四半期報告書-第108期第2四半期(令和2年3月1日-令和2年5月31日)

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2020/07/15 11:11
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36項目
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調で推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により、経済活動は大きく制限され、世界経済の減速懸念は一層高まる状況となりました。
食品業界においては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け緊急事態宣言が発出され、外出自粛や営業時間短縮の要請などにより外食需要の低迷、巣ごもり消費による内食へのシフトなど食の消費行動で大きな変化が生じました。緊急事態宣言が解除され今後は緩やかに経済活動が再開される見込みですが、感染拡大が収束に向かったとしても、消費の回復には時間がかかることが想定されます。
食品物流業界においても、燃料調達単価は低位に推移しましたが、移動制限や外出自粛の影響により、外食需要が大きく減退したことに加え、内食需要は急激な需要の高まりにより、人手の確保や配送において調整が取りづらい状況が続くなど、厳しい経営環境で推移しました。
このような状況の中、当社グループにおいても食生活に関わる変化が業績に大きく影響していますが、食で多くの方々に笑顔をお届けできる存在でありたいという想いのもと、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって世界の食と健康に貢献すると同時に社会的な課題に取り組み、広く共感されるグループをめざします。
また、政府や各自治体のガイドラインに基づき従業員の感染拡大の抑制に取り組み、お客様へ安全・安心な商品の安定した供給に努めています。さらに、各団体・企業・自治体と連携し食料の提供を行うなど食を通じた支援活動を進めています。
◇ 売上高
国内における調理・調味料事業、タマゴ事業の業務用商品の販売数量減少により、2,630億57百万円と前年同期に比べ△59億29百万円(△2.2%)の減収となりました。
◇ 利益
サラダ・惣菜事業が伸張しましたが、調理・調味料事業やタマゴ事業の業務用商品の売上減少、食油および鶏卵などの主原料価格の上昇により、営業利益は111億94百万円と前年同期に比べ△48億94百万円(△30.4%)、経常利益は113億85百万円と前年同期に比べ△55億52百万円(△32.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は56億43百万円と前年同期に比べ△39億13百万円(△40.9%)の減益となりました。
◇ セグメント別の状況
[売上高の内訳](単位:百万円)

前第2四半期
(自 2018年12月1日
至 2019年5月31日)
当第2四半期
(自 2019年12月1日
至 2020年5月31日)
増減(金額)増減(比率)
調理・調味料91,77087,528△4,242△4.6%
サラダ・惣菜44,26344,209△54△0.1%
タマゴ49,03845,441△3,597△7.3%
フルーツ ソリューション7,8578,3414846.2%
ファインケミカル4,2613,951△310△7.3%
物流69,21669,8386220.9%
共通2,5773,7451,16845.3%
合 計268,986263,057△5,929△2.2%

[営業利益の内訳](単位:百万円)

前第2四半期
(自 2018年12月1日
至 2019年5月31日)
当第2四半期
(自 2019年12月1日
至 2020年5月31日)
増減(金額)増減(比率)
調理・調味料10,8039,153△1,650△15.3%
サラダ・惣菜1,1641,66249842.8%
タマゴ4,0251,075△2,950△73.3%
フルーツ ソリューション12123911897.5%
ファインケミカル377393164.2%
物流2,1141,107△1,007△47.6%
共通781734△47△6.0%
全社費用△3,299△3,173126
合 計16,08811,194△4,894△30.4%

調理・調味料
・家庭用マヨネーズ・調理食品は伸張したが、国内・海外ともに新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた 業務用商品の需要減少により減収
・主原料価格の上昇や業務用商品の不振により減益
サラダ・惣菜
・日持ちを延長したカット野菜は伸張したが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた業務用商品の販売 不振により減収
・主力商品の売上増加や生産性の向上により増益
タマゴ
・新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた国内の外食・製菓メーカー向け商品の販売数量減少により減収
・鶏卵相場上昇の影響や売上減少により減益
フルーツ ソリューション
・家庭用ジャム・スプレッドの伸張により増収増益
ファインケミカル
・ヒアルロン酸の販売不振により減収
・サプリメントの売上増加や収益性の改善により増益
物流
・共同物流などの新規取引や既存顧客の取扱拡大により増収
