有価証券報告書-第105期(2025/04/01-2026/03/31)
(経営成績等の状況の概要)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、インバウンド需要や所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調を維持しました。一方で、原材料の高騰や地政学リスクの継続、実質プラス成長となった個人消費についても、長引く物価高と実質賃金の伸び悩みにより節約志向が根強く続くなど、依然として経営環境は厳しい状況に置かれています。
このような状況の中、当社は経営理念「真の価値を追求し、その喜びを分かち合う」のもと、「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」に掲げた戦略に基づき、経営目標達成に向けた取組みを進めました。
具体的には、中華まんビジネスにおいて、電子レンジでそのまま温められる個包装の簡便性を訴求し、通年販売の強化及び需要の掘り起こしを行いました。菓子ビジネスでは、日常使いの‘デイリー菓子’について、どら焼類の製法見直しによる品質改良で増収を図るとともに、親しい間柄で贈り合うカジュアルギフトの需要拡大に対応しました。食品ビジネスでは、消費者のニーズに合わせた商品開発を積極的に行い、嗜好や利用シーンの変化に対応すべく、主力のレトルトカレーや中華調理用ソースの改良や品揃え強化を行うとともに、業務用販路において拡大する中食業態への提案を強化し、売上確保に努めました。また新宿中村屋本店では、季節商品の販売や賞味会の開催により、多くのお客様にご来店いただきました。
これらの取組みに加え、原材料価格の高騰をはじめとする様々な利益圧迫要因に対し、原材料の調達方法や商品の価格・規格の見直しを実施するとともに、アイテムの絞り込みによる製造コスト低減や工場稼働率の平準化を推進し、収益体質の強化を図りました。
以上のような取組みを行った結果、当事業年度における売上高は、37,351,144千円、前年同期に対し103,518千円、0.3%の増収となりました。
利益面につきましては、営業利益は1,323,784千円、前年同期に対し253,367千円、23.7%の増益、経常利益は1,599,155千円、前年同期に対し322,091千円、25.2%の増益、当期純利益は917,517千円、前年同期に対し32,569千円、3.7%の増益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 菓子事業
菓子類では、ギフト商品の品質改良を行うとともに、主力商品「月の菓」の規格変更や新商品「月の菓 栗」などの新発売により、カジュアルギフトの品揃え強化を図りました。
日常使いの‘デイリー菓子’類では、どら焼類のリニューアルを実施し、メディアでも紹介され話題となった「逸品どら焼」を中心に拡販に努めました。また、次期中核商品の育成に向けて、「小倉粒あんもなか」「焼きかりんとう饅頭」「あんこパイ」「ミルクまん」など、製餡技術を活かし素材や製法にこだわった商品のラインナップを強化し、展開しました。
中華まん類では、量販店販路中心に個包装のまま電子レンジで温められる「肉まん」「あんまん」などを積極的に訴求し、年間を通じた拡販に努めました。さらに春夏期には「辛肉まん」、秋冬期には「濃厚チーズ肉まん」「てりやきチキンまん」を発売し、既存のお客様だけではなく、普段購入されないお客様にも様々な用途で楽しんでいただけるよう取り組みました。また、店頭でのレンジ試食販売やレンジ体験イベントなど、簡便さの訴求・認知向上に向けたプロモーション施策を実施しました。
コンビニエンスストア販路では、「肉まん」「ピザまん」など基本商品類の改良による商品力向上と価格改定を実施しました。また売場の展開強化として、新商品「じゃがまるくん」「チーズ肉まん」やキャラクターコラボ商品を発売しました。その他、新たな顧客層・ニーズの可能性を探るため、スチーマーで販売する「チーズベーグル」を展開しました。
新宿中村屋本店「スイーツ&デリカBonna」では、季節商品の販売や百貨店の催事出店などを積極的に展開し、新たな中村屋ファンの獲得とブランドイメージの発信に努めました。
ブランド展開では、キャラメルスイーツ専門店「CARAMEL MONDAY」において、季節限定商品の発売やターミナル駅・商業施設での催事出店を継続的に実施することで、ブランド認知度の向上ならびに土産需要への対応を図り、売上拡大に努めました。また、新たな顧客層へのアプローチを目的として、量販店販路にて、姉妹ブランド「CARAMEL MONDAYの朝」の展開を開始しました。
以上のような営業活動を行った結果、菓子事業全体の売上高は26,219,920千円、前年同期に対し613,650千円、2.3%の減収となったものの、営業利益は2,673,355千円、前年同期に対し128,004千円、5.0%の増益となりました。
② 食品事業
