有価証券報告書-第137期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/26 16:17
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133項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来における事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。連結財務諸表の作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載している。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を与える見積りが必要となる。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
(2) 経営成績の概要及び分析
当連結会計年度の世界経済は、米国や欧州では、景気は緩やかな回復が続いた。新興国では、多くの国で景気は持ち直しの動きが見られた。国内経済については、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな景気回復が続いた。
一方で、原燃料価格の上昇は当社グループ収益の下押し要因となった。このような事業環境の中、当社グループは2017年4月より、2019年度までの3ヵ年を期間とする新たな中期経営課題“プロジェクトAP-G 2019”をスタートし、「成長分野での事業拡大」、「成長国・地域での事業拡大」、「競争力強化」を要とした成長戦略を実行している。この結果、当連結会計年度の売上高、営業利益及び経常利益はいずれも過去最高を更新した。
(中期経営課題“プロジェクトAP-G 2019”業績指標)
(単位:億円)
2017年度実績2018年度見通し2019年度目標
売上高22,04924,00027,000
営業利益1,5651,6502,500
営業利益率7.1%6.9%9%
ROA6.3%約6%約9%
ROE9.1%約9%約12%

売上高は、ライフサイエンス事業を除く全てのセグメントで増収となり、前連結会計年度比1,784億円(8.8%)増収の2兆2,049億円となった。営業利益は、繊維事業、機能化成品事業を中心に増益となり、前連結会計年度比96億円(6.5%)増益の1,565億円となった。
営業利益の前連結会計年度比増減要因を分析すると、販売・生産数量の増加や販売価格上昇による増益640億円があった一方で、原料価格上昇や営業費増加などによる減益△544億円があり、差し引き96億円の増益となった。
営業外損益は、新規設備操業開始費用が増加したことなどにより、前連結会計年度比10億円の減益となり、経常利益は同86億円(6.0%)増益の1,523億円となった。
特別利益は前連結会計年度比14億円減の45億円、特別損失は関係会社事業損失や環境対策費を計上したことを主因に同96億円増の202億円となり、税金等調整前当期純利益は同24億円(1.7%)減益の1,366億円となった。
親会社に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比35億円(3.5%)減益の959億円となった。自己資本利益率は、9.1%と前連結会計年度比1.0ポイント悪化した。
セグメント別の経営成績は、次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載している。
(繊維事業)
国内では、自動車関連など産業用途の一部で需要が堅調に推移し、衣料用途でも店頭販売の動きなどに徐々に改善が見られる中で、衣料用・産業用それぞれの用途での拡販に加え、糸綿/テキスタイル/製品一貫型ビジネスの拡大を進めるとともに、事業体質強化に注力した。
海外では、東南アジアや韓国などの一部子会社の業績が低調であったが、自動車関連用途向けや衛生材料向けは総じて堅調に推移し、衣料用途でも一貫型ビジネスの拡大を進めた。
以上の結果、繊維事業全体では、売上高は前連結会計年度比6.7%増の9,136億円、営業利益は同8.5%増の724億円となった。
主要な製品の生産規模は、ナイロン糸が前連結会計年度比9.0%増の約474億円(販売価格ベース)、ポリエステル糸が同5.7%増の約601億円(販売価格ベース)、ポリエステルステープルが同16.6%増の約589億円(販売価格ベース)となった。
(機能化成品事業)
樹脂事業は、自動車関連用途向けの出荷が国内を中心に概ね堅調に推移した。自動車以外の用途でも、ABS樹脂やPPS樹脂などの拡販を進めた。フィルム事業は、リチウムイオン二次電池向けのバッテリーセパレータフィルムが需要の伸長を背景に出荷を拡大したことに加え、スマートフォン向けなどの電子部品用途が好調に推移した。電子情報材料事業は、有機ELパネルの需要拡大に伴い関連材料の出荷が拡大した。
以上の結果、機能化成品事業全体では、売上高は前連結会計年度比10.9%増の8,033億円、営業利益は同15.5%増の714億円となった。
主要な製品の生産規模は、ABS樹脂が前連結会計年度比30.0%増の約1,024億円(販売価格ベース)、ナイロン樹脂とPBT樹脂が同11.6%増の約254億円(販売価格ベース)、ポリエステルフィルムが同9.7%増の約1,300億円(販売価格ベース)となった。
(炭素繊維複合材料事業)
航空宇宙用途では、航空機の最終需要が堅調に推移している中、サプライチェーンでの在庫調整が完了し、出荷は回復基調となった。一般産業用途では、圧縮天然ガスタンクや風力発電翼などの環境・エネルギー関連向けを中心に、全体として需要が回復傾向となった。なお、原料価格の上昇や競合激化の影響を受けた。
以上の結果、炭素繊維複合材料事業全体では、売上高は前連結会計年度比10.1%増の1,779億円、営業利益は同13.3%減の208億円となった。
炭素繊維複合材料の生産規模は前連結会計年度比3.3%増の約1,640億円(販売価格ベース)となった。
(環境・エンジニアリング事業)
水処理事業は、国内外で逆浸透膜などの需要が概ね堅調に推移した。
国内子会社では、エンジニアリング子会社で産業機器やエレクトロニクス関連装置が好調であった。
以上の結果、環境・エンジニアリング事業全体では、売上高は前連結会計年度比12.1%増の2,383億円、営業利益は同13.5%増の133億円となった。
(ライフサイエンス事業)
