訂正有価証券報告書-第195期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)MD&Aに共通する事項
① 連結業績の概況
(a)前期比
当社グループの当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症が各事業へ影響したものの、豪州塗料メーカーDULUXGROUP LIMITED及びトルコ塗料メーカーBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの子会社化に加え、中国経済の回復に伴い主力事業である中国の汎用塗料が好調に推移したことにより、連結売上収益は7,811億46百万円(前期比12.9%増)となりました。連結営業利益は、前期の保険金収入の反動があった一方、増収効果や原材料調達価格の低減が奏功し、869億33百万円(前期比11.4%増)となりました。
連結税引前利益は887億15百万円(前期比11.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は446億48百万円(前期比21.6%増)となりました。

※実質ベース:継続的な事業の収益力の前期や期初計画からの変化を示すため、M&Aによる新規連結影響や一時的な要因により発生した損益を調整して算出した金額
実質ベースにおける主な調整項目
為替影響、補助金・保険金他(補助金収入・保険金収入・固定資産売却益)、M&A関連費用、無形資産償却停止、減損損失、新規連結
以降の図表に記載された実質ベースの数値は同趣旨
(b)期初計画比
2020年5月15日公表の期初計画では連結売上収益7,200億円、連結営業利益630億円を予想していましたが、実績は連結売上収益7,811億46百万円、連結営業利益869億33百万円といずれも期初計画を上回りました。連結売上収益は、中国の建築用塗料事業が消費者マインドの改善や戦略的顧客への注力により好調に推移しました。特に中国建築用の外装用塗料は大幅な増収となりました。加えて、DULUXGROUP LIMITEDでの住宅リノベーション需要の継続や、BETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIでの拡販策の奏功等により、新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの、期初計画を611億46百万円上回りました。
営業利益については、上記増収効果や原材料価格が想定よりも低位に推移したことで収益を改善し、期初計画を239億33百万円上回りました。
実質ベースの増減要因は下図のとおりであります。


(c)資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して1,367億37百万円増加し、1兆6,153億84百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,362億80百万円増加しております。主な要因は、アジア合弁事業の100%化並びにインドネシア事業買収の資金調達に伴う現金及び現金同等物が増加したことなどによるものです。また、非流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して4億57百万円増加しております。主な要因は、その他の金融資産が減少した一方で、有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して1,249億11百万円増加し、9,155億78百万円となりました。主な要因は、社債及び借入金が増加したことなどによるものです。
資本につきましては、前連結会計年度末と比較して118億26百万円増加し、6,998億5百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加したことなどによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の37.4%から35.2%となりました。
(d)連結業績の推移
連結業績の推移は下図のとおりであります。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いております。
2 12カ月決算に換算した金額に調整しております。
3 「当期利益」には「非支配持分」は含まれておりません。
② セグメント別業績の概況
(a)概要
セグメントの状況は次のとおりであります。
≪日本≫
当地域では、自動車用塗料については、新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車生産台数が前期を下回ったことで、売上収益は前期を下回りました。工業用塗料の売上収益については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う生産減の継続や新設住宅着工戸数など市況の低迷により、前期を下回りました。汎用塗料の売上収益については、新型コロナウイルス感染症の影響により前期を下回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は1,596億25百万円(前期比12.6%減)となりました。また、連結営業利益は332億51百万円(前期比10.1%減)となりました。連結営業利益には海外グループ会社からの受取配当金260億79百万円(前期は135億85百万円)が含まれております。なお、この受取配当金は内部取引であるため、セグメント間取引消去その他の調整額として全額消去されます。
≪アジア≫
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、タイにおいて新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車生産台数など市況が低調に推移したことにより、前期を下回りました。一方、アジアの主力事業である汎用塗料の売上収益は、中国において新築住宅等建設及び既存住宅向け内装需要の力強い回復により、上半期までの新型コロナウイルス感染症の影響を補い前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は3,566億9百万円(前期比0.7%減)、連結営業利益は549億57百万円(前期比8.2%増)となりました。
