有価証券報告書-第154期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 10:22
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(1)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国の通商・経済政策の動向や地政学リスクの高まり等により、物価上昇やエネルギー・原材料価格の高止まり、為替相場が円安水準で推移するなか、景気の下振れリスクが継続し、依然として先行き不透明な状況となりました。
このような厳しい経営環境においても、当社グループは、中期方針「未知の可能性への挑戦!」に基づき、変化し続けるお客様ニーズに応え、安定した収益確保と継続的な成長を果たすため、“イノベーションと顧客開発”及び“企業体質の再建”を柱とした事業戦略を推進しております。併せて、企業の潜在力である人材力、開発力、環境対応力を高める経営を継続し、企業体質の強化に取り組んでおります。
当連結会計年度の連結業績は、売上高1,717億65百万円(前連結会計年度比7.6%増)、営業利益208億32百万円(同16.6%増)、経常利益220億5百万円(同14.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益155億99百万円(同12.3%増)となりました。売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を更新しました。なお、当連結会計年度の連結業績には、2026年1月に連結子会社としたNBセーレン㈱の業績が反映されております。
当連結会計年度のセグメントの概況は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を一部変更しております。以下は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。
(車輌資材事業)
国内事業について、カーシート材は、前年の国内自動車メーカーの生産停止により落ち込んでいた受注が回復し、増収・増益となりました。
海外事業(2025年1~12月)について、アメリカでは、前年に一部商材が好調であった反動から売上が減少しました。一方、メキシコでは新規車種立上げに伴い受注が拡大しました。アジア地域ではファブリック及び合皮によるカーシート材の売上が増加しました。また、各拠点における品質改善や経費削減活動が功を奏し、海外事業は増収・増益となりました。
なお、NBセーレン㈱の自動車向け資材等が当セグメントに加わりました。
以上により、車輌資材事業全体では増収・増益となりました。
当事業の売上高は1,152億58百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業利益161億99百万円(同16.1%増)となりました。
(ハイファッション事業)
アパレル業界において環境に配慮したモノづくりへの関心が高まるなか、当社は差別化商品を小ロット・短納期・在庫レスで製造する独自の「Viscotecs®」を活用したビジネスモデルの展開に加え、リサイクル素材や生分解性素材の開発・製造を進めております。
単体では、スポーツやアウトドア向け素材が好調に推移しましたが、ファッション衣料は伸び悩みました。KBセーレン㈱においては、不採算商品の見直しを行ったことにより、増収・増益となりました。その他、世聯美仕生活用品(上海)有限公司におけるスポーツウェアの販売が低調に推移しました。
以上により、ハイファッション事業全体では減収・減益となりました。
当事業の売上高は213億24百万円(前連結会計年度比0.1%減)、営業利益14億11百万円(同0.6%減)となりました。
(エレクトロニクス事業)
ゲーム機やモバイル端末向け商材が順調に推移したほか、人工衛星の売上が寄与したこと等により、単体では増収・増益となりました。KBセーレン㈱においては、海外半導体メーカー向け防塵衣用導電糸「ベルトロン」やデータセンター・半導体市場向け光ファイバーコネクタ清掃用資材が順調に推移しました。
また、セーレンアドバンストマテリアルズ㈱においては、海外を主としてシリコンウェーハの酸化膜加工(厚膜・薄膜)の販売が順調に推移しました。
以上により、エレクトロニクス事業全体では増収・増益となりました。
当事業の売上高は133億88百万円(前連結会計年度比21.9%増)、営業利益は30億86百万円(同67.2%増)となりました。
(環境・生活資材事業)
病院・介護施設向けベッド商材については、厚生労働省の病床数適正化支援事業等の影響により、売上が減少しました。また、ハウジング関連では住宅着工戸数減少の影響を受け、住宅向け資材が苦戦しました。一方、KBセーレン㈱では民生資材の売上が回復したほか、NBセーレン㈱の産業資材向け繊維や不織布等が当セグメントに加わりました。
以上により、環境・生活資材事業全体では増収・増益となりました。
当事業の売上高は132億84百万円(前連結会計年度比32.9%増)、営業利益は10億33百万円(同4.9%増)となりました。
(メディカル事業)
サポーター等の健康・医療資材が堅調に推移した一方、水処理関連資材は前年の反動により売上が減少しました。KBセーレン㈱においては、絆創膏用途の「エスパンシオーネ」の売上が増加した一方、貼付材は売上が増加したものの、商品構成の変化に伴う利益率低下の影響を受け、全体としては減益となりました。また、セーレン商事㈱の医療システム販売は、前年の好調の反動で売上が伸び悩みました。なお、NBセーレン㈱の貼付材向け短繊維等が当セグメントに加わりました。
以上により、メディカル事業全体としては減収・増益となりました。
当事業の売上高は66億76百万円(前連結会計年度比1.6%減)、営業利益は7億39百万円(同7.0%増)となりました。
(その他の事業)
テナント事業において建物修繕費を計上したことにより、単体では減益となりました。一方、㈱ナゴヤセーレンの不動産賃貸管理事業やセーレン商事㈱の保険代理業は堅調に推移しました。また、NBセーレン㈱の包装フィルム、容器類向け原料販売等が当セグメントに加わりました。
以上により、その他事業全体としては増収・増益となりました。
当事業の売上高は18億32百万円(前連結会計年度比152.0%増)、営業利益は5億58百万円(同7.9%増)となりました。
② 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して247億3百万円増加の2,239億26百万円となりました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産増加等により、前連結会計年度末と比較して26億18百万円の増加となりました。固定資産は、投資有価証券の増加に加え、NBセーレン㈱を新規連結したこと等により有形固定資産が増加し、前連結会計年度末と比較して220億84百万円の増加となりました。
(負債の部)
負債の部は、繰延税金負債の増加や企業結合に係る特定勘定を計上したこと等により全体で67億98百万円増加し、621億39百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は、為替換算調整勘定の変動や利益剰余金の増加等により、全体で179億4百万円増加し、1,617億87百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は341億98百万円となり、前連結会計年度末より61億18百万円減少しました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、177億71百万円の収入(前連結会計年度は205億38百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益223億42百万円があった一方、法人税等の支払額73億51百万円があったこと等によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、194億53百万円の支出(前連結会計年度は118億10百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出103億48百万円や連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出75億39百万円があったことによるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、56億80百万円の支出(前連結会計年度は78億2百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の純減による支出11億17百万円、配当金の支払いによる支出45億58百万円があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
車輌資材55,9323.9
ハイファッション13,5415.4
エレクトロニクス8,24720.9
環境・生活資材5,24199.6
メディカル3,8119.0
その他484
合計87,2599.6

