有価証券報告書-第134期(2024/04/01-2025/03/31)
本項の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。これらの記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた一定の前提条件や見解に基づくものであり、「3 事業等のリスク」等に記載された事項及びその他の要因により、当社グループの実際の業績はこれらの予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
① 経営成績
Ⅰ 当社グループ全体
当社グループの当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日、以下、「当期」)における連結業績は、「マテリアル」が石化市況の上昇による交易条件の改善や、半導体・電子機器関連市場の好調な需要に伴う拡販などにより改善し、「住宅」「ヘルスケア」は堅調に推移したことから、売上高は3兆373億円で前連結会計年度(以下、「前期」)比2,524億円の増収となり、営業利益は2,119億円で前期比712億円の増益となりました。経常利益は1,935億円で持分法による投資損失の減少などにより前期比1,033億円の増益となりました。また、前期比で減損損失は減少しましたが、税金費用が増加したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,350億円で、912億円の増益となりました。その結果、EPS(1株当たり当期純利益)は97.94円と前期比66.34円の増加となりました。
資本効率について、当期のROICは5.5%で前期比0.4%の悪化、ROEは7.4%で前期比4.8%の改善となりました。
財務健全性については、有利子負債の増加を受けて、D/Eレシオは0.62となりました。
〈当社グループの業績〉
Ⅱ セグメント別
ⅰ 「マテリアル」セグメント
売上高は1兆3,688億円で前期比1,070億円の増収となり、営業利益は874億円で前期比448億円の増益となりました。
環境ソリューション事業は、セパレータ事業における分社や北米投資に伴う費用の増加、経時的な価格対応などによる減益影響を受けましたが、基盤マテリアル事業における交易条件の改善や固定費低減により、大幅な増益となりました。
モビリティ&インダストリアル事業は、円安影響や価格転嫁が進捗したことによる交易条件の改善に加え、自動車内装材事業の販売量も増加したことから、増益となりました。
ライフイノベーション事業についても、円安影響に加え、AIサーバーやハイエンドスマホ向けの電子材料や電子部品など、デジタルソリューション事業を中心に主力製品の販売が堅調に推移し、増益となりました。
ⅱ 「住宅」セグメント
売上高は1兆359億円で前期比815億円の増収となり、営業利益は959億円で前期比130億円の増益となりました。
住宅事業は、建築請負部門が、数量が減少する一方で、物件の大型化・高付加価値化による平均単価の上昇やコストダウンによる限界利益率の改善により、増益となりました。不動産部門は、開発事業の営業利益は前年並みとなったものの、賃貸管理事業が管理戸数を順調に伸ばし、増益となりました。海外事業部門は、円安に加えて、北米事業の数量回復と豪州事業の価格転嫁により、増益となりました。
建材事業についても、価格転嫁が進み、増益となりました。
ⅲ 「ヘルスケア」セグメント
売上高は6,159億円で前期比621億円の増収となり、営業利益は640億円で前期比155億円の増益となりました。
医薬・医療事業は、スウェーデンの製薬会社Calliditas Therapeutics ABの買収に伴う費用の計上があった一方、「Envarsus XR™」など主力製剤が好調に販売数量を伸ばし、増益となりました。
クリティカルケア事業は、円安影響に加え、除細動器の価格転嫁や原価低減、「LifeVest®」の新規患者数が増加したこと等により、増益となりました。
Ⅲ 生産、受注及び販売の状況
ⅰ 生産実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産の状況については、「Ⅱ セグメント別」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
ⅱ 受注状況
当社グループは注文住宅に関して受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりです。その他の製品については主として見込生産を行っているため、特記すべき受注生産はありません。
ⅲ 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 前期及び当期において、主要な販売先として記載すべきものはありません。
② 財政状態
当期末の総資産は、Calliditas Therapeutics ABを買収したことなどにより、前期比3,525億円増加し、4兆152億円となりました。
流動資産は、現金及び預金が554億円、棚卸資産が405億円増加したことなどから、前期比1,194億円増加し、1兆7,694億円となりました。
固定資産は、投資有価証券が199億円、繰延税金資産が153億円減少したものの、無形固定資産が1,758億円、有形固定資産が673億円、退職給付に係る資産が323億円増加したことなどから、前期比2,331億円増加し、2兆2,458億円となりました。
流動負債は、支払手形及び買掛金が197億円減少したものの、未払費用が291億円、短期借入金が252億円、前受金が213億円増加したことなどから、前期比500億円増加し、9,646億円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債が118億円減少したものの、長期借入金が1,413億円、社債が800億円、繰延税金負債が354億円増加したことなどから、前期比2,371億円増加し、1兆1,367億円となりました。
有利子負債は、前期比2,404億円増加し、1兆1,575億円となりました。
純資産は、配当金の支払500億円や自己株式の取得300億円があり、為替換算調整勘定が226億円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を1,350億円計上したことや退職給付に係る調整累計額が289億円増加したことなどから、前期末の1兆8,486億円から653億円増加し、1兆9,139億円になりました。
その結果、1株当たり純資産は前期比60.96円増加し1,369.16円となり、自己資本比率は前期末の49.5%から46.3%となりました。D/E レシオは前期末から0.12ポイント増加し0.62となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
Ⅰ キャッシュ・フローの状況
