有価証券報告書-第168期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 10:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しつつあるものの、不安定な世界情勢や金融資本市場の変動などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に掲げる成長戦略の推進と新たな価値の創造に向け、サステナビリティ経営の推進をベースとした「事業拡大と体質強化」、「グローバル化の推進」、「新たな価値の創造」という3つの重点施策に、全社一丸となって取り組んでまいりました。
「事業拡大と体質強化」
成長分野の一つである電子セラミック材料事業においては、徳山工場(山口県周南市)での大型投資が完了し、福島第一工場との2拠点体制による安定供給体制の構築を実現しました。電子部品・半導体市場では一時的な調整局面を経て、需要回復の動きが見られております。電子部品向けについて需要拡大を見据えた事業基盤の整備を進める一方、半導体向けについては資材コストの動向等を注視しながら、投資の検討を継続しております。
基礎分野においては、用途や顧客ニーズに応じた製品設計・品質水準の最適化、適切な価格改定を通じて競争力の強化と収益構造の改善に取り組みました。加えて、事業効率化の一環として、子会社である東邦顔料工業株式会社を解散し、主力製品を愛知工場へ移管させ、事業ポートフォリオの見直しを進めました。
「グローバル化の推進」
海外市場の成長を取り込むため、海外販売拠点ネットワークを活用し、地域特性に応じた販売活動および供給体制の強化に取り組み、電子部品・半導体関連製品の販売拡大と新たな環境貢献製品の販売促進を進めております。
一方で、地政学的変化や国際情勢の不透明感の高まりにより、原燃料調達やサプライチェーンを取り巻く環境には引き続き不確実性が存在しております。原燃料調達先の複数化と調達地域の分散化を進め、供給リスクの低減に取り組みました。
「新たな価値の創造」
サステナビリティを経営戦略の根幹に据え、社会課題の解決に貢献する新たな価値の創造に取り組みました。研究開発においては、基盤技術やノウハウを活かしつつ、オープンイノベーションを推進し、研究開発プロセスの効率化および早期化を図りました。
また、研究開発部門と事業部門が連携し、量産化・事業化を見据えた開発体制を構築することで、高付加価値製品の創出に取り組みました。
そのような中、当連結会計年度の売上高は、電池材料、ホスフィン誘導体及び燐製品が減少したものの、電子セラミック材料が大幅に増加したことで、売上高は増加しました。営業利益につきましては、電池材料における原材料市況価格の変動と販売価格への転嫁にタイムラグが生じたことや、前年度に発生した棚卸資産の評価損の減少効果が剥落したことに加え、上記の売上構成の変化も影響したことで減少しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産は、前年同期に比べ33億5千2百万円増加し、784億5千7百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前年同期に比べ5億7千3百万円減少し、281億3千6百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前年同期に比べ39億2千5百万円増加し、503億2千1百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、401億8千2百万円(前年同期比13億3千9百万円増)となり、営業利益は24億1千5百万円(同9億2千6百万円減)となり、経常利益は23億7千5百万円(同8億2千4百万円減)となりました。
この経常利益に固定資産売却益5億4百万円、投資有価証券売却益10億2千9百万円の特別利益を加え、固定資産除却損2億1千5百万円、関係会社清算損5千8百万円の特別損失及び法人税等13億8百万円を差引き、更に法人税等調整額5億6千8百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は28億9千4百万円(同3億3千5百万円増)となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
(化学品事業)
化学品事業は、クロム製品、シリカ製品、燐製品等の化学品の製造・販売を行っております。当社のクロム製品は、国内唯一のクロム化合物メーカーとして世界屈指の技術と設備を用いて製造され、国内の大部分の需要を賄っているばかりでなく、東南アジアをはじめ多くの国々に輸出されており、めっき、耐火レンガ、顔料等に用いられています。シリカ製品は、1902年(明治35年)に日本で初めて珪酸ソーダの試作に成功して以来、たゆまぬ研究と設備の拡充に努め、これまで世の中のニーズに合ったシリカ製品を数多く販売してまいりました。当社の製品は、古紙の脱インク、土壌硬化材、食品のろ過材原料等に用いられています。燐製品は、燐酸、燐酸塩、無水燐酸等であり、工業薬品の原料としてばかりでなく、食品の添加剤、医薬原料、分析試薬、金属表面処理、電材用途でご使用いただく等、数多くの分野に利用されています。化学品事業の売上高は179億1千6百万円(同3億6千8百万円減)、セグメント利益は12億8千1百万円(同2億6千万円減)となりました。
(機能品事業)
機能品事業は、ホスフィン誘導体、農薬、電池材料、電子セラミック材料、回路材料、高純度電子材料等の製造・販売を行っています。ホスフィン誘導体は、様々な化成品や樹脂を合成する際の触媒、量子ドットの原料等に利用されています。電池材料は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として、コバルト酸リチウムを製造しています。近年独自の製造技術により微粉化も成功しており、さまざまな用途から高い評価を得ています。電子セラミック材料は、積層セラミックコンデンサの誘電体であるチタン酸バリウムと、誘電体材料である高純度炭酸バリウムから構成されております。長年にわたりバリウム原料を扱ってきた強みを活かし、蓚酸塩法、アルコキシド法等の製法でチタン酸バリウムを製造販売しています。AIサーバー向けや自動車向けで長期的な需要の拡大が見込まれます。回路材料は、主にACF(異方性導電フィルム)やACP(異方性導電接着剤)用の導電粒子と、導電粒子を使用した異方性導電接着剤を製造しています。高純度電子材料は、主に半導体向けの高純度ホスフィンガス、高純度赤燐で、半導体市場の拡大に伴い、需要の増大が見込まれます。
機能品事業の売上高は210億1千万円(同21億3千3百万円増)、セグメント利益は5億1千3百万円(同6億9千9百万円減)となりました。
(賃貸事業)
賃貸事業は、大阪府大阪市西淀川区と福島県郡山市において、病院・小売業等への土地・建屋の賃貸を行っております。
賃貸事業の売上高は、9億4千万円(同2千3百万円増)、セグメント利益は5億5千9百万円(同1千3百万円増)となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない事業セグメントは環境測定、当社の原材料、製品等の分析業務を行っています。
報告セグメントに含まれない事業セグメントの売上高は、3億1千5百万円(同4億4千8百万円減)、セグメント利益は3千2百万円(同1百万円増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは53億7千万円の収入(前年同期は63億6千7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益36億3千4百万円、減価償却費37億4千万円、棚卸資産の減少額13億2千7百万円、売上債権の増加額11億3千2百万円、投資有価証券売却益10億2千9百万円、固定資産売却益5億4百万円、法人税等の支払額4億6千2百万円を加減したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは固定資産の取得による支出等があり、33億5千6百万円の支出(前年同期は50億7千万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済による支出や配当金の支払等により、18億7千万円の支出(前年同期は24億1千9百万円の支出)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前年同期に比べ1億5千6百万円増加し、77億8千4百万円となりました。
また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額から、配当金の支払額を控除したフリーキャッシュ・フローは、10億9千3百万円の収入(前年同期は5億8千5百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
化学品事業(百万円)13,31186.9
機能品事業(百万円)20,904107.0
賃貸事業(百万円)--
報告セグメント計(百万円)34,21598.2
その他(百万円)--
合計(百万円)34,21598.2

