有価証券報告書-第167期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における世界経済は、堅調な米国経済に支えられ緩やかに成長しましたが、米中の通商問題に端を発した中国経済の減速、更には、年度終盤における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行による経済活動の減速など不安定さを増しております。国内経済も、不安定な世界経済の動向やCOVID-19の影響を受け、輸出や生産の一部に弱さが見られるなど、企業をとりまく経営環境は厳しい状況にあります。
半導体・電子部品業界の市場は、スマートフォン市場は前年対比でマイナス成長となりましたが、パソコン市場では買い替え需要が持続したことに加え、データセンター向けサーバー市場を中心とした新たな市場が概ね堅調に推移したこともあり、全体としては成長傾向で推移しました。
自動車業界の排気系部品市場は、自動車販売台数が世界的に大きくマイナス成長となったことに加えて、欧州乗用車市場におけるディーゼル車販売比率の低下が継続するなど、厳しい状況が継続しました。
このような情勢のもと、当社におきましては、2018年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」に基づき、人財育成を基盤に、伸びる市場に対して積極的に経営資源を投入し、既存事業の競争力と新規事業の拡大による安定した成長の実現に向けた取り組みを進めております。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態及び経営成績の状況
(ア)財政状態
当連結会計年度末における総資産は5,186億19百万円(前年同期比22.6%増)となりました。流動資産は3,002億44百万円(同31.1%増)、固定資産は2,183億74百万円(同12.5%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、2,446億84百万円(同66.7%増)となりました。流動負債は1,207億36百万円(同2.2%増)、固定負債は1,239億48百万円(同332.4%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は2,739億34百万円(同0.9%減)となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の売上高は2,959億99百万円と前連結会計年度に比べ48億73百万円(1.7%)増加しました。営業利益は196億85百万円と前連結会計年度に比べ95億48百万円(94.2%)増加しました。経常利益は213億64百万円と前連結会計年度に比べ87億64百万円(69.6%)増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は113億29百万円と前連結会計年度に比べ80億23百万円 (242.7%)増加しました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(電子事業)
電子事業の売上高は1,321億70百万円となり、前連結会計年度に比べ14.0%増加しました。同事業の営業利益は、148億92百万円となり、前連結会計年度に比べ487.9%増加しました。
(セラミック事業)
セラミック事業の売上高は884億27百万円となり、前連結会計年度に比べ13.7%減少しました。同事業の営業損失は9億81百万円となりました(前連結会計年度は29億66百万円の営業利益)。
(建設事業)
建設事業の売上高は56億97百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%減少しました。同事業の営業利益は15億19百万円となり、前連結会計年度に比べ12.4%増加しました。
(その他事業)
その他事業の売上高は697億3百万円となり、前連結会計年度に比べ4.6%増加しました。同事業の営業利益は43億7百万円となり、前連結会計年度に比べ29.5%増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,748億84百万円となり、前連結会計年度末より613億91百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、260億96百万円(前連結会計年度185億55百万円)となりました。これは主に減価償却費244億22百万円、税金等調整前当期純利益175億25百万円、仕入債務の増加68億7百万円等による増加と売上債権の増加96億24百万円、法人税等の支払額60億43百万円等による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は、380億83百万円(前連結会計年度180億36百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出372億68百万円による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は、744億83百万円(前連結会計年度は49億26百万円の財務活動に使用された資金)となりました。これは主に長期借入による収入700億円、社債の発行による収入350億円等による増加と、社債の償還による支出250億円、配当金支払による支出48億96百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(ア)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(イ)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セラミック及びその他部門は主として見込生産であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ウ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、これらの記載には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断しております。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における総資産は5,186億19百万円(前年同期比22.6%増)となりました。流動資産は3,002億44百万円(同31.1%増)、固定資産は2,183億74百万円(同12.5%増)となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が616億58百万円増加したことによります。
固定資産の増加の主な要因は、建設仮勘定が353億89百万円増加したことによります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、2,446億84百万円(同66.7%増)となりました。流動負債は1,207億36百万円(同2.2%増)、固定負債は1,239億48百万円(同332.4%増)となりました。