≪オセアニア≫
当地域では、2019年9月からのDULUXGROUP LIMITEDの損益を当社グループの連結業績に反映しております。汎用塗料事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う既存住宅の塗り替え需要が継続し好調に推移しました。塗料周辺事業についても、同住宅リノベーション需要の影響により、堅調に推移しました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は1,482億90百万円(前期比211.7%増)、連結営業利益は161億18百万円(前期比175.0%増)となりました。
≪米州≫
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、中核地域であるアメリカにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い自動車生産台数が減少したことにより、前期を下回りました。汎用塗料の売上収益については、旺盛な住宅需要や好天により、前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は700億68百万円(前期比6.1%減)、連結営業利益は45億7百万円(前期比10.0%減)となりました。
≪その他≫
トルコ、欧州など当地域では、2019年7月からのBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの損益を当社グループの連結業績に反映しております。自動車用塗料の売上収益については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い域内の自動車生産台数が大幅に減少したことにより、前期を下回りました。一方、汎用塗料及び塗料周辺事業の売上収益は、トルコの住宅着工及び中古住宅販売の伸びを受け、前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は465億52百万円(前期比66.2%増)、連結営業利益は42億9百万円(前期は69億72百万円の営業損失)となりました。
(b)生産、受注及び販売の状況
(ⅰ)生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は製造原価で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 オセアニア及びその他セグメントの生産実績が前期と比べて大幅に増加しておりますが、これは主に2019年8月にDULUXGROUP LIMITED及び2019年7月にBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(ⅱ)受注実績
当社グループは、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高等について特に記載すべき事項はありません。
(ⅲ)販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については含めておりません。
2 金額に、消費税等は含まれておりません。
3 オセアニア及びその他セグメントの販売実績が前期と比べて大幅に増加しておりますが、これは主に2019年8月にDULUXGROUP LIMITED及び2019年7月にBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(c)売上収益・営業利益の推移
過去5年間のセグメント毎の売上収益・営業利益の推移は下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 2016年度の日本セグメントの売上収益は、決算期変更により、4月1日から12月31日までの9ヶ月間となっております。
3 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
(d)セグメント別投資対成果
連結業績に対するセグメント毎の貢献の割合は、下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
(e)事業別売上収益の推移
過去3年間のセグメント毎の事業別売上収益の推移は下図のとおりであります。

(注) 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
(f)NIPSEA中国の事業別状況
NIPSEA中国の事業別の状況は次のとおりであります。
自動車用塗料の売上収益につきましては、自動車生産台数が前期より減少した影響を受け、減収となりました。
汎用塗料の売上収益につきましては、DIYは、年初は新型コロナウイルス感染症の影響により専売店等の営業停止や塗装現場への移動制限による需要減で低迷したものの、年央からは消費者マインドが改善、既存住宅向け内装需要が回復し、ほぼ前期並みとなりました。Projectは、都市封鎖解除後に建設工事再開が加速、新築不動産建設が好調に推移したことに加え、戦略的顧客へ注力したことが奏功し、増収となりました。
工業用塗料の売上収益につきましては、年初は建機・軽機・家電などの主要顧客の生産停止や減産があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により下半期は回復し、ほぼ前期並みとなりました。
営業利益につきましては、上記の汎用塗料の増収効果や主要原材料の調達コストの低下、固定費の削減等により増益となりました。

(注) 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
① キャッシュ・フローの状況の分析
