速道路㈱3,785百万円19.9%

(4)次期繰越工事高(2026年3月31日現在)
区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
土木工事28,5844428,629
建築工事52082602
29,10512729,232

(注) 次期繰越工事のうち請負金額4億円以上の主なものは次のとおりであります。
中日本高速道路㈱岡谷高架橋改良工事
西日本高速道路㈱令和2年度 佐世保道路 佐世保高架橋(拡張)工事
中日本高速道路㈱名神高速道路(特定更新等)木曽川橋床版取替工事
西日本高速道路㈱新名神高速道路 城陽第二高架橋東(PC上部工)工事
中日本高速道路㈱新名神高速道路錐ヶ瀧橋他1橋(PC上部工)拡幅工事

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、のれん、貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金、株式給付引当金、退職給付に係る負債、収益認識に関する会計基準に基づく収益認識などの判断につきましては、過去の実績や合理的な方法により見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
上記のうち、見積り及び仮定の重要度が高いものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は35,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,142百万円の減少となりました。
流動資産は、25,434百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,430百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、未収入金が435百万円増加するなどはありましたが、現金預金が1,123百万円、受取手形・完成工事未収入金等が1,819百万円減少したことなどによるものであります。
固定資産は、10,179百万円となり、前連結会計年度末に比べ288百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、九州小竹工場リニューアル工事の進捗に伴い機械・運搬具及び工具器具備品や建設仮勘定の増加により有形固定資産が299百万円増加いたしました。また、のれんの償却などによる減少とその他の資産の増加により無形固定資産が1百万円の増加、繰延税金資産の減少などにより投資その他の資産が12百万円減少いたしました。
負債合計は22,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,976百万円の減少となりました。
流動負債は、21,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,917百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、流動負債「その他」296百万円増加いたしましたが、支払手形・工事未払金等が1,169百万円、電子記録債務が719百万円減少したことなどによるものであります。
固定負債は、1,458百万円となり、前連結会計年度末に比べ59百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、長期借入金が57百万円減少したことなどによるものであります。
純資産合計は13,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ834百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益993百万円の計上、退職給付に係る調整累計額の増加57百万円、自己株式の株式報酬としての処分による増加5百万円、剰余金の配当による減少234百万円によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は36.9%となり、前連結会計年度末に比べ4.3%上昇いたしました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、潤沢な手持ち工事が順調に進捗したものの、建築事業売上高が前連結会計年度において過去最高額だったことによる反動減により前連結会計年度に比べ1,541百万円減少(前連結会計年度比4.6%減)の32,230百万円となりました。
なお、セグメント別の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における売上原価は、売上高の減少に加え、土木事業、建築事業ともに工事原価の低減に努めた結果、前連結会計年度に比べ2,358百万円減少(前連結会計年度比8.0%減)の27,102百万円となりました。
売上総利益は、売上高の減少はあったものの、土木事業においては順調な設計変更契約の獲得など、建築事業においては適正な価格転嫁の推進などにより工事採算性が改善し、前連結会計年度に比べ816百万円増加(前連結会計年度比18.9%増)の5,128百万円となりました。売上総利益率は前連結会計年度12.8%に対し、3.1ポイント改善し15.9%となりました。
なお、セグメント別の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。
販売費及び一般管理費は、各種経費の節減や業務効率化による残業時間の削減などに努めましたが、賃金上昇による労務費の増加などにより、前連結会計年度に比べ114百万円増加(前連結会計年度比3.3%増)の3,539百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、売上総利益の増加により前連結会計年度に比べ702百万円増加(前連結会計年度比79.4%増)の1,588百万円となりました。営業利益率は4.9%となり、前連結会計年度に比べ2.3ポイントの大幅な好転となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ38百万円減少の50百万円となりました。鉄屑等の売却による物品売却益の減少及び固定資産の経常的な入れ替え等に伴う処分益の減少が主な要因となります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ39百万円増加の162百万円となりました。借入金利の上昇に伴う支払利息の増加が主な要因となります。
(特別損益)
特別損失は、九州小竹工場リニューアル工事及び関東工場リニューアル工事に伴う固定資産除却損を計上した結果、52百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において保有不動産の譲渡に伴う譲渡益を特別利益に計上したことなどにより前連結会計年度に比べ1,194百万円減少(前連結会計年度比54.6%減)の993百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」、及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2)資金需要
当社グループの資金需要は、運転資金、投資資金及び株主還元に分けられます。
運転資金需要の主なものは、工事の施工及び工場の製品製造のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用や管理費用であります。
投資資金需要の主なものは、設備資金であり、工場における製造設備、工事現場における建設機材等固定資産の購入によるものであります。
また、株主還元については、財務健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。
3)資金調達
当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、子会社(非連結・持分法非適用)を含めた資金調達は、原則として当社が一元管理しており、必要に応じて当社より子会社へ貸付けを行っております。
運転資金及び株主還元につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金により充当しておりますが、運転資金において不足が生じた場合には金融機関からの借入金を利用しております。
設備資金につきましては、設備投資計画に基づき資金計画を作成し、内部資金で不足する場合には金融機関からの借入金を利用しております。なお、工場建設等の大規模な設備投資の場合には、内部資金に加え長期借入金を始めとした複数の調達方法を検討しております。
当社は、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を維持するとともに、長期・短期の借入金のバランスを考慮した安定的な資金調達を行いながら、今後の事業成長に資するため事業運営上必要な手元流動性を高めることに努めております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」を2022年3月期よりスタートさせ、当連結会計年度は5年目となりました。
この「VISION2030」における前半の5年間(「稼ぐ力」を蓄える期間)における具体的な数値計画は以下のとおりとなっております。
(百万円)
2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
(当期)
売上高28,16029,40031,20033,00035,300
営業利益9801,1601,2501,5001,750
(営業利益率)(3.5%)(3.9%)(4.0%)(4.5%)(5.0%)

