有価証券報告書-第119期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、第4四半期から大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。先行きについては、ウイルスの終息時期が不明なこともあり、感染症の影響により当面の間は厳しい状況が想定され、国内外の経済をさらに下振れさせるリスクが懸念されております。同時に消費税率引上げ後の消費者マインドの動向なども、依然として不透明な状態が続いております。首都圏分譲マンション市場におきましては、低金利や住宅支援策が継続されているものの、先行き不安からの買い控え並びに外出自粛要請によるマンションギャラリー見学者の減少等から、来期事業計画にも影響を与えかねない状況です。
当社グループにおきましては、「Challenge & Ambition」を経営理念に掲げ、長期的な視点から将来の可能性を展望し、新たな価値の創造と極大化に挑戦、全てのステークホルダーにベネフィットをもたらす戦略を追求してきました。その理念のもとマンション分譲事業においては従来からの個別分譲のほか、一棟売却による販売手法を実行しました。太陽光発電事業につきましては、開発期間を経て各プロジェクトが稼働しキャッシュ・フローに寄与しております。また、当初の事業計画通りに当社最大規模となる成田神崎PJ(24MWh)が竣工する一方、利益最大化のタイミングで太陽光発電所を売却することにより、開発利益を実現する等、堅調に推移しております。バイオマス発電関連事業につきましては、2020年2月にロシアの木質ペレット製造工場の主要設備が完成し、3月には最短12年間の長期供給契約を締結しました。
また当連結会計年度においては、前連結会計年度の主な赤字要因となった海外子会社であるPJFの解散及び清算に着手し、株式運用業務としてのアセットマネジメント事業から撤退しました。なお、同社が保有していた有価証券のうち2銘柄については公開買付応募及び市場での売却により適切に処分を進めました。
この結果、当連結会計年度の財政状況及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ19億90百万円減少して297億64百万円となりました。
当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ6億21百万円減少して143億94百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ13億69百万円減少して153億69百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は67億31百万円(前連結会計年度は63億25百万円)、営業損失は12億81百万円(前連結会計年度は66億53百万円の営業損失)、経常損失は4億35百万円(前連結会計年度は67億80百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億37百万円(前連結会計年度は84億45百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお当社グループでは、マンション分譲等の国内での不動産販売事業の他、再生可能エネルギー事業及び海外における不動産関連事業への取組みも主要な事業ポートフォリオとしておりますが、これら事業への取組形態から、その損益は売上高ではなく営業外収益又は営業外費用或いは特別利益又は特別損失として計上されるものがあります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(不動産販売事業 マンション分譲)
主に首都圏において自社開発マンション「グローベルマンション」の建設分譲を行っております。
当連結会計年度においては、「ザ・グローベル 石神井公園」(全21戸)をはじめ、「グローベルマンション」3棟、70戸を竣工いたしました(前連結会計年度は3棟、111戸の竣工)。
販売状況につきましては、当連結会計年度において45戸、20億16百万円の新規契約(前連結会計年度は103戸、42億71百万円)を行うとともに、前期契約分を含め56戸を引渡し、売上高は26億2百万円、セグメント利益は20百万円を計上しております(前連結会計年度は96戸、38億29百万円の売上高、3億21百万円のセグメント利益)。
(不動産販売事業 土地建物)
宅地及び戸建住宅の販売や建物の一棟販売等を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において区分所有マンションのリノベーション再販1戸(専有面積176.58㎡)2億12百万円の新規契約(前連結会計年度はマンション一棟(全37戸、総専有面積1,508.01㎡)19億50百万円)を行うとともに、前期契約分を含め売上高は19億67百万円、セグメント利益は3億68百万円を計上しております(前連結会計年度の販売実績はありません)。
(不動産販売事業 注文住宅)
山形県を主な事業エリアとして、戸建住宅の建築請負やリフォーム工事等を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において47棟、12億76百万円の新規契約(前連結会計年度は78棟、21億4百万円)を行うとともに、前期契約分を含め65棟を引渡し、売上高は20億44百万円、セグメント利益は71百万円を計上しております(前連結会計年度は58棟、20億98百万円の売上高、69百万円のセグメント利益)。(リフォーム等を含む。)
