四半期報告書-第148期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/08/08 9:31
【資料】
PDFをみる
【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調が続きました。世界経済では、米国で景気が堅調に推移する一方、米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速や、先行き不透明な欧州経済など、引き続き注視が必要な状況にあります。
そのような環境の中、当社グループでは、「21世紀型企業への変革!」を中期方針に掲げ、変化し続ける経営環境においても常にお客様のニーズに応え、安定した収益確保と継続的な成長を果たすため、“新規事業の創出”と“グローバル事業の拡大”を柱とした事業戦略を推進しております。併せて、企業の潜在力である人材力、開発力、環境対応力を高める経営を継続し、企業体質の強化に取り組んでおります。
当第1四半期の連結業績は、売上高299億47百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益25億43百万円(同5.8%減)、経常利益26億71百万円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益19億9百万円(同9.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
車輌資材事業では、国内事業では、新車販売台数が堅調に推移するなか、“革を超える新素材”「クオーレ®」や夏冬快適素材「クオーレモジュレ®」などの高付加価値商品が堅調に推移しましたが、商品構成の変化や海外生産比率の増加により、前年同期比で減収・減益となりました。海外事業では、前年度、大幅な受注増に対応するべく生産能力拡大に取り組んでおりましたメキシコでの生産効率と歩留まり改善が進み、当第1四半期は営業利益および経常利益ともに黒字に転換いたしました。しかしながら、米中貿易摩擦における米国の追加関税および中国市場の減速の影響、また原材料価格の高騰を受け、海外事業全体では、前年同期比で減収・減益となりました。当事業の売上高は172億85百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益14億51百万円(同10.5%減)となりました。
ハイファッション事業では、近年、アパレル業界や消費者において、売れ残り在庫を作らない環境に配慮したものづくりに関心が高まるなか、糸から縫製までのグループ一貫機能で差別化商品を小ロット・短納期・在庫レスで製造する独自のViscotecs®システムに注目が集まっております。このような環境のもと、BtoC事業においては、バーチャル試着で多様な消費者ニーズに対応し“あなただけの一着”をお届けする「Viscotecs make your brand®」事業の展開に先行費用を投じております。当期より、BtoB事業においても同様のビジネスモデルでの店頭販売がスタートしました。また、インナー向けBtoB事業においては、当社グループのニッティング技術と加工技術を駆使した差別化素材の販売が堅調に推移しました。しかしながら、アパレル市場全体は依然厳しい状況にあり、セグメント全体では、前年同期比で減収・減益となりました。当事業の売上高は60億21百万円(前年同期比3.2%減)、営業利益は1億85百万円(同39.2%減)となりました。
エレクトロニクス事業では、繊維と金属の複合化技術により差別化を高めた導電性素材「プラット®」は、より付加価値を高めた部品化・製品化販売で、スマートフォン、タブレットやゲーム機への採用拡大が進んでおります。また、ビスコテックス・システム販売事業では、システム本体およびサプライ商品が売上高を伸ばしました。KBセーレン㈱では、スーパー繊維の「ゼクシオン®」の用途展開が順調に進んでおり、今後の受注拡大に対応するべく、生産能力の増強に着手しております。なお、前連結会計年度末に連結子会社となったケイ・エス・ティ・ワールド㈱の業績が、新たに当エレクトロニクスセグメントに加わっております。当事業の売上高は28億53百万円(前年同期比52.3%増)、営業利益は5億66百万円(同25.0%増)となりました。
環境・生活資材事業では、新設住宅着工戸数が弱含みで推移するなか、当セグメント主力のハウジング資材事業では、優れた省エネ性能をもつ遮熱型ハウスラップ材や遮熱・高止水型ルーフィング材をはじめ、当社グループ独自の差別化商品群が売上高を伸ばしました。また、新たな事業領域である環境・土木分野においては、独自の繊維技術により商品化した防草シート「グラスガード®」の業界認知度を高め、さらなる販路拡大に取り組んでおります。健康・介護事業では、快適機能性を高めた新製品の販売が伸びております。当事業の売上高は21億28百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益は2億49百万円(同0.6%増)となりました。
メディカル事業では、当社の独自技術で商品化した、繭から生まれた天然成分「ピュアセリシンTM」配合のコモエース化粧品は、自社サイトや百貨店に加え、セレクトショップなどの常設店舗における販売強化を進めており、順調に売上高を伸ばしました。卓越した消臭機能を持つアンダーウエアシリーズ「デオエスト®」は、顧客ニーズにマッチした新商品投入を継続しつつ、メディア展開をはじめとするプロモーションに注力し販売拡大を進めております。また医療資材分野では、KBセーレン㈱の「エスパンシオーネ®」(特殊原糸)やグループ一貫機能を活かした差別化商品が売上高を伸ばしましたが、薬価改定の影響等により、一部の医療用製品において売上高の減少がありました。当事業の売上高は14億22百万円(前年同期比8.1%減)、営業利益は3億83百万円(同7.1%増)となりました。
その他の事業では、㈱ナゴヤセーレンの不動産賃貸管理事業やセーレン商事㈱の保険代理業が堅調に推移しました。当事業の売上高は2億36百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は1億27百万円(同2.2%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して68百万円減少の1,266億78百万円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金が減少した一方で現金及び預金や棚卸資産が増加し、前連結会計年度末と比較して1億78百万円の増加となりましたが、固定資産は、保有有価証券の時価評価により投資有価証券が減少したことなどにより、前連結会計年度末と比較して2億47百万円減少しました。負債の部は、借入金の純増がありましたが、賞与引当金や未払法人税等の減少などにより、6億58百万円減少し、505億56百万円となりました。純資産は、自己株式の取得やその他有価証券評価差額金の減少がありましたが、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加などにより、全体で5億89百万円増加し、761億21百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は141億22百万円となり、前連結会計年度末より19億35百万円増加しました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、32億42百万円の収入(前年第1四半期連結累計期間は17億31百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益26億33百万円、減価償却費12億52百万円、売上債権の減少25億5百万円などによるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、10億6百万円の支出(前年第1四半期連結累計期間は10億4百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8億44百万円などによるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、5億45百万円の支出(前年第1四半期連結累計期間は15億18百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の純増による収入11億1百万円、自己株式の取得3億13百万円、配当金の支払による支出11億30百万円などによるものです。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境、及び対処すべき課題等について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は13億37百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画は以下のとおりであります。
会社名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定額(百万円)着手
年月
完成予定
年月
完成後の
増加能力
総額既支払額
KBセーレン株式会社北陸合繊工場(福井県
鯖江市)
車輌資材ハイファッション
エレクトロニクス環境・生活資材
メディカル
特高受電設備更新5652019年
6月
2021年
7月
特高トランス容量15000kVA×2基
世聯汽車内飾(蘇州)有限公司中国江蘇省蘇州市車輌資材自動車内装材生産設備5612019年
7月
2020年
1月
20万m/月

なお、当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。