有価証券報告書-第177期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月25日)現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。当社グループはこれら見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これら見積り及び仮定と実績が異なる場合があります。
会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
① たな卸資産
たな卸資産は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、取得原価と正味売却価額のいずれか低い価額で測定しております。また、需要の変化によって過剰又は滞留するたな卸資産についても、簿価を切り下げております。市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、金銭債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、必要な貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 投資有価証券の減損
当社グループでは投資有価証券を所有しておりますが、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。当社グループでは、時価のある有価証券については、時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には減損処理し、30%から50%の下落の場合には、当該有価証券発行会社の業績等を勘案し必要に応じ減損処理しております。時価のない有価証券については、その実質価額が取得価額に比べ著しく下落した場合、回復の見込が確実と認められる場合を除き、減損処理しております。
当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきており、現状では減損すべき投資有価証券はありませんが、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
④ 企業結合
当社グループは、企業結合により取得した企業又は事業の取得原価は、時価で算定しております。取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債のうち企業結合日時点において識別可能なものの企業結合日時点の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して配分しております。取得原価が、企業結合日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして会計処理しております。
取得した資産、特に無形資産の時価の算定は、多くの場合、経営者の重要な判断を必要とします。当社グループは、独立の第三者による評価結果を利用し、入手可能な過去の情報と将来の見通し及びその仮定に基づいて時価を算定しております。経営者は、これらの判断及び評価は合理的であると判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって実際の結果と異なる可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、のれんを含む固定資産の帳簿価額が回収不能であると判断された場合、回収可能価額まで減額しております。減損の兆候が生じた資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識するかどうかの判定を行っております。割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、減損処理が必要と判断し、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額とし、独立の第三者による評価結果を利用した将来キャッシュ・フローに基づいております。なお、将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いております。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価を行っており、これらの判断及び評価は合理的であると判断しております。当社グループには、現状では減損すべき固定資産はありませんが、将来の企業環境の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には減損処理が必要となる可能性があります。なお、提出日現在において、これらの見積りの見直しが必要となる事象は生じておりません。
⑥ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
⑦ 退職給付に係る負債
当社グループの退職一時金制度及び既退職の年金受給者を対象とする確定給付企業年金制度における退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給付水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。割引率は期末における複数の格付機関による直近の格付けがダブルA格相当以上を得ている社債等の市場利回りに基づき、長期期待運用収益率は保有している年金資産の運用方針や過去の運用実績等に基づき決定しております。実績が前提条件と異なる場合、又は、前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度の経営成績の概況及び分析
当連結会計年度につきましては、全世界において新型コロナウイルス感染症の拡大と収束が繰り返される中、世界経済は米国や中国を中心に昨年後半から回復に転じました。一方で国内経済は、製造業において生産や輸出が堅調だったものの、非製造業において持ち直しの鈍さが目立ち、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような中、当社グループは、社会的使命である小麦粉をはじめとする「食」の安定供給の確保に最優先で取り組み、また、その使命を支える従業員の安全確保に努めました。各事業におきましては、新しい生活様式の形成等の社会変化により顕在化した内食需要の拡大や、成長販路に対する対策を強化するとともに、長期ビジョン「NNI “Compass for the Future” 新しいステージに向けて~総合力の発揮とモデルチェンジ」で描く目指す姿の実現に向け、更なる成長の基盤づくりを着実に進めました。また、その一環として、国内産小麦をはじめとする国内農畜産物の安定的供給や商品原料の安定的調達等を目的として、昨年11月に全国農業協同組合連合会と業務提携契約を締結しました。