(アセットマネジメント事業)
日本株式の運用及び調査業務、不動産投資助言代理業務及び不動産投資を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において売上高は△10億10百万円、セグメント損失は11億73百万円を計上しております(前連結会計年度は△58億85百万円の売上高、61億56百万円のセグメント損失)。
なお当社グループは、当連結会計年度において、株式運用業務としてのアセットマネジメント事業から撤退をしております。
(再生可能エネルギー事業)
太陽光発電による電気の販売及び発電所の開発、バイオマス発電関連事業等を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において売上高は10億99百万円、セグメント利益は2億91百万円を計上しております(前連結会計年度は5億69百万円の売上高、65百万円のセグメント利益)。
(その他)
不動産賃貸事業が主であり、当社が所有しているマンション等を賃貸しております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において売上高は19百万円、セグメント利益は8百万円を計上しております(前連結会計年度は45百万円の売上高、16百万円のセグメント利益)。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの「現金及び現金同等物」(以下「資金」という。)は、50億円と前連結会計年度末に比べ49百万円(1.0%)の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、12億18百万円の減少となりました(前連結会計年度は38億57百万円の減少)。これは、税金等調整前当期純利益を計上したものの、関係会社出資金売却益の計上や、未払金及び仕入債務の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、14億43百万円の減少となりました(前連結会計年度は32億79百万円の減少)。これは、関係会社出資金売却による収入があったものの、再生可能エネルギー事業の太陽光発電事業における設備投資資金の支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、26億59百万円の増加となりました(前連結会計年度は16億3百万円の増加)。これは、不動産販売事業並びに再生可能エネルギー事業における事業資金等として借入金の新規調達を行ったこと等によるものであります。
③契約及び販売の実績
契約及び販売の実績については、「経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次のとおりであります。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ19億90百万円減少して297億64百万円となりました。これは、再生可能エネルギー事業における設備投資に係る有形固定資産の増加等があったものの、保有する有価証券の売却や時価の下落等による減少、及び不動産販売事業における販売の進捗によりたな卸資産が減少したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ6億21百万円減少して143億94百万円となりました。これは、マンション分譲事業や再生可能エネルギー事業における工事代金や諸経費の支払いに伴う工事未払金等の買掛債務の減少、及び不動産販売事業における不動産の引渡に伴う契約手付金(前受金)の減少等であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ13億69百万円減少して153億69百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したものの、一部の連結子会社を連結の範囲から除外したことに伴う非支配株主持分の減少、及び保有する有価証券の時価の下落等によるその他有価証券評価差額金の減少等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、不動産販売事業において66億14百万円(マンション分譲で26億2百万円、土地建物で19億67百万円、注文住宅で20億44百万円)、アセットマネジメント事業において△10億2百万円、再生可能エネルギー事業において10億99百万円、その他において19百万円を計上し、全体では67億31百万円を計上いたしました(前連結会計年度は63億25百万円の売上高)。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損益は、不動産販売事業において4億60百万円の営業利益(マンション分譲で20百万円、土地建物で3億68百万円、注文住宅で71百万円)、アセットマネジメント事業において11億73百万円の営業損失、再生可能エネルギー事業において2億91百万円の営業利益、その他において8百万円の営業利益を計上したものの、報告セグメントに帰属しない一般管理費等の費用8億72百万円があり、全体では12億81百万円の営業損失となりました(前連結会計年度は66億53百万円の営業損失)。
(経常損益)
