有価証券報告書-第69期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料価格・エネルギーコストの高止まりや、円安基調の継続に伴う物価上昇が家計や企業活動の負担となりました。また、インバウンド需要は底堅く推移したものの、ウクライナや中東情勢が長期化する中、アメリカのイランに対する干渉によってその状況はますます深刻化し、原油価格の高騰を引き起こすなど以前にも増して不確実な状況が続いております。
このような事業環境のなか、当社グループは理念体系の再構築、重要課題を見直し、マテリアリティを特定し、これからも社会に必要とされる存在価値の高い信頼される企業であり続けられるよう中長期経営計画『KENKO Vision 2035』を2024年度よりスタートさせ、この計画のもとで 2年間取り組んでまいりましたが、一部の経営目標が早期に到達したことや著しい外部環境の変化があった為、また「資本コストや株価を意識した経営」に主体性をおく為に2026年度以降の計画を見直しいたしました。
(イ)経営成績の状況
(売上高)
売上高につきましては、総菜関連事業等におけるフレッシュサラダは減少しましたが、マヨネーズ・ドレッシング類、ポテトサラダの伸長により、前年同期比でわずかに増収となりました。
(利益)
利益につきましては、価格改定の効果は一定程度あったものの、価格改定のタイミングのずれや鶏卵相場の高止まりによる原材料費の増加や販管費の増加、本社移転費用など将来に向けた投資等により前年同期比で減益となりました。
当連結会計年度における連結売上高は92,354百万円(前連結会計年度比651百万円の増加、0.7%増)、連結営業利益は4,155百万円(前連結会計年度比690百万円の減少、14.3%減)、連結経常利益は4,329百万円(前連結会計年度比670百万円の減少、13.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,926百万円(前連結会計年度比576百万円の減少、16.4%減)となりました。
(調味料・加工食品事業)
サラダ・総菜類につきましては、外食、量販店、コンビニエンスストア向けに1kg形態のポテトサラダや小型形態のポテトサラダが伸長したことにより増収となりました。
タマゴ加工品につきましては、たまごサラダ、ゆでたまご、錦糸たまご等が増加したものの前期並みになりました。
マヨネーズ・ドレッシング類につきましては、10kgや1㎏形態が製パンや外食向けに増加し、外食向けのソース類も増加したことにより増収となりました。
この結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は73,434百万円(前連結会計年度比
1,546百万円の増加、2.2%増)、セグメント利益は3,094百万円(前連結会計年度比800百万円の減少、20.6%減)となりました。
(総菜関連事業等)
総菜関連事業等につきましては、商品カテゴリーの拡大や高付加価値商品の開発を行い拡販に努めましたが、取引先における内製化の影響等により減収となりました。利益につきましては、価格改定の効果等により増益となりました。
この結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は18,180百万円(前連結会計年度比773百万円の減少、4.1%減)、セグメント利益は1,004百万円(前連結会計年度比141百万円の増加、16.4%増)となりました。

(ロ)財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、33,733百万円(前連結会計年度比578百万円の減少、1.7%減)となりました。これは主に現金及び預金が2,241百万円減少した一方で、原材料及び
貯蔵品が613百万円増加したこと等によるものであります。
(なお、現金及び預金の詳しい内容につきましては連結キャッシュ・フロー計算書をご参照ください。)
当連結会計年度末における固定資産は、30,188百万円(前連結会計年度比420百万円の増加、1.4%増)となりました。これは主に機械装置及び運搬具(純額)が815百万円減少した一方で、建設仮勘定が570百万円、差入保証金が207百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は63,922百万円(前連結会計年度比157百万円の減少、0.2%減)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、17,062百万円(前連結会計年度比1,328百万円の減少、7.2%減)となりました。これは主に電子記録債務が631百万円、未払法人税等が620百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、5,296百万円(前連結会計年度比429百万円の減少、7.5%減)となりました。これは主に長期借入金が522百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は22,358百万円(前連結会計年度比1,758百万円の減少、7.3%減)となりました。
(純資産)
純資産合計は、41,563百万円(前連結会計年度比1,600百万円の増加、4.0%増)となり、自己資本比率は65.0%(前連結会計年度比2.6ポイント増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、13,487百万円(前連結会計年度比2,241百万円の減少)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,940百万円(前連結会計年度比1,653百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益4,239百万円と減価償却費2,756百万円の増加要因、棚卸資産の増減額1,184百万円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,706百万円(前連結会計年度比1,644百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,660百万円、無形固定資産の取得による支出114百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,475百万円(前連結会計年度比1,055百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1,034百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 調味料・加工食品事業 | 74,003 | 3.2 |