市販食品では、より多様化する消費者のニーズに対応するための取組みを進めました。レトルト食品類においては、老舗レストランの調理技術でソースにこだわり抜いた「シェフが仕立てた」シリーズを投入し、新たなユーザーの獲得に努めました。また、発売以来ご好評をいただいている、味わいの濃さ・深さを追求した「THE 濃厚」シリーズでは、新商品「芳醇マイルド」を発売し、商品ラインナップの拡充を図りました。中華調理用ソースでは、辛さと香りを自在に調節できる新商品「辛香自在麻婆豆腐」を発売し、お客様に新たな価値を提供しました。
業務用食品では、レストランで培った調理技術を活かし、中食・内食販路へ向けた開発・提案を継続して推進しました。コンビニエンスストア向けのカレーでは、お取引先の施策に対応した商品を供給することでさらなる拡販を図りました。また、専門店小売業チェーン向けではPB商品のレトルトカレーを新発売し、売上の拡大に大きく貢献しました。外食販路においては、カフェチェーン向けに調理技術を活かしたコラボメニューを開発し、拡販を推進しました。
直営レストランでは、新宿中村屋本店「カジュアルダイニングGranna」「レストラン&カフェManna」において、季節商品の販売や賞味会の開催を通じて、お客様により多くご来店いただけるよう努めました。「オリーブハウス」においても、旬の食材を取り入れた季節感あふれるメニューを提供することで、お客様の満足度を高め、集客力の向上を図りました。
以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は10,218,687千円、前年同期に対し721,590千円、7.6%の増収、営業利益は644,389千円、前年同期に対し190,936千円、42.1%の増益となりました。
③ 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業では、商業ビル「新宿中村屋ビル」において快適で賑わいのある商業空間の提供に努め、満室稼働の維持につなげました。また、武蔵工場の敷地の一部の事業用定期借地権や、旧東京事業所跡地の一般定期借地権による地代収入により、安定した売上を確保しました。
以上のような営業活動を行いましたが、一部店舗の賃料改定の影響により、売上高は912,537千円、前年同期に対し4,422千円、0.5%の減収、営業利益は427,830千円、前年同期に対し24,751千円、5.5%の減益となりました。
(2) 当期の財政状態の概況
資産、負債及び純資産の状況
当事業年度末における総資産は、建物の減少691,465千円、原材料及び貯蔵品の減少535,987千円等があったものの、長期性預金の増加4,000,000千円、投資有価証券の増加2,019,847千円、土地の増加1,437,635千円等により、前事業年度末に比べ6,585,106千円増加し、50,094,059千円となりました。
負債は、退職給付引当金の減少168,519千円、資産除去債務の減少150,758千円等があったものの、長期前受収益の増加3,155,108千円、短期借入金の増加1,000,000千円等により、前事業年度末に比べ4,870,701千円増加し、21,341,707千円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加1,392,483千円等により、前事業年度末に比べ1,714,404千円増加し、28,752,352千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、238,519千円増加し、2,854,185千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,191,551千円の収入(前事業年度は5,165,354千円の収入)となりました。これは主に、前払年金費用の増加405,342千円等があったものの、長期前受収益の増加額3,155,108千円、減価償却費1,809,822千円、税引前当期純利益1,485,581千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6,261,436千円の支出(前事業年度は653,747千円の支出)となりました。これは主に、長期性預金の預入による支出4,000,000千円、有形固定資産の取得による支出2,273,145千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、308,384千円の収入(前事業年度は3,032,451千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額402,379千円等があったものの、短期借入金の増加額1,000,000千円等があったことによるものです。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価によっております。
② 受注状況
当社は受注生産をしておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(売上高)
売上高は37,351,144千円、前事業年度と比較し103,518千円、0.3%の増収となりました。