当連結会計年度の経常損益は、営業外収益における、貸付金等に係る受取利息や株式の受取配当金3億21百万円の計上やハワイの出資プロジェクトにおける運用益1億円、貸付債権に係る償却債権取立益1億35百万円及び貸倒引当金戻入額5億60百万円の計上、営業外費用における、金融機関からの借入金に係る支払利息1億91百万円及び借入手数料1億24百万円の計上等により、4億35百万円の経常損失となりました(前連結会計年度は67億80百万円の経常損失)。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、特別利益における、太陽光発電所の売却に伴う関係会社出資金売却益6億94百万円の計上や保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益4億円の計上、特別損失における、アセットマネジメント事業からの撤退に伴う海外子会社の清算による関係会社清算損4億34百万円の計上等により、2億37百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました(前連結会計年度は84億45百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)。
3)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社グループでは、繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況や経済への影響によっては、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、従来のマンション分譲単独事業から、M&Aによりハウスビルダー、建設業、投資顧問業、投資ファンドを子会社化することによるグループ経営に大きく舵を切ってまいりましたが、併せて本体においても海外不動産事業及び再生可能エネルギー事業を展開する多角化戦略を実行してまいりました。
しかしながら、前連結会計年度において多額の評価損などを計上しましたので、当連結会計年度においては各事業におけるそれぞれのリスク、課題及び方針等について再考し、新たに2021年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。
まずマンション分譲事業は、当社のもともとの本業であり、良質な住まいを提供するという社会的意義の大きい事業であるとともに、経済環境によっては十分な利潤を得ることのできる事業であると考えております。しかしながら、本事業は土地などの原価を計上したまま開発に2年内外の期間を要することから、資産減少リスクを負うビジネスモデルでもあります。また、昨今の市場環境においては原価となる土地及び建物関連コストが高騰しており、相応の市場リスクが発生しているため、十分な商品準備の確保は難しい局面にあります。従いまして、引続き当面の間は採算確保に注視しつつ慎重に対応していく方針に加え、分譲専業のほか一棟売却による事業手法の多様化及び周辺分野や新商品開発などへの参入など、不動産事業として一新いたします。
次にアセットマネジメント事業は、前連結会計年度の損失の主たる要因でありましたので、子会社のPJFを解散及び清算し、保有していた有価証券4銘柄はすべて当社に移管し、当連結会計年度中において2銘柄の処分を適宜進めました。
再生可能エネルギー事業における太陽光発電事業については、セカンダリー案件で1プロジェクト、開発案件で1プロジェクトの発電所用地を仕入れました。その結果、当連結会計年度中において11プロジェクト(当社出資持分ベース約42.6MW)が運転開始済み、2プロジェクト(当社出資持分ベース約12.5MW)が開発進捗中となり、キャッシュフローも当初の想定どおり着実に増額しております。また2020年3月には当初の計画どおり利益最大化のタイミングで、11プロジェクトのうち5プロジェクトを売却することで開発利益を実現し、獲得した資金は新たなプロジェクト資金として活用いたします。
再生可能エネルギー事業におけるバイオマス発電関連事業については、2016年12月から着手していたロシアの木質ペレット(国内バイオマス発電用燃料)製造工場が2020年2月に主要設備が完成しました。さらに同年3月には、世界有数のエネルギー企業であるENGIE S.A.社のグループ会社(ENGIE ENERGY MANAGEMENT SCRL(以下「ENGIE EM」といいます。))と最短12年間の長期供給契約を締結し、2021年3月期第3四半期以降から安定供給が開始する予定となっております。また、ロシア以外においてもバイオマス燃料の新たな供給源を求めて、引き続き再生可能エネルギー事業の拡大を検討しております。ただし、これらの事業は新規の海外事業であるため相応のリスクを包含しております。このため、各事業内容に応じて専門家の知見を得ながら慎重かつ積極的に推進する所存であります。なお、これらの事業は大規模かつ長期的プロジェクトであるため、その成果を財務諸表に反映するためにはある程度の時間を要するものと考えております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産販売事業における土地仕入れ資金、及び再生可能エネルギー事業における太陽光発電所の敷地及び設備取得資金などがあります。これらの資金はLTV(総資産有利子負債比率)に幅がありますが、大部分を金融機関からの借り入れにより調達しております。