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは3,015億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは3,811億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は797億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,446億円の収入となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による減少85億円などがありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前連結会計年度末に比べ565億円増加し、3,900億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払455億円、投資有価証券売却益325億円、棚卸資産の増加321億円、仕入債務の減少267億円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益1,946億円、減価償却費1,535億円、のれん償却額326億円、未払費用の増加211億円、前受金の増加210億円などの収入があったことから、3,015億円の収入(前期比62億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入369億円、貸付金の回収による収入128億円などの収入があったものの、有形固定資産の取得による支出2,017億円、Calliditas Therapeutics AB及びODC Construction, LLCの買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,912億円、無形固定資産の取得による支出163億円、貸付けによる支出92億円などの支出があったことから、3,811億円の支出(前期比2,386億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出725億円、配当金の支払500億円、自己株式の取得による支出300億円、社債の償還による支出300億円などの支出があったものの、長期借入れによる収入2,061億円、社債の発行による収入1,000億円、非支配株主からの払込みによる収入163億円などの収入があったことから、1,446億円の収入(前期比2,389億円の収入の増加)となりました。
当社グループの連結キャッシュ・フローの推移
(単位:億円)
Ⅱ 流動性と資金調達の源泉
(資本の財源及び資金の流動性について)
2026年3月31日に終了する連結会計年度においては、各セグメントが安定的なキャッシュ・フローを創出することを見込んでいます。加えて、財務規律の強化や事業ポートフォリオ転換などを通じた収益体質の強化にも取り組み、更なるキャッシュの創出に継続的に努めています。
また、当社グループでは、D/Eレシオ0.7を目安に健全な財務体質を維持しつつ、これを背景に金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行など多様な調達手段により、安定的かつ低コストの資金調達を図ります。同時に資金の年度別返済の集中を避けることで借り換えリスクの低減も図っています。
これらの資金を、経営基盤の強化・変革、持続可能な社会の実現と企業価値の継続的な向上のための戦略的な投資、及び株主の皆様への還元に活用していきます。
なお、当社グループでは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)とグローバル・ノーショナル・キャッシュ・プーリングを導入しており、国内外の金融子会社、海外現地法人などにおいて集中的な資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンスの考え方を基本としています。グローバル拡大への対応とグループ経営の深化の視点から、今後も連結ベースでの資金管理体制の更なる充実と資金効率化を図ります。
(2) 重要な判断を要する会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
当社グループは、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価、訴訟等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
① 棚卸資産の評価
当社グループで保有する棚卸資産は取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により期末における回収可能価額が取得原価よりも下落している場合には、回収可能価額まで棚卸資産の評価を切り下げています。回収可能価額は、商品及び製品については正味売却価額に基づき、原材料等については再調達原価に基づいています。経営者は、棚卸資産の評価に用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、当社グループは、主に「マテリアル」セグメントを中心として市場価格の変動リスクに晒されており、将来、経営環境の悪化等により市場価格が下落した場合には棚卸資産の簿価を切り下げることになります。
② 企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価
当社グループは、企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価について、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの合理的に算定された価額を基礎として算定しています。
経営者は、無形固定資産の時価の見積りに用いられた、事業計画に含まれる将来の販売数量の見込みや割引率等についての主要な仮定について合理的であると判断しています。
③ 有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の減損
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の兆候があるものとして、減損損失の認識の判定を行っています。減損の存在が相当程度に確実と判断した場合、減損損失の測定を行い、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としています。使用価値は、将来の市場の成長度合い、収益と費用の予想、資産の予想使用期間、割引率等の前提条件に基づき将来キャッシュ・フローを見積もることにより算出しています。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価は合理的であると判断しています。ただし、予測不能な市場環境の悪化等により有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の評価に関する見積りの前提に重要な変化が生じた場合には、減損損失を計上する可能性があります。