流動負債の変動の主な要因は、短期借入金が100億円増加し、1年内償還予定の社債が250億円減少したことによります。
固定負債の増加の主な要因は、社債が350億円、長期借入金が600億円増加したことによります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は2,739億34百万円(同0.9%減)となりました。
純資産合計の減少の主な要因は、為替換算調整勘定が58億21百万円減少したことによります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.0%から51.7%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,938円59銭から1,920円19銭となりました。
b.経営成績
(売上高及び営業利益)
売上高は、2,959億99百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
売上原価は、2,278億45百万円(前年同期比2.1%減)となりました。売上原価率は3.0ポイント改善し、77.0%となりました。
この結果、営業利益は、196億85百万円(前年同期比94.2%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外損益は、前連結会計年度の24億62百万円の利益(純額)から当連結会計年度は16億78百万円の利益(純額)となり、減少しました。主な変動要因は、社債発行費用が1億46百万円増加、受取補償金が8億54百万円減少、支払補償費が3億69百万円減少したことによります。
この結果、経常利益は、213億円64百万円(前年同期比69.6%増)となりました。
(特別損益)
特別損益は、前連結会計年度の32億73百万円の損失(純額)から当連結会計年度は38億39百万円の損失(純額)となり、減少しました。主な変動要因は、固定資産除却損が15億11百万円増加、投資有価証券売却益が46億46百万円減少、関係会社整理損が60億79百万円減少したことによります。
この結果、税金等調整前当期純利益は、175億25百万円(前年同期比87.9%増)となりました。
(法人税等(法人税等調整額を含む。))
法人税等は、前連結会計年度の57億53百万円から当連結会計年度は59億87百万円となり、増加しました。
この結果、当期純利益は、115億37百万円(前年同期比222.9%増)となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の2億67百万円から当連結会計年度は2億7百万円となり、減少しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、113億29百万円(前年同期比242.7%増)となりました。
1株当たり当期純利益は、81円08銭(前年同期比242.7%)となりました。
ROE(自己資本利益率)は、4.2%となりました。
(イ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、第2「事業の状況」 2「事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりませんが、連結中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」の2年目にあたる2020年3月期の期初に掲げました売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の計画に対する達成状況は、以下のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討事項は、次のとおりであります。
(電子事業)
パッケージ(PKG)事業におきましては、パソコンの買い替え需要が維持されたことに加えて、情報通信技術(ICT)の進展に伴うデータ処理量の増加により、データセンターで使われるサーバー向けICパッケージ基板の需要が順調に推移した結果、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
マザーボード・プリント配線板(MLB)事業におきましては、モジュール基板の売上は堅調に推移しましたが、ハイエンドスマートフォン向けの売上が減少した結果、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、電子事業の売上高は1,321億70百万円となり、前連結会計年度に比べ14.0%増加しました。同事業の営業利益は、PKG事業における高付加価値製品への注力に加え、不採算製品の生産縮小などによる事業の選択と集中を進めた結果、148億92百万円となり、前連結会計年度に比べ487.9%増加しました。
(セラミック事業)
ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、主力の欧州市場を中心としたディーゼル乗用車比率低下による影響を受け、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。今後、排ガス規制の強化に伴い拡大が見込まれる新興国の大型車向けDPF市場におけるシェア拡大と新規顧客への拡販に取り組んでまいります。
触媒担体保持・シール材(AFP)は、世界的に自動車販売が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
NOx浄化用触媒担体(SCR)は、主に石炭火力発電所で使用される定置式の脱硝触媒の販売が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
特殊炭素製品(FGM)は、米中貿易摩擦の影響に端を発した半導体市場の減速により、一時的に需要が減少した結果、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、セラミック事業の売上高は884億27百万円となり、前連結会計年度に比べ13.7%減少しました。同事業の損益は、主に欧州生産拠点において、製品の高機能化に伴うコスト拡大に加え期末のCOVID-19による急激な需要減の影響により営業損失9億81百万円となりました。(前連結会計年度は29億66百万円の営業利益)。
(建設事業)
建設部門におきましては、受注は堅調であるものの、大型の完成工事が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、建設事業の売上高は56億97百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%減少しました。同事業の営業利益は、15億19百万円となり、前連結会計年度に比べ12.4%増加しました。
(その他事業)
