有価証券報告書-第179期(2022/04/01-2023/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。当社グループはこれら見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これら見積り及び仮定と実績が異なる場合があります。
① 棚卸資産
棚卸資産は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、取得原価と正味売却価額のいずれか低い価額で測定しております。また、需要の変化によって過剰又は滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、金銭債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、必要な貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 投資有価証券の減損
当社グループでは投資有価証券を所有しておりますが、市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。当社グループでは、市場価格のない株式等以外のものについては、時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には減損処理し、30%から50%の下落の場合には、当該有価証券発行会社の業績等を勘案し必要に応じ減損処理しております。市場価格のない株式等については、その実質価額が取得価額に比べ著しく下落した場合、回復の見込が確実と認められる場合を除き、減損処理しております。
当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきており、現状では減損すべき投資有価証券はありませんが、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
④ 企業結合
当社グループは、企業結合により取得した企業又は事業の取得原価は、時価で算定しております。取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債のうち企業結合日時点において識別可能なものの企業結合日時点の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して配分しております。取得原価が、企業結合日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして会計処理しております。
取得した資産、特に無形資産の時価の算定は、多くの場合、経営者の重要な判断を必要とします。当社グループは、独立の第三者による評価結果を利用し、入手可能な過去の情報と将来の見通し及びその仮定に基づいて時価を算定しております。経営者は、これらの判断及び評価は合理的であると判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって実際の結果と異なる可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の帳簿価額が回収不能であると判断された場合、回収可能価額まで減額しております。減損の兆候が生じた資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識するかどうかの判定を行っております。割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、減損処理が必要と判断し、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額としております。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において見積もられる将来キャッシュ・フローは、合理的な仮定に基づいております。また、使用価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映しております。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価を行っており、これらの判断及び評価は合理的であると判断しております。当社グループには、現状では減損すべき固定資産はありませんが、将来の企業環境の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には減損処理が必要となる可能性があります。
⑥ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
⑦ 退職給付に係る負債
当社グループの退職一時金制度及び既退職の年金受給者を対象とする確定給付企業年金制度における退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給付水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。割引率は期末における複数の格付機関による直近の格付けがダブルA格相当以上を得ている社債等の市場利回りに基づき、長期期待運用収益率は保有している年金資産の運用方針や過去の運用実績等に基づき決定しております。実績が前提条件と異なる場合、又は、前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度の経営成績の概況及び分析
当連結会計年度につきましては、国内で新型コロナウイルス感染症の再拡大があったものの、感染対策と社会経済活動の両立が進み、景気は緩やかに持ち直しております。一方、原材料価格の高騰、エネルギー価格の上昇、為替相場の円安の影響等もあり、企業物価指数が歴史的な上昇を見せており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような中、当社グループは、小麦粉をはじめとする「食」の安定供給を確保し、各事業において安全・安心な製品をお届けするという使命を果たすとともに、最優先課題である食糧インフレ、コストインフレへの対応として、コストアップ分の適正な価格転嫁と並行して、値ごろ感のある製品、付加価値製品の開発・販売等に取り組んでまいりました。