④ 繰延税金資産の評価
当社グループは、繰延税金資産のうち、回収可能性に不確実性があり、将来において回収が見込まれない金額を評価性引当額として設定しています。繰延税金資産の回収可能性については、課税所得及びタックスプランニングの見積りにより計上していますが、特に課税所得の見積りには将来に関する予測や情報が含まれています。将来の予測や情報に基づき、繰延税金資産の一部又は全部が回収できない可能性が高いと判断した場合には、将来回収が可能と判断される額までを繰延税金資産に計上しています。経営者は、繰延税金資産の回収可能性の判断及び前提となる課税所得やタックスプランニングの見積りは適切であると判断しています。ただし、将来、経営環境の悪化等により、想定していた課税所得が見込まれなくなった場合は、評価性引当額を設定することにより繰延税金資産が取崩される可能性があります。
⑤ 退職給付債務及び費用
当社グループは主として従業員の確定給付制度に基づく退職給付債務及び費用について、割引率、昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件を用いた数理計算により算出しています。割引率は測定日時点における、従業員の給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた長期国債利回りに基づき決定し、各前提条件については定期的に見直しを行っています。長期期待運用収益率については、過去の年金資産の運用実績及び将来見通しを基礎として決定しています。
経営者は、年金数理計算上用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、前提条件を変更した場合、あるいは前提条件と実際の数値に差異が生じた場合には、数理計算上の差異が発生し、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
① 経営成績
Ⅰ 当社グループ全体
当社グループの当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日、以下、「当期」)における連結業績は、「マテリアル」が石化市況の上昇による交易条件の改善や、半導体・電子機器関連市場の好調な需要に伴う拡販などにより改善し、「住宅」「ヘルスケア」は堅調に推移したことから、売上高は3兆373億円で前連結会計年度(以下、「前期」)比2,524億円の増収となり、営業利益は2,119億円で前期比712億円の増益となりました。経常利益は1,935億円で持分法による投資損失の減少などにより前期比1,033億円の増益となりました。また、前期比で減損損失は減少しましたが、税金費用が増加したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,350億円で、912億円の増益となりました。その結果、EPS(1株当たり当期純利益)は97.94円と前期比66.34円の増加となりました。
資本効率について、当期のROICは5.5%で前期比0.4%の悪化、ROEは7.4%で前期比4.8%の改善となりました。
財務健全性については、有利子負債の増加を受けて、D/Eレシオは0.62となりました。
〈当社グループの業績〉
| 経営指標 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 前期との 差異 | ||
| 収益性 | 売上高 | (億円) | 27,265 | 27,849 | 30,373 | +2,524 |
| 営業利益 | (億円) | 1,277 | 1,407 | 2,119 | +712 | |
| 売上高営業利益率 | (%) | 4.7 | 5.1 | 7.0 | +1.9 | |
| EBITDA | (億円) | 3,050 | 3,229 | 3,980 | +751 | |
| 売上高EBITDA率 | (%) | 11.2 | 11.6 | 13.1 | +1.5 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失(△) | (億円) | △919 | 438 | 1,350 | +912 | |
| EPS | (円) | △66.30 | 31.60 | 97.94 | +66.34 | |
| 資本効率 | ROIC | (%) | 4.0 | 5.9 | 5.5 | △0.4 |
| ROE | (%) | △5.5 | 2.5 | 7.4 | +4.8 | |
| 財務健全性 | D/Eレシオ | 0.57 | 0.51 | 0.62 | +0.12 | |
Ⅱ セグメント別
ⅰ 「マテリアル」セグメント
売上高は1兆3,688億円で前期比1,070億円の増収となり、営業利益は874億円で前期比448億円の増益となりました。
環境ソリューション事業は、セパレータ事業における分社や北米投資に伴う費用の増加、経時的な価格対応などによる減益影響を受けましたが、基盤マテリアル事業における交易条件の改善や固定費低減により、大幅な増益となりました。
モビリティ&インダストリアル事業は、円安影響や価格転嫁が進捗したことによる交易条件の改善に加え、自動車内装材事業の販売量も増加したことから、増益となりました。
ライフイノベーション事業についても、円安影響に加え、AIサーバーやハイエンドスマホ向けの電子材料や電子部品など、デジタルソリューション事業を中心に主力製品の販売が堅調に推移し、増益となりました。
ⅱ 「住宅」セグメント
売上高は1兆359億円で前期比815億円の増収となり、営業利益は959億円で前期比130億円の増益となりました。
住宅事業は、建築請負部門が、数量が減少する一方で、物件の大型化・高付加価値化による平均単価の上昇やコストダウンによる限界利益率の改善により、増益となりました。不動産部門は、開発事業の営業利益は前年並みとなったものの、賃貸管理事業が管理戸数を順調に伸ばし、増益となりました。海外事業部門は、円安に加えて、北米事業の数量回復と豪州事業の価格転嫁により、増益となりました。
建材事業についても、価格転嫁が進み、増益となりました。
ⅲ 「ヘルスケア」セグメント
売上高は6,159億円で前期比621億円の増収となり、営業利益は640億円で前期比155億円の増益となりました。
医薬・医療事業は、スウェーデンの製薬会社Calliditas Therapeutics ABの買収に伴う費用の計上があった一方、「Envarsus XR™」など主力製剤が好調に販売数量を伸ばし、増益となりました。
クリティカルケア事業は、円安影響に加え、除細動器の価格転嫁や原価低減、「LifeVest®」の新規患者数が増加したこと等により、増益となりました。
Ⅲ 生産、受注及び販売の状況