当期の業績につきましては、売上高は、2019年7月に連結子会社化したトオカツフーズ株式会社の第1四半期における連結効果があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による国内外における業務用小麦粉等の出荷減や国内製粉事業における昨年1月の小麦粉価格の値下げ、エンジニアリング事業における設備工事の減少等により6,794億95百万円(前期比95.4%)となりました。利益面では、米国製粉事業の業績回復、新型コロナウイルス感染症の影響による家庭用食品の販売増、医薬品原薬の販売増等による利益増があったものの、外出自粛等の影響による国内外製粉事業の販売収益悪化や中食・惣菜事業の販売低調、設備工事の減少等により、営業利益は271億97百万円(前期比94.3%)、経常利益は298億86百万円(前期比95.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に特別利益として計上したトオカツフーズ株式会社の連結子会社化に伴う段階取得に係る差益の反動等により、190億11百万円(前期比84.8%)となりました。
(前期比較) (単位:百万円)
セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
2021年3月期 売上高・営業利益 (単位:百万円)
(注1)売上高はセグメント間取引消去後です。
(注2)営業利益の調整額はセグメント間取引消去等です。
1) 製粉事業
(単位:百万円)
国内製粉事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による内食シフトでパスタや即席麺等家庭用向けの需要は増加しましたが、パンや菓子等の専門店や外食等業務用向け需要の減少等が継続しており、業務用小麦粉の出荷は前年を下回りました。また、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に5銘柄平均で3.1%引き上げられ、10月に同4.3%引き下げられたことを受け、それぞれ昨年6月及び本年1月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。
副製品であるふすまにつきましては、価格は堅調に推移しました。
海外製粉事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、北米等において家庭用加工食品メーカー向けの小麦粉の販売が堅調に推移した一方、豪州のAllied Pinnacle Pty Ltd.におけるプレミックス、ベーカリー関連原材料の販売やタイ、ニュージーランドにおける業務用小麦粉の販売が低調に推移したことにより、売上げは前年を下回りました。
この結果、製粉事業の売上高は2,857億98百万円(前期比93.2%)、営業利益は米国における業績回復等はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響で、国内において外出自粛等により販売構成面の影響を受け販売収益が悪化したこと、豪州において付加価値品の販売低調に伴い収益が悪化したこと等により、63億17百万円(前期比67.7%)となりました。
2) 食品事業
(単位:百万円)
加工食品事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による内食需要の高まりを受け、家庭用製品の出荷が大きく伸長した一方、外食需要の低迷により、業務用製品の出荷が減少しました。そのような中で、変化する消費者ニーズに対応した高付加価値製品の開発・上市を進めるとともに、キャンペーンの実施やオンラインイベントへの協賛等のデジタル施策を実施しました。また、輸入小麦の政府売渡価格改定に伴う業務用小麦粉の価格改定を受け、昨年9月及び本年2月に家庭用小麦粉の価格改定を実施しました。この結果、加工食品事業の売上げは前年を下回りました。
酵母・バイオ事業につきましては、製パン用素材等の出荷が減少し、売上げは前年を下回りました。なお、インドの子会社であるOriental Yeast India Pvt. Ltd.において建設中であるイースト新工場は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響により稼働時期が未定となっております。
健康食品事業につきましては、医薬品原薬及び消費者向け製品の出荷増により、売上げは前年を上回りました。
この結果、食品事業の売上高は2,147億10百万円(前期比98.5%)、営業利益は家庭用製品及び医薬品原薬の出荷増、販売促進費の減少等により153億50百万円(前期比119.0%)となりました。
3) 中食・惣菜事業
(単位:百万円)
中食・惣菜事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワーク実施率の増加や外出機会の減少により、都市部及び行楽地を中心に販売が減少したものの、2019年7月に連結子会社化したトオカツフーズ株式会社の第1四半期における連結効果により、売上げは前年を上回りました。
この結果、中食・惣菜事業の売上高は1,427億47百万円(前期比109.8%)となりました。営業利益は生産効率の改善やおせちの販売増があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による販売減少の影響が大きく、12億78百万円(前期比73.6%)となりました。
4) その他事業
(単位:百万円)
エンジニアリング事業につきましては、設備工事の減少により売上げは前年を下回りました。
メッシュクロス事業につきましては、抗ウイルス関連製品の販売好調はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に自動車の生産台数が落ち込む中、自動車部品向け等の化成品の出荷が減少し、売上げは前年を下回りました。
ペットフード事業につきましては、昨年3月末の販売事業譲渡後、受託生産のみを継続しておりましたが、本年3月末をもって受託生産を終了しました。
この結果、その他事業の売上高は362億40百万円(前期比63.0%)、営業利益は42億40百万円(前期比90.2%)となりました。
② 当連結会計年度の財政状態の概況及び分析
(単位:百万円)
当連結会計年度末における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりです。