当期は営業活動により885億61百万円の収入、投資活動により363億68百万円の支出、財務活動により608億69百万円の収入があり、結果として現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,321億34百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,088億33百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は、885億61百万円(前期比35億14百万円減)となりました。主な要因は、税引前利益に減価償却費及び償却費等の非資金支出費用等を加味したキャッシュ・フロー収入(運転資本の増減を除く)が1,312億49百万円あった一方で、運転資本の増加による資金の減少160億5百万円、法人所得税の支払額が266億82百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、363億68百万円(前期比3,164億円減)となりました。主な要因は、定期預金の減少による69億42百万円の収入があった一方で、有形固定資産の取得による252億14百万円の支出、有価証券の増加による62億84百万円の支出、事業譲受による36億41百万円の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は、608億69百万円(前期比1,931億49百万円減)となりました。主な要因は、借入金の増加による958億61百万円の収入があった一方で、配当金の支払いによる272億49百万円の支出、リース負債の返済による74億5百万円の支出があったことなどによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは営業活動から得た収益が事業活動の財源ともなっており、設備投資や研究開発投資、運転資本充当や配当の支払い、借入金の返済に利用しております。また、持続的な成長の実現に向けた戦略投資に必要な資金需要に対しては、今後の収益見通し、全体的な資金需要、返済能力を考慮して財務規律を維持し外部より資金調達を実施いたします。今年度におきましては、アジア合弁事業100%化並びにインドネシア事業の買収に関して1,000億円の外部借入を行っており、当連結会計年度末の社債及び借入金残高は当社が4,817億31百万円、連結子会社が540億28百万円となっております。また、当連結会計年度末の運転資本は1,645億24百万円となっております。
当連結会計年度の現預金残高は2,321億34百万円となっており、当社の現預金保有残高は1,646億53百万円、国内子会社、海外子会社の現預金保有残高はそれぞれ29億79百万円、645億円となっております。国内子会社の現預金はCMS(キャッシュマネジメントシステム)によって当社が集中管理しております。海外子会社の保有する現預金は、主として現地での拡大再生産のために利用する事を目的として保有しており、余剰資金が発生した場合に通常配当とは別に特別配当として資金を回収しております。
現時点で当社グループの事業活動を円滑に維持して行く上で十分な手許資金を有しており、将来の資金需要に対しても不足が生じる懸念は少ないと判断しております。
③ 資本政策
当社は、SDGs・ESGの視点を中核に位置付け、お客様・従業員・取引先・社会などへの責務を果たしたうえで残存する「株主価値の最大化」に尽力することを経営の最重要目標としております。
その際、当社は、適正なレバレッジによる最適資本構成を志向する事及び戦略性の高いM&Aにおいて一時的なレバレッジの上昇は容認するという財務規律を維持しつつ、成長投資を優先的に実施し、基本的1株当たり当期利益(EPS)の増大を通じて株主の皆様のトータル・シェアホルダー・リターン(TSR)を向上させることに主眼を置いております。
そして、TSRのうち配当については、業績動向、投資機会、配当性向等を総合的に勘案しながらも、安定的かつ継続的に行う方針としております。現状の配当性向は30%を維持することを目標としております。
なお、当社普通株式のWuthelamグループに対する第三者割当は、2021年1月25日に完了したWuthelamグループとのアジア合弁事業の完全子会社化及びWuthelamグループのインドネシア事業の買収の対価の支払いを目的として行ったものになります。本第三者割当により、当社は、財務基盤の安定性を維持しながら、本件対象合弁事業の利益のうちこれまでWuthelamグループに帰属していた非支配持分、及び、本件対象事業であるインドネシア事業等の利益を新たに当社の連結範囲に取り込むことができました。このWuthelamグループとのアジア合弁事業の完全子会社化及びWuthelamグループのインドネシア事業の買収により、当社グループの親会社の所有者に帰属する当期利益、基本的1株当たり当期利益(EPS)が向上することが見込まれ、利益の社外流出を抑えることで資源配分の全体最適が可能になるため、当社の少数株主の利益の拡大にも貢献するものと言えます。これらを勘案し、本第三者割当による希薄化の規模は合理的な範囲内にあるものと考えております。
《基本的1株当たり当期利益(EPS)、1株当たり配当額及び配当性向の推移》
基本的1株当たり当期利益(EPS)、1株当たり配当額及び配当性向の推移は下図のとおりであります。当社は2015年度よりIFRSベースの配当性向に基づき配当額を決定しております。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いて算定しております。
2 2015年~2017年のIFRS配当性向は、日本基準数値にのれん償却額を調整し、算定しております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)に基づいて作成されております。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っております。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、非金融資産(のれんを含む)の減損、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しております。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、連結財務諸表の「注記3.重要な会計方針」及び「注記4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しております。
① 連結業績の概況
(a)前期比
