有価証券報告書-第194期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1) MD&A に共通する事項
① 連結業績の概況
(a) 前期比
当社グループの当連結会計年度の業績は、円高の影響があった一方、日本の汎用塗料・工業用塗料、及び中国の汎用塗料が好調に推移、さらに豪州塗料メーカーDULUXGROUP LIMITED及びトルコ塗料メーカーBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことにより、連結売上収益は6,920億9百万円(前期比10.3%増)となりました。
連結営業利益は、中国で原材料価格が低位で推移し大幅な増益となったものの、日本で企業買収に関連し株式取得関連費用を計上、欧州及びインド自動車用塗料事業において減損損失を計上したことから、780億60百万円(前期比9.8%減)となりました。連結税引前利益は795億18百万円(前期比10.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は367億17百万円(前期比19.0%減)となりました。
実質ベースの増減要因は下図のとおりであります。


(b) 期初計画比
2019年2月13日公表の期初計画では連結売上収益6,400億円、連結営業利益770億円を予想していましたが、実績は連結売上収益6,920億9百万円、連結営業利益780億60百万円といずれも期初計画を上回りました。連結売上収益は、DULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことに加え、中国の建築用塗料事業が積極的な販売促進活動や戦略提携により好調に推移しました。特に中国建築用の外装用塗料は大幅な増収となりました。その結果、中国工業用塗料メーカーの株式取得中止や海外自動車市況の低迷の影響があったものの、期初計画を520億9百万円上回りました。
営業利益については、上記増収効果や原材料価格が想定よりも低位に推移したことに加え、中国以外のアジア地域において販管費を抑制したことで収益を改善しました。一方、今後の厳しい自動車市況を鑑み、欧州及びインド自動車用塗料事業の計画を保守的に見直した結果、減損損失を計上したものの、期初計画を10億60百万円上回りました。
実質ベースの増減要因は下図のとおりであります。


(c) 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して5,246億57百万円増加し、1兆4,786億46百万円となりました。流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して630億1百万円増加しておりますが、主な要因は、現金及び現金同等物が63億33百万円減少した一方で、営業債権及びその他の債権が335億75百万円、棚卸資産が270億52百万円増加したことなどによるものです。また、非流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して4,616億56百万円増加しております。主な要因は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う有形固定資産329億74百万円の増加やDULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの買収により、有形固定資産623億76百万円や無形資産1,337億26百万円及びのれん2,157億63百万円が増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して4,842億97百万円増加し、7,906億67百万円となりましたが、主な要因は、DULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの買収に伴う借入金3,208億52百万円の増加や新規会社の連結取込みに伴う負債の増加1,771億63百万円によるものです。
資本につきましては、前連結会計年度末と比較して403億60百万円増加し、6,879億79百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定の増加や親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の54.5%から37.4%となりました。
さらに、DULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの買収に伴うのれんの増加により、のれんの親会社所有者帰属持分に占める比率が39.2%から77.2%となりました。
(d) 連結業績の推移
連結業績の推移は下図のとおりとなります。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いております。
2 2016年度は、12カ月決算に換算した金額に調整しております。
3 2018年度及び2019年度は、のれん償却費相当額を調整しております。
4 「当期利益」には「非支配持分」は含まれておりません。
② セグメント別業績の概況
(a) 概要
セグメントの状況は次のとおりであります。
なお、当第3四半期連結会計期間より、報告セグメントとして「オセアニア」を追加しております。
《日本》
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、自動車生産台数が堅調に推移するなか、消費増税の影響や製品の輸出が減少したものの、前期並みとなりました。工業用塗料の売上収益については、前年に発生した自然災害からの復旧に伴い当期の需要が増加した一方、第4四半期に発生した災害や増税に伴う市況の落ち込みが影響し、前期並みとなりました。汎用塗料の売上収益については、市況が堅調に推移するなか、リテール領域での拡販に努めたことなどから前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は1,825億85百万円(前期比0.1%減)となりました。また、連結営業利益は2019年4月に公表した企業買収に関連し株式取得関連費用を計上したことなどから369億90百万円(前期比15.2%減)となりました。この連結営業利益には海外グループ会社からの受取配当金135億85百万円(前期は140億12百万円)が含まれております。なお、この受取配当金は内部取引であるため、セグメント間取引消去その他の調整額として全額消去されます。
