有価証券報告書-第143期(2025/04/01-2026/03/31)
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、緊張状態が継続する中東情勢や米国の通商政策の動向など、海外景気の下振れリスクに対する警戒感が高まっております。加えて、円安やエネルギー価格の高騰、原材料の供給制約や価格変動により調達環境は不安定な状況が続いており、企業収益の下押し要因となっていることから、先行きは引き続き不透明な状況にあります。
このような状況の下、当社グループの経営成績は、売上高は937億5千9百万円(前期比 29.3%増)、営業利益は38億5千4百万円(同 18.3%減)、経常利益は44億7千9百万円(同 13.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億8千8百万円(同 82.1%減)となりました。
売上高は、国内塗料事業及び海外塗料事業における販売が低調に推移するなか、前期に連結子会社となった神東塗料グループの損益を当期より連結に含めたことにより、前期を大きく上回りました。一方で当該連結化による利益面への寄与は国内、海外ともに限定的であるほか、販売の伸び悩みによる収益性の低下や人件費等を中心とした経費増加の影響が大きく、営業利益及び経常利益は前期を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した負ののれん発生益の剥落に加えて、近年低迷が続く中国事業の構造改革として実行した中国製造子会社の持分譲渡契約締結により関係会社整理損を計上した結果、前期を大きく下回りました。なお、当該子会社の連結除外は2027年3月中間期を予定しており、以降、中国事業における営業赤字は解消する見通しであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[国内塗料事業]
売上高は718億7千万円(前期比 41.1%増)、営業利益は12億3千1百万円(同 37.4%減)となりました。
一般用分野は、2025年11月にJISマーク表示の一時停止処分が解除されたものの、期中においては販売の本格的な回復には至らず、売上高は前期を下回りました。工業用分野は、自動車部品用途や各種建材用途などの一部市況が低調に推移し、売上高は前期を下回りました。インク・分散技術関連は、期末にかけて主要顧客の在庫調整の影響を受けたほか、新規顧客の獲得に遅れが生じ、売上高は前期を下回りました。当セグメント全体の売上高は、神東塗料グループの連結化により前期を大きく上回りました。
営業利益は、製品ミックスの改善や価格是正に継続して取り組んだものの、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材確保・育成に向けた人件費の増加により、前期を下回りました。
[海外塗料事業]
売上高は85億9千万円(前期比 5.6%増)、営業利益は3億6千8百万円(同 54.1%増)となりました。
東南アジアでは、タイを中心に日系自動車メーカーの生産低迷に伴う需要減少が継続しましたが、神東塗料グループの連結化により、売上高は前期を上回りました。メキシコでは、低採算品の販売抑制や主要顧客における在庫調整の影響を受け、売上高は前期を下回りました。中国では、各種工業用途における需要の減少により、売上高は前期を下回りました。
営業利益は、東南アジアおよびメキシコにおいて販売が低迷したものの、中国におけるコスト抑制により、前期を上回りました。
[照明機器事業]
売上高は104億2千4百万円(前期比 0.1%増)、営業利益は19億2千8百万円(同 6.6%減)となりました。
LED照明分野は、再開発案件を中心とした商業施設向けや宿泊施設向けの堅調な需要に支えられ、売上高は前期を上回りました。他方、UVランプ分野における特定顧客向けの需要減少や蛍光灯分野の市場縮小等の影響は見られましたが、LED照明分野の伸長がこれらを補い、当セグメント全体の売上高は前期をわずかに上回りました。
営業利益は、前期に実施した本社移転に伴う減価償却費の増加や人材確保・育成のための人件費の増加が影響し、前期を下回りました。なお、価格戦略等による製品収益性の向上は着実に進んでおり、全体として概ね堅調な推移となりました。
[蛍光色材事業]
売上高は10億8千8百万円(前期比 6.1%減)、営業利益は6千4百万円(同 8.5%増)となりました。
顔料分野は、EU地域等における海外向け需要の回復や文具向けへの新規採用により、売上高は前期を上回りました。一方で加工品分野は、前期における大口物件の剥落により、売上高は前期を下回りました。これにより、当セグメント全体の売上高は、前期を下回りました。
営業利益は、高付加価値製品の販売伸長および経費圧縮に努めたことにより、前期を上回りました。
[その他事業]
売上高は17億8千5百万円(前期比 5.0%減)、営業損失は3千7百万円(前期は営業利益7千9百万円)となりました。
物流事業は、取扱量の減少により、売上高は前期を下回りました。塗装工事事業は工事受注が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
営業利益は、塗装工事において収益率の高い物件受注が増加した一方、物流事業における拠点集約に伴う一過性費用の計上により、前期を下回りました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より5億5千6百万円減少し、109億1千3百万円となりました。