一方で、今後事業の拡大を予定している海外での再生可能エネルギー事業については、新規事業ということもあり、当面の間は自己資金で事業化を推進することを想定しております。当社グループの純資産は2020年3月期には、前年同期比で約13億円減少し約153億円に、また自己資本比率も前年同期50.7%から49.9%と前年に続き悪化いたしました。そのため自己資本の投資については資本効率を求めつつも、投資先及び投資事業内容の決議には知見のある専門家の意見も踏まえ、より一層投資判断を吟味してまいります。
このように、当社グループの自己資本を適時適切に投資することによりリターンの最大化を目指し、資本効率を追求することが当社の責務であると考えております。
以上のとおり、借入による調達と自己資金により事業を遂行してまいりますが、借入につきましては、現状は比較的低コストで調達できているものの、将来の金融環境によっては、コストを含む調達環境が大きく変わるリスクがあります。そのため、エクイティ調達は引き続き最も重要な資金調達手段と考えられるため、新株の発行を含め、更なる自己資本の充実に努めつつ有益な運用を進めることが資本政策の要諦と考えております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、資本効率の向上及び有効利用が大きな使命であると考えて、「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「株主資本利益率(ROE)」は1.5%(前年度は△40.2%)でした。一方で「総資産経常利益率(ROA)」は△1.4%(前年同期比17.3ポイント増加)でした。これは当連結会計年度における収益構造が特別利益に偏っていることによるものであります。当社では、太陽光発電についてはSPCを活用した開発スタイルを取っておりますが、この開発利益については会計処理上特別利益として計上することになります。こうした要因から今後もROEとROAの間にギャップが生じる可能性は大いにありますが、トータルで考えてこれら両指標の改善に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、第4四半期から大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。先行きについては、ウイルスの終息時期が不明なこともあり、感染症の影響により当面の間は厳しい状況が想定され、国内外の経済をさらに下振れさせるリスクが懸念されております。同時に消費税率引上げ後の消費者マインドの動向なども、依然として不透明な状態が続いております。首都圏分譲マンション市場におきましては、低金利や住宅支援策が継続されているものの、先行き不安からの買い控え並びに外出自粛要請によるマンションギャラリー見学者の減少等から、来期事業計画にも影響を与えかねない状況です。
当社グループにおきましては、「Challenge & Ambition」を経営理念に掲げ、長期的な視点から将来の可能性を展望し、新たな価値の創造と極大化に挑戦、全てのステークホルダーにベネフィットをもたらす戦略を追求してきました。その理念のもとマンション分譲事業においては従来からの個別分譲のほか、一棟売却による販売手法を実行しました。太陽光発電事業につきましては、開発期間を経て各プロジェクトが稼働しキャッシュ・フローに寄与しております。また、当初の事業計画通りに当社最大規模となる成田神崎PJ(24MWh)が竣工する一方、利益最大化のタイミングで太陽光発電所を売却することにより、開発利益を実現する等、堅調に推移しております。バイオマス発電関連事業につきましては、2020年2月にロシアの木質ペレット製造工場の主要設備が完成し、3月には最短12年間の長期供給契約を締結しました。
また当連結会計年度においては、前連結会計年度の主な赤字要因となった海外子会社であるPJFの解散及び清算に着手し、株式運用業務としてのアセットマネジメント事業から撤退しました。なお、同社が保有していた有価証券のうち2銘柄については公開買付応募及び市場での売却により適切に処分を進めました。
この結果、当連結会計年度の財政状況及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ19億90百万円減少して297億64百万円となりました。
当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ6億21百万円減少して143億94百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ13億69百万円減少して153億69百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は67億31百万円(前連結会計年度は63億25百万円)、営業損失は12億81百万円(前連結会計年度は66億53百万円の営業損失)、経常損失は4億35百万円(前連結会計年度は67億80百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億37百万円(前連結会計年度は84億45百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお当社グループでは、マンション分譲等の国内での不動産販売事業の他、再生可能エネルギー事業及び海外における不動産関連事業への取組みも主要な事業ポートフォリオとしておりますが、これら事業への取組形態から、その損益は売上高ではなく営業外収益又は営業外費用或いは特別利益又は特別損失として計上されるものがあります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 2018年4月1日から 2019年3月31日まで | 当連結会計年度 2019年4月1日から 2020年3月31日まで | ||
