半期報告書-第134期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/13 14:16
【資料】
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【項目】
44項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当社グループの当中間連結会計期間における連結業績は、売上高は1兆4,903億円となり前中間連結会計期間比(以下、「前年同期比」)1,444億円の増収、営業利益は1,089億円で前年同期比530億円の増益、経常利益は1,037億円で前年同期比517億円の増益、親会社株主に帰属する中間純利益は602億円で前年同期比294億円の増益となりました。
(セグメント別概況)
当社グループの3つの報告セグメント「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」及び「その他」に区分してご説明します。
前年同期比で、全報告セグメントにおいて増収・増益となりました。「マテリアル」が半導体・電子機器関連市場の好調な需要に伴う拡販や原燃料コストを踏まえた適正なプライシングなどにより大幅に改善したことに加え、「住宅」及び「ヘルスケア」も引き続き堅調に成長しています。
「マテリアル」セグメント
売上高は6,857億円で前年同期比755億円の増収となり、営業利益は502億円で前年同期比324億円の増益となりました。
環境ソリューション事業については、基盤マテリアル事業は、石化市況の上昇による交易条件の改善や在庫受払差の影響などにより大幅な増益となりました。一方、セパレータ事業は、販売量は前年同期並みとなりましたが、前年同期の操業度悪化による在庫影響などにより減益となりました。モビリティ&インダストリアル事業については、自動車内装材事業の価格転嫁が順調に進捗したことや、エンジニアリング樹脂事業が太陽電池用途等の工業用途向けの販売量を伸ばしたこと、さらに円安による交易条件の改善もあり増益となりました。ライフイノベーション事業についても、AIサーバーやハイエンドスマホ向け電子材料や、カメラモジュール向け電子部品等デジタルソリューション事業を中心に主力製品の販売が堅調に推移したほか、円安による交易条件の改善もあり増益となりました。
以上のことなどから、全体では増収・増益となりました。
「住宅」セグメント
売上高は5,052億円で前年同期比425億円の増収となり、営業利益は436億円で前年同期比83億円の増益となりました。
建築請負部門については、工事数量の減少を、物件の大型化・高付加価値化による平均単価の上昇やコストダウンでカバーし、前年同期並みの営業利益となりました。不動産部門は、賃貸管理事業の管理戸数が堅調に増加したほか、分譲マンションの販売戸数が大幅に増加し増益となりました。海外事業部門についても、円安に加えて、北米事業は住宅需要が落ち込んだ前年同期に対して数量が回復し、豪州事業は価格転嫁が進んだことにより増益となりました。また、建材事業については、価格転嫁が進みましたが、販売数量の減少や前年同期に計上されたライセンスの一時金収入の減少などにより減益となりました。
以上のことなどから、全体では増収・増益となりました。
「ヘルスケア」セグメント
売上高は2,927億円で前年同期比262億円の増収となり、営業利益は332億円で前年同期比133億円の増益となりました。
医薬事業については、スウェーデンの製薬会社Calliditas Therapeutics ABの買収に伴う費用の計上がありましたが、Envarsus XRなど主力製剤が好調に販売数量を伸ばしたことや固定費減少により増益となりました。医療事業については、プラノバが顧客の在庫調整の影響を受けた前年同期に対して販売量が増加したほか、円安などにより増益となりました。クリティカルケア事業については、除細動器の価格転嫁の進捗や原価低減のほか、LifeVestが順調に販売数を伸ばし、さらに円安などにより増益となりました。
以上のことなどから、全体では増収・増益となりました。
「その他」
売上高は67億円で前年同期比2億円の増収となり、営業利益は8億円で前年同期比8億円の減益となりました。
(2) 財政状態の状況
当中間連結会計期間末の総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産が224億円減少したものの、無形固定資産が1,367億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて1,258億円増加し、3兆7,885億円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金が189億円減少したものの、有利子負債(リース債務除く)が1,962億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて1,709億円増加し、1兆9,850億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する中間純利益を602億円計上したものの、為替換算調整勘定が752億円減少したことや、配当金の支払が250億円あったことなどから、前連結会計年度末に比べて452億円減少し、1兆8,034億円となりました。
この結果、自己資本比率は46.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは1,511億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは2,793億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は1,282億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,635億円の収入となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による減少312億円などがありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末の残高は、前連結会計年度末に比べ42億円増加し、3,377億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加289億円、仕入債務の減少227億円などの支出があったものの、税金等調整前中間純利益971億円、減価償却費729億円、売上債権及び契約資産の減少240億円、のれん償却額157億円などの収入があったことから、1,511億円の収入(前中間連結会計期間比172億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、貸付金の回収による収入107億円、投資有価証券の売却による収入84億円などの収入があったものの、Calliditas Therapeutics AB及びODC Construction, LLCの買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,884億円、有形固定資産の取得による支出1,016億円、無形固定資産の取得による支出71億円などの支出があったことから、2,793億円の支出(前中間連結会計期間比1,918億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの減少830億円、長期借入金の返済による支出268億円、配当金の支払250億円、社債の償還による支出200億円、リース債務の返済による支出59億円などの支出があったものの、短期借入金の増加1,781億円、長期借入れによる収入1,495億円などの収入があったことから、1,635億円の収入(前中間連結会計期間比2,065億円の収入の増加)となりました。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社及び連結子会社の研究開発活動の金額は、54,832百万円です。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
① 主要な設備の状況
当中間連結会計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。
② 設備の新設、除却等の計画
Ⅰ 設備の新設・拡充の計画
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末における設備の新設・拡充の計画に著しい変更はありません。
なお、2024年9月30日現在において、当社及び連結子会社が当連結会計年度に実施した又は計画している設備の新設、重要な拡充、改修の状況は次のとおりです。
セグメントの名称当中間
連結会計期間
実績金額
(百万円)
当連結会計年度
計画金額
(百万円)
設備投資・計画の主な内容・目的
マテリアル46,896176,000・Environment & Energy:リチウムイオン電池用セパレータ
「ハイポア™」の塗工能力増強
・共通:水力発電所改修、合理化、情報化、維持更新 等
住宅18,85331,000Home & Living:合理化、情報化、維持更新 等
ヘルスケア21,44451,000Health Care:ウイルス除去フィルター「プラノバ™」組立工場建設、バイオ医薬品CDMOのBionova社の能力増強、合理化、情報化、維持更新 等
その他1,1612,000合理化、情報化、維持更新 等
全社6,34315,000合理化、情報化、維持更新 等
合計94,697275,000

(注) 上記計画の所要資金は、グループ内資金により賄う予定です。
Ⅱ 設備の除却・売却の計画
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末における設備の除却・売却の計画に著しい変更はありません。