有価証券報告書-第138期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:58
【資料】
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【項目】
132項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各種引当金の計上、「固定資産の減損に係る会計基準」における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績、又は各状況下で合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は前期を1,793億円上回る1兆1,859億円(前期比117.8%)となりました。地域別に見ま
すと、日本では、AGFの連結子会社化によりコーヒー類の売上げが加わったことで、前期を962億円上回る
5,566億円(前期比120.9%)となりました。海外では、ウィンザー社の売上げが加わった冷凍食品(海
外)や調味料・加工食品(海外)、アミノ酸が増収となり、前期を831億円上回る6,293億円(前期比
115.2%)と大幅な増収となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ2,745億
円(前期比105.4%)、2,459億円(前期比140.3%)及び1,088億円(前期比98.6%)
となりました。なお、売上高海外比率は53.1%(前期は54.3%)となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の伸長に伴い、前期から1,093億円増加し、7,688億円(前期比116.6%)と
なりました。売上原価の売上高に対する比率は、AGFの連結子会社化による影響等により0.7ポイント改善
し、64.8%となりました。販売費及び一般管理費は、販売促進費等の削減に努めましたが、連結子会社増加
の影響があり、前期から534億円増加し、3,260億円(前期比119.6%)となりました。
③ 営業利益
営業利益は前期を165億円上回り、過去最高の910億円(前期比122.2%)となりました。地域別に
みますと、日本では384億円(前期比129.6%)、海外では526億円(前期比117.3%)となりま
した。日本において、医薬が大幅な減益となったものの、コーヒー類が加わったことや、調味料・加工食品(日
本)の貢献もあり、全体として大幅な増益となりました。海外において、動物栄養が大幅な減益となったもの
の、調味料・加工食品(海外)、冷凍食品(海外)の貢献により、全体として大幅な増益となりました。海外の
地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ374億円(前期比122.9%)、117億円(前期比
100.7%)及び34億円(前期比124.6%)となりました。なお、営業利益海外比率は57.8%
(前期は60.2%)となりました。
④ 営業外収益(費用)
営業外収支差は、前期を50億円下回り32億円のプラス(前期は82億円のプラス)となりました。持分法
による投資利益及び為替差益が減少したことが主な理由です。
⑤ 経常利益
経常利益は前期を115億円上回り、過去最高の943億円(前期比113.9%)となりました。
⑥ 特別利益
特別利益は前期の128億円に対し、当期は453億円となりました。当期において計上した主なものは、日
清味の素アリメントス社の全持分売却にかかる関係会社株式売却益248億円、AGF株式の追加取得にかかる
段階取得に係る差益180億円になります。
⑦ 特別損失
特別損失は前期の166億円に対し、当期は393億円になりました。当期において計上した主なものは、医
薬事業構造改革費用166億円、フランスにおける甘味料生産・販売子会社の株式売却に係る関係会社整理損
69億円、在外子会社の工場設備を中心とした減損損失74億円(前期は104億円)になります。減損処理し
た主なものは、タイにおける動物栄養事業にかかる製造設備について33億円、中国における調味料製造設備等
について20億円になります。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は前期を170億円上回り、635億円(前期比136.8%)となり、1株当たり当期純利益は108円14銭(前期は78円54銭)となりました。
(3)当連結会計年度の連結財政状態の分析
当期末の総資産は、前期末の1兆2,550億円に対して81億円増加し、1兆2,632億円となりました。これは主に、在外子会社の貸借対照表の円貨への換算額が減少した一方、当社が株式を追加取得したAGFを第1四半期連結会計期間より連結し資産が増加したことによるものです。
負債合計は、前期末の5,116億円に対して553億円増加し、5,669億円となりました。なお、有利子負債残高は、前期末に対して531億円増加し、2,647億円となりました。
純資産は、利益剰余金が増加した一方、自己株式の取得や為替換算調整勘定の減少により、前期末に対して471億円減少しました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、6,242億円となり、自己資本比率は 49.4%となりました。
(4)当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは1,252億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは538億円の支出、及び財務活動によるキャッシュ・フローは32億円の支出となり、換算差額等を調整すると、現金及び現金同等物の残高は526億円増加しました。
(5)当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途
① 資金の流動性について
当連結会計年度は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えています。
② 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入及び国内普通社債による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主に事業資金、ウィンザー社の全持分取得にかかる短期借入金の長期化、AGFの株式取得、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金の借り換えであります。