《アジア》
当地域では、自動車生産台数が中国及びインド、タイで前年実績を下回ったことから、自動車用塗料の売上収益は前期を下回りました。アジアの主力事業である汎用塗料の売上収益については、シンガポールなどにおいて市況が低調に推移した一方で、中国において主力である住宅内装用塗料の販売促進活動に注力したことや、建築外装用塗料の売上が好調に推移したことから、前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は3,592億13百万円(前期比1.0%増)、連結営業利益は、原材料価格が下落した一方、円高の影響や前期に中国で環境規制に伴う工場退去の補助金収入などがあったことに加え、インドの自動車事業会社において減損損失を計上したことから507億69百万円(前期比3.1%減)となりました。
《オセアニア》
当地域では、2019年9月からのDULUXGROUP LIMITEDの損益を当社グループの連結業績に反映しております。汎用塗料事業及び塗料周辺事業については、豪州の新築住宅市場が軟調に推移するなか、販売促進活動やシェア増加により、堅調に推移しました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は475億78百万円、連結営業利益は58億61百万円となりました。
《米州》
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、中核地域であるアメリカにおいて自動車生産台数が低調に推移したことなどから前期を下回りました。汎用塗料の売上収益については、高付加価値商品の拡販や店舗数の拡大により前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は746億18百万円(前期比0.8%減)、連結営業利益は汎用塗料におけるプロダクトミックスの改善等により50億10百万円(前期比0.4%増)となりました。
《その他》
当地域では、自動車用塗料の売上収益について、域内の自動車生産台数が低調に推移したことに加え、円高の影響があり、前期を下回りました。また、2019年7月からのBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの損益を当社グループの連結業績に反映しており、同社の業績は堅調に推移しました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は280億12百万円(前期比101.5%増)、連結営業損失は欧州自動車事業会社グループにおいて減損損失を計上したことにより69億72百万円(前期は5億29百万円の営業損失)となりました。
(b) 生産、受注及び販売の状況
(ⅰ) 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 生産実績が前年度と比べて大幅に増加しておりますが、これは主にDULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(ⅱ) 受注実績
当社グループは、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高等について特に記載すべき事項はありません。
(ⅲ) 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については含めておりません。
2 金額に、消費税等は含まれておりません。
3 販売実績が前年度と比べて大幅に増加しておりますが、これは主にDULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(c) 売上収益・営業利益の推移
過去5年間のセグメント毎の売上収益・営業利益の推移は下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 2016年度の日本セグメントの売上収益は、決算期変更により、4月1日から12月31日までの9ヶ月間となっております。
3 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
4 実質値は為替影響・補助金・M&A費用・減損損失を調整しております。
(d) セグメント別投資対成果
連結業績に対するセグメント毎の貢献の割合は、下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
(e) 事業別売上収益の推移
過去3年間のセグメント毎の事業別売上収益の推移は下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 2017年は日本基準、2018年以降はIFRSにて記載しております。
(f) NIPSEA中国の事業別状況
NIPSEA中国の事業別の状況は次のとおりであります。
自動車塗料につきましては、市況の低迷(前期比6%減)により、中国系メーカーを中心に生産台数が落ち込み、減収となりました。
汎用塗料につきましては、DIYは、プレミアム・エコノミー製品のプロモーションが奏功し、増収(前期比2%増)となりました。Projectにつきましても、建設案件が増加し増収(前期比35%増)となりました。
工業用塗料につきましては、コイルコーティング事業が顧客向け生産が好調に推移した一方、農機・建機分野向けの販売が低調に終始したため、結果的に減収となりました。
NIPSEA中国の営業利益につきましては、上記の汎用塗料の増収効果に加え、RMC比率の改善(前期比1%減)も貢献し、自動車塗料や工業用塗料の落ち込みを吸収し、増益となりました。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 実質値は為替影響・補助金を調整しております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