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、30億1千1百万円(前連結会計年度は35億7千万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益及び減価償却費等による収入と、退職給付に係る資産の増加、法人税等の支払及び仕入債務の減少等の支出が主因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、33億9千7百万円(前連結会計年度は3億6千4百万円の支出)となりました。これは定期預金の払戻による収入及び投資有価証券の売却による収入と、有形固定資産の取得及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等の支出が主因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、1億8千9百万円(前連結会計年度は7千5百万円の支出)となりました。これは長期借入金の借入等の収入と、短期借入金の返済及び配当金の支払等の支出が主因です。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、営業活動から得られたキャッシュ・フローの収入を財源に運転資金、製造設備や研究開発設備の購入、配当金の支払い及び借入金の返済等に利用しております。
事業活動の持続的成長に欠かせない資金の流動性や安定的確保において、短期運転資金については、自己資金及び取引金融機関からの短期借入を基本とし、また設備投資など長期運転資金の調達については、長期借入を基本としております。当連結会計年度においては、重要な資金調達はありません。その結果、短期借入金残高は86億6千8百万円(前連結会計年度は105億3千6百万円)、長期借入金残高は58億3千1百万円(前連結会計年度は10億4千万円)となっております。
当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は168億1千3百万円となっております。また、現金及び預金残高は113億3千2百万円となっております。一部の国内子会社については、各社の余剰資金を効率的に活用するため、CMS(キャッシュマネジメントサービス)を導入し、資金及び財務効率性を目的とした一元管理を行っております。なお、在外子会社については、現地での設備投資や運転資金等の資金需要のために必要な現預金を保有しており、余剰資金が発生した場合には、将来的な資金需要を考慮しながら配当金を通じて、当社が余剰資金を回収しております。
ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化及び米国の保護主義的な政策運営が金利・為替・株式相場の変動を引き起こす等、足元の業績が不透明な中で、当社としては手元資金の流動性の確保に向け金融機関と日々連携しており、当面の資金繰りについては、十分に担保されております。今後、運転資金等の需要が増加した場合には、コミットメントライン契約の活用の検討や、主力銀行等からの追加の短期資金調達を実施いたします。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.前記セグメント区分以外の「その他」は、塗装工事事業、物流事業等であり、提供するサービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
② 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、一部特需関係等を除き主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残等について特に記載すべき事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は照明機器事業の堅調な推移により前期を上回りましたが、営業利益は国内塗料事業の費用増加等の影響により前期を下回りました。
売上高と営業利益のセグメントごとの経営成績の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)当連結会計年度における財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、1,374億9千万円となり、前連結会計年度末と比較して41億4千6百万円の増加となりました。流動資産は、512億5千8百万円で前連結会計年度末と比較して18億7百万円の減少となりましたが、これは現金及び預金の減少、受取手形、売掛金及び契約資産の減少が主因であります。固定資産は、862億3千1百万円で前連結会計年度末と比較して59億5千3百万円の増加となりましたが、これは有形固定資産の増加、投資その他の資産の増加が主因であります。
負債は、608億1千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して36億3千9百万円の増加となりました。流動負債は、374億9千8百万円で前連結会計年度末と比較して21億4千3百万円の減少となりましたが、これは支払手形及び買掛金の減少、短期借入金の減少、リース債務の減少が主因であります。固定負債は、233億1千5百万円で前連結会計年度末と比較して57億8千3百万円の増加となりましたが、これは長期借入金の増加、リース債務の増加、繰延税金負債の増加が主因であります。
純資産は、766億7千6百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億6百万円の増加となりましたが、これは利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加、退職給付に係る調整累計額の増加が主因であります。
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、ビジョン2029及び2026中期経営計画における経営上の目標としての業績指標に、売上高、営業利益、NOPAT-ROEを設定しております。これらの目標を踏まえ、各期においても期初に事業環境等を考慮して計画値を設定し、その達成に向け努めております。