菓子事業では、ギフト商品の品質改良や、主力商品の規格変更、新商品「月の菓 栗」などの新発売により品揃え強化を図りました。日常使いのデイリー菓子類ではどら焼き類のリニューアルを実施し、メディアでも紹介され話題となった「逸品どら焼き」を中心に拡販に努めました。また、次期中核商品の育成に向けて「小倉粒あんもなか」「焼きかりんとう饅頭」「あんこパイ」「ミルクまん」など、製餡技術を活かし素材や製法にこだわった商品のラインナップを強化し展開しました。
中華まん類では、量販店を中心に春夏期には「辛肉まん」秋冬期には「濃厚チーズ肉まん」「てりやきチキンまん」を発売し、既存のお客様だけではなく、普段購入されないお客様にも様々な用途でお楽しみいただけるように取組み、年間を通じた販売に注力しました。
また、コンビニエンスストア販路では、中華まんの基幹商品に加えバラエティ商品や人気キャラクターとのコラボレーション商品を期間限定で発売し、売場展開強化と顧客層の拡大に努めました。しかしながら、販促キャンペーンの回数減少や前期に行った直営店舗閉鎖の影響から、前事業年度と比較し613,650千円、2.3%の減収となりました。
食品事業では、発売以来ご好評をいただいている、味わいの濃さ・深さを追求した「THE濃厚」シリーズに、新商品「芳醇マイルド」を発売し、商品ラインナップの拡充を図りました。中華調理用ソースでは、辛さと香りを自在に調節できる新商品「辛香自在麻婆豆腐」を発売しお客様へ新たな価値を提供しました。
業務用食品では、レストランで培った調理技術を活かし、中食・内食販路へ向けた開発・提案を継続して推進しました。各販路については、各施策に対応した商品の供給やPB商品のレトルトカレーの新発売、また、調理技術を活かしたコラボメニューの開発など拡販を推進しました。
また、直営レストランでは、新宿中村屋本店「カジュアルダイニングGranna」「レストラン&カフェManna」において、季節商品の販売や賞味会の開催を通じて、お客様により多くご来店いただけるように努め、「オリーブハウス」においても、旬の食材を取り入れた季節感あふれるメニューを提供することで、お客様の満足度を高め、集客力の向上を図りました。以上のような営業活動を行った結果、前事業年度と比較し721,590千円、7.6%の増収となりました。
不動産賃貸事業では、新宿中村屋ビルの満室稼働に加え、武蔵工場の敷地の一部の事業用定期借地権や、旧東京事業所跡地の一般定期借地権による地代収入による安定した売上を確保いたしましたが、一部店舗の賃料改定の影響により、前事業年度と比較し4,422千円、0.5%の減収となりました。
(売上原価)
売上原価は原材料価格や輸送費の高騰など様々なコストアップ要因に対し、価格改定や商品規格の見直しによる価値向上を実施するとともに、自社工場の平準化生産や商品の絞り込みによる効率化を推進した結果、対売上高比率は62.6%と前事業年度と比較し0.6ポイントの低減となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、各事業の商品絞り込みによるリソースの集中化を図るとともに、多様な働き方を推進した結果、対売上高比率は33.9%、前事業年度と同率となりました。
(特別損益)
特別損益は、固定資産売却益5千円、投資有価証券売却益233,985千円、資産除去債務戻入益93,185千円を特別利益に、固定資産売却損337千円、固定資産除却損7,721千円、減損損失6,456千円、関係会社株式評価損405,035千円、工場再編関連費用21,199千円を特別損失に計上し、当期純利益は917,517千円(前事業年度は当期純利益884,947千円)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び流動性についての分析
当社の資金の状況は、当事業年度末には2,854,185千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、長期前受収益の増加等により、資金の収入は6,191,551千円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、長期性預金の預入による支出等により、資金の支出は6,261,436千円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加等により、資金の収入は308,384千円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なることがあります。
また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、インバウンド需要や所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調を維持しました。一方で、原材料の高騰や地政学リスクの継続、実質プラス成長となった個人消費についても、長引く物価高と実質賃金の伸び悩みにより節約志向が根強く続くなど、依然として経営環境は厳しい状況に置かれています。