流動資産は2,386億74百万円で、現金及び預金は増加したものの、受取手形及び売掛金の回収や有価証券の償還による減少等に伴い、前年度末に比べ3億6百万円減少しました。固定資産は4,487億40百万円で、保有している投資有価証券の評価差額金の増加等に伴い、前年度末に比べ215億5百万円増加しました。この結果、資産合計は6,874億15百万円で前年度末に比べ211億99百万円増加しました。
また、流動負債は1,087億40百万円で、支払手形及び買掛金の支払や短期借入金の返済による減少等に伴い、前年度末に比べ223億18百万円減少しました。固定負債は1,339億0百万円で、子会社の為替換算レート変動によるリース債務の増加等に伴い、前年度末に比べ77億86百万円増加しました。この結果、負債合計は2,426億40百万円となり、前年度末に比べ145億32百万円減少しました。純資産合計は親会社株主に帰属する当期純利益による増加、配当金の支出による減少、その他の包括利益累計額の増加等により、前年度末に比べ357億32百万円増加し、4,447億74百万円となりました。
③ 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益297億62百万円、減価償却費222億71百万円等による資金増加が、仕入債務の減少及び法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは495億6百万円の資金増加(前連結会計年度は384億20百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
合理化・省力化関連の投資を中心に、有形及び無形固定資産の取得に173億59百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは171億5百万円の資金減少(前連結会計年度は968億44百万円の資金減少)となりました。
以上により、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、324億0百万円の資金増加(前連結会計年度は584億24百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の返済により144億22百万円を支出したこと及び株主の皆様への利益還元といたしまして配当に101億11百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは312億64百万円の資金減少(前連結会計年度は83億37百万円の資金増加)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は591億52百万円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務含む)残高は788億円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループの資金は、当面充分な流動性を確保しております。
当社グループは長期ビジョン「NNI “Compass for the Future”新しいステージに向けて~総合力の発揮とモデルチェンジ」に基づき、持続的成長に向けて、設備投資、M&A、人材育成、技術開発等の戦略投資を今後さらに積極的に加速させると同時に、株主還元につきましては、「当社創業以来の価値観」を共有して下さる株主の皆様に長期的スタンスで安定的に利益還元を強化してまいります。具体的には、連結ベースでの配当性向の基準を40%以上とし連続増配により配当の上積みを図り、自己株式取得等はキャッシュ・フローや戦略的な投資資金需要を勘案した上で機動的に行ってまいりたいと考えております。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
そのための資金は、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら、内部及び外部の両財源より調達してまいります。内部からの資金捻出は、既に導入しておりますキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を利用した国内連結子会社の資金の一元管理、及び政策保有株式の縮減を含めた資産の圧縮に引き続き取り組むことにより、外部からは当社グループの健全な財務体質を背景に有利子負債等により、調達してまいります。
(4) 中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」の達成状況及び経営者の視点による分析・検討内容
① 中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」の業績目標と資本政策
当社グループは、2015年度に、2020年度を最終年度とする有期目標を掲げた中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」を策定しました。中期経営計画では、コア事業の収益基盤の再構築に注力すると同時に、買収事業を含めた自立的成長と新規戦略投資(M&A、設備投資)等の実行により、着実な利益成長を目指し、2020年度の業績目標を以下のとおりとしておりました。
また、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら、将来の成長に向け戦略投資を推進するとともに、従来以上に積極的な株主還元に取り組む資本政策を以下のとおり策定しました。
② 中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」の達成状況
2019年度までの進捗は、売上高、営業利益、EPS(1株当たり当期純利益)について、概ね最終年度目標の年平均成長率に沿って着実に成長いたしました。最終年度となる2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で製粉事業及び中食・惣菜事業の業績が悪化し、また、設備工事の一時的な減少、ペットフード事業の譲渡等もあり、売上高は6,794億円(業績目標:7,500億円)、営業利益は271億円(同300億円)、EPS(1株当たり当期純利益)は64円(同80円)となりました。
資本政策につきましては、2020年度の1株当たり年間配当金は37円、配当性向は57.9%となり、連結ベースでの配当性向を40%以上とする経営計画の基本方針のもと、連続増配を継続しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しておりますが、早期に販売力・収益力を回復させることを最優先課題として注力してまいります。なお、足元の事業環境を見極めることを優先し、新たな中期経営計画については策定を一旦見送っております。