当社グループの当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症が各事業へ影響したものの、豪州塗料メーカーDULUXGROUP LIMITED及びトルコ塗料メーカーBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの子会社化に加え、中国経済の回復に伴い主力事業である中国の汎用塗料が好調に推移したことにより、連結売上収益は7,811億46百万円(前期比12.9%増)となりました。連結営業利益は、前期の保険金収入の反動があった一方、増収効果や原材料調達価格の低減が奏功し、869億33百万円(前期比11.4%増)となりました。
連結税引前利益は887億15百万円(前期比11.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は446億48百万円(前期比21.6%増)となりました。

※実質ベース:継続的な事業の収益力の前期や期初計画からの変化を示すため、M&Aによる新規連結影響や一時的な要因により発生した損益を調整して算出した金額実質ベースにおける主な調整項目
為替影響、補助金・保険金他(補助金収入・保険金収入・固定資産売却益)、M&A関連費用、無形資産償却停止、減損損失、新規連結
以降の図表に記載された実質ベースの数値は同趣旨
(b)期初計画比
2020年5月15日公表の期初計画では連結売上収益7,200億円、連結営業利益630億円を予想していましたが、実績は連結売上収益7,811億46百万円、連結営業利益869億33百万円といずれも期初計画を上回りました。連結売上収益は、中国の建築用塗料事業が消費者マインドの改善や戦略的顧客への注力により好調に推移しました。特に中国建築用の外装用塗料は大幅な増収となりました。加えて、DULUXGROUP LIMITEDでの住宅リノベーション需要の継続や、BETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIでの拡販策の奏功等により、新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの、期初計画を611億46百万円上回りました。
営業利益については、上記増収効果や原材料価格が想定よりも低位に推移したことで収益を改善し、期初計画を239億33百万円上回りました。
実質ベースの増減要因は下図のとおりであります。


(c)資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して1,367億37百万円増加し、1兆6,153億84百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,362億80百万円増加しております。主な要因は、アジア合弁事業の100%化並びにインドネシア事業買収の資金調達に伴う現金及び現金同等物が増加したことなどによるものです。また、非流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して4億57百万円増加しております。主な要因は、その他の金融資産が減少した一方で、有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して1,249億11百万円増加し、9,155億78百万円となりました。主な要因は、社債及び借入金が増加したことなどによるものです。
資本につきましては、前連結会計年度末と比較して118億26百万円増加し、6,998億5百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加したことなどによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の37.4%から35.2%となりました。
(d)連結業績の推移
連結業績の推移は下図のとおりであります。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いております。
2 12カ月決算に換算した金額に調整しております。
3 「当期利益」には「非支配持分」は含まれておりません。
② セグメント別業績の概況
(a)概要
セグメントの状況は次のとおりであります。
≪日本≫
当地域では、自動車用塗料については、新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車生産台数が前期を下回ったことで、売上収益は前期を下回りました。工業用塗料の売上収益については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う生産減の継続や新設住宅着工戸数など市況の低迷により、前期を下回りました。汎用塗料の売上収益については、新型コロナウイルス感染症の影響により前期を下回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は1,596億25百万円(前期比12.6%減)となりました。また、連結営業利益は332億51百万円(前期比10.1%減)となりました。連結営業利益には海外グループ会社からの受取配当金260億79百万円(前期は135億85百万円)が含まれております。なお、この受取配当金は内部取引であるため、セグメント間取引消去その他の調整額として全額消去されます。
≪アジア≫
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、タイにおいて新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車生産台数など市況が低調に推移したことにより、前期を下回りました。一方、アジアの主力事業である汎用塗料の売上収益は、中国において新築住宅等建設及び既存住宅向け内装需要の力強い回復により、上半期までの新型コロナウイルス感染症の影響を補い前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は3,566億9百万円(前期比0.7%減)、連結営業利益は549億57百万円(前期比8.2%増)となりました。
≪オセアニア≫
当地域では、2019年9月からのDULUXGROUP LIMITEDの損益を当社グループの連結業績に反映しております。汎用塗料事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う既存住宅の塗り替え需要が継続し好調に推移しました。塗料周辺事業についても、同住宅リノベーション需要の影響により、堅調に推移しました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は1,482億90百万円(前期比211.7%増)、連結営業利益は161億18百万円(前期比175.0%増)となりました。