昨年10月には、事業を通じて社会貢献を果たし、食の中心企業として成長を継続していくために、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」を策定しました。持続可能な社会に関わる環境課題への対応やデジタル技術等の活用は、当社グループの持続的成長に不可欠であり、より一層重要度が高まっております。こうした事業環境の変化を踏まえ、当社グループの目指す姿の実現に向けて、「事業ポートフォリオの再構築によるグループ成長力の促進」、「ステークホルダーとの関係に対する考え方を明確にした経営推進」、「ESGを経営方針に取り込み、社会の動きに合わせて実行」の3つを基本方針として経営を推進してまいります。
その一環として、本年1月に、製粉事業の子会社である日清製粉株式会社が、国内製粉事業における競争力の強化を目的として、熊本製粉株式会社の発行済株式の85%を取得しました。
また本年3月に、製粉事業の米国子会社であるMiller Milling Company,LLCのサギノー工場に新ラインを増設し、同工場の生産能力を約40%増強することを決定しました。
さらに、加工食品事業の子会社である株式会社日清製粉ウェルナにおいては、ブランドの認知度向上を図るため、広告宣伝施策を展開しました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、製粉事業における国内の麦価改定に伴う小麦粉価格改定の実施、海外の小麦相場上昇や為替換算の影響等により7,986億81百万円(前期比117.5%)となりました。利益面では、食品事業において加工食品や医薬品原薬等の出荷減、原材料等の想定以上のコスト上昇に製品価格改定が後追いとなったこと、インドイースト事業の立上げ費用の発生等により減益となったものの、製粉事業において、国内のふすま販売価格が堅調に推移したこと、海外の業績が好調に推移したことに加え、豪州製粉事業の減損損失計上に伴いのれん等の償却費が減少したこと等により、営業利益は328億31百万円(前期比111.6%)となりました。経常利益は、持分法による投資損益は減益となったものの営業利益の増益により、330億51百万円(前期比101.3%)となりました。第2四半期には、豪州における新型コロナウイルス感染症対策の影響による市場の変化やサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢に起因した資源や穀物相場の高騰等の状況を受け、事業計画について実現可能性を慎重に再検証し、新たな事業計画を策定した結果、当初の事業計画から乖離することとなり、豪州製粉事業におけるのれんを含む固定資産について減損損失を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純損益は、第3四半期及び第4四半期に政策保有株式の売却益の計上はあったものの、103億81百万円の損失(前連結会計年度は175億9百万円の利益)となりました。
(前期比較) (単位:百万円)
セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
2023年3月期 売上高・営業利益 (単位:百万円)
(注1)売上高はセグメント間取引消去後です。
(注2)営業利益の調整額はセグメント間取引消去等です。
1) 製粉事業
(単位:百万円)
国内製粉事業につきましては、行動制限の解除に伴う人流の増加等により、外食需要等が回復傾向にある中、拡販の取組みを進めたものの、製品価格改定に伴う需要減退の影響等により出荷は前年を下回りました。また、昨年4月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で17.3%引き上げられたことを受け、6月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。なお、昨年10月は政府の物価対策緊急措置により、政府売渡価格が据え置きとなったため、業務用小麦粉の価格も据え置きました。
海外製粉事業につきましては、出荷の堅調な推移や小麦相場の上昇、為替換算の影響等により売上げは前年を大幅に上回りました。
この結果、製粉事業の売上高は4,197億82百万円(前期比133.9%)となりました。営業利益は、国内製粉事業において、出荷が前年を下回り、エネルギー価格や物流費等のコストが上昇したものの、副産物のふすま販売価格が堅調に推移したこと、海外製粉事業において、業績が好調に推移したことに加え、豪州製粉事業の減損損失計上に伴いのれん等の償却費が減少したこと等により、176億18百万円(前期比205.2%)となりました。
2) 食品事業
(単位:百万円)
加工食品事業につきましては、国内において、原材料等のコスト上昇に伴う対応として昨年7月以降製品価格改定を実施するとともに、変化する消費者ニーズに対応した値ごろ感のある製品、付加価値製品の開発・上市を行いました。また、海外において、製品価格改定を実施したことや為替換算の影響もあり、加工食品事業の売上げは前年を上回りました。
酵母・バイオ事業につきましては、国内では、原材料価格やエネルギー価格の高騰を受け、昨年7月と11月にイースト等の価格改定を実施したこと、海外では、昨年8月からインドでイースト事業を開始したことにより、売上げは前年を上回りました。
健康食品事業につきましては、医薬品原薬等の出荷減により、売上げは前年を下回りました。
この結果、食品事業の売上高は1,879億88百万円(前期比102.7%)となりました。営業利益は、加工食品や医薬品原薬等の出荷減、原材料等の想定以上のコスト上昇に製品価格改定が後追いとなったこと、インドイースト事業の立上げ費用の発生等により、60億37百万円(前期比48.6%)となりました。
3) 中食・惣菜事業
(単位:百万円)
中食・惣菜事業につきましては、行動制限の解除に伴う人流の増加等により、主要取引先であるコンビニエンスストアを中心に需要が回復する中、付加価値品の売上げが伸長しました。
この結果、売上高は1,474億87百万円(前期比106.6%)、営業利益は32億84百万円(前期比104.5%)となりました。
また、昨年7月には、成長分野を主力事業に育てるための組織体制強化として、中食・惣菜事業を統括する中間持株会社である株式会社日清製粉デリカフロンティアを設立しました。
4) その他事業
(単位:百万円)
エンジニアリング事業につきましては、主力のプラントエンジニアリングにおける大型工事の減少により、売上げは前年を下回りました。
メッシュクロス事業につきましては、太陽光パネル向けスクリーン印刷用資材の出荷増により、売上げは前年を上回りました。
この結果、その他事業の売上高は434億23百万円(前期比96.8%)、営業利益は、エンジニアリング事業における工事コスト管理の徹底による収益改善やメッシュクロス事業の増収効果等により57億46百万円(前期比111.4%)となりました。