| 総菜関連事業等 | 17,987 | △4.2 |
| 報告セグメント計 | 91,991 | 1.7 |
| その他 | 576 | △16.5 |
| 合計 | 92,568 | 1.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
(ロ)受注実績
当社グループは販売計画に基づいて生産計画をたて、これにより生産しているため、受注生産を行っておりません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 調味料・加工食品事業 | 73,434 | 2.2 |
| 総菜関連事業等 | 18,180 | △4.1 |
| 報告セグメント計 | 91,614 | 0.9 |
| その他 | 740 | △14.1 |
| 合計 | 92,354 | 0.7 |
(注)1.上記の金額にはセグメント間取引の金額は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響する見積り、判断及び仮定を必要としております。過去の実績や状況を踏まえ合理的と考えられる様々な要因に基づき、継続的に見積り、判断及び仮定を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因としては、事業環境の変化への適応、原材料の調達、人材の状況、品質管理の状況などがあげられます。
(事業環境の変化への適応)
コロナ禍を機に食の市場は大きく変化し、業務用と家庭用のニーズや国内市場と海外市場など、世界情勢や外部環境により市場が変化し、当社の事業環境も大きく変化しました。
当社グループはこの事業環境の変化に適応できるよう、既存事業の収益基盤を強化し、ブランド構築を行うと共に、事業ポートフォリオを再構築してまいります。
当事業年度で実施していく施策は次のとおりであります。
・「顧客IN」の発想と「共創」による商品開発と販売チャネルの多様化を推進する
・基幹プロセス全体の最適化とリードタイムの短縮により収益体質の強化を行なう
・原材料等の高騰に対応した価格改定等により適正な利益水準を確保する
・M&A等の成長投資により海外事業展開を拡大する
(原材料の調達)
当社グループの主要な原材料は食用油(大豆、菜種等)・鶏卵・野菜であり、購入価格は内外の商品市場価格及び外国為替相場に大きく影響されます。
食用油に関しては、大豆・菜種産地である北米と大豆産地の南米の天候のほか、米国の関税問題の行方とバイオ燃料政策が変動要因となります。
また鶏卵に関しては、2024年度下期に発生した高病原性鳥インフルエンザ以降は相場が上昇し、現在も高止まりの状況が継続しております。
このような環境に対し、当社グループは、仕入先の拡大によるリスク分散と共に、品質向上とコスト削減を図りつつ、安定的な原材料の確保に努めてまいります。
(人材の状況)
当社グループは、市場環境変化の速度、多様化する顧客ニーズに対応するためには、更なる社内環境整備と人材育成、そして、様々な視点・経験・見識を確保するために多様な人材の管理職・中核人材登用が必要と考えております。 異なる価値観・文化を理解し、受け入れ、年齢、国籍、性別、性的指向、障がいの有無等に関係なく、公平な雇用と従業員へのキャリア機会の提供等を進め、様々なアイディアを出し合いながら社会価値を創造しイノベーションを創出できる社内環境の整備やチーム、人材の育成を進めます。
(品質管理の状況)
当社グループの取り扱う商品・サービスは食品衛生法、食品表示法、JAS法等による定めがあり、法令を遵守しなければなりません。また、消費者の食品に対する安全性への関心が高まるなか、当社グループは品質管理の徹底と万全の体制をとっておりますが、現状の品質体制をより高度化する取組みを行ってまいります。
資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
(イ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(ロ)資金需要
当社グループの資金需要は運転資金需要と投資資金需要であります。
運転資金需要の主なものは、原材料仕入などの製造に関わる費用、物流費などの販売費等によるものであります。また、投資資金需要としましては、工場設備投資、海外事業展開への投資、システム投資によるものであります。
(ハ)財務政策
当社グループは、運転資金を内部資金より充当しておりますが、経営環境の変化等により手元流動性に影響が出ると想定される場合には、従前より資金調達枠として確保している特別当座貸越による調達のほか、コミットメントラインなど外部からの調達を検討してまいります。なお、当連結会計年度末の特別当座貸越による借入実行残高はありません。
設備資金につきましては、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入及び割賦契約により行っておりますが、償還期間等を勘案しつつ有利子負債の圧縮にも努めております。資金調達コストの低減や金利変動リスクを回避するために、調達手段として長期借入金、固定金利等での調達を基本としております。
また、資本の配分に関しては、株主還元、従業員還元、内部留保(成長資金確保)において適正なバランスで配分することを基本としております。
(3)経営者の問題意識と今後の方針について
近年大きく変化した社会環境のなか、インフレへの転換による原料や人件費の高騰、日本の人口減少や高齢化社会、気候変動や地政学的リスク等、当社グループの事業環境も大きく変動しております。中長期経営計画『KENKO Vision 2035』では、持続的な成長のために抜本的改革と企業価値の更なる向上を基本方針とし、経営基盤の強化とともに基本戦略を実行し、ビジョンである『サラダ料理で世界一になる』ことを目指してまいります。
<基本方針>持続的な成長のために抜本的改革と企業価値の更なる向上を目指す
<基本戦略>①成長戦略
・「顧客IN」と「共創」による既存事業の販売拡大
・Salad Cafeと料理教室(キッチンスペース831)の最適化
・海外売上高比率の引き上げ(2035年度:10%→30%)
②スマート化
・DXからBX(ビジネスプロセスの変革)への進化
・共創による「インキュベーション」機能の構築
③人材投資
・グローバル企業化、働き方改革としてのダイバーシティを推進
・人材育成の強化、キャリアプランが実現できる施策の検討
④サステナビリティと社会的責任
・環境問題への取組みと地域社会への貢献活動を推進
・グループ従業員の健康と働きがいに注力した健康経営を目指す
⑤IT戦略
・競争優位の源泉の創造と生産性向上を担う「IT戦略」の推進


