訂正有価証券報告書-第123期(2017/04/01-2018/03/31)

【提出】
2023/01/23 15:02
【資料】
PDFをみる
【項目】
113項目
業績等の概要
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループの売上高は、国内ならびに中国および東南アジア諸国の堅調な景気に支えられ、前期比3.9%増の87,223百万円となりました。
利益面では、原燃料価格が上昇しましたが、高品質・高付加価値製品の販売強化に努めるとともに事業全般にわたるコストダウンを図ったため、営業利益は前期比3.1%増の4,690百万円、経常利益は前期比0.3%減の4,279百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比14.4%増の2,329百万円となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりです。
(化学)
電子材料は、自動車や産業機器などに使用される電子部品の需要増に伴い、誘電体および誘電体材料が堅調に推移しました。
酸化チタンは、需給がタイトな状況が続き売上を伸ばしましたが、鉱石価格上昇によるコスト増を補えず利益は減少しました。亜鉛製品は、出荷数量が減少したものの、亜鉛建値の上昇を受けて販売単価が高値で推移しました。
樹脂添加剤は、国内は塩ビ樹脂の堅調な需要を受けて安定剤が好調に推移しました。また東南アジアを中心に海外で塩ビ安定剤やハイドロタルサイトの販売が順調に伸びました。
衛生材料は、衛生部材(フィルム・不織布)の売上は堅調に推移したものの、インドネシアの合弁会社で生産するフィルムは顧客ニーズの高度化により生産性が低下し、利益は減少しました。
有機化学品は、チオ製品がプラスチックレンズやコンクリート混和剤向けで輸出を伸ばしましたが、医薬品中間体が大口顧客の生産調整の影響を受けて売上、利益ともに減少しました。
触媒は、石油樹脂の水素添加などに使用するニッケル触媒が堅調に推移するとともに、脱硝触媒が特に中国でのごみ焼却炉向けに輸出が纏まったことで大幅に増加しました。
また、受託ビジネスは好調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前期比6.8%増の77,628百万円となり、営業利益は前期比3.9%増の6,574百万円となりました。
(医療)
X線バリウム造影剤は、海外への拡販が実り、堅調に推移しました。また、「グルカゴン」(消化管蠕動運動抑制作用)、「ソルプロ」(日焼け止め対策サプリ)、「レボシス」(人工骨充填剤)が順調に売上を伸ばしました。
一方、消化性潰瘍・逆流性食道炎治療薬「アルロイドG」は、ジェネリック品1社の販売中止を受け微減にとどまりましたが、原料の値上がりの影響を受けました。また、医療機器は、メンテナンス契約等の獲得は順調だったものの、機器本体の拡販が進まず伸び悩みました。かぜ薬「改源」やその他のOTC(一般用)医薬品は低調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は前期比5.4%減の8,920百万円となりましたが、コストダウンの徹底により新製品の治験費用を吸収し、営業利益は前期比278.6%増の132百万円となりました。
(その他)
路面標示・道路標識の設置工事などを行うラインファルト工業㈱を売却したため、第2四半期までの売上高674百万円、営業利益16百万円を計上しております。
(2)財政状態
総資産は117,954百万円と前連結会計年度に比べ2,366百万円減少しました。これは、主として、土地及び投資有価証券が減少したことによるものです。負債は37,190百万円と、前連結会計年度に比べ1,192百万円減少しました。これは、主として長期借入金が減少したことによるものです。
また、非支配株主持分を除く純資産は77,948百万円となり、前連結会計年度に比べ1,312百万円減少しました。なお、自己資本比率は66.1%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローに関しては、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは3,941百万円と前連結会計年度に比べ2,781百万円減少しました。これは、主として売上債権の増減額が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△487百万円と前連結会計年度に比べ4,337百万円増加しました。これは、主として有形固定資産の売却による収入及び投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△4,209百万円と前連結会計年度に比べ3,206百万円減少しました。これは、主として長期借入れによる収入が減少し、自己株式の取得による支出が増加したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ750百万円減少し、13,848百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)
化学50,9887.8
医療4,0103.4
報告セグメント計54,9997.5
その他413△60.1
合計55,4136.2

(注)1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 セグメント別の生産高を正確に把握することは困難なため、概算値で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループの主要製品については主に見込み生産を行っております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)
化学77,6286.8
医療8,920△5.4
報告セグメント計86,5495.4
その他674△63.2
合計87,2233.9

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先についても当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積もり及び判断を行っております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
「業績等の概要」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの製品に対する需要は、化学業界、電子・電気業界などの市場動向の影響を受けます。また、製品の販売先は、日本国内のほか、アジア、北米、ヨーロッパ、中近東など多岐にわたっており、各地域の経済情勢の影響を受けます。
また、生産活動については、重油や原材料の価格の影響を受けます。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における短期借入金の残高は11,055百万円、長期借入金の残高は3,521百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は13,848百万円となっております。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。