なお、昨年12月には、メッシュクロス事業のタイ子会社において、自動車産業の需要増に対応するため、成形フィルター工場を増設することを決定しました。
② 当連結会計年度の財政状態の概況及び分析
(単位:百万円)
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりです。
流動資産は3,300億69百万円で、原材料価格の上昇等による棚卸資産の増加等に伴い、前年度末に比べ495億42百万円増加しました。固定資産は3,838億5百万円で、豪州製粉事業に係る固定資産の減損損失の計上による減少や政策保有株式の売却等に伴い、前年度末に比べ587億41百万円減少しました。この結果、資産合計は7,138億74百万円となり、前年度末に比べ91億98百万円減少しました。
また、流動負債は1,502億62百万円で、原材料価格の上昇等による支払手形及び買掛金の増加や運転資金目的の短期借入金の増加等に伴い、前年度末に比べ211億4百万円増加しました。固定負債は1,251億12百万円で、政策保有株式の売却による繰延税金負債の取崩し等に伴い、前年度末に比べ81億60百万円減少しました。この結果、負債合計は2,753億75百万円となり、前年度末に比べ129億44百万円増加しました。純資産合計は配当金の支出及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少やその他有価証券評価差額金の減少等により、前年度末に比べ221億43百万円減少し、4,384億99百万円となりました。
③ 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益8億79百万円に、非資金損益項目である減損損失557億4百万円や減価償却費228億5百万円を足し戻した資金増加が、棚卸資産の増加、法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは234億22百万円の資金増加(前連結会計年度は418億33百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形及び無形固定資産の取得に伴う186億57百万円の支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得等がありましたが、投資有価証券の売却による収入290億86百万円等により、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは4億87百万円の資金増加(前連結会計年度は155億17百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
株主の皆様への利益還元といたしまして配当に116億3百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは106億25百万円の資金減少(前連結会計年度は178億50百万円の資金減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は829億71百万円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務含む)残高は868億円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループの資金は、当面充分な流動性を確保しております。なお、当連結会計年度に計上しました豪州製粉事業における減損損失につきましては、非資金損益項目であることから、資金の流動性に影響はございません。
当社グループは、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」に基づき、小麦粉をはじめとした主要食糧等の安定供給という社会的責任を充分に勘案し、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら資本構成を適切にコントロールしてまいります。持続的成長、EPS成長を実現するために、環境投資、デジタル投資、新規事業開発・M&A投資、研究開発投資、人材育成を含めた成長投資を促進するとともに、株主還元につきましては、連結ベースでの配当性向40%以上を保持して、増配はタイミングを見据えて常に積極的に検討してまいります。投資資金が余剰になった場合などは、更なる株主還元を検討してまいりたいと考えております。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
そのための資金は、内部及び外部の両財源より調達してまいります。内部からの資金捻出は、既に導入しておりますキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を利用した国内連結子会社の資金の一元管理、及び政策保有株式の縮減を含めた資産の圧縮に引き続き取り組むことにより、外部からは当社グループの健全な財務体質を背景に有利子負債等により、調達してまいります。
(4) 中期経営計画「日清製粉グループ 中期経営計画2026」の数値目標及び資本政策
当社グループは、事業を通じて社会貢献を果たし、食の中心企業として成長を継続していくために、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」を2022年10月に策定いたしました。
<数値目標及び実績>
当連結会計年度の業績につきましては、「(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
<資本政策>小麦粉をはじめとした主要食糧等の安定供給という社会的責任を充分に勘案し、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら資本構成を適切にコントロールしてまいります。
・EPSの成長と適切なTSRの実現を目指してまいります。
・連結ベースでの配当性向40%以上を保持し、増配はタイミングを見据えて常に積極的に検討してまいります。
・社会的責任を踏まえ、財務の安定性を確保し、政策保有株式の保有について見直しを行い、資本効率の向上を目指してまいります。
(5) 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、期間中の平均販売価格等により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