| 金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | |
| 千円 | % | 千円 | % | |
| 不動産販売事業 | ||||
| マンション分譲 | 3,829,005 | 60.5 | 2,602,299 | 38.7 |
| 土地建物 | - | - | 1,967,276 | 29.2 |
| 注文住宅 | 2,098,035 | 33.2 | 2,044,884 | 30.4 |
| アセットマネジメント事業 | △5,885,859 | △93.0 | △1,010,646 | △15.0 |
| 建設事業 | 6,226,073 | 98.4 | - | - |
| 再生可能エネルギー事業 | 569,504 | 9.0 | 1,099,475 | 16.3 |
| 計 | 6,836,759 | 108.1 | 6,703,288 | 99.6 |
| その他 | 45,333 | 0.7 | 19,751 | 0.3 |
| セグメント間取引消去 | △556,527 | △8.8 | 8,373 | 0.1 |
| 合計 | 6,325,565 | 100.0 | 6,731,412 | 100.0 |
(不動産販売事業 マンション分譲)
主に首都圏において自社開発マンション「グローベルマンション」の建設分譲を行っております。
当連結会計年度においては、「ザ・グローベル 石神井公園」(全21戸)をはじめ、「グローベルマンション」3棟、70戸を竣工いたしました(前連結会計年度は3棟、111戸の竣工)。
販売状況につきましては、当連結会計年度において45戸、20億16百万円の新規契約(前連結会計年度は103戸、42億71百万円)を行うとともに、前期契約分を含め56戸を引渡し、売上高は26億2百万円、セグメント利益は20百万円を計上しております(前連結会計年度は96戸、38億29百万円の売上高、3億21百万円のセグメント利益)。
(不動産販売事業 土地建物)
宅地及び戸建住宅の販売や建物の一棟販売等を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において区分所有マンションのリノベーション再販1戸(専有面積176.58㎡)2億12百万円の新規契約(前連結会計年度はマンション一棟(全37戸、総専有面積1,508.01㎡)19億50百万円)を行うとともに、前期契約分を含め売上高は19億67百万円、セグメント利益は3億68百万円を計上しております(前連結会計年度の販売実績はありません)。
(不動産販売事業 注文住宅)
山形県を主な事業エリアとして、戸建住宅の建築請負やリフォーム工事等を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において47棟、12億76百万円の新規契約(前連結会計年度は78棟、21億4百万円)を行うとともに、前期契約分を含め65棟を引渡し、売上高は20億44百万円、セグメント利益は71百万円を計上しております(前連結会計年度は58棟、20億98百万円の売上高、69百万円のセグメント利益)。(リフォーム等を含む。)
(アセットマネジメント事業)
日本株式の運用及び調査業務、不動産投資助言代理業務及び不動産投資を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において売上高は△10億10百万円、セグメント損失は11億73百万円を計上しております(前連結会計年度は△58億85百万円の売上高、61億56百万円のセグメント損失)。
なお当社グループは、当連結会計年度において、株式運用業務としてのアセットマネジメント事業から撤退をしております。
(再生可能エネルギー事業)
太陽光発電による電気の販売及び発電所の開発、バイオマス発電関連事業等を行っております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において売上高は10億99百万円、セグメント利益は2億91百万円を計上しております(前連結会計年度は5億69百万円の売上高、65百万円のセグメント利益)。
(その他)
不動産賃貸事業が主であり、当社が所有しているマンション等を賃貸しております。
販売状況につきましては、当連結会計年度において売上高は19百万円、セグメント利益は8百万円を計上しております(前連結会計年度は45百万円の売上高、16百万円のセグメント利益)。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの「現金及び現金同等物」(以下「資金」という。)は、50億円と前連結会計年度末に比べ49百万円(1.0%)の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、12億18百万円の減少となりました(前連結会計年度は38億57百万円の減少)。これは、税金等調整前当期純利益を計上したものの、関係会社出資金売却益の計上や、未払金及び仕入債務の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、14億43百万円の減少となりました(前連結会計年度は32億79百万円の減少)。これは、関係会社出資金売却による収入があったものの、再生可能エネルギー事業の太陽光発電事業における設備投資資金の支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、26億59百万円の増加となりました(前連結会計年度は16億3百万円の増加)。これは、不動産販売事業並びに再生可能エネルギー事業における事業資金等として借入金の新規調達を行ったこと等によるものであります。