(a) キャッシュ・フローの状況の分析
当期は営業活動により920億76百万円の収入、投資活動により3,527億69百万円の支出、財務活動により2,540億18百万円の収入があり、結果として現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,233億円となり、前連結会計年度末と比較して63億33百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は、920億76百万円(前期比305億42百万円増)となりました。主な要因は、税引前利益に減価償却費及び償却費等の非資金支出費用等を加味したキャッシュ・フロー収入(運転資本の増減を除く)が1,131億12百万円あった一方で、運転資本の減少による資金の増加18億13百万円、法人税等の支払いなど228億49百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、3,527億69百万円(前期比3,153億29百万円増)となりました。主な要因は、子会社株式の取得による3,186億55百万円の支出、有形固定資産の取得による227億64百万円の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は、2,540億18百万円(前期比2,477億89百万円増)となりました。主な要因は、短期借入金の増加による3,011億78百万円の収入、長期借入金の返済による212億9百万円の支出、配当金の支払いによる267億43百万円の支出があったことなどによるものです。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは営業活動から得た収益が事業活動の財源ともなっており、設備投資や研究開発投資、運転資本充当や配当の支払い、借入金の返済に利用しております。また、持続的な成長の実現に向けた戦略投資に必要な資金需要に対しては、今後の収益見通し、全体的な資金需要、返済能力を考慮して財務規律を維持し外部より資金調達を実施致します。今年度におきましては、M&A実行のため3,208億52百万円の外部借入を行っており、当連結会計年度末の社債及び借入金残高は当社が3,388億54百万円、連結子会社が1,033億42百万円となっております。また、当連結会計年度末の運転資本は1,524億27百万円となっております。
当連結会計年度の現預金残高は1,233億円となっており、当社の現預金保有残高は407億51百万円、国内子会社の現預金保有残高は28億75百万円、海外子会社の現預金及び換金性の高い有価証券の合計額は796億73百万円となっております。国内子会社の現預金はCMS(キャッシュマネジメントシステム)によって当社が集中管理しております。海外子会社の保有する現預金は、主として現地での拡大再生産のために利用する事を目的として保有しており、余剰資金が発生した場合に通常配当とは別に特別配当として資金を回収しております。
現時点で当社グループの事業活動を円滑に維持して行く上で十分な手許資金を有しており、将来の資金需要に対しても不足が生じる懸念は少ないと判断しております。
(c) 資本政策
当社は、SDGs・ESGの視点を中核に位置付け、お客様・従業員・取引先・社会などへの責務を果たしたうえで残存する「株主価値の最大化」に尽力することを経営の最重要目標としております。
その際、当社は、適正なレバレッジによる最適資本構成を志向する事及び戦略性の高いM&Aにおいて一時的なレバレッジの上昇は容認するという財務規律を維持しつつ、成長投資を優先的に実施し、基本的1株当たり当期利益(EPS)の増大を通じて株主の皆様のトータル・シェアホルダー・リターン(TSR)を向上させることに主眼を置いております。
そして、TSRのうち配当については、業績動向、投資機会、配当性向等を総合的に勘案しながらも、安定的かつ継続的に行う方針としております。現状の配当性向は30%を維持することを目標としております。
《基本的1株当たり当期利益(EPS)と1株当たり配当額》
過去の配当額、基本的1株当たり当期利益(EPS)、配当性向の推移は下図のとおりであります。当社は2015年度よりIFRSベースの配当性向に基づき配当額を決定しております。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いて算定しております。
2 2015年~2017年のIFRS配当性向は、日本基準数値にのれん償却額を調整し、算定しております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)に基づいて作成されております。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っております。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、非金融資産(のれんを含む)の減損、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しております。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の「注記3.重要な会計方針」及び「注記4.重要な会計上の見積、判断及び仮定」に記載しております。
(4) 経営成績等の状況の概要に関する主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを一定期間にわたり均等償却しておりましたが、IFRSでは、のれんの償却は行わず毎期減損テストを行っております。この影響により、IFRSの販売費及び一般管理費は日本基準に比べて、前連結会計年度は120億61百万円減少、当連結会計年度は177億20百万円減少し、IFRSのその他の費用(日本基準は特別損失)は、日本基準に比べて、当連結会計年度は12億40百万円増加しております。
① 連結業績の概況
(a) 前期比
当社グループの当連結会計年度の業績は、円高の影響があった一方、日本の汎用塗料・工業用塗料、及び中国の汎用塗料が好調に推移、さらに豪州塗料メーカーDULUXGROUP LIMITED及びトルコ塗料メーカーBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことにより、連結売上収益は6,920億9百万円(前期比10.3%増)となりました。