当連結会計年度の達成・進捗状況は次のとおりであります。
期初業績予想(2025年5月15日公表)との比較 (金額:百万円、NOPAT-ROE:%)
期初に設定した業績予想との比較では、売上高は17億5千9百万円増(予想比 1.9%増)、営業利益は11億4千5百万円減(同 22.9%減)、NOPAT-ROEは1.2ポイント減となりました。
売上高につきましては、国内塗料事業および海外塗料事業における販売が低調に推移するなか、連結子会社の売上が好調に推移したことにより、期初予想を上回りました。営業利益につきましては、販売の伸び悩みによる収益性の低下により、期初予想を下回りました。NOPAT-ROEは、株主還元の強化や資産流動化などを通じて自己資本の抑制に努めたものの、営業利益が予想を下回った結果、期初予想を下回りました。
なお、2026中期経営計画では2026年度の連結業績目標を売上高800億円、営業利益80億円、NOPAT-ROE 8.0%程度としておりましたが、足元の事業環境の変化やこれまでに実施したM&Aに伴うグループ体制の刷新を踏まえ、2026年度の業績予想は売上高960億円、営業利益55億円、NOPAT-ROE 5.6%程度といたしました。
2026年度予想は中計目標と乖離するものの、ビジョン2029目標である売上高1,000億円、営業利益100億円、NOPAT-ROE 8.0%に変更はなく、新たなグループ体制下での成長戦略を加速させることで、同目標の実現を目指してまいります。
(金額:百万円、NOPAT-ROE:%)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、緊張状態が継続する中東情勢や米国の通商政策の動向など、海外景気の下振れリスクに対する警戒感が高まっております。加えて、円安やエネルギー価格の高騰、原材料の供給制約や価格変動により調達環境は不安定な状況が続いており、企業収益の下押し要因となっていることから、先行きは引き続き不透明な状況にあります。
このような状況の下、当社グループの経営成績は、売上高は937億5千9百万円(前期比 29.3%増)、営業利益は38億5千4百万円(同 18.3%減)、経常利益は44億7千9百万円(同 13.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億8千8百万円(同 82.1%減)となりました。
売上高は、国内塗料事業及び海外塗料事業における販売が低調に推移するなか、前期に連結子会社となった神東塗料グループの損益を当期より連結に含めたことにより、前期を大きく上回りました。一方で当該連結化による利益面への寄与は国内、海外ともに限定的であるほか、販売の伸び悩みによる収益性の低下や人件費等を中心とした経費増加の影響が大きく、営業利益及び経常利益は前期を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した負ののれん発生益の剥落に加えて、近年低迷が続く中国事業の構造改革として実行した中国製造子会社の持分譲渡契約締結により関係会社整理損を計上した結果、前期を大きく下回りました。なお、当該子会社の連結除外は2027年3月中間期を予定しており、以降、中国事業における営業赤字は解消する見通しであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[国内塗料事業]
売上高は718億7千万円(前期比 41.1%増)、営業利益は12億3千1百万円(同 37.4%減)となりました。
一般用分野は、2025年11月にJISマーク表示の一時停止処分が解除されたものの、期中においては販売の本格的な回復には至らず、売上高は前期を下回りました。工業用分野は、自動車部品用途や各種建材用途などの一部市況が低調に推移し、売上高は前期を下回りました。インク・分散技術関連は、期末にかけて主要顧客の在庫調整の影響を受けたほか、新規顧客の獲得に遅れが生じ、売上高は前期を下回りました。当セグメント全体の売上高は、神東塗料グループの連結化により前期を大きく上回りました。
営業利益は、製品ミックスの改善や価格是正に継続して取り組んだものの、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材確保・育成に向けた人件費の増加により、前期を下回りました。
[海外塗料事業]
売上高は85億9千万円(前期比 5.6%増)、営業利益は3億6千8百万円(同 54.1%増)となりました。
東南アジアでは、タイを中心に日系自動車メーカーの生産低迷に伴う需要減少が継続しましたが、神東塗料グループの連結化により、売上高は前期を上回りました。メキシコでは、低採算品の販売抑制や主要顧客における在庫調整の影響を受け、売上高は前期を下回りました。中国では、各種工業用途における需要の減少により、売上高は前期を下回りました。
営業利益は、東南アジアおよびメキシコにおいて販売が低迷したものの、中国におけるコスト抑制により、前期を上回りました。
[照明機器事業]
売上高は104億2千4百万円(前期比 0.1%増)、営業利益は19億2千8百万円(同 6.6%減)となりました。
LED照明分野は、再開発案件を中心とした商業施設向けや宿泊施設向けの堅調な需要に支えられ、売上高は前期を上回りました。他方、UVランプ分野における特定顧客向けの需要減少や蛍光灯分野の市場縮小等の影響は見られましたが、LED照明分野の伸長がこれらを補い、当セグメント全体の売上高は前期をわずかに上回りました。
営業利益は、前期に実施した本社移転に伴う減価償却費の増加や人材確保・育成のための人件費の増加が影響し、前期を下回りました。なお、価格戦略等による製品収益性の向上は着実に進んでおり、全体として概ね堅調な推移となりました。