③契約及び販売の実績
契約及び販売の実績については、「経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 構成比(%) | 金額(千円) | 構成比(%) | |
| 相互住宅株式会社 | - | - | 1,755,000 | 26.0 |
| 東京電力エナジーパートナー 株式会社 | 376,045 | 5.9 | 848,233 | 12.6 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ19億90百万円減少して297億64百万円となりました。これは、再生可能エネルギー事業における設備投資に係る有形固定資産の増加等があったものの、保有する有価証券の売却や時価の下落等による減少、及び不動産販売事業における販売の進捗によりたな卸資産が減少したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ6億21百万円減少して143億94百万円となりました。これは、マンション分譲事業や再生可能エネルギー事業における工事代金や諸経費の支払いに伴う工事未払金等の買掛債務の減少、及び不動産販売事業における不動産の引渡に伴う契約手付金(前受金)の減少等であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ13億69百万円減少して153億69百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したものの、一部の連結子会社を連結の範囲から除外したことに伴う非支配株主持分の減少、及び保有する有価証券の時価の下落等によるその他有価証券評価差額金の減少等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、不動産販売事業において66億14百万円(マンション分譲で26億2百万円、土地建物で19億67百万円、注文住宅で20億44百万円)、アセットマネジメント事業において△10億2百万円、再生可能エネルギー事業において10億99百万円、その他において19百万円を計上し、全体では67億31百万円を計上いたしました(前連結会計年度は63億25百万円の売上高)。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損益は、不動産販売事業において4億60百万円の営業利益(マンション分譲で20百万円、土地建物で3億68百万円、注文住宅で71百万円)、アセットマネジメント事業において11億73百万円の営業損失、再生可能エネルギー事業において2億91百万円の営業利益、その他において8百万円の営業利益を計上したものの、報告セグメントに帰属しない一般管理費等の費用8億72百万円があり、全体では12億81百万円の営業損失となりました(前連結会計年度は66億53百万円の営業損失)。
(経常損益)
当連結会計年度の経常損益は、営業外収益における、貸付金等に係る受取利息や株式の受取配当金3億21百万円の計上やハワイの出資プロジェクトにおける運用益1億円、貸付債権に係る償却債権取立益1億35百万円及び貸倒引当金戻入額5億60百万円の計上、営業外費用における、金融機関からの借入金に係る支払利息1億91百万円及び借入手数料1億24百万円の計上等により、4億35百万円の経常損失となりました(前連結会計年度は67億80百万円の経常損失)。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、特別利益における、太陽光発電所の売却に伴う関係会社出資金売却益6億94百万円の計上や保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益4億円の計上、特別損失における、アセットマネジメント事業からの撤退に伴う海外子会社の清算による関係会社清算損4億34百万円の計上等により、2億37百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました(前連結会計年度は84億45百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)。
3)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社グループでは、繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況や経済への影響によっては、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、従来のマンション分譲単独事業から、M&Aによりハウスビルダー、建設業、投資顧問業、投資ファンドを子会社化することによるグループ経営に大きく舵を切ってまいりましたが、併せて本体においても海外不動産事業及び再生可能エネルギー事業を展開する多角化戦略を実行してまいりました。