その他事業におきましては、住宅設備機器販売部門は、消費税増税の影響を受け着工件数が伸び悩んだことから横ばいとなりましたが、造園工事部門では、首都圏の緑化工事を中心に、オリンピック需要の取込みと合わせて拡販に努めた結果、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。また、情報サービス部門では、健診クラウド・リハビリシステムの需要が順調に推移した結果、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
以上の結果、その他事業の売上高は697億3百万円となり、前連結会計年度に比べ4.6%増加しました。同事業の営業利益は、43億7百万円となり、前連結会計年度に比べ29.5%増加しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備投資に必要な資金及びその他の所要資金には手元資金を充当することを基本的な方針とし、グループ内ファイナンスの活用による効率的な資金運用を行っております。また、資金運用の柔軟性を保つため、必要な都度、借入等による資金調達を行うこととしております。
また、当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、マイナス119億87百万円となりましたが、金融機関からの借入れによる収入700億円や社債の発行による収入350億円などにより財務活動によるキャッシュ・フローは744億83百万円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高(資金)は1,748億84百万円となりました。
この資金の運用については、当社グループは、資金の流動性を考慮して、短期的な預金などとして運用する方針です。さらに、当社グループでは、ICパッケージ基板生産設備の能増更新及び次世代対応投資として1,300億円の設備投資などを進めており、これらの資金需要に対して資金を充当してまいります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、固定資産の減損、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。これらの見積りは、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき行い、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項」の「追加情報 新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについて」に記載の通りであります。
当連結会計年度における世界経済は、堅調な米国経済に支えられ緩やかに成長しましたが、米中の通商問題に端を発した中国経済の減速、更には、年度終盤における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行による経済活動の減速など不安定さを増しております。国内経済も、不安定な世界経済の動向やCOVID-19の影響を受け、輸出や生産の一部に弱さが見られるなど、企業をとりまく経営環境は厳しい状況にあります。
半導体・電子部品業界の市場は、スマートフォン市場は前年対比でマイナス成長となりましたが、パソコン市場では買い替え需要が持続したことに加え、データセンター向けサーバー市場を中心とした新たな市場が概ね堅調に推移したこともあり、全体としては成長傾向で推移しました。
自動車業界の排気系部品市場は、自動車販売台数が世界的に大きくマイナス成長となったことに加えて、欧州乗用車市場におけるディーゼル車販売比率の低下が継続するなど、厳しい状況が継続しました。
このような情勢のもと、当社におきましては、2018年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」に基づき、人財育成を基盤に、伸びる市場に対して積極的に経営資源を投入し、既存事業の競争力と新規事業の拡大による安定した成長の実現に向けた取り組みを進めております。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態及び経営成績の状況
(ア)財政状態
当連結会計年度末における総資産は5,186億19百万円(前年同期比22.6%増)となりました。流動資産は3,002億44百万円(同31.1%増)、固定資産は2,183億74百万円(同12.5%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、2,446億84百万円(同66.7%増)となりました。流動負債は1,207億36百万円(同2.2%増)、固定負債は1,239億48百万円(同332.4%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は2,739億34百万円(同0.9%減)となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の売上高は2,959億99百万円と前連結会計年度に比べ48億73百万円(1.7%)増加しました。営業利益は196億85百万円と前連結会計年度に比べ95億48百万円(94.2%)増加しました。経常利益は213億64百万円と前連結会計年度に比べ87億64百万円(69.6%)増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は113億29百万円と前連結会計年度に比べ80億23百万円 (242.7%)増加しました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(電子事業)
電子事業の売上高は1,321億70百万円となり、前連結会計年度に比べ14.0%増加しました。同事業の営業利益は、148億92百万円となり、前連結会計年度に比べ487.9%増加しました。
(セラミック事業)
セラミック事業の売上高は884億27百万円となり、前連結会計年度に比べ13.7%減少しました。同事業の営業損失は9億81百万円となりました(前連結会計年度は29億66百万円の営業利益)。
(建設事業)
建設事業の売上高は56億97百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%減少しました。同事業の営業利益は15億19百万円となり、前連結会計年度に比べ12.4%増加しました。
(その他事業)
