四半期報告書-第141期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/11 15:33
【資料】
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【項目】
38項目
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、中国経済の回復持続に加えて、新型コロナウイルスによる落ち込みからの反動と、欧米が先行するワクチン接種を背景とした行動制限の緩和、及び米国の大型景気対策もあって大きく回復しました。一方、日本では首都圏など21都道府県で緊急事態宣言が再発令されるなど、感染対策や経済対策の巧拙によって、新型コロナウイルスの感染抑制や経済の回復に各国で差が生じました。
このような事業環境の中で、当社グループは2020年5月より、「持続的かつ健全な成長」を目指し、「成長分野でのグローバルな拡大」、「競争力強化」、「経営基盤強化」を基本戦略とした新たな中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”をスタートしています。
以上の結果、当社グループの連結業績は、売上収益は前年同期比24.2%増の1兆630億円、事業利益(注1)は同105.8%増の702億円となりました。営業利益は同635億円増の690億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同565億円増の609億円となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりです。
(繊維事業)
国内外ともに需要の回復が見られました。衣料用途では、引き続き新型コロナウイルスの影響を受けた用途があるものの、スポーツ・アウトドア用途が好調に推移、産業用途においては自動車関連用途が回復し、数量を伸ばしました。
以上の結果、繊維事業全体では、売上収益は前年同期比21.6%増の4,015億円、事業利益は同53.9%増の243億円となりました。
(機能化成品事業)
樹脂事業は、コロナ禍の反動と自動車メーカーの稼働及び中国経済の回復から、需要が好調に推移しました。ケミカル事業は、基礎原料の市況が回復しました。フィルム事業は、ポリエステルフィルムで光学用途・電子部品関連が好調に推移したほか、リチウムイオン二次電池向けバッテリーセパレータフィルムにおいて車載・民生用途が伸長しました。電子情報材料事業は、有機EL関連の需要が増加しました。
以上の結果、機能化成品事業全体では、売上収益は前年同期比35.8%増の4,445億円、事業利益は同117.2%増の522億円となりました。
(炭素繊維複合材料事業)
一般産業用途では、風力発電翼用途やスポーツ用途が好調に推移しましたが、航空宇宙用途において、民間旅客機のビルドレートが減少した影響を受けました。また、原料価格上昇の影響を受けました。
以上の結果、炭素繊維複合材料事業全体では、売上収益は前年同期比10.8%増の989億円、事業利益は同33億円減の36億円の損失となりました。
(環境・エンジニアリング事業)
水処理事業は、一部地域で新型コロナウイルスの影響があったものの、逆浸透膜などの需要が堅調に推移しました。
国内子会社では、エンジニアリング子会社でエレクトロニクス関連装置の出荷が増加しました。
以上の結果、環境・エンジニアリング事業全体では、売上収益は前年同期比9.8%増の859億円、事業利益は同53.0%増の61億円となりました。
(ライフサイエンス事業)
医薬事業は、経口そう痒症改善薬レミッチ®(注2)において、後発医薬品発売の影響を受けたほか、薬価改定の影響を受けましたが、経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナー®の海外での販売が伸長しました。
医療機器事業は、血液透析ろ過用のダイアライザーが国内で堅調に拡大しました。
以上の結果、ライフサイエンス事業全体では、売上収益は前年同期比1.7%増の251億円、事業利益は同34.6%増の11億円となりました。
(その他)
売上収益は前年同期比11.3%増の70億円、事業利益は同29.7%増の7億円となりました。
(注) 1.事業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出しております。
2.レミッチ®は、鳥居薬品㈱の登録商標です。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、資産は、棚卸資産が増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べ77億円増加し2兆8,566億円となりました。
負債は、社債及び借入金が減少したことを主因に、前連結会計年度末に比べ623億円減少し1兆4,642億円となりました。
資本は、利益剰余金の増加を主因に、前連結会計年度末に比べ700億円増加し1兆3,923億円となり、このうち親会社の所有者に帰属する持分は1兆3,054億円となりました。当第2四半期連結会計期間末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント上昇し45.7%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加が投資活動による資金の減少を494億円上回った一方、有利子負債の減少を主因に財務活動による資金の減少が882億円となったこと等により、前連結会計年度末に比べ376億円減の1,988億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期利益が前年同期比728億円増加した一方、棚卸資産の増加額が同541億円増加、営業債権及びその他の債権の増加額が同494億円増加したこと等により、営業活動による資金の増加は同383億円(39.2%)減の594億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資の売却及び償還による収入が前年同期比309億円増加したこと等により、投資活動による資金の減少は同485億円(82.9%)減の100億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入債務の純減額が前年同期比799億円増加したこと等により、財務活動による資金の減少は同976億円増の882億円となりました。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費総額は296億円です。