このような状況の中、当社は経営理念「真の価値を追求し、その喜びを分かち合う」のもと、「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」に掲げた戦略に基づき、経営目標達成に向けた取組みを進めました。
具体的には、中華まんビジネスにおいて、電子レンジでそのまま温められる個包装の簡便性を訴求し、通年販売の強化及び需要の掘り起こしを行いました。菓子ビジネスでは、日常使いの‘デイリー菓子’について、どら焼類の製法見直しによる品質改良で増収を図るとともに、親しい間柄で贈り合うカジュアルギフトの需要拡大に対応しました。食品ビジネスでは、消費者のニーズに合わせた商品開発を積極的に行い、嗜好や利用シーンの変化に対応すべく、主力のレトルトカレーや中華調理用ソースの改良や品揃え強化を行うとともに、業務用販路において拡大する中食業態への提案を強化し、売上確保に努めました。また新宿中村屋本店では、季節商品の販売や賞味会の開催により、多くのお客様にご来店いただきました。
これらの取組みに加え、原材料価格の高騰をはじめとする様々な利益圧迫要因に対し、原材料の調達方法や商品の価格・規格の見直しを実施するとともに、アイテムの絞り込みによる製造コスト低減や工場稼働率の平準化を推進し、収益体質の強化を図りました。
以上のような取組みを行った結果、当事業年度における売上高は、37,351,144千円、前年同期に対し103,518千円、0.3%の増収となりました。
利益面につきましては、営業利益は1,323,784千円、前年同期に対し253,367千円、23.7%の増益、経常利益は1,599,155千円、前年同期に対し322,091千円、25.2%の増益、当期純利益は917,517千円、前年同期に対し32,569千円、3.7%の増益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 菓子事業
菓子類では、ギフト商品の品質改良を行うとともに、主力商品「月の菓」の規格変更や新商品「月の菓 栗」などの新発売により、カジュアルギフトの品揃え強化を図りました。
日常使いの‘デイリー菓子’類では、どら焼類のリニューアルを実施し、メディアでも紹介され話題となった「逸品どら焼」を中心に拡販に努めました。また、次期中核商品の育成に向けて、「小倉粒あんもなか」「焼きかりんとう饅頭」「あんこパイ」「ミルクまん」など、製餡技術を活かし素材や製法にこだわった商品のラインナップを強化し、展開しました。
中華まん類では、量販店販路中心に個包装のまま電子レンジで温められる「肉まん」「あんまん」などを積極的に訴求し、年間を通じた拡販に努めました。さらに春夏期には「辛肉まん」、秋冬期には「濃厚チーズ肉まん」「てりやきチキンまん」を発売し、既存のお客様だけではなく、普段購入されないお客様にも様々な用途で楽しんでいただけるよう取り組みました。また、店頭でのレンジ試食販売やレンジ体験イベントなど、簡便さの訴求・認知向上に向けたプロモーション施策を実施しました。
コンビニエンスストア販路では、「肉まん」「ピザまん」など基本商品類の改良による商品力向上と価格改定を実施しました。また売場の展開強化として、新商品「じゃがまるくん」「チーズ肉まん」やキャラクターコラボ商品を発売しました。その他、新たな顧客層・ニーズの可能性を探るため、スチーマーで販売する「チーズベーグル」を展開しました。
新宿中村屋本店「スイーツ&デリカBonna」では、季節商品の販売や百貨店の催事出店などを積極的に展開し、新たな中村屋ファンの獲得とブランドイメージの発信に努めました。
ブランド展開では、キャラメルスイーツ専門店「CARAMEL MONDAY」において、季節限定商品の発売やターミナル駅・商業施設での催事出店を継続的に実施することで、ブランド認知度の向上ならびに土産需要への対応を図り、売上拡大に努めました。また、新たな顧客層へのアプローチを目的として、量販店販路にて、姉妹ブランド「CARAMEL MONDAYの朝」の展開を開始しました。
以上のような営業活動を行った結果、菓子事業全体の売上高は26,219,920千円、前年同期に対し613,650千円、2.3%の減収となったものの、営業利益は2,673,355千円、前年同期に対し128,004千円、5.0%の増益となりました。
② 食品事業
市販食品では、より多様化する消費者のニーズに対応するための取組みを進めました。レトルト食品類においては、老舗レストランの調理技術でソースにこだわり抜いた「シェフが仕立てた」シリーズを投入し、新たなユーザーの獲得に努めました。また、発売以来ご好評をいただいている、味わいの濃さ・深さを追求した「THE 濃厚」シリーズでは、新商品「芳醇マイルド」を発売し、商品ラインナップの拡充を図りました。中華調理用ソースでは、辛さと香りを自在に調節できる新商品「辛香自在麻婆豆腐」を発売し、お客様に新たな価値を提供しました。