(5) 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、期間中の平均販売価格等により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」に記載しております。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。当社グループはこれら見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これら見積り及び仮定と実績が異なる場合があります。
会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
① たな卸資産
たな卸資産は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、取得原価と正味売却価額のいずれか低い価額で測定しております。また、需要の変化によって過剰又は滞留するたな卸資産についても、簿価を切り下げております。市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、金銭債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、必要な貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 投資有価証券の減損
当社グループでは投資有価証券を所有しておりますが、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。当社グループでは、時価のある有価証券については、時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には減損処理し、30%から50%の下落の場合には、当該有価証券発行会社の業績等を勘案し必要に応じ減損処理しております。時価のない有価証券については、その実質価額が取得価額に比べ著しく下落した場合、回復の見込が確実と認められる場合を除き、減損処理しております。
当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきており、現状では減損すべき投資有価証券はありませんが、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
④ 企業結合
当社グループは、企業結合により取得した企業又は事業の取得原価は、時価で算定しております。取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債のうち企業結合日時点において識別可能なものの企業結合日時点の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して配分しております。取得原価が、企業結合日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして会計処理しております。
取得した資産、特に無形資産の時価の算定は、多くの場合、経営者の重要な判断を必要とします。当社グループは、独立の第三者による評価結果を利用し、入手可能な過去の情報と将来の見通し及びその仮定に基づいて時価を算定しております。経営者は、これらの判断及び評価は合理的であると判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって実際の結果と異なる可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、のれんを含む固定資産の帳簿価額が回収不能であると判断された場合、回収可能価額まで減額しております。減損の兆候が生じた資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識するかどうかの判定を行っております。割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、減損処理が必要と判断し、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額とし、独立の第三者による評価結果を利用した将来キャッシュ・フローに基づいております。なお、将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いております。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価を行っており、これらの判断及び評価は合理的であると判断しております。当社グループには、現状では減損すべき固定資産はありませんが、将来の企業環境の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には減損処理が必要となる可能性があります。なお、提出日現在において、これらの見積りの見直しが必要となる事象は生じておりません。
⑥ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
⑦ 退職給付に係る負債
当社グループの退職一時金制度及び既退職の年金受給者を対象とする確定給付企業年金制度における退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給付水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。割引率は期末における複数の格付機関による直近の格付けがダブルA格相当以上を得ている社債等の市場利回りに基づき、長期期待運用収益率は保有している年金資産の運用方針や過去の運用実績等に基づき決定しております。実績が前提条件と異なる場合、又は、前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度の経営成績の概況及び分析
当連結会計年度につきましては、全世界において新型コロナウイルス感染症の拡大と収束が繰り返される中、世界経済は米国や中国を中心に昨年後半から回復に転じました。一方で国内経済は、製造業において生産や輸出が堅調だったものの、非製造業において持ち直しの鈍さが目立ち、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような中、当社グループは、社会的使命である小麦粉をはじめとする「食」の安定供給の確保に最優先で取り組み、また、その使命を支える従業員の安全確保に努めました。各事業におきましては、新しい生活様式の形成等の社会変化により顕在化した内食需要の拡大や、成長販路に対する対策を強化するとともに、長期ビジョン「NNI “Compass for the Future” 新しいステージに向けて~総合力の発揮とモデルチェンジ」で描く目指す姿の実現に向け、更なる成長の基盤づくりを着実に進めました。また、その一環として、国内産小麦をはじめとする国内農畜産物の安定的供給や商品原料の安定的調達等を目的として、昨年11月に全国農業協同組合連合会と業務提携契約を締結しました。