(注) 1. 当社企業集団の各事業は、素材の支給を受けて委託加工を行う事業と素材を仕入れて加工を行い販売する事業から成り、各々の加工高を生産実績としております。
2. セグメント間の取引については、内部振替前の数値によっております。
b. 受注状況
当社及び連結子会社は、受注生産形態をとらない製品が多いため、セグメントごとに受注状況は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
車輌資材115,2585.0
ハイファッション21,324△0.1
エレクトロニクス13,38821.9
環境・生活資材13,28432.9
メディカル6,676△1.6
その他1,832152.0
合計171,7657.6

(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える相手先がいないため、主な相手先に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績の分析
(売上高と営業利益)
当連結会計年度の売上高と営業利益の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要① 経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上高原価率は72.6%と前連結会計年度比0.2ポイントの上昇、また、売上高営業利益率は12.1%と前連結会計年度比0.9ポイントの上昇となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は11億72百万円の利益となり、前連結会計年度の14億11百万円の利益から2億38百万円減少しました。これは、有価証券評価損が4億17百万円減少した一方で、補助金収入が2億10百万円減少したことや、為替差益が2億5百万円減少したことなどによるものです。この結果、経常利益は220億5百万円となり、前連結会計年度比27億28百万円(14.2%)の増益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は3億36百万円の利益となり、前連結会計年度の28百万円の利益から3億8百万円の増加となりました。これは、投資有価証券売却益を4億63百万円計上したことなどによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益の220億5百万円に特別損益の利益3億36百万円を加えた結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は223億42百万円となりました。ここから税金費用66億72百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益70百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は155億99百万円となり、前連結会計年度比17億11百万円(12.3%)の増益となりました。この結果、1株当たり当期純利益は265円48銭となり、前連結会計年度の242円29銭から23円19銭増加しました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当連結会計年度のフリー・キャッシュフローは16億82百万円の支出となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、海外子会社を中心とした生産能力増強やエネルギー転換などの環境対応のための設備投資であります。
当社グループは、事業の拡大や新規事業構築のための戦略的設備投資、グローバル化投資、研究開発投資及びM&A等に資金を機動的に活用するとともに、リスクを許容できる十分な株主資本の水準を保持することを基本方針としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるとともに、不足分については、基本的に銀行借り入れによる調達を実施しております。
なお、キャッシュ・フロー等に関する主要指標の推移は、下記のとおりであります。
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
2026年
3月期
自己資本比率(%)58.262.366.071.771.8
時価ベースの自己資本比率(%)76.874.481.472.181.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)3.12.01.40.50.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ310.9340.4146.774.7147.8

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しています。
3. 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、短期借入金、長期借入金及び新株予約権付社債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しています。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの会計方針のうち、見積り等の重要性が高いものは以下のとおりです。
(固定資産及びのれんの減損会計における将来キャッシュ・フロー)
固定資産及びのれんのうち減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、固定資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。この回収可能価額については、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローによる見積りに依存するため、経営環境の変化等によりその見積り額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
なお、減損会計に係る会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
(繰延税金資産の回収可能性)
将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を評価した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績及び事業計画等に基づいて見積っておりますが、税制改正や経営環境の変化等によりその見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載のとおりです。
⑤ 目標とする経営指標の達成状況等
当社及び当社グループは、グループトータルの企業価値を最大にするための連結経営を基本としております。その目標とする連結経営指標は、売上高営業利益率10%以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目標としております。さらには、ROA(総資産事業利益率)、自己資本比率、キャッシュ・フローなどを念頭に、企業価値を高めるための経営を行ってまいります。
なお、当連結会計年度の連結売上高営業利益率は12.1%(前連結会計年度11.2%)、ROEは10.3%(同10.4%)となりました。

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