連結営業利益は、中国で原材料価格が低位で推移し大幅な増益となったものの、日本で企業買収に関連し株式取得関連費用を計上、欧州及びインド自動車用塗料事業において減損損失を計上したことから、780億60百万円(前期比9.8%減)となりました。連結税引前利益は795億18百万円(前期比10.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は367億17百万円(前期比19.0%減)となりました。
実質ベースの増減要因は下図のとおりであります。


(b) 期初計画比
2019年2月13日公表の期初計画では連結売上収益6,400億円、連結営業利益770億円を予想していましたが、実績は連結売上収益6,920億9百万円、連結営業利益780億60百万円といずれも期初計画を上回りました。連結売上収益は、DULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことに加え、中国の建築用塗料事業が積極的な販売促進活動や戦略提携により好調に推移しました。特に中国建築用の外装用塗料は大幅な増収となりました。その結果、中国工業用塗料メーカーの株式取得中止や海外自動車市況の低迷の影響があったものの、期初計画を520億9百万円上回りました。
営業利益については、上記増収効果や原材料価格が想定よりも低位に推移したことに加え、中国以外のアジア地域において販管費を抑制したことで収益を改善しました。一方、今後の厳しい自動車市況を鑑み、欧州及びインド自動車用塗料事業の計画を保守的に見直した結果、減損損失を計上したものの、期初計画を10億60百万円上回りました。
実質ベースの増減要因は下図のとおりであります。


(c) 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して5,246億57百万円増加し、1兆4,786億46百万円となりました。流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して630億1百万円増加しておりますが、主な要因は、現金及び現金同等物が63億33百万円減少した一方で、営業債権及びその他の債権が335億75百万円、棚卸資産が270億52百万円増加したことなどによるものです。また、非流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して4,616億56百万円増加しております。主な要因は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う有形固定資産329億74百万円の増加やDULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの買収により、有形固定資産623億76百万円や無形資産1,337億26百万円及びのれん2,157億63百万円が増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して4,842億97百万円増加し、7,906億67百万円となりましたが、主な要因は、DULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの買収に伴う借入金3,208億52百万円の増加や新規会社の連結取込みに伴う負債の増加1,771億63百万円によるものです。
資本につきましては、前連結会計年度末と比較して403億60百万円増加し、6,879億79百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定の増加や親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の54.5%から37.4%となりました。
さらに、DULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの買収に伴うのれんの増加により、のれんの親会社所有者帰属持分に占める比率が39.2%から77.2%となりました。
(d) 連結業績の推移
連結業績の推移は下図のとおりとなります。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いております。
2 2016年度は、12カ月決算に換算した金額に調整しております。
3 2018年度及び2019年度は、のれん償却費相当額を調整しております。
4 「当期利益」には「非支配持分」は含まれておりません。
② セグメント別業績の概況
(a) 概要
セグメントの状況は次のとおりであります。
なお、当第3四半期連結会計期間より、報告セグメントとして「オセアニア」を追加しております。
《日本》
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、自動車生産台数が堅調に推移するなか、消費増税の影響や製品の輸出が減少したものの、前期並みとなりました。工業用塗料の売上収益については、前年に発生した自然災害からの復旧に伴い当期の需要が増加した一方、第4四半期に発生した災害や増税に伴う市況の落ち込みが影響し、前期並みとなりました。汎用塗料の売上収益については、市況が堅調に推移するなか、リテール領域での拡販に努めたことなどから前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は1,825億85百万円(前期比0.1%減)となりました。また、連結営業利益は2019年4月に公表した企業買収に関連し株式取得関連費用を計上したことなどから369億90百万円(前期比15.2%減)となりました。この連結営業利益には海外グループ会社からの受取配当金135億85百万円(前期は140億12百万円)が含まれております。なお、この受取配当金は内部取引であるため、セグメント間取引消去その他の調整額として全額消去されます。
《アジア》