当期の業績につきましては、売上高は、2019年7月に連結子会社化したトオカツフーズ株式会社の第1四半期における連結効果があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による国内外における業務用小麦粉等の出荷減や国内製粉事業における昨年1月の小麦粉価格の値下げ、エンジニアリング事業における設備工事の減少等により6,794億95百万円(前期比95.4%)となりました。利益面では、米国製粉事業の業績回復、新型コロナウイルス感染症の影響による家庭用食品の販売増、医薬品原薬の販売増等による利益増があったものの、外出自粛等の影響による国内外製粉事業の販売収益悪化や中食・惣菜事業の販売低調、設備工事の減少等により、営業利益は271億97百万円(前期比94.3%)、経常利益は298億86百万円(前期比95.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に特別利益として計上したトオカツフーズ株式会社の連結子会社化に伴う段階取得に係る差益の反動等により、190億11百万円(前期比84.8%)となりました。
(前期比較) (単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 712,180 | 679,495 | △32,685 | 95.4% |
| 営業利益 | 28,852 | 27,197 | △1,655 | 94.3% |
| 経常利益 | 31,434 | 29,886 | △1,547 | 95.1% |
| 親会社株主に 帰属する当期純利益 | 22,407 | 19,011 | △3,395 | 84.8% |
セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
2021年3月期 売上高・営業利益 (単位:百万円)
| 売上高 | 営業利益 | |||
| 実績 | (前期差) | 実績 | (前期差) | |
| 製粉事業 | 285,798 | △20,947 | 6,317 | △3,008 |
| 食品事業 | 214,710 | △3,249 | 15,350 | 2,455 |
| 中食・惣菜事業 | 142,747 | 12,779 | 1,278 | △457 |
| その他 | 36,240 | △21,267 | 4,240 | △458 |
| 調整 | - | - | 9 | △185 |
| 連結計 | 679,495 | △32,685 | 27,197 | △1,655 |
(注1)売上高はセグメント間取引消去後です。
(注2)営業利益の調整額はセグメント間取引消去等です。
1) 製粉事業
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 306,745 | 285,798 | △20,947 | 93.2% |
| 営業利益 | 9,326 | 6,317 | △3,008 | 67.7% |
国内製粉事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による内食シフトでパスタや即席麺等家庭用向けの需要は増加しましたが、パンや菓子等の専門店や外食等業務用向け需要の減少等が継続しており、業務用小麦粉の出荷は前年を下回りました。また、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に5銘柄平均で3.1%引き上げられ、10月に同4.3%引き下げられたことを受け、それぞれ昨年6月及び本年1月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。
副製品であるふすまにつきましては、価格は堅調に推移しました。
海外製粉事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、北米等において家庭用加工食品メーカー向けの小麦粉の販売が堅調に推移した一方、豪州のAllied Pinnacle Pty Ltd.におけるプレミックス、ベーカリー関連原材料の販売やタイ、ニュージーランドにおける業務用小麦粉の販売が低調に推移したことにより、売上げは前年を下回りました。
この結果、製粉事業の売上高は2,857億98百万円(前期比93.2%)、営業利益は米国における業績回復等はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響で、国内において外出自粛等により販売構成面の影響を受け販売収益が悪化したこと、豪州において付加価値品の販売低調に伴い収益が悪化したこと等により、63億17百万円(前期比67.7%)となりました。
2) 食品事業
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 217,959 | 214,710 | △3,249 | 98.5% |
| 営業利益 | 12,895 | 15,350 | 2,455 | 119.0% |
加工食品事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による内食需要の高まりを受け、家庭用製品の出荷が大きく伸長した一方、外食需要の低迷により、業務用製品の出荷が減少しました。そのような中で、変化する消費者ニーズに対応した高付加価値製品の開発・上市を進めるとともに、キャンペーンの実施やオンラインイベントへの協賛等のデジタル施策を実施しました。また、輸入小麦の政府売渡価格改定に伴う業務用小麦粉の価格改定を受け、昨年9月及び本年2月に家庭用小麦粉の価格改定を実施しました。この結果、加工食品事業の売上げは前年を下回りました。
酵母・バイオ事業につきましては、製パン用素材等の出荷が減少し、売上げは前年を下回りました。なお、インドの子会社であるOriental Yeast India Pvt. Ltd.において建設中であるイースト新工場は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響により稼働時期が未定となっております。
健康食品事業につきましては、医薬品原薬及び消費者向け製品の出荷増により、売上げは前年を上回りました。
この結果、食品事業の売上高は2,147億10百万円(前期比98.5%)、営業利益は家庭用製品及び医薬品原薬の出荷増、販売促進費の減少等により153億50百万円(前期比119.0%)となりました。
3) 中食・惣菜事業
