有価証券報告書-第146期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/21 10:58
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(1)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調が続き、個人消費についても堅調に推移しました。世界経済は、成長が鈍化する新興国経済や先進諸国の政策動向など、今後の先行きについては、引き続き注視が必要な状況にあります。
そのような環境の中、当社グループでは、「21世紀型企業への変革!」を中期方針に掲げ、変化し続ける経営環境においても、常にお客様のニーズに応え、かつ安定した収益確保と継続的な成長を果たすため、“新規事業の創出”と“グローバル事業の拡大”を柱とした中期事業戦略を推進しております。併せて、戦略遂行に必要な人材育成や組織機能の拡充、さらには生産性向上・業務の効率化改善、徹底した経費削減などによる収益力強化を図り、企業体質の強化に取り組んでおります。
当連結会計年度の連結業績は、売上高1,147億73百万円(前連結会計年度比6.2%増)、営業利益107億73百万円(同11.7%増)、経常利益105億68百万円(同2.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益69億31百万円(同1.3%減)となりました。売上高、営業利益、経常利益とも6期連続の増加となり、売上高は10期ぶりに過去最高を更新し、営業利益、経常利益においては3期連続で最高益を更新しました。なお、当連結会計年度において、米国税制改正等に伴い、米国子会社Seiren U.S.A. Corporationで一時的な税金費用が発生したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は2億42百万円押し下げられました。
当連結会計年度のセグメントの概況は、次のとおりであります。
車輌資材事業では、国内事業では、新車販売が堅調に推移する中、“革を超える新素材”「クオーレ®」や瞬間消臭機能の「イノドール®」、防汚機能の「エラッセ®」、ステアリング用の夏冬快適素材「クオーレモジュレ®S」などの快適な車輌の室内空間を実現する高付加価値商品群や、ビスコテックス加飾パネル等が順調に推移しました。しかしながら、一方で一時的なエアバッグの受注減などの影響を受け、国内事業は前期比で減益となりました。海外事業においては、タイのエアバッグ事業が苦戦しましたが、米国と中国において自動車販売台数が順調に推移したことや、「クオーレ®」をはじめとする差別化商品が大きく売上を伸ばしたことが寄与し、海外事業全体では増収・増益を達成することができました。また、海外において、2013年末にインド、インドネシア、2015年に河北(中国)、そして2016年にメキシコと、順次、新たな拠点を立ち上げてきましたが、今後の増産対応に向けて、蘇州とメキシコに“革を超える新素材”「クオーレ®」の生産ラインを増設、さらに、河北にエアバッグ工場を建設し、稼動を開始しております。当事業の売上高は671億91百万円(前連結会計年度比9.0%増)、営業利益66億80百万円(同10.9%増)となりました。
ハイファッション事業では、国内事業では、消費者の節約志向は依然強く、当社グループの主要顧客である国内アパレルブランドを取り巻く環境は厳しい状況が続いております。当社グループのファッション衣料向けテキスタイルおよび製品販売事業においては、「VISCOTECS®」等身大CAD上で具体的な製品イメージを描きながら企画した差別化デザインを、糸から縫製までのグループ一貫機能と結び付けて小ロット・短納期・在庫レスで最適生産を行うなど、お客様のニーズに対応し健闘してきました。また、当社グループのニッティング技術と加工技術を駆使したインナー衣料向け差別化素材の製造・販売も堅調に推移しております。今後さらに拡大する市場ニーズに対応すべく、目下、国内工場および海外子会社のSaha Seiren Co., Ltd.(タイ)において独自編機の増設を進め、生産能力の増強に着手しております。しかしながら、セグメント全体においては、国内市場の消費マインド低迷の影響を受け、数量ダウンをカバーするにまで至らず、前期比で減収・減益となりました。当事業の売上高は248億68百万円(前連結会計年度比4.1%減)、営業利益は7億50百万円(同29.0%減)となりました。
エレクトロニクス事業では、繊維と金属の複合化技術により差別化を高めた導電性素材「プラット®」は、より付加価値を高めるべく部品化・製品化を進めております。新たに、スマートフォン、タブレットやゲーム機への採用が増加し、特に薄型電極材が大きく売上高を伸ばしました。KBセーレン㈱では、高性能ワイピングクロス「ザヴィーナ®」が堅調に推移し、スーパー繊維の「ゼクシオン®」および「グラディオ®」についても用途開発の進捗とともに採用件数が増えております。また、繊維機械の製造販売事業を展開する世聯電子(蘇州)有限公司(中国)においては、高性能差別化機種の販売拡大が進み、増収・増益となりました。当事業の売上高は79億10百万円(前連結会計年度比29.1%増)、営業利益は18億59百万円(同84.6%増)となりました。
環境・生活資材事業では、新設住宅着工戸数は昨年比微減となる中、当セグメント主力のハウジング資材事業では、優れた省エネ性能をもつ遮熱型ハウスラップ材や遮熱・高止水型ルーフィング材をはじめ、当社グループ独自の差別化商品群が売上高を伸ばしました。また、新たな事業領域である環境・土木分野においては、独自の繊維技術により商品化した防草シート「グラスガード®」は業界認知度を増し、さらなる販売拡大を進めております。
健康・介護事業では、昨年来続いておりました診療報酬の改定に伴う施設等での商品買い控えの動向が弱まり、新規案件獲得により増収・増益となりました。当事業の売上高は75億23百万円(前連結会計年度比6.4%増)、営業利益は8億42百万円(同22.9%増)となりました。
メディカル事業では、当社の独自技術で商品化した、繭から生まれた天然成分「ピュアセリシンTM」配合のコモエース化粧品は、自社サイトや百貨店に加え、セレクトショップなどの常設店舗における販売強化を進めております。また、新商品「COMOシリーズ」を発売し、ラインナップを拡充。新たな消費者層への訴求を進めております。卓越した消臭機能を持つアンダーウエアシリーズ「デオエスト®」は、さらなる売上高拡大を図るため、顧客ニーズにマッチした新商品投入を継続しつつ、メディア展開を始めとするプロモーションに注力し販売拡大を進めております。また医療資材分野では、KBセーレン㈱の差別化原糸をはじめとするグループ一貫機能を活かした差別化商品が売上高を伸ばしましたが、薬価改定の影響により、一部の医療用製品において既存品の受注減少がありました。当事業の売上高は63億62百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は15億60百万円(同1.9%減)となりました。
その他の事業では、㈱ナゴヤセーレンの不動産賃貸管理事業やセーレンコスモ㈱の人材派遣事業が堅調に推移しました。当事業の売上高は9億17百万円(前連結会計年度比6.2%減)、営業利益は5億18百万円(同4.3%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は132億22百万円となり、前連結会計年度末より10億18百万円増加しました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、109億83百万円の収入(前連結会計年度は119億35百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益102億52百万円、減価償却費47億51百万円などによるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、86億8百万円の支出(前連結会計年度は26億69百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出69億33百万円などによるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、14億34百万円の支出(前連結会計年度は57億68百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出19億86百万円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
車輌資材27,4524.7
ハイファッション15,001△3.1
エレクトロニクス4,56421.3
環境・生活資材1,7431.8
メディカル2,845△11.0
その他
合計51,6082.4