[蛍光色材事業]
売上高は10億8千8百万円(前期比 6.1%減)、営業利益は6千4百万円(同 8.5%増)となりました。
顔料分野は、EU地域等における海外向け需要の回復や文具向けへの新規採用により、売上高は前期を上回りました。一方で加工品分野は、前期における大口物件の剥落により、売上高は前期を下回りました。これにより、当セグメント全体の売上高は、前期を下回りました。
営業利益は、高付加価値製品の販売伸長および経費圧縮に努めたことにより、前期を上回りました。
[その他事業]
売上高は17億8千5百万円(前期比 5.0%減)、営業損失は3千7百万円(前期は営業利益7千9百万円)となりました。
物流事業は、取扱量の減少により、売上高は前期を下回りました。塗装工事事業は工事受注が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
営業利益は、塗装工事において収益率の高い物件受注が増加した一方、物流事業における拠点集約に伴う一過性費用の計上により、前期を下回りました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より5億5千6百万円減少し、109億1千3百万円となりました。
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、30億1千1百万円(前連結会計年度は35億7千万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益及び減価償却費等による収入と、退職給付に係る資産の増加、法人税等の支払及び仕入債務の減少等の支出が主因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、33億9千7百万円(前連結会計年度は3億6千4百万円の支出)となりました。これは定期預金の払戻による収入及び投資有価証券の売却による収入と、有形固定資産の取得及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等の支出が主因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、1億8千9百万円(前連結会計年度は7千5百万円の支出)となりました。これは長期借入金の借入等の収入と、短期借入金の返済及び配当金の支払等の支出が主因です。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、営業活動から得られたキャッシュ・フローの収入を財源に運転資金、製造設備や研究開発設備の購入、配当金の支払い及び借入金の返済等に利用しております。
事業活動の持続的成長に欠かせない資金の流動性や安定的確保において、短期運転資金については、自己資金及び取引金融機関からの短期借入を基本とし、また設備投資など長期運転資金の調達については、長期借入を基本としております。当連結会計年度においては、重要な資金調達はありません。その結果、短期借入金残高は86億6千8百万円(前連結会計年度は105億3千6百万円)、長期借入金残高は58億3千1百万円(前連結会計年度は10億4千万円)となっております。
当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は168億1千3百万円となっております。また、現金及び預金残高は113億3千2百万円となっております。一部の国内子会社については、各社の余剰資金を効率的に活用するため、CMS(キャッシュマネジメントサービス)を導入し、資金及び財務効率性を目的とした一元管理を行っております。なお、在外子会社については、現地での設備投資や運転資金等の資金需要のために必要な現預金を保有しており、余剰資金が発生した場合には、将来的な資金需要を考慮しながら配当金を通じて、当社が余剰資金を回収しております。
ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化及び米国の保護主義的な政策運営が金利・為替・株式相場の変動を引き起こす等、足元の業績が不透明な中で、当社としては手元資金の流動性の確保に向け金融機関と日々連携しており、当面の資金繰りについては、十分に担保されております。今後、運転資金等の需要が増加した場合には、コミットメントライン契約の活用の検討や、主力銀行等からの追加の短期資金調達を実施いたします。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期増減率(%) |
| 国内塗料(百万円) | 63,927 | 25.9 |
| 海外塗料(百万円) | 7,653 | 5.9 |
| 照明機器(百万円) | 7,172 | 14.0 |
| 蛍光色材(百万円) | 916 | △3.0 |
| 合 計(百万円) | 79,670 | 22.1 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.前記セグメント区分以外の「その他」は、塗装工事事業、物流事業等であり、提供するサービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
② 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、一部特需関係等を除き主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残等について特に記載すべき事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期増減率(%) |
| 国内塗料(百万円) | 71,870 | 41.1 |