しかしながら、前連結会計年度において多額の評価損などを計上しましたので、当連結会計年度においては各事業におけるそれぞれのリスク、課題及び方針等について再考し、新たに2021年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。
まずマンション分譲事業は、当社のもともとの本業であり、良質な住まいを提供するという社会的意義の大きい事業であるとともに、経済環境によっては十分な利潤を得ることのできる事業であると考えております。しかしながら、本事業は土地などの原価を計上したまま開発に2年内外の期間を要することから、資産減少リスクを負うビジネスモデルでもあります。また、昨今の市場環境においては原価となる土地及び建物関連コストが高騰しており、相応の市場リスクが発生しているため、十分な商品準備の確保は難しい局面にあります。従いまして、引続き当面の間は採算確保に注視しつつ慎重に対応していく方針に加え、分譲専業のほか一棟売却による事業手法の多様化及び周辺分野や新商品開発などへの参入など、不動産事業として一新いたします。
次にアセットマネジメント事業は、前連結会計年度の損失の主たる要因でありましたので、子会社のPJFを解散及び清算し、保有していた有価証券4銘柄はすべて当社に移管し、当連結会計年度中において2銘柄の処分を適宜進めました。
再生可能エネルギー事業における太陽光発電事業については、セカンダリー案件で1プロジェクト、開発案件で1プロジェクトの発電所用地を仕入れました。その結果、当連結会計年度中において11プロジェクト(当社出資持分ベース約42.6MW)が運転開始済み、2プロジェクト(当社出資持分ベース約12.5MW)が開発進捗中となり、キャッシュフローも当初の想定どおり着実に増額しております。また2020年3月には当初の計画どおり利益最大化のタイミングで、11プロジェクトのうち5プロジェクトを売却することで開発利益を実現し、獲得した資金は新たなプロジェクト資金として活用いたします。
再生可能エネルギー事業におけるバイオマス発電関連事業については、2016年12月から着手していたロシアの木質ペレット(国内バイオマス発電用燃料)製造工場が2020年2月に主要設備が完成しました。さらに同年3月には、世界有数のエネルギー企業であるENGIE S.A.社のグループ会社(ENGIE ENERGY MANAGEMENT SCRL(以下「ENGIE EM」といいます。))と最短12年間の長期供給契約を締結し、2021年3月期第3四半期以降から安定供給が開始する予定となっております。また、ロシア以外においてもバイオマス燃料の新たな供給源を求めて、引き続き再生可能エネルギー事業の拡大を検討しております。ただし、これらの事業は新規の海外事業であるため相応のリスクを包含しております。このため、各事業内容に応じて専門家の知見を得ながら慎重かつ積極的に推進する所存であります。なお、これらの事業は大規模かつ長期的プロジェクトであるため、その成果を財務諸表に反映するためにはある程度の時間を要するものと考えております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産販売事業における土地仕入れ資金、及び再生可能エネルギー事業における太陽光発電所の敷地及び設備取得資金などがあります。これらの資金はLTV(総資産有利子負債比率)に幅がありますが、大部分を金融機関からの借り入れにより調達しております。
一方で、今後事業の拡大を予定している海外での再生可能エネルギー事業については、新規事業ということもあり、当面の間は自己資金で事業化を推進することを想定しております。当社グループの純資産は2020年3月期には、前年同期比で約13億円減少し約153億円に、また自己資本比率も前年同期50.7%から49.9%と前年に続き悪化いたしました。そのため自己資本の投資については資本効率を求めつつも、投資先及び投資事業内容の決議には知見のある専門家の意見も踏まえ、より一層投資判断を吟味してまいります。
このように、当社グループの自己資本を適時適切に投資することによりリターンの最大化を目指し、資本効率を追求することが当社の責務であると考えております。
以上のとおり、借入による調達と自己資金により事業を遂行してまいりますが、借入につきましては、現状は比較的低コストで調達できているものの、将来の金融環境によっては、コストを含む調達環境が大きく変わるリスクがあります。そのため、エクイティ調達は引き続き最も重要な資金調達手段と考えられるため、新株の発行を含め、更なる自己資本の充実に努めつつ有益な運用を進めることが資本政策の要諦と考えております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、資本効率の向上及び有効利用が大きな使命であると考えて、「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「株主資本利益率(ROE)」は1.5%(前年度は△40.2%)でした。一方で「総資産経常利益率(ROA)」は△1.4%(前年同期比17.3ポイント増加)でした。これは当連結会計年度における収益構造が特別利益に偏っていることによるものであります。当社では、太陽光発電についてはSPCを活用した開発スタイルを取っておりますが、この開発利益については会計処理上特別利益として計上することになります。こうした要因から今後もROEとROAの間にギャップが生じる可能性は大いにありますが、トータルで考えてこれら両指標の改善に取り組んでまいります。