(注) 1. 当社企業集団の各事業は、素材の支給を受けて委託加工を行う事業と素材を仕入れて加工を行い販売する事業から成り、各々の加工高を生産実績としております。
2. セグメント間の取引については、内部振替前の数値によっております。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当社及び連結子会社は、受注生産形態をとらない製品が多いため、セグメントごとに受注状況は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
車輌資材67,1919.0
ハイファッション24,868△4.1
エレクトロニクス7,91029.1
環境・生活資材7,5236.4
メディカル6,3620.5
その他917△6.2
合計114,7736.2

(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える相手先がいないため、主な相手先に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
(売上高と営業利益)
当連結会計年度の売上高は、1,147億73百万円で前連結会計年度比66億65百万円(6.2%)の増収となりました。これは、北米や中国を中心とした自動車需要の増加や高付加価値商品群が売上高を伸ばした車輌資材事業、並びに、スマートフォン、タブレットやゲーム機向け導電性素材の採用が増加し、特に薄型電極材が大きく売上高を伸ばしたエレクトロニクス事業の増収などによります。
当連結会計年度の営業利益は、107億73百万円で前連結会計年度比11億25百万円(11.7%)の増益となりました。車輌資材事業をはじめとする売上高増に加え、生産性向上や徹底した経費削減などが寄与しました。売上高原価率は72.5%と前連結会計年度比0.9ポイントの減少、また、売上高営業利益率は9.4%と前連結会計年度比0.5ポイントの増加となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は2億5百万円の損失となり、前連結会計年度の6億34百万円から8億39百万円の減少となりました。これは、海外子会社において保有外貨の評価損が発生したことなどにより、為替差損が6億95百万円となり、為替差益が発生していた前連結会計年度と比較して9億22百万円の減少となったことなどによります。この結果、経常利益は105億68百万円と、前連結会計年度比2億85百万円(2.8%)の増益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は3億16百万円の損失となり、前連結会計年度の1億79百万円の損失から1億36百万円の減少となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益の105億68百万円に特別損益の損失3億16百万円を減じた結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は102億52百万円となりました。ここから税金費用32億94百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益26百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は69億31百万円となり、前連結会計年度比94百万円(1.3%)の減益となりました。この結果、1株当たり当期純利益は115円98銭となり、前連結会計年度の117円57銭から1円59銭減少しました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b. 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は、受取手形及び売掛金などの流動資産が増加し、前連結会計年度末と比較して、全体で97億66百万円増加の1,223億54百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の部は、支払手形及び買掛金などの流動負債の増加により、33億9百万円増加し、445億22百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金の増加などにより64億56百万円増加し、778億32百万円となりました。
c. キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当連結会計年度のフリー・キャッシュフローは23億75百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、海外子会社を中心とした生産能力増強のための設備投資であります。
当社グループは、事業の拡大や新規事業構築のための戦略的設備投資、グローバル化投資、研究開発投資及びM&A等に資金を機動的に活用するとともに、リスクを許容できる十分な株主資本の水準を保持することを基本方針としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるとともに、自己資金を効率的に活用しております。
なお、キャッシュ・フロー等に関する主要指標の推移は、下記のとおりであります。
平成26年
3月期
平成27年
3月期
平成28年
3月期
平成29年
3月期
平成30年
3月期
自己資本比率(%)56.460.260.262.862.9
時価ベースの自己資本比率(%)49.758.667.988.297.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.01.71.40.91.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ60.478.3127.4175.1201.9

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しています。
3. 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、短期借入金及び長期借入金を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しています。
d. 目標とする経営指標の達成状況等
当社および当社グループは、グループトータルの企業価値を最大にするための連結経営を基本としております。その目標とする連結経営指標は、売上高営業利益率10%以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目標としております。さらには、ROA(総資産事業利益率)、自己資本比率、キャッシュ・フローなどを念頭に、企業価値を高めるための経営を行ってまいります。
なお、当連結会計年度の連結売上高営業利益率は9.4%(前連結会計年度 8.9%)、ROEは9.4%(同10.2%)でした。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

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