・新型コロナウイルス感染症による影響や省人化機器への投資が先行したことなどにより減益
共通
・食品メーカー向け製造機械の販売増加により増収
・新規施設賃貸の遅れにより減益
(2)財政状態
・総資産は、4,402億17百万円と前連結会計年度末に比べ40億92百万円減少
主に受取手形及び売掛金の減少、建物及び構築物、機械装置及び運搬具の増加、建設仮勘定の減少による
・負債は、1,631億85百万円と前連結会計年度末に比べ43億71百万円減少
主に支払手形及び買掛金の減少、短期借入金の増加、未払金の減少、引当金の増加による
・純資産は、2,770億31百万円と前連結会計年度末に比べ2億78百万円増加
主に資本剰余金の減少、利益剰余金の増加による
(3)キャッシュ・フロー
・現金及び現金同等物の残高は、532億68百万円と前連結会計年度末に比べ35億8百万円減少
各キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費に加え、売上債権、仕入債務の減少、法人税等の支払いなどにより167億48百万円の収入
(前年同期は167億80百万円の収入)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより147億73百万円の支出
(前年同期は172億85百万円の支出)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入、配当金の支払い、連結の範囲の変更を
伴わない子会社出資金の取得などにより54億61百万円の支出
(前年同期は16億41百万円の収入)
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
(1) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式の大量取得を目的とする買付けが行われる場合において、それに応じるか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えており、経営支配権の異動を通じた企業活動の活性化の意義や効果についても、何らこれを否定するものではありません。
しかしながら、当社および当社グループの経営に当たっては、幅広いノウハウと豊富な経験、ならびにお客様や従業員などのステークホルダーとの間に築かれた関係などへの十分な理解が不可欠であり、これらに関する十分な理解がなくては、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできません。当社は、株主の皆様から負託を受けた経営者の責務として、当社株式の適正な価値を株主および投資家の皆様にご理解いただくようIR活動に努めていますが、突然に大量買付行為がなされた際には、短期間の内に買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかにつき適切な判断が求められる株主の皆様にとって、買付者および当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠であると考えます。さらに、当社株式の継続保有を検討するうえでも、係る買付行為が当社に与える影響や、買付者の考える当社の経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、買付者の過去の投資行動、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、重要な判断材料となると考えます。
この点に関し、現行の金融商品取引法の下では、公開買付規制において一定の情報提供の仕組みが存在するものの、市場内で行われる大量買付行為は公開買付規制の対象とならないことから、市場内で行われる大量買付行為に対しては、当該情報提供の仕組みによって対応することができません。さらに、公開買付規制の適用がある大量買付行為に関しても、金融商品取引法で認められている買付者に対する意思表明報告書による質問の回数は一回に限定されていることに加え、当該質問への対応についても、買付者が十分な回答を行うことは義務付けられておらず、理由を詳細に記載すれば回答を行わないことも可能となっています。このため、公開買付規制が適用される大量買付行為であっても、株主の皆様に対して十分な情報が提供されず、また、株主の皆様が公開買付けに応じるか否かを検討する時間を十分に確保することができないままに、その賛否の対応を迫られる場合があることは否定できません。
以上を考慮した結果、当社としては、大量買付行為を行う買付者においては、当社が設定し事前に開示する一定の合理的なルールに従って、買付行為に対する株主の皆様の判断のために必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、当社取締役会のための一定の評価期間が経過した後にのみ当該買付行為を開始する必要があると考えています。
また、大量買付行為の中には、当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値および株主共同の利益を著しく損なうものもないとはいえず、そのような大量買付行為から当社の基本理念やブランド、株主を始めとする各ステークホルダーの利益を守るのは、当社の経営を預かる者としては、当然の責務であると認識しています。