医薬事業は、経口そう痒症改善薬レミッチ®*が、剤形追加や効能追加の効果から出荷を拡大した。一方、天然型インターフェロンベータ製剤フエロン®や経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナー®の出荷は、代替治療薬や後発医薬品の影響を受けて低調に推移したほか、一部ライセンス収入も減少した。
医療機器事業は、ダイアライザーの出荷が国内外で堅調に推移した。
以上の結果、ライフサイエンス事業全体では、売上高は前連結会計年度比0.6%減の538億円、営業利益は同9.6%減の19億円となった。
医療機器の生産規模は前連結会計年度比13.1%減の約180億円(販売価格ベース)となった。
*レミッチ®は鳥居薬品㈱の登録商標である。
(その他)
売上高は前連結会計年度比3.1%増の179億円、営業利益は同10.4%増の29億円となった。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示している。
(3) 財政状態の概要及び分析
当連結会計年度末の財政状態は、資産の部は、受取手形及び売掛金や、たな卸資産が増加した結果、流動資産が前連結会計年度末比860億円増加し、固定資産も有形固定資産や投資有価証券の増加を主因に同1,102億円増加したことから、資産合計では同1,961億円増加の2兆5,929億円となった。
負債の部は、有利子負債が増加したことを主因に前連結会計年度末比1,271億円増加の1兆4,237億円となった。当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末比999億円増加の8,163億円となった。
純資産の部は、純利益の計上による利益剰余金の増加を主因に純資産合計で前連結会計年度末比690億円増加の1兆1,692億円となり、このうち自己資本は1兆907億円となった。当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末比0.5ポイント低下し42.1%、D/Eレシオは同0.05ポイント悪化し0.75ポイントとなった。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの概要及び分析
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動による資金の減少が営業活動による資金の増加を575億円上回った一方、有利子負債の増加を主因に財務活動による資金の増加が618億円となり、為替換算差額等を含めると、当連結会計年度末には前連結会計年度末比29億円(2.2%)増の1,343億円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、前連結会計年度比448億円(25.7%)減の1,292億円となった。これは、税金等調整前当期純利益が1,366億円(前連結会計年度比24億円減)、減価償却費が958億円(同67億円増)であった一方、売上債権の増加額が620億円(同370億円増)、法人税等の支払額が343億円(同60億円増)であったこと等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、前連結会計年度比514億円(38.0%)増の1,867億円となった。これは、有形固定資産の取得による支出が1,454億円(前連結会計年度比43億円増)、投資有価証券の取得による支出が673億円(同627億円増)であったこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の増加は、前連結会計年度比798億円増の618億円となった。これは、長期借入れによる資金の調達が789億円(前連結会計年度比280億円増)、社債の発行による資金の調達が1,000億円(同1,000億円増)であった一方、長期借入金の返済による支出が1,114億円(同621億円増)であったこと等によるものである。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
回次第133期第134期第135期第136期第137期
決算年月2014年3月2015年3月2016年3月2017年3月2018年3月
自己資本比率(%)40.541.841.542.642.1
時価ベースの自己資本比率(%)52.468.367.365.962.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率4.15.03.64.16.3
インタレスト・カバレッジ・
レシオ
32.522.537.638.025.6

(注) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産額
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出している。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。
②資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、投融資などの長期資金需要と当社製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの運転資金需要である。このうち、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況」に記載している。
③財務政策
当社グループは、資金需要の見通しや金融市場の動向などを総合的に勘案した上で、最適なタイミング、規模、手段を判断して資金調達を実施している。また、事業拡大と財務体質強化の両立という基本方針の下、運転資金の圧縮、固定資産の稼働率向上、キャッシュマネジメントシステムによるグループ内余剰資金の有効活用等、資産効率の改善にも取り組んでいる。
財務状況は健全性を保っており、現金及び現金同等物、有価証券などの流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入金、社債等による資金調達により、事業拡大に必要な資金を十分に賄えると考えている。また、緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備え、国内外の金融機関とコミットメントライン契約、当座貸越契約等を締結し、資金流動性を確保している。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。

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