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
化学品事業(百万円)3,58287.1
機能品事業(百万円)4326.2
賃貸事業(百万円)--
報告セグメント計(百万円)3,62684.7
その他(百万円)--
合計(百万円)3,62678.1

c.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
化学品事業(百万円)17,91698.0
機能品事業(百万円)21,010111.3
賃貸事業(百万円)940102.5
報告セグメント計(百万円)39,867104.7
その他(百万円)31541.2
合計(百万円)40,182103.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
相手先売上高割合(%)
TDK株式会社5,53114.2
小西安株式会社4,59211.8

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
相手先売上高割合(%)
TDK株式会社6,73016.8
小西安株式会社4,89512.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、経営者による会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、見積りに当たって過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前年同期に比べ33億5千2百万円増加し、純資産は、39億2千5百万円増加しております。
増減の主なものは次の通りであります。
流動資産では、現金及び預金が1億8千4百万円増加、売掛金が15億3千1百万円増加、商品及び製品が15億9千1百万円減少、原材料及び貯蔵品が2億5千8百万円増加しております。
固定資産では、有形固定資産が2億6千4百万円増加、無形固定資産が3千3百万円増加、投資有価証券が5億7千7百万円増加、退職給付に係る資産が28億7千3百万円増加しております。
流動負債では、支払手形及び買掛金が3億2千1百万円減少、短期借入金が3億円減少、未払法人税等が8億7千万円増加、設備関係未払金が6億3千1百万円減少しております。
固定負債では、長期借入金が3億7千5百万円減少、繰延税金負債が4億4千1百万円増加、退職給付に係る負債が3百万円増加しております。
株主資本では、利益剰余金が19億5千7百万円増加しております。
その他の包括利益累計額では、その他有価証券評価差額金が4億7千9百万円増加、退職給付に係る調整累計額が16億6千万円増加しております。
2)経営成績
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 b.経営成績」に記載しています。
3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2「事業の状況」 3「事業等のリスク」」に記載しています。
c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、短期運転資金の一部は、コミットメントライン契約を取引先金融機関と締結しており、機動的な資金調達を図っております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2「事業の状況」 1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しています。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(化学品事業)
化学品事業では、クロム製品はめっき向けが堅調に推移したことにより、売上高は前期並みとなりました。シリカ製品は堅調に推移したことにより、売上高は前期並みとなりました。燐製品は低調に推移したことにより、売上高は減少しました。この結果、化学品事業の売上高は、179億1千6百万円(同3億6千8百万円減)となりました。
(機能品事業)
機能品事業では、ホスフィン誘導体は海外向け触媒や量子ドット向けが大幅に伸びたものの、有機合成用触媒原料が大幅に落ち込んだことにより、売上高は大きく減少しました。農薬原体は主要顧客向けが大幅に伸びたことにより、売上高は大きく増加しました。電池材料は資源価格の下落により、売上高は大きく減少しました。電子セラミック材料は車載向けおよび通信向けが大幅に伸びたことにより、売上高は大きく増加しました。回路材料は接着剤向けが大幅に落ち込んだものの、異方性導電材料向けが資源価格の上昇に伴う価格改定により、売上高は前期並みとなりました。高純度電子材料は、半導体向けで需要が回復したことにより、売上高は大きく増加しました。この結果、機能品事業の売上高は、210億1千万円(同21億3千3百万円増)となりました。
(賃貸事業)
賃貸事業は、堅調に推移したことにより、売上高は前期並みとなりました。この結果、賃貸事業の売上高は、9億4千万円(同2千3百万円増)となりました。
(その他)
書店事業は、前年度に事業を撤退しました。この結果、報告セグメントに含まれない事業セグメントの売上高は、3億1千5百万円(同4億4千8百万円減)となりました。

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