このような責務を全うするため、当社取締役会は、株式の大量取得を目的とする買付け(または買収提案)を行う者に対しては、当該買付者の事業内容、将来の事業計画や過去の投資行動などから、当該買付行為(または買収提案)が当社の企業価値および株主共同の利益に与える影響を慎重に検討し、判断する必要があるものと認識しています。
そこで、当社は、係る買付行為に対して、当社取締役会が、当社が設定し事前に開示する一定の合理的なルールに従って適切と考える方策をとることも、当社の企業価値および株主共同の利益を守るために必要であると考えています。
以上の当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する考え方を、以下「本基本方針」といいます。
(2) 当社の本基本方針の実現に資する特別な取り組み
① グループの長期ビジョンおよび中期経営計画の策定
当社グループは、グループの長期ビジョンである「キユーピーグループ 2030ビジョン」を掲げてグループの想いを一つにし、世界に貢献できる事業分野を伸ばすと同時に、社会的な課題に取り組み、広く共感されるグループをめざしています。
また、2019-2021年度 中期経営計画では、国内での持続的成長と海外での成長加速を実現するため、「国内では3事業に集中し食の主役化を推進」、「海外では中国・東南アジアを中心に展開を加速」および「環境変化に対応した経営基盤の強化」を主な取り組みとして定めています。
当中期経営計画、さらに「キユーピーグループ 2030ビジョン」を実現するためには、これらの経営方針を軸に、各事業において収益体質を強化し、資産効率を高めるべく積極的な事業投資および設備投資を行うことが、当社の一層の企業価値および株主共同の利益の向上に資すると考えています。
② コーポレート・ガバナンスの整備
当社グループは、効率的で健全な経営によって当社の企業価値および株主共同の利益の継続的な増大を図るため、経営上の組織体制や仕組み・制度などを整備し、必要な施策を適宜実施していくことを経営上の最も重要な課題の一つに位置づけています。
当社は、事業年度ごとの経営責任をより明確にするとともに、経営環境の変化に迅速に対応した経営体制を構築することができるよう、取締役および執行役員の任期を1年としています。また、監査体制の一層の充実強化を図るため、社外監査役3名を含む監査役5名の体制をとっています。
2018年8月には、取締役会の構成や取締役などの指名・報酬の在り方などに関する客観性、妥当性および透明性を高めるため、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しました。5名以上の委員で構成し、委員の半数以上は当社が定める独立性基準を満たした社外役員と定めているほか、委員長は社外取締役たる委員の中から選定することになっています。
また、当社グループが経営の健全性、公正性および透明性を高め、より良く社会とお客様に貢献できるように助言・提言を得ることを目的に、社外の有識者により構成する経営アドバイザリーボードを当社社長執行役員の諮問機関として設置しています。
(3) 本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(当社株式の大量買付行為への対応方針(買収防衛策))
① 当社株式の大量買付行為への対応方針(買収防衛策)による取り組み
当社は、2019年12月26日開催の当社取締役会において、本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、2020年2月27日開催の当社第107回定時株主総会の承認を停止条件として、当社株式の大量買付行為への対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を継続して採用することを決定し、当該株主総会において本対応方針を継続して採用することが承認されました。
本対応方針の概要は以下のとおりです。
(ア)対象となる買付行為
特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社の株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社の株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。)を対象とします。
ただし、あらかじめ当社取締役会が同意した買付行為は、本対応方針の適用対象からは除外します。
(イ)大量買付ルールの内容
当社は、大量買付者が当社取締役会に対して大量買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、それが完了した日から原則として60日(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日(その他の大量買付行為の場合)が当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案、株主意思の確認手続きの要否の決定および対抗措置発動または不発動の決定のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として経過した後にのみ、大量買付行為を開始することができる、という大量買付ルールを設定します。
また、大量買付ルールに関連して、本対応方針を適正に運用し当社取締役会の恣意的判断を可及的に防止するため、独立委員会というチェック機関を設置するとともに、株主の皆様の意思を尊重する見地から、必要に応じて株主意思の確認手続きを行うこととします。
