四半期報告書-第168期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/09 15:02
【資料】
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【項目】
43項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、中国経済は持ち直しが見られたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の再拡大による経済活動への影響など依然として楽観視できない状況が続いております。国内経済も、足元では輸出や生産の一部に持ち直しの動きが見られるものの、不安定な世界経済の動向に伴う影響を受け、企業をとりまく経営環境は依然不透明な状況にあります。
半導体・電子部品業界の市場は、テレワーク及び遠隔教育の普及拡大に伴い、パソコン市場が好調に推移したことに加え、データセンター向けサーバー市場を中心とした市場が概ね堅調に推移したこともあり、全体としては成長傾向で推移しました。
自動車業界の排気系部品市場は、第1四半期(4-6月期)における世界的な自動車販売台数の大幅減少に加えて、欧州乗用車市場におけるディーゼル車販売比率の低下が継続するなど、厳しい状況が継続しましたが、第2四半期(7-9月期)からの中国市場を中心とした回復基調が第3四半期(10-12月期)も継続しております。
このような情勢のもと、当社におきましては、2018年度より5ヵ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」を始動しており、今年度は折り返しの年となります。中期経営計画の達成に向け、人財育成を基盤に、伸びる市場に対して積極的に経営資源を投入し、既存事業の競争力強化と新規事業の拡大による安定した成長の実現に向けた取り組みを進めております。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,297億77百万円と前年同期に比べ128億71百万円(5.9%)増加しました。営業利益は273億65百万円と前年同期に比べ141億99百万円(107.8%)増加しました。経常利益は288億96百万円と前年同期に比べ140億8百万円(94.1%)増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益に関しましては213億99百万円と前年同期に比べて132億17百万円(161.5%)増加しました。
セグメントの概況は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。
電子事業
パッケージ(PKG)事業におきましては、パソコン向けパッケージ基板の需要が好調に推移したことに加え、大垣中央事業場にて建設を進めている最先端ICパッケージ基板製造設備(第1期投資)が計画通りに量産を開始した結果、売上高は前年同期に比べ増加しました。
マザーボード・プリント配線板(MLB)事業におきましては、モジュール基板の売上は堅調に推移しましたが、中国向けスマートフォンの売上が減少した結果、売上高は前年同期に比べ減少しました。
以上の結果、電子事業の売上高は1,193億83百万円となり、前年同期に比べ21.9%増加しました。同事業の営業利益は、PKG事業における売上増加による効果などにより、214億61百万円となり、前年同期に比べ115.6%増加しました。
セラミック事業
自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、高機能製品の生産性改善に加え、排ガス規制強化に伴い需要が拡大している大型車両向け製品の拡販に努めた結果、売上高は前年並みとなりましたが、営業利益は前年同期に比べ増加しました。
触媒担体保持・シール材(AFP)は、第2四半期以降の中国市場を中心とした自動車市場の回復を受け、売上・営業利益ともに堅調に推移しております。今後、自動車市場の成長の中心となる中国市場でのシェア拡大に向け、計画通り新工場の立上げを進めてまいります。
NOx浄化用触媒担体(SCR)は、主に発電所や工場で使用される定置式の脱硝触媒の販売がおおむね堅調に推移したことにより、売上高は前年同期に比べ増加しました。
特殊炭素製品(FGM)は、COVID-19の影響による車輌・航空部門の減速などにより、売上高は前年同期に比べ減少しました。
以上の結果、セラミック事業の売上高は622億23百万円となり、前年同期に比べ7.6%減少しました。同事業の営業利益は24億88百万円(前年同期は4百万円の営業利益)となり、前年同期に比べ増加しました。
その他事業
建設部門におきましては、COVID-19の流行拡大に伴い、一部民間工事の延期がありましたが、発電プラント事業の受注が堅調に推移し、前年並みの売上高となりました。
建材部門・その他事業におきましては、COVID-19によって抗ウイルスへの関心が高まり、抗ウイルスメラミン化粧板・関連商材は増加しましたが、外出自粛の影響を受け、石油製品等の販売が減少し、全体として前年同期に比べ売上高は減少しました。
以上の結果、その他事業の売上高は481億70百万円となり、前年同期に比べ6.7%減少しました。同事業の営業利益は、37億86百万円となり、前年同期に比べ11.3%増加しました。
② 財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は5,679億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ9.5%増加しました。総資産の増加の主な要因は、有形固定資産387億17百万円、投資有価証券が240億54百万円増加したことによります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は2,641億41百万円となり、前連結会計年度末に比べて8.0%増加しました。負債合計の増加の主な要因は、未払金58億41百万円、設備関係支払手形56億98百万円が増加したことによります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は3,038億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ10.9%増加しました。純資産の増加の主な要因は、利益剰余金165億3百万円増加したことによります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,338億56百万円となり、前連結会計年度末より410億27百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、232億29百万円(前第3四半期連結累計期間177億59百万円)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益257億33百万円、減価償却費234億59百万円による増加と、売上債権の増加138億76百万円、たな卸資産の増加112億10百万円による減少によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は、582億27百万円(前第3四半期連結累計期間256億74百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出516億78百万円によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、55億40百万円(前第3四半期連結累計期間は749億48百万円の財務活動によって得られた資金)となりました。これは主に配当金の支払額48億96百万円による減少によります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 会社の支配に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、会社の支配に関する基本方針に重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、126億38百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。