当連結会計年度において、原材料価格の上昇等により、生産実績及び販売実績が著しく増加しております。主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。当社グループはこれら見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これら見積り及び仮定と実績が異なる場合があります。
① 棚卸資産
棚卸資産は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、取得原価と正味売却価額のいずれか低い価額で測定しております。また、需要の変化によって過剰又は滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、金銭債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、必要な貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 投資有価証券の減損
当社グループでは投資有価証券を所有しておりますが、市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。当社グループでは、市場価格のない株式等以外のものについては、時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には減損処理し、30%から50%の下落の場合には、当該有価証券発行会社の業績等を勘案し必要に応じ減損処理しております。市場価格のない株式等については、その実質価額が取得価額に比べ著しく下落した場合、回復の見込が確実と認められる場合を除き、減損処理しております。
当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきており、現状では減損すべき投資有価証券はありませんが、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
④ 企業結合
当社グループは、企業結合により取得した企業又は事業の取得原価は、時価で算定しております。取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債のうち企業結合日時点において識別可能なものの企業結合日時点の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して配分しております。取得原価が、企業結合日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして会計処理しております。
取得した資産、特に無形資産の時価の算定は、多くの場合、経営者の重要な判断を必要とします。当社グループは、独立の第三者による評価結果を利用し、入手可能な過去の情報と将来の見通し及びその仮定に基づいて時価を算定しております。経営者は、これらの判断及び評価は合理的であると判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって実際の結果と異なる可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の帳簿価額が回収不能であると判断された場合、回収可能価額まで減額しております。減損の兆候が生じた資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識するかどうかの判定を行っております。割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、減損処理が必要と判断し、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額としております。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において見積もられる将来キャッシュ・フローは、合理的な仮定に基づいております。また、使用価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映しております。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価を行っており、これらの判断及び評価は合理的であると判断しております。当社グループには、現状では減損すべき固定資産はありませんが、将来の企業環境の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には減損処理が必要となる可能性があります。
⑥ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
⑦ 退職給付に係る負債
当社グループの退職一時金制度及び既退職の年金受給者を対象とする確定給付企業年金制度における退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給付水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。割引率は期末における複数の格付機関による直近の格付けがダブルA格相当以上を得ている社債等の市場利回りに基づき、長期期待運用収益率は保有している年金資産の運用方針や過去の運用実績等に基づき決定しております。実績が前提条件と異なる場合、又は、前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度の経営成績の概況及び分析
当連結会計年度につきましては、国内で新型コロナウイルス感染症の再拡大があったものの、感染対策と社会経済活動の両立が進み、景気は緩やかに持ち直しております。一方、原材料価格の高騰、エネルギー価格の上昇、為替相場の円安の影響等もあり、企業物価指数が歴史的な上昇を見せており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような中、当社グループは、小麦粉をはじめとする「食」の安定供給を確保し、各事業において安全・安心な製品をお届けするという使命を果たすとともに、最優先課題である食糧インフレ、コストインフレへの対応として、コストアップ分の適正な価格転嫁と並行して、値ごろ感のある製品、付加価値製品の開発・販売等に取り組んでまいりました。