| 海外塗料(百万円) | 8,590 | 5.6 |
| 照明機器(百万円) | 10,424 | 0.1 |
| 蛍光色材(百万円) | 1,088 | △6.1 |
| 報告セグメント計(百万円) | 91,974 | 30.2 |
| その他(百万円) | 1,785 | △5.0 |
| 合 計(百万円) | 93,759 | 29.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は照明機器事業の堅調な推移により前期を上回りましたが、営業利益は国内塗料事業の費用増加等の影響により前期を下回りました。
売上高と営業利益のセグメントごとの経営成績の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)当連結会計年度における財政状態の分析
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 増減額 | ||
| 資産 (百万円) | 133,344 | 137,490 | 4,146 | |
| 負債 (百万円) | 57,173 | 60,813 | 3,639 | |
| 純資産(百万円) | 76,170 | 76,676 | 506 | |
| 自己資本比率(%) | 48.8 | 48.6 | △0.2pt | |
当連結会計年度末における総資産は、1,374億9千万円となり、前連結会計年度末と比較して41億4千6百万円の増加となりました。流動資産は、512億5千8百万円で前連結会計年度末と比較して18億7百万円の減少となりましたが、これは現金及び預金の減少、受取手形、売掛金及び契約資産の減少が主因であります。固定資産は、862億3千1百万円で前連結会計年度末と比較して59億5千3百万円の増加となりましたが、これは有形固定資産の増加、投資その他の資産の増加が主因であります。
負債は、608億1千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して36億3千9百万円の増加となりました。流動負債は、374億9千8百万円で前連結会計年度末と比較して21億4千3百万円の減少となりましたが、これは支払手形及び買掛金の減少、短期借入金の減少、リース債務の減少が主因であります。固定負債は、233億1千5百万円で前連結会計年度末と比較して57億8千3百万円の増加となりましたが、これは長期借入金の増加、リース債務の増加、繰延税金負債の増加が主因であります。
純資産は、766億7千6百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億6百万円の増加となりましたが、これは利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加、退職給付に係る調整累計額の増加が主因であります。
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、ビジョン2029及び2026中期経営計画における経営上の目標としての業績指標に、売上高、営業利益、NOPAT-ROEを設定しております。これらの目標を踏まえ、各期においても期初に事業環境等を考慮して計画値を設定し、その達成に向け努めております。
当連結会計年度の達成・進捗状況は次のとおりであります。
期初業績予想(2025年5月15日公表)との比較 (金額:百万円、NOPAT-ROE:%)
| 指 標 | 2025年度 予 想 | 2025年度 実 績 | 予想比・額 (百万円) | 予想比・増減率 (%) |
| 売上高 | 92,000 | 93,759 | 1,759 | 1.9 |
| 営業利益 | 5,000 | 3,854 | △1,145 | △22.9 |
| NOPAT-ROE | 5.3 | 4.1 | △1.2pt | - |
期初に設定した業績予想との比較では、売上高は17億5千9百万円増(予想比 1.9%増)、営業利益は11億4千5百万円減(同 22.9%減)、NOPAT-ROEは1.2ポイント減となりました。
売上高につきましては、国内塗料事業および海外塗料事業における販売が低調に推移するなか、連結子会社の売上が好調に推移したことにより、期初予想を上回りました。営業利益につきましては、販売の伸び悩みによる収益性の低下により、期初予想を下回りました。NOPAT-ROEは、株主還元の強化や資産流動化などを通じて自己資本の抑制に努めたものの、営業利益が予想を下回った結果、期初予想を下回りました。
なお、2026中期経営計画では2026年度の連結業績目標を売上高800億円、営業利益80億円、NOPAT-ROE 8.0%程度としておりましたが、足元の事業環境の変化やこれまでに実施したM&Aに伴うグループ体制の刷新を踏まえ、2026年度の業績予想は売上高960億円、営業利益55億円、NOPAT-ROE 5.6%程度といたしました。
2026年度予想は中計目標と乖離するものの、ビジョン2029目標である売上高1,000億円、営業利益100億円、NOPAT-ROE 8.0%に変更はなく、新たなグループ体制下での成長戦略を加速させることで、同目標の実現を目指してまいります。
(金額:百万円、NOPAT-ROE:%)
| 指 標 | 2024年度 実 績 | 2025年度 実 績 | 2026年度 業績予想 | 2026年度 中計目標 | ビジョン2029 目標 |
| 売上高 | 72,511 | 93,759 | 96,000 | 80,000 | 100,000 |
| 営業利益 | 4,716 | 3,854 | 5,500 | 8,000 | 10,000 |
| NOPAT-ROE | 5.3 | 4.1 | 5.6 | 8.0程度 | 8.0程度 |