有価証券報告書-第218期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 13:02
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、底堅い個人消費や企業の設備投資に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で世界経済につきましても、米国の関税政策に伴う逆風を、AIなど先端テクノロジー分野の投資拡大などでカバーし、総じて堅調に推移しました。
当社主力の高機能樹脂製品事業がターゲットとする半導体製造関連市場は調整局面に入り、減速しましたが、当連結会計年度末にかけて徐々に回復基調となりました。また、自動車市場におきましても、米国の追加関税による影響を受けつつも、総じて堅調に推移する一方、繊維・衣料品市場や住宅・建材市場の回復が遅れています。
このような環境下にあって当社グループは、2025年4月よりスタートした中期経営計画「Accelerate'27」の基本方針である「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」のもと、半導体製造関連市場などの成長市場に向けた注力事業の拡充と繊維事業の構造改革を中心とする基盤事業の収益力強化などに注力しました。
この結果、売上高は1,437億円(前年同期比4.6%減)、営業利益は91億8千万円(同11.0%減)、経常利益は110億7千万円(同6.1%減)、政策保有株式の売却益を特別利益に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は128億7千万円(同42.8%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(化成品事業)
高機能樹脂製品は、第4四半期に入り受注は回復基調となったものの、第3四半期まで続いたAI用途以外の半導体市況の低迷の影響により、半導体製造装置向けの受注が減少し、減収となりました。
機能フィルムは、太陽電池向けの受注が堅調でしたが、北米の自動車向けの受注が減少し、減収となりました。
産業マテリアルは、自動車内装材向け軟質ウレタン、断熱材、自動車フィルター向け不織布の受注が順調でしたが、前期に自動車内装材向け軟質ウレタンの製造・販売を行っていた中国子会社の全持分を譲渡した影響もあり、減収となりました。
この結果、売上高は626億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は41億5千万円(同17.4%減)となりました。
(繊維事業)
糸は、ブラジル子会社のニット糸販売が低調に推移しましたが、原料改質技術を活用した高機能製品「NaTech(ネイテック)」及びタイ子会社のデニム向けの販売が順調で、増収となりました。
ユニフォームは、ユニフォームアパレル向け製品の受注が増加し、増収となりました。
カジュアルは、国内SPA向けの生地の受注が減少し、減収となりました。
この結果、売上高は432億円(前年同期比10.8%減)、安城工場の閉鎖に伴う異常操業費用の計上もあり、営業損失は8億9千万円(前年同期は営業利益7千万円)となりました。
(環境メカトロニクス事業)
ライフサイエンス・テクノロジーは、子会社のFA装置などが堅調に推移しましたが、撹拌脱泡装置が米国の関税政策の影響などを受けて低調で、減収となりました。
エレクトロニクスは、半導体製造装置向け液体成分濃度計が堅調に推移し、また基板検査装置や鉄道業界向けインフラ検査システムなども順調で増収となりました。
エンジニアリングは、排ガス処理設備などが順調に推移し、また子会社のウェハー洗浄装置やフィルター洗浄装置も好調で、増収となりました。
この結果、売上高は227億円(前年同期比3.5%増)、営業利益は38億6千万円(同15.7%増)となりました。
(食品・サービス事業)
食品は、即席麺具材の拡販が順調に進んだことなどにより、増収となりました。
ホテル関連は、国内旅行やインバウンド需要により宿泊やレストランが順調に推移するとともに、宴会需要も回復傾向にあり、増収となりました。
この結果、売上高は111億円(前年同期比6.6%増)、営業利益は8億8千万円(同22.1%増)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸は、賃貸物件の新規開店により増収となり、売上高は39億円(前年同期比6.5%増)、営業利益は22億9千万円(同2.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億4千万円増加し、当連結会計年度末には154億9千万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、145億8千万円(前連結会計年度は110億4千万円の資金の増加)となりました。これは、有価証券及び投資有価証券売却損益64億5千万円や法人税等の支払額31億1千万円などの減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益181億7千万円や減価償却費の内部留保50億1千万円などの増加要因があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、13億6千万円(前連結会計年度は29億8千万円の資金の減少)となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出60億7千万円があったものの、投資有価証券の売却による収入73億8千万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、158億円(前連結会計年度は90億3千万円の資金の減少)となりました。これは、自己株式の取得による支出71億2千万円や配当金の支払額43億9千万円があったことなどによるものです。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
自己資本比率(%)57.458.260.662.965.5
時価ベースの自己資本比率(%)20.827.232.653.066.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.56.21.01.00.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)51.87.739.132.575.9

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」を使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
化成品事業(百万円)50,15396.8
繊維事業(百万円)27,84886.2
環境メカトロニクス事業(百万円)16,220104.8
食品・サービス事業(百万円)6,267100.1
合計(百万円)100,49094.9