昨年10月には、事業を通じて社会貢献を果たし、食の中心企業として成長を継続していくために、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」を策定しました。持続可能な社会に関わる環境課題への対応やデジタル技術等の活用は、当社グループの持続的成長に不可欠であり、より一層重要度が高まっております。こうした事業環境の変化を踏まえ、当社グループの目指す姿の実現に向けて、「事業ポートフォリオの再構築によるグループ成長力の促進」、「ステークホルダーとの関係に対する考え方を明確にした経営推進」、「ESGを経営方針に取り込み、社会の動きに合わせて実行」の3つを基本方針として経営を推進してまいります。
その一環として、本年1月に、製粉事業の子会社である日清製粉株式会社が、国内製粉事業における競争力の強化を目的として、熊本製粉株式会社の発行済株式の85%を取得しました。
また本年3月に、製粉事業の米国子会社であるMiller Milling Company,LLCのサギノー工場に新ラインを増設し、同工場の生産能力を約40%増強することを決定しました。
さらに、加工食品事業の子会社である株式会社日清製粉ウェルナにおいては、ブランドの認知度向上を図るため、広告宣伝施策を展開しました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、製粉事業における国内の麦価改定に伴う小麦粉価格改定の実施、海外の小麦相場上昇や為替換算の影響等により7,986億81百万円(前期比117.5%)となりました。利益面では、食品事業において加工食品や医薬品原薬等の出荷減、原材料等の想定以上のコスト上昇に製品価格改定が後追いとなったこと、インドイースト事業の立上げ費用の発生等により減益となったものの、製粉事業において、国内のふすま販売価格が堅調に推移したこと、海外の業績が好調に推移したことに加え、豪州製粉事業の減損損失計上に伴いのれん等の償却費が減少したこと等により、営業利益は328億31百万円(前期比111.6%)となりました。経常利益は、持分法による投資損益は減益となったものの営業利益の増益により、330億51百万円(前期比101.3%)となりました。第2四半期には、豪州における新型コロナウイルス感染症対策の影響による市場の変化やサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢に起因した資源や穀物相場の高騰等の状況を受け、事業計画について実現可能性を慎重に再検証し、新たな事業計画を策定した結果、当初の事業計画から乖離することとなり、豪州製粉事業におけるのれんを含む固定資産について減損損失を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純損益は、第3四半期及び第4四半期に政策保有株式の売却益の計上はあったものの、103億81百万円の損失(前連結会計年度は175億9百万円の利益)となりました。
(前期比較) (単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 679,736 | 798,681 | 118,944 | 117.5% |
| 営業利益 | 29,430 | 32,831 | 3,401 | 111.6% |
| 経常利益 | 32,626 | 33,051 | 424 | 101.3% |
| 親会社株主に 帰属する当期純利益 又は当期純損失(△) | 17,509 | △10,381 | △27,890 | - |
セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
2023年3月期 売上高・営業利益 (単位:百万円)
| 売上高 | 営業利益 | |||
| 実績 | 前期差 | 実績 | 前期差 | |
| 製粉事業 | 419,782 | 106,263 | 17,618 | 9,031 |
| 食品事業 | 187,988 | 5,020 | 6,037 | △6,374 |
| 中食・惣菜事業 | 147,487 | 9,102 | 3,284 | 142 |
| その他 | 43,423 | △1,440 | 5,746 | 586 |
| 調整 | - | - | 144 | 15 |
| 連結計 | 798,681 | 118,944 | 32,831 | 3,401 |
(注1)売上高はセグメント間取引消去後です。
(注2)営業利益の調整額はセグメント間取引消去等です。
1) 製粉事業
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 313,519 | 419,782 | 106,263 | 133.9% |
| 営業利益 | 8,587 | 17,618 | 9,031 | 205.2% |
国内製粉事業につきましては、行動制限の解除に伴う人流の増加等により、外食需要等が回復傾向にある中、拡販の取組みを進めたものの、製品価格改定に伴う需要減退の影響等により出荷は前年を下回りました。また、昨年4月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で17.3%引き上げられたことを受け、6月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。なお、昨年10月は政府の物価対策緊急措置により、政府売渡価格が据え置きとなったため、業務用小麦粉の価格も据え置きました。
海外製粉事業につきましては、出荷の堅調な推移や小麦相場の上昇、為替換算の影響等により売上げは前年を大幅に上回りました。
この結果、製粉事業の売上高は4,197億82百万円(前期比133.9%)となりました。営業利益は、国内製粉事業において、出荷が前年を下回り、エネルギー価格や物流費等のコストが上昇したものの、副産物のふすま販売価格が堅調に推移したこと、海外製粉事業において、業績が好調に推移したことに加え、豪州製粉事業の減損損失計上に伴いのれん等の償却費が減少したこと等により、176億18百万円(前期比205.2%)となりました。
2) 食品事業
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 182,968 | 187,988 | 5,020 | 102.7% |
| 営業利益 | 12,411 | 6,037 | △6,374 | 48.6% |
加工食品事業につきましては、国内において、原材料等のコスト上昇に伴う対応として昨年7月以降製品価格改定を実施するとともに、変化する消費者ニーズに対応した値ごろ感のある製品、付加価値製品の開発・上市を行いました。また、海外において、製品価格改定を実施したことや為替換算の影響もあり、加工食品事業の売上げは前年を上回りました。