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 129,967 | 142,747 | 12,779 | 109.8% |
| 営業利益 | 1,736 | 1,278 | △457 | 73.6% |
中食・惣菜事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワーク実施率の増加や外出機会の減少により、都市部及び行楽地を中心に販売が減少したものの、2019年7月に連結子会社化したトオカツフーズ株式会社の第1四半期における連結効果により、売上げは前年を上回りました。
この結果、中食・惣菜事業の売上高は1,427億47百万円(前期比109.8%)となりました。営業利益は生産効率の改善やおせちの販売増があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による販売減少の影響が大きく、12億78百万円(前期比73.6%)となりました。
4) その他事業
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 57,507 | 36,240 | △21,267 | 63.0% |
| 営業利益 | 4,698 | 4,240 | △458 | 90.2% |
エンジニアリング事業につきましては、設備工事の減少により売上げは前年を下回りました。
メッシュクロス事業につきましては、抗ウイルス関連製品の販売好調はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に自動車の生産台数が落ち込む中、自動車部品向け等の化成品の出荷が減少し、売上げは前年を下回りました。
ペットフード事業につきましては、昨年3月末の販売事業譲渡後、受託生産のみを継続しておりましたが、本年3月末をもって受託生産を終了しました。
この結果、その他事業の売上高は362億40百万円(前期比63.0%)、営業利益は42億40百万円(前期比90.2%)となりました。
② 当連結会計年度の財政状態の概況及び分析
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前期末差 | |
| 流動資産 | 238,980 | 238,674 | △306 |
| 固定資産 | 427,234 | 448,740 | 21,505 |
| 資産合計 | 666,215 | 687,415 | 21,199 |
| 流動負債 | 131,058 | 108,740 | △22,318 |
| 固定負債 | 126,114 | 133,900 | 7,786 |
| 負債合計 | 257,172 | 242,640 | △14,532 |
| 純資産合計 | 409,042 | 444,774 | 35,732 |
| 負債純資産合計 | 666,215 | 687,415 | 21,199 |
当連結会計年度末における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりです。
流動資産は2,386億74百万円で、現金及び預金は増加したものの、受取手形及び売掛金の回収や有価証券の償還による減少等に伴い、前年度末に比べ3億6百万円減少しました。固定資産は4,487億40百万円で、保有している投資有価証券の評価差額金の増加等に伴い、前年度末に比べ215億5百万円増加しました。この結果、資産合計は6,874億15百万円で前年度末に比べ211億99百万円増加しました。
また、流動負債は1,087億40百万円で、支払手形及び買掛金の支払や短期借入金の返済による減少等に伴い、前年度末に比べ223億18百万円減少しました。固定負債は1,339億0百万円で、子会社の為替換算レート変動によるリース債務の増加等に伴い、前年度末に比べ77億86百万円増加しました。この結果、負債合計は2,426億40百万円となり、前年度末に比べ145億32百万円減少しました。純資産合計は親会社株主に帰属する当期純利益による増加、配当金の支出による減少、その他の包括利益累計額の増加等により、前年度末に比べ357億32百万円増加し、4,447億74百万円となりました。
③ 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前期差 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 38,420 | 49,506 | 11,085 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △96,844 | △17,105 | 79,739 |
| フリー・キャッシュ・フロー | △58,424 | 32,400 | 90,825 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 8,337 | △31,264 | △39,602 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △1,451 | 1,466 | 2,917 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △51,537 | 2,602 | 54,139 |
| 連結子会社の決算期変更に伴う 現金及び現金同等物の増減額 | 713 | - | △713 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 56,550 | 59,152 | 2,602 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益297億62百万円、減価償却費222億71百万円等による資金増加が、仕入債務の減少及び法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは495億6百万円の資金増加(前連結会計年度は384億20百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
合理化・省力化関連の投資を中心に、有形及び無形固定資産の取得に173億59百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは171億5百万円の資金減少(前連結会計年度は968億44百万円の資金減少)となりました。