(注)1.セグメント間の取引については、仕入先の属するセグメントにおいて相殺消去しております。
2.繊維事業には、上記生産実績のほかに、販売を主たる事業とする会社の商品仕入実績が、9,488百万円あります。
3.不動産事業は、生産活動を行っておりません。
4.金額は製造原価で記載しております。
イ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
環境メカトロニクス事業8,52585.58,48196.4

(注)上記以外は、主として見込生産を行っております。
ウ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
化成品事業(百万円)62,65494.9
繊維事業(百万円)43,27689.2
環境メカトロニクス事業(百万円)22,716103.5
食品・サービス事業(百万円)11,145106.6
不動産事業(百万円)3,965106.5
合計(百万円)143,75895.4

(注)1.セグメント間の取引については、販売会社の属するセグメントにおいて相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、相手先別販売実績が総販売実績の10%未満のため、省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.当連結会計年度の経営成績の分析
(ア)売上高
当連結会計年度の売上高は1,437億円と前連結会計年度に比べ4.6%、69億円の減収となりました。これは「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、繊維事業のカジュアルが国内SPA向けの生地の受注が減少したことや化成品事業の半導体製造装置向けの受注が減少したことなどによります。
(イ)営業利益
当連結会計年度の営業利益は91億8千万円と前連結会計年度に比べ11.0%、11億2千万円の減益となりました。これは、化成品事業や繊維事業で売上が減少したことなどによります。
(ウ)経常利益
当連結会計年度の経常利益は110億7千万円と前連結会計年度に比べ6.1%、7億1千万円の減益となりました。これは、営業外損益が受取配当金の増加などで前連結会計年度に比べ4億1千万円改善したものの、営業利益の減益があったことなどによります。
(エ)特別損益
当連結会計年度の特別利益は74億4千万円でその主なものは、投資有価証券売却益64億5千万円、固定資産売却益8億1千万円であります。一方、特別損失は3億3千万円でその主なものは、固定資産処分損1億2千万円、固定資産圧縮損1億1千万円であります。
(オ)親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は128億7千万円と前連結会計年度に比べ42.8%、38億6千万円の増益となりました。これは、税金費用の増加があったものの、特別損益が前連結会計年度に比べて71億1千万円改善したことなどによります。
また、1株当たり当期純利益は781.89円と前連結会計年度に比べ265.70円増加しました。
イ.当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産や受取手形、売掛金及び契約資産は減少しましたが、株価上昇に伴い投資有価証券が増加したことなどにより、2,018億円と前連結会計年度末に比べ113億円増加しました。
負債は、繰延税金負債や未払法人税等は増加しましたが、長・短期借入金が減少したことなどにより、681億円と前連結会計年度末に比べ11億円減少しました。
純資産は、自己株式の取得による減少はありましたが、その他有価証券評価差額金や利益剰余金が増加したことなどにより、1,336億円と前連結会計年度末に比べ124億円増加しました。
以上の結果、自己資本比率は2.6ポイント上昇して65.5%となりました。
ウ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画「Accelerate'27」初年度である2025年度は、化成品事業の主力である高機能樹脂製品が展開する半導体製造関連市場が調整局面に入るとともに、繊維事業においても衣料品市場の回復が遅れるきびしい事業環境となりました。このような中、化成品事業においては2026年度以降の市場の回復・拡大を見据えた施策を進め、繊維事業では構造改革に取り組みました。一方で、環境メカトロニクス事業及び食品事業は順調に業績を拡大しました。
その結果、売上高は若干の未達となったものの、営業利益は「Accelerate'27」初年度の目標を達成しました。
また、収益性の向上によりROAやROICが目標を上回る水準となったことに加え、政策保有株式の売却などの財務政策及び増配や自己株式取得などの資本政策を進めた結果、ROEは10%を上回りました。
指標Accelerate'27(a)2025年度計画2025年度(b)(実績)計画比(b)-(a)
売上高1,440億円1,437億円△2億円
営業利益80億円91億円+11億円
R O E8.0%10.2%+2.2ポイント
R O A4.3%4.7%+0.4ポイント
R O I C4.4%4.6%+0.2ポイント

(注)ROE:自己資本当期純利益率、ROA:総資産営業利益率、ROIC:投下資本利益率
エ.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.契約債務
2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超2年
以内
2年超3年
以内
3年超4年
以内
4年超5年
以内
5年超
短期借入金4,4274,427-----
長期借入金2,5451,65962862-195-
リース債務642136191142473786
その他有利子負債140-----140

上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
ウ.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金での調達を基本としております。また、当社及び国内子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、資金の効率化を図っております。
なお、マーケット環境の一時的な変化など、不測の事態への対応手段確保のため、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計7,400百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高7,400百万円)。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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