酵母・バイオ事業につきましては、国内では、原材料価格やエネルギー価格の高騰を受け、昨年7月と11月にイースト等の価格改定を実施したこと、海外では、昨年8月からインドでイースト事業を開始したことにより、売上げは前年を上回りました。
健康食品事業につきましては、医薬品原薬等の出荷減により、売上げは前年を下回りました。
この結果、食品事業の売上高は1,879億88百万円(前期比102.7%)となりました。営業利益は、加工食品や医薬品原薬等の出荷減、原材料等の想定以上のコスト上昇に製品価格改定が後追いとなったこと、インドイースト事業の立上げ費用の発生等により、60億37百万円(前期比48.6%)となりました。
3) 中食・惣菜事業
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 138,384 | 147,487 | 9,102 | 106.6% |
| 営業利益 | 3,141 | 3,284 | 142 | 104.5% |
中食・惣菜事業につきましては、行動制限の解除に伴う人流の増加等により、主要取引先であるコンビニエンスストアを中心に需要が回復する中、付加価値品の売上げが伸長しました。
この結果、売上高は1,474億87百万円(前期比106.6%)、営業利益は32億84百万円(前期比104.5%)となりました。
また、昨年7月には、成長分野を主力事業に育てるための組織体制強化として、中食・惣菜事業を統括する中間持株会社である株式会社日清製粉デリカフロンティアを設立しました。
4) その他事業
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前期差 | 前期比 | |
| 売上高 | 44,864 | 43,423 | △1,440 | 96.8% |
| 営業利益 | 5,160 | 5,746 | 586 | 111.4% |
エンジニアリング事業につきましては、主力のプラントエンジニアリングにおける大型工事の減少により、売上げは前年を下回りました。
メッシュクロス事業につきましては、太陽光パネル向けスクリーン印刷用資材の出荷増により、売上げは前年を上回りました。
この結果、その他事業の売上高は434億23百万円(前期比96.8%)、営業利益は、エンジニアリング事業における工事コスト管理の徹底による収益改善やメッシュクロス事業の増収効果等により57億46百万円(前期比111.4%)となりました。
なお、昨年12月には、メッシュクロス事業のタイ子会社において、自動車産業の需要増に対応するため、成形フィルター工場を増設することを決定しました。
② 当連結会計年度の財政状態の概況及び分析
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前期末差 | |
| 流動資産 | 280,527 | 330,069 | 49,542 |
| 固定資産 | 442,546 | 383,805 | △58,741 |
| 資産合計 | 723,073 | 713,874 | △9,198 |
| 流動負債 | 129,158 | 150,262 | 21,104 |
| 固定負債 | 133,272 | 125,112 | △8,160 |
| 負債合計 | 262,430 | 275,375 | 12,944 |
| 純資産合計 | 460,643 | 438,499 | △22,143 |
| 負債純資産合計 | 723,073 | 713,874 | △9,198 |
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりです。
流動資産は3,300億69百万円で、原材料価格の上昇等による棚卸資産の増加等に伴い、前年度末に比べ495億42百万円増加しました。固定資産は3,838億5百万円で、豪州製粉事業に係る固定資産の減損損失の計上による減少や政策保有株式の売却等に伴い、前年度末に比べ587億41百万円減少しました。この結果、資産合計は7,138億74百万円となり、前年度末に比べ91億98百万円減少しました。
また、流動負債は1,502億62百万円で、原材料価格の上昇等による支払手形及び買掛金の増加や運転資金目的の短期借入金の増加等に伴い、前年度末に比べ211億4百万円増加しました。固定負債は1,251億12百万円で、政策保有株式の売却による繰延税金負債の取崩し等に伴い、前年度末に比べ81億60百万円減少しました。この結果、負債合計は2,753億75百万円となり、前年度末に比べ129億44百万円増加しました。純資産合計は配当金の支出及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少やその他有価証券評価差額金の減少等により、前年度末に比べ221億43百万円減少し、4,384億99百万円となりました。
③ 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前期差 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 41,833 | 23,422 | △18,411 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △15,517 | 487 | 16,004 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △17,850 | △10,625 | 7,224 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1,110 | 959 | △150 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 9,576 | 14,243 | 4,667 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 68,728 | 82,971 | 14,243 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益8億79百万円に、非資金損益項目である減損損失557億4百万円や減価償却費228億5百万円を足し戻した資金増加が、棚卸資産の増加、法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは234億22百万円の資金増加(前連結会計年度は418億33百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形及び無形固定資産の取得に伴う186億57百万円の支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得等がありましたが、投資有価証券の売却による収入290億86百万円等により、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは4億87百万円の資金増加(前連結会計年度は155億17百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