売上高及び営業利益(率)は、企業経営の基本的な指標であり、会社の本来の業務における収益性の判断材料として、重要な指標としております。当連結会計年度の実績との比較は以下のとおりであります。
(百万円)
VISION2030実績値差額
売上高35,30032,230△3,069
営業利益1,7501,588△162
(営業利益率)(5.0%)(4.9%)(△0.1%)

当連結会計年度における実績は、「VISION2030」に対し売上高は3,069百万円下回り32,230百万円となり、達成率としては91.3%となりました。
この主な要因は、土木事業では、潤沢な手持ち工事を現場・工場ともに順調に進捗させたことに加え、工期末を迎えた大型工事の最終設計変更契約が円滑に進んだことなどにより手持ち工事に係わる売上高が増加した一方で、橋梁関係の公入札工事の発注に鈍化傾向が見られ、競争が激化し受注高が減少したことにより、新規受注工事の売上高が計画を下回ることとなり、全体としてVISION2030の目標値を下回る結果となりました。
建築事業においては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗が好転したこと、並びに関東や関西における大型再開発現場が滞りなく進捗したことで当社製品の供給も順調に行えたことにより、当連結会計年度は「VISION2030」の目標値を達成する結果となりました。
営業利益は、「VISION2030」の目標値を162百万円下回り1,588百万円となり、達成率は90.7%となりました。
営業利益率につきましては、4.9%と5.0%にわずかに達成できなかったものの、「工事工場利益改善プロジェクト」などの施策の効果により工事採算性が改善し、前連結会計年度の実績2.6%に比べ大幅に改善しており、順調に進捗しております。
販売費及び一般管理費につきましては、賃金上昇により労務費は増加傾向にありますが、各種経費の節減や業務効率化による残業時間の削減などに努めた結果、「VISION2030」の目標値を2.0%程度上回るに留まりました。
したがいまして、営業利益の未達成の主な要因は、前述の要因による売上高が「VISION2030」の目標値を下回ったことにあると判断しております。
(投資方針及びその分析)
投資につきましては、当社グループが建設業界に属していることから工事用機材の適切な維持更新は安全な施工を行うために不可欠であり、また、工場においても生産性の向上、省人・省力化等のために継続的な設備投資は不可欠と考えております。従って、設備投資額を重要な指標の一つとしております。
当連結会計年度における設備投資額は、782百万円であります。
老朽化設備の更新に加え、大型機材や工場製造設備といった設備増強、安全性・生産性の向上及び効率化のための設備の取得などの設備投資が397百万円となりました。
さらに、生産力アップのため既存工場の本格的なリニューアル工事として、九州小竹工場リニューアル工事を2022年3月期からスタートさせており、5年目を迎えた当連結会計年度においては、自社工法で工場事務所棟の建設などを行い384百万円の設備投資を実施いたしました。なお、当連結会計年度で全てのリニューアル工事の完了を予定しておりましたが、進捗に若干の遅れが生じ、事務所棟は5月の完成となりました。九州小竹工場のリニューアル工事の計画及び進捗については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
研究開発につきましては、設立以来、新製品の開発、製造技術の合理化、現場工事における施工方法の開発、施工上の問題解決等の課題に挑戦しながら、社会のニーズに対応できるよう研究開発活動を実施していることから研究開発投資も重要な指標としております。研究所での技術開発などを行った結果、当連結会計年度における開発費の額は125百万円で、売上高の0.4%となり、方針としている売上高の0.3%を達成する結果となりました。
(財務方針及びその分析)
財務につきましては、ROE(自己資本利益率)は投下した資本に対しどれだけの利益を獲得できたかを示す指標であり、重要な指標としております。
当連結会計年度においては、連結で7.8%、個別で7.7%となり、方針としている8%超の目標値を若干下回る結果となりました。
なお、今後は「第2 事業の状況 (3)中期経営計画「VISION2030」について」に記載した通り、利益確保によるROEの改善を図り、ROE8%超の実現を目指してまいります。