業務用食品では、レストランで培った調理技術を活かし、中食・内食販路へ向けた開発・提案を継続して推進しました。コンビニエンスストア向けのカレーでは、お取引先の施策に対応した商品を供給することでさらなる拡販を図りました。また、専門店小売業チェーン向けではPB商品のレトルトカレーを新発売し、売上の拡大に大きく貢献しました。外食販路においては、カフェチェーン向けに調理技術を活かしたコラボメニューを開発し、拡販を推進しました。
直営レストランでは、新宿中村屋本店「カジュアルダイニングGranna」「レストラン&カフェManna」において、季節商品の販売や賞味会の開催を通じて、お客様により多くご来店いただけるよう努めました。「オリーブハウス」においても、旬の食材を取り入れた季節感あふれるメニューを提供することで、お客様の満足度を高め、集客力の向上を図りました。
以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は10,218,687千円、前年同期に対し721,590千円、7.6%の増収、営業利益は644,389千円、前年同期に対し190,936千円、42.1%の増益となりました。
③ 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業では、商業ビル「新宿中村屋ビル」において快適で賑わいのある商業空間の提供に努め、満室稼働の維持につなげました。また、武蔵工場の敷地の一部の事業用定期借地権や、旧東京事業所跡地の一般定期借地権による地代収入により、安定した売上を確保しました。
以上のような営業活動を行いましたが、一部店舗の賃料改定の影響により、売上高は912,537千円、前年同期に対し4,422千円、0.5%の減収、営業利益は427,830千円、前年同期に対し24,751千円、5.5%の減益となりました。
(2) 当期の財政状態の概況
資産、負債及び純資産の状況
当事業年度末における総資産は、建物の減少691,465千円、原材料及び貯蔵品の減少535,987千円等があったものの、長期性預金の増加4,000,000千円、投資有価証券の増加2,019,847千円、土地の増加1,437,635千円等により、前事業年度末に比べ6,585,106千円増加し、50,094,059千円となりました。
負債は、退職給付引当金の減少168,519千円、資産除去債務の減少150,758千円等があったものの、長期前受収益の増加3,155,108千円、短期借入金の増加1,000,000千円等により、前事業年度末に比べ4,870,701千円増加し、21,341,707千円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加1,392,483千円等により、前事業年度末に比べ1,714,404千円増加し、28,752,352千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、238,519千円増加し、2,854,185千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,191,551千円の収入(前事業年度は5,165,354千円の収入)となりました。これは主に、前払年金費用の増加405,342千円等があったものの、長期前受収益の増加額3,155,108千円、減価償却費1,809,822千円、税引前当期純利益1,485,581千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6,261,436千円の支出(前事業年度は653,747千円の支出)となりました。これは主に、長期性預金の預入による支出4,000,000千円、有形固定資産の取得による支出2,273,145千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、308,384千円の収入(前事業年度は3,032,451千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額402,379千円等があったものの、短期借入金の増加額1,000,000千円等があったことによるものです。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 菓子事業 | 14,855,844 | 5.1 |
| 食品事業 | 4,315,420 | 1.8 |
| 合計 | 19,171,264 | 4.3 |
(注) 金額は製造原価によっております。
② 受注状況
当社は受注生産をしておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 菓子事業 | 26,219,920 | △2.3 |
| 食品事業 | 10,218,687 | 7.6 |
| 不動産賃貸事業 | 912,537 | △0.5 |
| 合計 | 37,351,144 | 0.3 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前事業年度 | 当事業年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| ㈱セブン-イレブン・ジャパン | 14,373,356 | 38.6 | 14,326,201 | 38.4 |