以上により、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、324億0百万円の資金増加(前連結会計年度は584億24百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の返済により144億22百万円を支出したこと及び株主の皆様への利益還元といたしまして配当に101億11百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは312億64百万円の資金減少(前連結会計年度は83億37百万円の資金増加)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は591億52百万円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務含む)残高は788億円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループの資金は、当面充分な流動性を確保しております。
当社グループは長期ビジョン「NNI “Compass for the Future”新しいステージに向けて~総合力の発揮とモデルチェンジ」に基づき、持続的成長に向けて、設備投資、M&A、人材育成、技術開発等の戦略投資を今後さらに積極的に加速させると同時に、株主還元につきましては、「当社創業以来の価値観」を共有して下さる株主の皆様に長期的スタンスで安定的に利益還元を強化してまいります。具体的には、連結ベースでの配当性向の基準を40%以上とし連続増配により配当の上積みを図り、自己株式取得等はキャッシュ・フローや戦略的な投資資金需要を勘案した上で機動的に行ってまいりたいと考えております。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
そのための資金は、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら、内部及び外部の両財源より調達してまいります。内部からの資金捻出は、既に導入しておりますキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を利用した国内連結子会社の資金の一元管理、及び政策保有株式の縮減を含めた資産の圧縮に引き続き取り組むことにより、外部からは当社グループの健全な財務体質を背景に有利子負債等により、調達してまいります。
(4) 中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」の達成状況及び経営者の視点による分析・検討内容
① 中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」の業績目標と資本政策
当社グループは、2015年度に、2020年度を最終年度とする有期目標を掲げた中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」を策定しました。中期経営計画では、コア事業の収益基盤の再構築に注力すると同時に、買収事業を含めた自立的成長と新規戦略投資(M&A、設備投資)等の実行により、着実な利益成長を目指し、2020年度の業績目標を以下のとおりとしておりました。
| <2020年度の業績目標> | ||
| ・売上高 | 7,500億円(基準年度:2014年度 5,261億円) | ※年率平均6%成長 |
| ・営業利益 | 300億円( 同 204億円) | ※年率平均7%成長 |
| ・EPS | 80円( 同 53円) | ※EPS(1株当たり当期純利益)は、利益成長と 資本政策の両面から年率平均8%成長を目指す。 |
また、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら、将来の成長に向け戦略投資を推進するとともに、従来以上に積極的な株主還元に取り組む資本政策を以下のとおり策定しました。
| <資本政策> | ||
| ・連結ベースでの配当性向の基準を40%以上とし、今後、さらに積極的に配当の上積みを図る。 ・自己株式取得を機動的に実行していく。 |
② 中期経営計画「NNI-120 Ⅱ」の達成状況
2019年度までの進捗は、売上高、営業利益、EPS(1株当たり当期純利益)について、概ね最終年度目標の年平均成長率に沿って着実に成長いたしました。最終年度となる2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で製粉事業及び中食・惣菜事業の業績が悪化し、また、設備工事の一時的な減少、ペットフード事業の譲渡等もあり、売上高は6,794億円(業績目標:7,500億円)、営業利益は271億円(同300億円)、EPS(1株当たり当期純利益)は64円(同80円)となりました。
資本政策につきましては、2020年度の1株当たり年間配当金は37円、配当性向は57.9%となり、連結ベースでの配当性向を40%以上とする経営計画の基本方針のもと、連続増配を継続しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しておりますが、早期に販売力・収益力を回復させることを最優先課題として注力してまいります。なお、足元の事業環境を見極めることを優先し、新たな中期経営計画については策定を一旦見送っております。
(5) 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率(%) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 製粉 | 293,368 | 274,459 | △6.4 |
| 食品 | 112,428 | 111,746 | △0.6 |
| 中食・惣菜 | 120,423 | 133,118 | 10.5 |
| その他 | 25,458 | 19,407 | △23.8 |
| 合計 | 551,678 | 538,732 | △2.3 |
(注)1 金額は、期間中の平均販売価格等により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率(%) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 製粉 | 306,745 | 285,798 | △6.8 |
| 食品 | 217,959 | 214,710 | △1.5 |
| 中食・惣菜 | 129,967 | 142,747 | 9.8 |
| その他 | 57,507 | 36,240 | △37.0 |
| 合計 | 712,180 | 679,495 | △4.6 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱ファミリーマート | 93,867 | 13.2 | 102,941 | 15.1 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」に記載しております。