また、当連結会計年度の設備投資資金につきましては、設備投資総額で782百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益993百万円の範囲内となっております。従って、当連結会計年度の設備投資資金は、基本として自己資金によっております。なお、九州小竹工場リニューアル関連投資に係る今後の資金については、基本的に内部留保等の活用による自己資金による調達を考えておりますが、大型・長期の設備投資と言うこともあり、長期での資金調達が適切と考えており、借入金等による調達も視野に入れ検討しております。
(株主還元方針及びその分析)
当社グループは、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付け、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、安定配当を実施することを基本方針としております。当社の中期経営計画「VISION2030」においても、配当性向を重要な指標としており、2024年5月15日に公表いたしました「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」において配当性向40%を目指すこととしております。また、期間損益に影響を受けやすいという特性がある配当性向に加え、安定配当の指標として株主資本配当率(DOE)を配当検討の際の指標として加えております。
当連結会計年度においては、前連結会計年度の普通配当13円から9円増配の1株当たり22円の普通配当といたしました。この結果、配当性向は39.1%となりました。また、もう一つの指標としている株主資本配当率は前連結会計年度の2.0%から1.1ポイント上昇し3.1%となりました。
なお、今後も「第2 事業の状況 (3)中期経営計画「VISION2030」について」に記載した通り、PBR向上のため、株主還元強化を株価向上施策の一環と捉えており、翌連結会計年度の配当は、当連結会計年度の普通配当より3円増配し、1株当たり25円の普通配当を予定しており、配当性向も43.7%となる予定です。今後も株主還元を強化し、配当性向は40%超を維持できるよう努める方針としております。
(SDGsへの取り組み)
「VISION2030」においては、SDGs⦅持続可能な開発目標⦆の17の目標への取り組みについても掲げております。「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を2030年に目指す姿の一つと定め、その実現に向けて、基本理念に基づいた重要と思われる5つの課題(マテリアリティ)及びその課題を解決するための活動方針(アクションプラン)を策定しております。
当連結会計年度において、当社グループではSDGs関連研修の実施をはじめとして、SDGsに寄与するため下記のような取り組みを実施いたしました。
① 福岡市・北九州市における「福岡市SDGs登録制度」認定継続取得
② 7年連続で「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定取得
③ スポーツエールカンパニー2026として認定を継続取得
④ 「健康づくり優良事業所」ゴールド認定取得
⑤ 「女性活躍推進法に基づくえるぼし認定(2段階目)」取得
⑥ 「カーボンニュートラル推進プロジェクト」により検討を進め、SBT認定の取得を目指してグループ全体と
しての取り組みを実施
「スポーツエールカンパニー」とは、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業としてスポーツ庁が認定を行う制度です。社員がスポーツに親しめる環境づくりを進めることで、社員が心身ともに健康で個性や能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指し、健康経営を推進しています。
また、当社に設置している「カーボンニュートラル推進プロジェクト」において、CO2削減目標、ロードマップの策定及び具体的なCO2削減策の立案と検討を進め、過年度において、企業が「Science Based Targets initiative (SBTi)」に対し、2年以内に科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標を設定し、SBTiの承認を得ることを約束する意思表明「コミットメント」を完了させております。
このほかにも、脱炭素・低炭素につながるコンクリートの材料・配合選定・養生方法などの研究開発の実施、風力発電ハイブリッドタワーの実用化に向けた取り組み、工場で使用する蒸気養生ボイラーの燃料を重油から天然ガスに転換することで、有害排気ガスの排出削減の実施など様々な地球温暖化対策に積極的に取り組んでおり、今後も継続して取り組みを実施してまいります。
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