当地域では、自動車生産台数が中国及びインド、タイで前年実績を下回ったことから、自動車用塗料の売上収益は前期を下回りました。アジアの主力事業である汎用塗料の売上収益については、シンガポールなどにおいて市況が低調に推移した一方で、中国において主力である住宅内装用塗料の販売促進活動に注力したことや、建築外装用塗料の売上が好調に推移したことから、前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は3,592億13百万円(前期比1.0%増)、連結営業利益は、原材料価格が下落した一方、円高の影響や前期に中国で環境規制に伴う工場退去の補助金収入などがあったことに加え、インドの自動車事業会社において減損損失を計上したことから507億69百万円(前期比3.1%減)となりました。
《オセアニア》
当地域では、2019年9月からのDULUXGROUP LIMITEDの損益を当社グループの連結業績に反映しております。汎用塗料事業及び塗料周辺事業については、豪州の新築住宅市場が軟調に推移するなか、販売促進活動やシェア増加により、堅調に推移しました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は475億78百万円、連結営業利益は58億61百万円となりました。
《米州》
当地域では、自動車用塗料の売上収益については、中核地域であるアメリカにおいて自動車生産台数が低調に推移したことなどから前期を下回りました。汎用塗料の売上収益については、高付加価値商品の拡販や店舗数の拡大により前期を上回りました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は746億18百万円(前期比0.8%減)、連結営業利益は汎用塗料におけるプロダクトミックスの改善等により50億10百万円(前期比0.4%増)となりました。
《その他》
当地域では、自動車用塗料の売上収益について、域内の自動車生産台数が低調に推移したことに加え、円高の影響があり、前期を下回りました。また、2019年7月からのBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIの損益を当社グループの連結業績に反映しており、同社の業績は堅調に推移しました。
これらにより、当地域セグメントの連結売上収益は280億12百万円(前期比101.5%増)、連結営業損失は欧州自動車事業会社グループにおいて減損損失を計上したことにより69億72百万円(前期は5億29百万円の営業損失)となりました。
(b) 生産、受注及び販売の状況
(ⅰ) 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 111,010 | 0.5 |
| アジア | 213,834 | △0.6 |
| オセアニア | 23,290 | - |
| 米州 | 41,777 | △7.3 |
| その他 | 19,418 | 72.0 |
| 合 計 | 409,330 | 7.2 |
(注) 1 金額は製造原価で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 生産実績が前年度と比べて大幅に増加しておりますが、これは主にDULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(ⅱ) 受注実績
当社グループは、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高等について特に記載すべき事項はありません。
(ⅲ) 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 182,585 | △0.1 |
| アジア | 359,213 | 1.0 |
| オセアニア | 47,578 | - |
| 米州 | 74,618 | △0.8 |
| その他 | 28,012 | 101.5 |
| 合 計 | 692,009 | 10.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については含めておりません。
2 金額に、消費税等は含まれておりません。
3 販売実績が前年度と比べて大幅に増加しておりますが、これは主にDULUXGROUP LIMITED及びBETEK BOYA VE KIMYA SANAYI ANONIM SIRKETIを連結子会社化したことによるものです。
(c) 売上収益・営業利益の推移
過去5年間のセグメント毎の売上収益・営業利益の推移は下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 2016年度の日本セグメントの売上収益は、決算期変更により、4月1日から12月31日までの9ヶ月間となっております。
3 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
4 実質値は為替影響・補助金・M&A費用・減損損失を調整しております。
(d) セグメント別投資対成果
連結業績に対するセグメント毎の貢献の割合は、下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 日本セグメントの営業利益は、海外グループ会社からの受取配当金を除いております。
(e) 事業別売上収益の推移
過去3年間のセグメント毎の事業別売上収益の推移は下図のとおりであります。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 2017年は日本基準、2018年以降はIFRSにて記載しております。
(f) NIPSEA中国の事業別状況
NIPSEA中国の事業別の状況は次のとおりであります。
自動車塗料につきましては、市況の低迷(前期比6%減)により、中国系メーカーを中心に生産台数が落ち込み、減収となりました。
汎用塗料につきましては、DIYは、プレミアム・エコノミー製品のプロモーションが奏功し、増収(前期比2%増)となりました。Projectにつきましても、建設案件が増加し増収(前期比35%増)となりました。
工業用塗料につきましては、コイルコーティング事業が顧客向け生産が好調に推移した一方、農機・建機分野向けの販売が低調に終始したため、結果的に減収となりました。