≪米州≫
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、中核地域であるアメリカにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い自動車生産台数が減少したことにより、前期を下回りました。汎用塗料の売上収益については、旺盛な住宅需要や好天により、前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は700億68百万円(前期比6.1%減)、連結営業利益は45億7百万円(前期比10.0%減)となりました。
≪その他≫
トルコ、欧州など当地域では、2019年7月からのBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの損益を当社グループの連結業績に反映しております。自動車用塗料の売上収益については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い域内の自動車生産台数が大幅に減少したことにより、前期を下回りました。一方、汎用塗料及び塗料周辺事業の売上収益は、トルコの住宅着工及び中古住宅販売の伸びを受け、前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は465億52百万円(前期比66.2%増)、連結営業利益は42億9百万円(前期は69億72百万円の営業損失)となりました。
(b)生産、受注及び販売の状況
(ⅰ)生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 96,273 | △13.3 |
| アジア | 211,739 | △1.0 |
| オセアニア | 73,122 | 214.0 |
| 米州 | 36,969 | △11.5 |
| その他 | 31,330 | 61.3 |
| 合 計 | 449,435 | 9.8 |
(注)1 金額は製造原価で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 オセアニア及びその他セグメントの生産実績が前期と比べて大幅に増加しておりますが、これは主に2019年8月にDULUXGROUP LIMITED及び2019年7月にBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(ⅱ)受注実績
当社グループは、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高等について特に記載すべき事項はありません。
(ⅲ)販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 159,625 | △12.6 |
| アジア | 356,609 | △0.7 |
| オセアニア | 148,290 | 211.7 |
| 米州 | 70,068 | △6.1 |
| その他 | 46,552 | 66.2 |
| 合 計 | 781,146 | 12.9 |
(注)1 セグメント間の取引については含めておりません。
2 金額に、消費税等は含まれておりません。
3 オセアニア及びその他セグメントの販売実績が前期と比べて大幅に増加しておりますが、これは主に2019年8月にDULUXGROUP LIMITED及び2019年7月にBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(c)売上収益・営業利益の推移
過去5年間のセグメント毎の売上収益・営業利益の推移は下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 2016年度の日本セグメントの売上収益は、決算期変更により、4月1日から12月31日までの9ヶ月間となっております。
3 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
(d)セグメント別投資対成果
連結業績に対するセグメント毎の貢献の割合は、下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
(e)事業別売上収益の推移
過去3年間のセグメント毎の事業別売上収益の推移は下図のとおりであります。

(注) 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
(f)NIPSEA中国の事業別状況
NIPSEA中国の事業別の状況は次のとおりであります。
自動車用塗料の売上収益につきましては、自動車生産台数が前期より減少した影響を受け、減収となりました。
汎用塗料の売上収益につきましては、DIYは、年初は新型コロナウイルス感染症の影響により専売店等の営業停止や塗装現場への移動制限による需要減で低迷したものの、年央からは消費者マインドが改善、既存住宅向け内装需要が回復し、ほぼ前期並みとなりました。Projectは、都市封鎖解除後に建設工事再開が加速、新築不動産建設が好調に推移したことに加え、戦略的顧客へ注力したことが奏功し、増収となりました。
工業用塗料の売上収益につきましては、年初は建機・軽機・家電などの主要顧客の生産停止や減産があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により下半期は回復し、ほぼ前期並みとなりました。
営業利益につきましては、上記の汎用塗料の増収効果や主要原材料の調達コストの低下、固定費の削減等により増益となりました。

(注) 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
① キャッシュ・フローの状況の分析