独立委員会委員の人数は3名以上とし、独立委員会委員は、公正で中立的な判断を可能とするため、東京証券取引所に独立役員として届け出ている当社社外取締役または当社社外監査役の中から選任します。
また、当社株主の皆様の意思を確認する場合には、会社法上の株主総会(以下「株主総会」といいます。)による決議によるものとします。当社取締役会は、株主総会を開催する場合には、株主総会の決議の結果に従い、大量買付行為の提案に対し、対抗措置を発動しまたは発動しないこととします。株主総会の開催日は、原則として当初定められた取締役会評価期間内に設定するものとしますが、株主総会を開催するための実務的に必要な期間などの理由によりやむを得ない事由がある場合には、独立委員会の答申に基づき、取締役会評価期間を、30日間延長することができるものとします。
(ウ)大量買付行為がなされた場合の対応方針
a.大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合
大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合、当社取締役会は、原則として大量買付行為に対する対抗措置はとりません。大量買付者の買付提案に応じるか否かは、当社株主の皆様においてご判断いただくことになります。
もっとも、大量買付者が真摯に合理的な経営をめざすものではなく、大量買付者による大量買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値および株主共同の利益を著しく損なうと判断される特定の場合には、本対応方針の例外的対抗措置として、当社取締役会は当社株主の皆様の利益を守るために、適切と考える手段をとることがあります。
なお、対抗措置をとるか否かの判断に際しては、その客観性および合理性を担保するため、当社取締役会は、必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、大量買付者および大量買付行為の具体的内容や、大量買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益に与える影響を検討し、独立委員会からの答申を最大限尊重するものとします。さらに、当社取締役会による対抗措置を発動する旨の決定は、対抗措置の発動が望ましいとする独立委員会の答申が存在する場合にのみ認められるものとします。
b.大量買付者が大量買付ルールを遵守しなかった場合
大量買付者が大量買付ルールを遵守しなかった場合には、当社取締役会は、当社の企業価値および株主共同の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律および当社定款が認める対抗措置をとり、大量買付行為に対抗する場合があります。
大量買付者が大量買付ルールを遵守したか否かおよび対抗措置の発動の適否は、外部専門家等の意見も参考にし、また独立委員会の答申を最大限尊重し、当社取締役会が決定します。さらに、当社取締役会による対抗措置を発動する旨の決定は、対抗措置の発動が望ましいとする独立委員会の答申が存在する場合にのみ認められるものとします。
c.対抗措置の手段
対抗措置の具体的な手段については、必要性および相当性を勘案したうえで、新株予約権の無償割当てその他会社法上および当社定款により認められる手段の中から、発動する時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとします。新株予約権の無償割当てを選択する場合には、大量買付者に新株予約権の行使を認めないこと等を新株予約権の行使の条件として定めます。なお、新株予約権の行使が認められない者が有する新株予約権の対価として金銭を交付することは想定していません。
d.対抗措置発動の停止等について
当社取締役会は、対抗措置の発動が決定された後であっても、大量買付者が大量買付行為の撤回または変更を行った場合など、対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の答申を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動の変更または停止を行うことができるものとします。
(エ)株主・投資家に与える影響等
a.大量買付ルールが株主・投資家に与える影響など
大量買付ルールの設定は、当社株主および投資家の皆様が適切な投資判断を行うことを支援するものであり、当社株主および投資家の皆様の利益に資するものであると考えています。
b.対抗措置発動時に株主・投資家に与える影響など
大量買付者が大量買付ルールを遵守しなかった場合などには、当社取締役会は、当社の企業価値および株主共同の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律および当社定款により認められている対抗措置をとることがありますが、当該対抗措置の仕組み上、当社株主の皆様(対抗措置の発動に係る大量買付者を除きます。)が法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定していません。
なお、当社取締役会が新株予約権の発行の中止または発行した新株予約権の無償取得を行う場合には、1株当たりの株式価値の希釈は生じませんので、新株予約権の無償割当てに係る権利落ち日以降に当社株式の価値の希釈が生じることを前提に売買を行った株主または投資家の皆様は、株価の変動により不測の損害を被る可能性があります。
c.対抗措置の発動に伴って株主の皆様に必要となる手続き