株主の皆様への利益還元といたしまして配当に116億3百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは106億25百万円の資金減少(前連結会計年度は178億50百万円の資金減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は829億71百万円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務含む)残高は868億円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループの資金は、当面充分な流動性を確保しております。なお、当連結会計年度に計上しました豪州製粉事業における減損損失につきましては、非資金損益項目であることから、資金の流動性に影響はございません。
当社グループは、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」に基づき、小麦粉をはじめとした主要食糧等の安定供給という社会的責任を充分に勘案し、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら資本構成を適切にコントロールしてまいります。持続的成長、EPS成長を実現するために、環境投資、デジタル投資、新規事業開発・M&A投資、研究開発投資、人材育成を含めた成長投資を促進するとともに、株主還元につきましては、連結ベースでの配当性向40%以上を保持して、増配はタイミングを見据えて常に積極的に検討してまいります。投資資金が余剰になった場合などは、更なる株主還元を検討してまいりたいと考えております。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
そのための資金は、内部及び外部の両財源より調達してまいります。内部からの資金捻出は、既に導入しておりますキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を利用した国内連結子会社の資金の一元管理、及び政策保有株式の縮減を含めた資産の圧縮に引き続き取り組むことにより、外部からは当社グループの健全な財務体質を背景に有利子負債等により、調達してまいります。
(4) 中期経営計画「日清製粉グループ 中期経営計画2026」の数値目標及び資本政策
当社グループは、事業を通じて社会貢献を果たし、食の中心企業として成長を継続していくために、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」を2022年10月に策定いたしました。
<数値目標及び実績>
| (*年平均成長率) | 基準年度 (2021年度実績) | 当連結会計年度 (2022年度実績) | 最終年度 (2026年度) |
| 売上高 | 6,797億円 | 7,987億円 | 9,000億円 |
| 5年CAGR* | 5.8% | ||
| 営業利益 | 294億円 | 328億円 | 480億円 |
| 5年CAGR | 10.3% | ||
| EPS | 59円 | △35円 | 110円 |
| 5年CAGR | 13.3% | ||
| ROE | 4.0% | △2.4% | 7.0% |
当連結会計年度の業績につきましては、「(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
<資本政策>小麦粉をはじめとした主要食糧等の安定供給という社会的責任を充分に勘案し、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら資本構成を適切にコントロールしてまいります。
・EPSの成長と適切なTSRの実現を目指してまいります。
・連結ベースでの配当性向40%以上を保持し、増配はタイミングを見据えて常に積極的に検討してまいります。
・社会的責任を踏まえ、財務の安定性を確保し、政策保有株式の保有について見直しを行い、資本効率の向上を目指してまいります。
(5) 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 増減率(%) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 製粉 | 303,040 | 408,546 | 34.8 |
| 食品 | 107,855 | 114,095 | 5.8 |
| 中食・惣菜 | 130,603 | 139,094 | 6.5 |
| その他 | 14,222 | 15,383 | 8.2 |
| 合計 | 555,720 | 677,120 | 21.8 |
(注)1 金額は、期間中の平均販売価格等により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 増減率(%) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 製粉 | 313,519 | 419,782 | 33.9 |
| 食品 | 182,968 | 187,988 | 2.7 |
| 中食・惣菜 | 138,384 | 147,487 | 6.6 |
| その他 | 44,864 | 43,423 | △3.2 |
| 合計 | 679,736 | 798,681 | 17.5 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱ファミリーマート | 98,473 | 14.5 | 106,447 | 13.3 |
当連結会計年度において、原材料価格の上昇等により、生産実績及び販売実績が著しく増加しております。主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。