その他事業の売上高は697億3百万円となり、前連結会計年度に比べ4.6%増加しました。同事業の営業利益は43億7百万円となり、前連結会計年度に比べ29.5%増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,748億84百万円となり、前連結会計年度末より613億91百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、260億96百万円(前連結会計年度185億55百万円)となりました。これは主に減価償却費244億22百万円、税金等調整前当期純利益175億25百万円、仕入債務の増加68億7百万円等による増加と売上債権の増加96億24百万円、法人税等の支払額60億43百万円等による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は、380億83百万円(前連結会計年度180億36百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出372億68百万円による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は、744億83百万円(前連結会計年度は49億26百万円の財務活動に使用された資金)となりました。これは主に長期借入による収入700億円、社債の発行による収入350億円等による増加と、社債の償還による支出250億円、配当金支払による支出48億96百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(ア)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
電子 | 121,210 | 0.8 |
セラミック | 85,381 | △14.6 |
その他 | 12,469 | 27.5 |
合計 | 219,061 | △4.7 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(イ)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
電子 | 108,148 | △9.2 | 12,283 | 15.2 |
建設 | 4,891 | 55.4 | 2,881 | 306.6 |
合計 | 113,039 | △7.6 | 15,164 | 33.3 |
(注) 1 セラミック及びその他部門は主として見込生産であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ウ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
電子 | 132,170 | 14.0 |
セラミック | 88,427 | △13.7 |
建設 | 5,697 | △5.1 |
その他 | 69,703 | 4.6 |
合計 | 295,999 | 1.7 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
Intel Corp. | 62,196 | 21.4 | 76,666 | 25.9 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、これらの記載には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断しております。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における総資産は5,186億19百万円(前年同期比22.6%増)となりました。流動資産は3,002億44百万円(同31.1%増)、固定資産は2,183億74百万円(同12.5%増)となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が616億58百万円増加したことによります。
固定資産の増加の主な要因は、建設仮勘定が353億89百万円増加したことによります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、2,446億84百万円(同66.7%増)となりました。流動負債は1,207億36百万円(同2.2%増)、固定負債は1,239億48百万円(同332.4%増)となりました。
流動負債の変動の主な要因は、短期借入金が100億円増加し、1年内償還予定の社債が250億円減少したことによります。
固定負債の増加の主な要因は、社債が350億円、長期借入金が600億円増加したことによります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は2,739億34百万円(同0.9%減)となりました。
純資産合計の減少の主な要因は、為替換算調整勘定が58億21百万円減少したことによります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.0%から51.7%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,938円59銭から1,920円19銭となりました。
b.経営成績
(売上高及び営業利益)
売上高は、2,959億99百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
売上原価は、2,278億45百万円(前年同期比2.1%減)となりました。売上原価率は3.0ポイント改善し、77.0%となりました。
この結果、営業利益は、196億85百万円(前年同期比94.2%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外損益は、前連結会計年度の24億62百万円の利益(純額)から当連結会計年度は16億78百万円の利益(純額)となり、減少しました。主な変動要因は、社債発行費用が1億46百万円増加、受取補償金が8億54百万円減少、支払補償費が3億69百万円減少したことによります。
この結果、経常利益は、213億円64百万円(前年同期比69.6%増)となりました。
(特別損益)
特別損益は、前連結会計年度の32億73百万円の損失(純額)から当連結会計年度は38億39百万円の損失(純額)となり、減少しました。主な変動要因は、固定資産除却損が15億11百万円増加、投資有価証券売却益が46億46百万円減少、関係会社整理損が60億79百万円減少したことによります。
この結果、税金等調整前当期純利益は、175億25百万円(前年同期比87.9%増)となりました。
(法人税等(法人税等調整額を含む。))
法人税等は、前連結会計年度の57億53百万円から当連結会計年度は59億87百万円となり、増加しました。
この結果、当期純利益は、115億37百万円(前年同期比222.9%増)となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の2億67百万円から当連結会計年度は2億7百万円となり、減少しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、113億29百万円(前年同期比242.7%増)となりました。
1株当たり当期純利益は、81円08銭(前年同期比242.7%)となりました。
ROE(自己資本利益率)は、4.2%となりました。