ⅰ 生産実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産の状況については、「Ⅱ セグメント別」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
ⅱ 受注状況
当社グループは注文住宅に関して受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりです。その他の製品については主として見込生産を行っているため、特記すべき受注生産はありません。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 住宅 | 426,399 | 108.2 | 567,132 | 109.0 |
ⅲ 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売実績(百万円) | 前期比(%) |
| マテリアル | 1,368,770 | 108.5 |
| 住宅 | 1,035,860 | 108.5 |
| ヘルスケア | 615,901 | 111.2 |
| その他 | 16,781 | 112.2 |
| 合計 | 3,037,312 | 109.1 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 前期及び当期において、主要な販売先として記載すべきものはありません。
② 財政状態
当期末の総資産は、Calliditas Therapeutics ABを買収したことなどにより、前期比3,525億円増加し、4兆152億円となりました。
流動資産は、現金及び預金が554億円、棚卸資産が405億円増加したことなどから、前期比1,194億円増加し、1兆7,694億円となりました。
固定資産は、投資有価証券が199億円、繰延税金資産が153億円減少したものの、無形固定資産が1,758億円、有形固定資産が673億円、退職給付に係る資産が323億円増加したことなどから、前期比2,331億円増加し、2兆2,458億円となりました。
流動負債は、支払手形及び買掛金が197億円減少したものの、未払費用が291億円、短期借入金が252億円、前受金が213億円増加したことなどから、前期比500億円増加し、9,646億円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債が118億円減少したものの、長期借入金が1,413億円、社債が800億円、繰延税金負債が354億円増加したことなどから、前期比2,371億円増加し、1兆1,367億円となりました。
有利子負債は、前期比2,404億円増加し、1兆1,575億円となりました。
純資産は、配当金の支払500億円や自己株式の取得300億円があり、為替換算調整勘定が226億円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を1,350億円計上したことや退職給付に係る調整累計額が289億円増加したことなどから、前期末の1兆8,486億円から653億円増加し、1兆9,139億円になりました。
その結果、1株当たり純資産は前期比60.96円増加し1,369.16円となり、自己資本比率は前期末の49.5%から46.3%となりました。D/E レシオは前期末から0.12ポイント増加し0.62となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
Ⅰ キャッシュ・フローの状況
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは3,015億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは3,811億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は797億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,446億円の収入となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による減少85億円などがありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前連結会計年度末に比べ565億円増加し、3,900億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払455億円、投資有価証券売却益325億円、棚卸資産の増加321億円、仕入債務の減少267億円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益1,946億円、減価償却費1,535億円、のれん償却額326億円、未払費用の増加211億円、前受金の増加210億円などの収入があったことから、3,015億円の収入(前期比62億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入369億円、貸付金の回収による収入128億円などの収入があったものの、有形固定資産の取得による支出2,017億円、Calliditas Therapeutics AB及びODC Construction, LLCの買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,912億円、無形固定資産の取得による支出163億円、貸付けによる支出92億円などの支出があったことから、3,811億円の支出(前期比2,386億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出725億円、配当金の支払500億円、自己株式の取得による支出300億円、社債の償還による支出300億円などの支出があったものの、長期借入れによる収入2,061億円、社債の発行による収入1,000億円、非支配株主からの払込みによる収入163億円などの収入があったことから、1,446億円の収入(前期比2,389億円の収入の増加)となりました。
当社グループの連結キャッシュ・フローの推移
(単位:億円)
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー① | 908 | 2,953 | 3,015 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー② | △2,136 | △1,426 | △3,811 |
| フリー・キャッシュ・フロー③(①+②) | △1,228 | 1,527 | △797 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー④ | 1,118 | △943 | 1,446 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額⑤ | 157 | 297 | △85 |