NIPSEA中国の営業利益につきましては、上記の汎用塗料の増収効果に加え、RMC比率の改善(前期比1%減)も貢献し、自動車塗料や工業用塗料の落ち込みを吸収し、増益となりました。

(注)1 売上収益は、セグメント間売上収益を除いております。
2 実質値は為替影響・補助金を調整しております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
(a) キャッシュ・フローの状況の分析
当期は営業活動により920億76百万円の収入、投資活動により3,527億69百万円の支出、財務活動により2,540億18百万円の収入があり、結果として現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,233億円となり、前連結会計年度末と比較して63億33百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は、920億76百万円(前期比305億42百万円増)となりました。主な要因は、税引前利益に減価償却費及び償却費等の非資金支出費用等を加味したキャッシュ・フロー収入(運転資本の増減を除く)が1,131億12百万円あった一方で、運転資本の減少による資金の増加18億13百万円、法人税等の支払いなど228億49百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、3,527億69百万円(前期比3,153億29百万円増)となりました。主な要因は、子会社株式の取得による3,186億55百万円の支出、有形固定資産の取得による227億64百万円の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は、2,540億18百万円(前期比2,477億89百万円増)となりました。主な要因は、短期借入金の増加による3,011億78百万円の収入、長期借入金の返済による212億9百万円の支出、配当金の支払いによる267億43百万円の支出があったことなどによるものです。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは営業活動から得た収益が事業活動の財源ともなっており、設備投資や研究開発投資、運転資本充当や配当の支払い、借入金の返済に利用しております。また、持続的な成長の実現に向けた戦略投資に必要な資金需要に対しては、今後の収益見通し、全体的な資金需要、返済能力を考慮して財務規律を維持し外部より資金調達を実施致します。今年度におきましては、M&A実行のため3,208億52百万円の外部借入を行っており、当連結会計年度末の社債及び借入金残高は当社が3,388億54百万円、連結子会社が1,033億42百万円となっております。また、当連結会計年度末の運転資本は1,524億27百万円となっております。
当連結会計年度の現預金残高は1,233億円となっており、当社の現預金保有残高は407億51百万円、国内子会社の現預金保有残高は28億75百万円、海外子会社の現預金及び換金性の高い有価証券の合計額は796億73百万円となっております。国内子会社の現預金はCMS(キャッシュマネジメントシステム)によって当社が集中管理しております。海外子会社の保有する現預金は、主として現地での拡大再生産のために利用する事を目的として保有しており、余剰資金が発生した場合に通常配当とは別に特別配当として資金を回収しております。
現時点で当社グループの事業活動を円滑に維持して行く上で十分な手許資金を有しており、将来の資金需要に対しても不足が生じる懸念は少ないと判断しております。
(c) 資本政策
当社は、SDGs・ESGの視点を中核に位置付け、お客様・従業員・取引先・社会などへの責務を果たしたうえで残存する「株主価値の最大化」に尽力することを経営の最重要目標としております。
その際、当社は、適正なレバレッジによる最適資本構成を志向する事及び戦略性の高いM&Aにおいて一時的なレバレッジの上昇は容認するという財務規律を維持しつつ、成長投資を優先的に実施し、基本的1株当たり当期利益(EPS)の増大を通じて株主の皆様のトータル・シェアホルダー・リターン(TSR)を向上させることに主眼を置いております。
そして、TSRのうち配当については、業績動向、投資機会、配当性向等を総合的に勘案しながらも、安定的かつ継続的に行う方針としております。現状の配当性向は30%を維持することを目標としております。
《基本的1株当たり当期利益(EPS)と1株当たり配当額》
過去の配当額、基本的1株当たり当期利益(EPS)、配当性向の推移は下図のとおりであります。当社は2015年度よりIFRSベースの配当性向に基づき配当額を決定しております。

(注)1 段階取得による差益1,488億円を除いて算定しております。
2 2015年~2017年のIFRS配当性向は、日本基準数値にのれん償却額を調整し、算定しております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)に基づいて作成されております。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っております。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、非金融資産(のれんを含む)の減損、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しております。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の「注記3.重要な会計方針」及び「注記4.重要な会計上の見積、判断及び仮定」に記載しております。
(4) 経営成績等の状況の概要に関する主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを一定期間にわたり均等償却しておりましたが、IFRSでは、のれんの償却は行わず毎期減損テストを行っております。この影響により、IFRSの販売費及び一般管理費は日本基準に比べて、前連結会計年度は120億61百万円減少、当連結会計年度は177億20百万円減少し、IFRSのその他の費用(日本基準は特別損失)は、日本基準に比べて、当連結会計年度は12億40百万円増加しております。