当期は営業活動により885億61百万円の収入、投資活動により363億68百万円の支出、財務活動により608億69百万円の収入があり、結果として現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,321億34百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,088億33百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は、885億61百万円(前期比35億14百万円減)となりました。主な要因は、税引前利益に減価償却費及び償却費等の非資金支出費用等を加味したキャッシュ・フロー収入(運転資本の増減を除く)が1,312億49百万円あった一方で、運転資本の増加による資金の減少160億5百万円、法人所得税の支払額が266億82百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、363億68百万円(前期比3,164億円減)となりました。主な要因は、定期預金の減少による69億42百万円の収入があった一方で、有形固定資産の取得による252億14百万円の支出、有価証券の増加による62億84百万円の支出、事業譲受による36億41百万円の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は、608億69百万円(前期比1,931億49百万円減)となりました。主な要因は、借入金の増加による958億61百万円の収入があった一方で、配当金の支払いによる272億49百万円の支出、リース負債の返済による74億5百万円の支出があったことなどによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは営業活動から得た収益が事業活動の財源ともなっており、設備投資や研究開発投資、運転資本充当や配当の支払い、借入金の返済に利用しております。また、持続的な成長の実現に向けた戦略投資に必要な資金需要に対しては、今後の収益見通し、全体的な資金需要、返済能力を考慮して財務規律を維持し外部より資金調達を実施いたします。今年度におきましては、アジア合弁事業100%化並びにインドネシア事業の買収に関して1,000億円の外部借入を行っており、当連結会計年度末の社債及び借入金残高は当社が4,817億31百万円、連結子会社が540億28百万円となっております。また、当連結会計年度末の運転資本は1,645億24百万円となっております。
当連結会計年度の現預金残高は2,321億34百万円となっており、当社の現預金保有残高は1,646億53百万円、国内子会社、海外子会社の現預金保有残高はそれぞれ29億79百万円、645億円となっております。国内子会社の現預金はCMS(キャッシュマネジメントシステム)によって当社が集中管理しております。海外子会社の保有する現預金は、主として現地での拡大再生産のために利用する事を目的として保有しており、余剰資金が発生した場合に通常配当とは別に特別配当として資金を回収しております。
現時点で当社グループの事業活動を円滑に維持して行く上で十分な手許資金を有しており、将来の資金需要に対しても不足が生じる懸念は少ないと判断しております。
③ 資本政策
当社は、SDGs・ESGの視点を中核に位置付け、お客様・従業員・取引先・社会などへの責務を果たしたうえで残存する「株主価値の最大化」に尽力することを経営の最重要目標としております。
その際、当社は、適正なレバレッジによる最適資本構成を志向する事及び戦略性の高いM&Aにおいて一時的なレバレッジの上昇は容認するという財務規律を維持しつつ、成長投資を優先的に実施し、基本的1株当たり当期利益(EPS)の増大を通じて株主の皆様のトータル・シェアホルダー・リターン(TSR)を向上させることに主眼を置いております。
そして、TSRのうち配当については、業績動向、投資機会、配当性向等を総合的に勘案しながらも、安定的かつ継続的に行う方針としております。現状の配当性向は30%を維持することを目標としております。
なお、当社普通株式のWuthelamグループに対する第三者割当は、2021年1月25日に完了したWuthelamグループとのアジア合弁事業の完全子会社化及びWuthelamグループのインドネシア事業の買収の対価の支払いを目的として行ったものになります。本第三者割当により、当社は、財務基盤の安定性を維持しながら、本件対象合弁事業の利益のうちこれまでWuthelamグループに帰属していた非支配持分、及び、本件対象事業であるインドネシア事業等の利益を新たに当社の連結範囲に取り込むことができました。このWuthelamグループとのアジア合弁事業の完全子会社化及びWuthelamグループのインドネシア事業の買収により、当社グループの親会社の所有者に帰属する当期利益、基本的1株当たり当期利益(EPS)が向上することが見込まれ、利益の社外流出を抑えることで資源配分の全体最適が可能になるため、当社の少数株主の利益の拡大にも貢献するものと言えます。これらを勘案し、本第三者割当による希薄化の規模は合理的な範囲内にあるものと考えております。
《基本的1株当たり当期利益(EPS)、1株当たり配当額及び配当性向の推移》
基本的1株当たり当期利益(EPS)、1株当たり配当額及び配当性向の推移は下図のとおりであります。当社は2015年度よりIFRSベースの配当性向に基づき配当額を決定しております。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いて算定しております。
2 2015年~2017年のIFRS配当性向は、日本基準数値にのれん償却額を調整し、算定しております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)に基づいて作成されております。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っております。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、非金融資産(のれんを含む)の減損、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しております。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、連結財務諸表の「注記3.重要な会計方針」及び「注記4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しております。