| 現金及び現金同等物の増減額⑥(③+④+⑤) | 47 | 880 | 564 |
| 現金及び現金同等物の期首残高⑦ | 2,429 | 2,479 | 3,335 |
| 連結の範囲の変更に伴う増減額⑧ | 2 | - | 1 |
| 会社分割に伴う減少額⑨ | - | △24 | - |
| 現金及び現金同等物の期末残高(⑥+⑦+⑧+⑨) | 2,479 | 3,335 | 3,900 |
Ⅱ 流動性と資金調達の源泉
(資本の財源及び資金の流動性について)
2026年3月31日に終了する連結会計年度においては、各セグメントが安定的なキャッシュ・フローを創出することを見込んでいます。加えて、財務規律の強化や事業ポートフォリオ転換などを通じた収益体質の強化にも取り組み、更なるキャッシュの創出に継続的に努めています。
また、当社グループでは、D/Eレシオ0.7を目安に健全な財務体質を維持しつつ、これを背景に金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行など多様な調達手段により、安定的かつ低コストの資金調達を図ります。同時に資金の年度別返済の集中を避けることで借り換えリスクの低減も図っています。
これらの資金を、経営基盤の強化・変革、持続可能な社会の実現と企業価値の継続的な向上のための戦略的な投資、及び株主の皆様への還元に活用していきます。
なお、当社グループでは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)とグローバル・ノーショナル・キャッシュ・プーリングを導入しており、国内外の金融子会社、海外現地法人などにおいて集中的な資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンスの考え方を基本としています。グローバル拡大への対応とグループ経営の深化の視点から、今後も連結ベースでの資金管理体制の更なる充実と資金効率化を図ります。
(2) 重要な判断を要する会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
当社グループは、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価、訴訟等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
① 棚卸資産の評価
当社グループで保有する棚卸資産は取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により期末における回収可能価額が取得原価よりも下落している場合には、回収可能価額まで棚卸資産の評価を切り下げています。回収可能価額は、商品及び製品については正味売却価額に基づき、原材料等については再調達原価に基づいています。経営者は、棚卸資産の評価に用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、当社グループは、主に「マテリアル」セグメントを中心として市場価格の変動リスクに晒されており、将来、経営環境の悪化等により市場価格が下落した場合には棚卸資産の簿価を切り下げることになります。
② 企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価
当社グループは、企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価について、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの合理的に算定された価額を基礎として算定しています。
経営者は、無形固定資産の時価の見積りに用いられた、事業計画に含まれる将来の販売数量の見込みや割引率等についての主要な仮定について合理的であると判断しています。
③ 有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の減損
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の兆候があるものとして、減損損失の認識の判定を行っています。減損の存在が相当程度に確実と判断した場合、減損損失の測定を行い、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としています。使用価値は、将来の市場の成長度合い、収益と費用の予想、資産の予想使用期間、割引率等の前提条件に基づき将来キャッシュ・フローを見積もることにより算出しています。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価は合理的であると判断しています。ただし、予測不能な市場環境の悪化等により有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の評価に関する見積りの前提に重要な変化が生じた場合には、減損損失を計上する可能性があります。
④ 繰延税金資産の評価
当社グループは、繰延税金資産のうち、回収可能性に不確実性があり、将来において回収が見込まれない金額を評価性引当額として設定しています。繰延税金資産の回収可能性については、課税所得及びタックスプランニングの見積りにより計上していますが、特に課税所得の見積りには将来に関する予測や情報が含まれています。将来の予測や情報に基づき、繰延税金資産の一部又は全部が回収できない可能性が高いと判断した場合には、将来回収が可能と判断される額までを繰延税金資産に計上しています。経営者は、繰延税金資産の回収可能性の判断及び前提となる課税所得やタックスプランニングの見積りは適切であると判断しています。ただし、将来、経営環境の悪化等により、想定していた課税所得が見込まれなくなった場合は、評価性引当額を設定することにより繰延税金資産が取崩される可能性があります。
⑤ 退職給付債務及び費用
当社グループは主として従業員の確定給付制度に基づく退職給付債務及び費用について、割引率、昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件を用いた数理計算により算出しています。割引率は測定日時点における、従業員の給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた長期国債利回りに基づき決定し、各前提条件については定期的に見直しを行っています。長期期待運用収益率については、過去の年金資産の運用実績及び将来見通しを基礎として決定しています。
経営者は、年金数理計算上用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、前提条件を変更した場合、あるいは前提条件と実際の数値に差異が生じた場合には、数理計算上の差異が発生し、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。