(イ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、第2「事業の状況」 2「事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりませんが、連結中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」の2年目にあたる2020年3月期の期初に掲げました売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の計画に対する達成状況は、以下のとおりであります。
2020年3月期 (計画) | 2020年3月期 (実績) | 2019年3月期 (計画比) | |
売上高 | 300,000百万円 | 295,999百万円 | 4,001百万円減 ( 1.3%減) |
営業利益 | 17,000百万円 | 19,685百万円 | 2,685百万円増 (15.8%増) |
経常利益 | 17,000百万円 | 21,364百万円 | 4,364百万円増 (25.7%増) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,000百万円 | 11,329百万円 | 4,329百万円増 (61.9%増) |
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討事項は、次のとおりであります。
(電子事業)
パッケージ(PKG)事業におきましては、パソコンの買い替え需要が維持されたことに加えて、情報通信技術(ICT)の進展に伴うデータ処理量の増加により、データセンターで使われるサーバー向けICパッケージ基板の需要が順調に推移した結果、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
マザーボード・プリント配線板(MLB)事業におきましては、モジュール基板の売上は堅調に推移しましたが、ハイエンドスマートフォン向けの売上が減少した結果、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、電子事業の売上高は1,321億70百万円となり、前連結会計年度に比べ14.0%増加しました。同事業の営業利益は、PKG事業における高付加価値製品への注力に加え、不採算製品の生産縮小などによる事業の選択と集中を進めた結果、148億92百万円となり、前連結会計年度に比べ487.9%増加しました。
(セラミック事業)
ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、主力の欧州市場を中心としたディーゼル乗用車比率低下による影響を受け、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。今後、排ガス規制の強化に伴い拡大が見込まれる新興国の大型車向けDPF市場におけるシェア拡大と新規顧客への拡販に取り組んでまいります。
触媒担体保持・シール材(AFP)は、世界的に自動車販売が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
NOx浄化用触媒担体(SCR)は、主に石炭火力発電所で使用される定置式の脱硝触媒の販売が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
特殊炭素製品(FGM)は、米中貿易摩擦の影響に端を発した半導体市場の減速により、一時的に需要が減少した結果、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、セラミック事業の売上高は884億27百万円となり、前連結会計年度に比べ13.7%減少しました。同事業の損益は、主に欧州生産拠点において、製品の高機能化に伴うコスト拡大に加え期末のCOVID-19による急激な需要減の影響により営業損失9億81百万円となりました。(前連結会計年度は29億66百万円の営業利益)。
(建設事業)
建設部門におきましては、受注は堅調であるものの、大型の完成工事が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、建設事業の売上高は56億97百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%減少しました。同事業の営業利益は、15億19百万円となり、前連結会計年度に比べ12.4%増加しました。
(その他事業)
その他事業におきましては、住宅設備機器販売部門は、消費税増税の影響を受け着工件数が伸び悩んだことから横ばいとなりましたが、造園工事部門では、首都圏の緑化工事を中心に、オリンピック需要の取込みと合わせて拡販に努めた結果、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。また、情報サービス部門では、健診クラウド・リハビリシステムの需要が順調に推移した結果、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
以上の結果、その他事業の売上高は697億3百万円となり、前連結会計年度に比べ4.6%増加しました。同事業の営業利益は、43億7百万円となり、前連結会計年度に比べ29.5%増加しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備投資に必要な資金及びその他の所要資金には手元資金を充当することを基本的な方針とし、グループ内ファイナンスの活用による効率的な資金運用を行っております。また、資金運用の柔軟性を保つため、必要な都度、借入等による資金調達を行うこととしております。
また、当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、マイナス119億87百万円となりましたが、金融機関からの借入れによる収入700億円や社債の発行による収入350億円などにより財務活動によるキャッシュ・フローは744億83百万円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高(資金)は1,748億84百万円となりました。
この資金の運用については、当社グループは、資金の流動性を考慮して、短期的な預金などとして運用する方針です。さらに、当社グループでは、ICパッケージ基板生産設備の能増更新及び次世代対応投資として1,300億円の設備投資などを進めており、これらの資金需要に対して資金を充当してまいります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、固定資産の減損、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。これらの見積りは、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき行い、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項」の「追加情報 新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについて」に記載の通りであります。