対抗措置として、当社取締役会において、新株予約権無償割当てを実施することを決議した場合には、当社が公告する新株予約権無償割当てに係る割当基準日において当社の株主名簿に記録された株主に対し、新株予約権が無償にて割り当てられますので、当該基準日における最終の株主名簿に記録される必要があります。この他、割当方法、新株予約権の行使の方法および当社による取得の方法の詳細などにつきましては、対抗措置に関する当社取締役会の決定が行われた後、株主の皆様に対して情報開示または通知を行いますので、その内容をご確認ください。
(オ)本対応方針の有効期限
本対応方針の有効期限は、2023年2月28日までに開催される第110回定時株主総会の終結の時までとします。
(4) 本対応方針についての当社取締役会の判断およびその判断に係る理由
① 本対応方針が本基本方針に沿うものであること
本対応方針は、大量買付ルールの内容、大量買付行為がなされた場合の対応方針、独立委員会の設置、株主および投資家の皆様に与える影響等を定めるものです。
また、本対応方針は、大量買付者が大量買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、および取締役会評価期間が経過した後にのみ大量買付行為を開始することを求め、大量買付ルールを遵守しない大量買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがあることを明記しています。
さらに、大量買付ルールが遵守されている場合であっても、大量買付者の大量買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益を著しく損なうものと当社取締役会が判断した場合には、大量買付者に対して当社取締役会は当社の企業価値および株主共同の利益を守るために適切と考える対抗措置を講じることがあることを明記しています。
このように本対応方針は、本基本方針の考え方に沿うものであるといえます。
② 本対応方針が当社株主の共同の利益を損なうものではないこと
上記(1)「当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」で述べたとおり、本基本方針は、当社株主の共同の利益を尊重することを前提としています。
また、本対応方針は、本基本方針の考え方に沿って設計され、当社株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会を保障することを目的としています。本対応方針によって、当社株主および投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本対応方針が当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。
さらに、当社株主の皆様の承認を本対応方針の発効・延長の条件としており、本対応方針にはデッドハンド条項(導入した当時の取締役が一人でも代われば消却不能になる条項)やスローハンド条項(取締役の過半数を代えても一定期間消却できない条項)は付されておらず、当社株主の皆様が望めば本対応方針の廃止も可能であることは、本対応方針が当社株主の共同の利益を損なわないことを担保していると考えます。
③ 本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
本対応方針は、大量買付行為を受け入れるか否かが最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきであることを大原則としながら、当社の企業価値および株主共同の利益を守るために必要な範囲で大量買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動を行うものです。本対応方針は当社取締役会が対抗措置を発動できる限定的な条件を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は本対応方針の規定に従って行われます。当社取締役会は、単独で本対応方針の発効・継続を行うことはできず、当社株主の皆様の承認を要します。
また、大量買付行為に対して当社取締役会が対抗措置をとるべきか否かなど、本対応方針に係る重要な判断に際しては、必要に応じて外部専門家等の助言を得るとともに、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、当社取締役会は、同委員会の答申を最大限尊重するものとしています。さらに、当社取締役会による対抗措置を発動する旨の決定は、対抗措置の発動が望ましいとする独立委員会の答申が存在する場合にのみ認められるものとしています。加えて、必要に応じて、株主の皆様の意思を尊重するため、株主意思の確認手続を行うことができるとしています。
このように本対応方針には、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続を盛り込んでいます。
以上から、本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えています。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、18億38百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(注) 「第2 事業の状況」における文章中の金額には、消費税等は含めていません。