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(売上高)
売上高は37,351,144千円、前事業年度と比較し103,518千円、0.3%の増収となりました。
菓子事業では、ギフト商品の品質改良や、主力商品の規格変更、新商品「月の菓 栗」などの新発売により品揃え強化を図りました。日常使いのデイリー菓子類ではどら焼き類のリニューアルを実施し、メディアでも紹介され話題となった「逸品どら焼き」を中心に拡販に努めました。また、次期中核商品の育成に向けて「小倉粒あんもなか」「焼きかりんとう饅頭」「あんこパイ」「ミルクまん」など、製餡技術を活かし素材や製法にこだわった商品のラインナップを強化し展開しました。
中華まん類では、量販店を中心に春夏期には「辛肉まん」秋冬期には「濃厚チーズ肉まん」「てりやきチキンまん」を発売し、既存のお客様だけではなく、普段購入されないお客様にも様々な用途でお楽しみいただけるように取組み、年間を通じた販売に注力しました。
また、コンビニエンスストア販路では、中華まんの基幹商品に加えバラエティ商品や人気キャラクターとのコラボレーション商品を期間限定で発売し、売場展開強化と顧客層の拡大に努めました。しかしながら、販促キャンペーンの回数減少や前期に行った直営店舗閉鎖の影響から、前事業年度と比較し613,650千円、2.3%の減収となりました。
食品事業では、発売以来ご好評をいただいている、味わいの濃さ・深さを追求した「THE濃厚」シリーズに、新商品「芳醇マイルド」を発売し、商品ラインナップの拡充を図りました。中華調理用ソースでは、辛さと香りを自在に調節できる新商品「辛香自在麻婆豆腐」を発売しお客様へ新たな価値を提供しました。
業務用食品では、レストランで培った調理技術を活かし、中食・内食販路へ向けた開発・提案を継続して推進しました。各販路については、各施策に対応した商品の供給やPB商品のレトルトカレーの新発売、また、調理技術を活かしたコラボメニューの開発など拡販を推進しました。
また、直営レストランでは、新宿中村屋本店「カジュアルダイニングGranna」「レストラン&カフェManna」において、季節商品の販売や賞味会の開催を通じて、お客様により多くご来店いただけるように努め、「オリーブハウス」においても、旬の食材を取り入れた季節感あふれるメニューを提供することで、お客様の満足度を高め、集客力の向上を図りました。以上のような営業活動を行った結果、前事業年度と比較し721,590千円、7.6%の増収となりました。
不動産賃貸事業では、新宿中村屋ビルの満室稼働に加え、武蔵工場の敷地の一部の事業用定期借地権や、旧東京事業所跡地の一般定期借地権による地代収入による安定した売上を確保いたしましたが、一部店舗の賃料改定の影響により、前事業年度と比較し4,422千円、0.5%の減収となりました。
(売上原価)
売上原価は原材料価格や輸送費の高騰など様々なコストアップ要因に対し、価格改定や商品規格の見直しによる価値向上を実施するとともに、自社工場の平準化生産や商品の絞り込みによる効率化を推進した結果、対売上高比率は62.6%と前事業年度と比較し0.6ポイントの低減となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、各事業の商品絞り込みによるリソースの集中化を図るとともに、多様な働き方を推進した結果、対売上高比率は33.9%、前事業年度と同率となりました。
(特別損益)
特別損益は、固定資産売却益5千円、投資有価証券売却益233,985千円、資産除去債務戻入益93,185千円を特別利益に、固定資産売却損337千円、固定資産除却損7,721千円、減損損失6,456千円、関係会社株式評価損405,035千円、工場再編関連費用21,199千円を特別損失に計上し、当期純利益は917,517千円(前事業年度は当期純利益884,947千円)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び流動性についての分析
当社の資金の状況は、当事業年度末には2,854,185千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、長期前受収益の増加等により、資金の収入は6,191,551千円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、長期性預金の預入による支出等により、資金の支出は6,261,436千円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加等により、資金の収入は308,384千円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なることがあります。
また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。