有価証券報告書-第140期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 9:33
【資料】
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【項目】
67項目

対処すべき課題


当社は、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションを追求しています。当社は、「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を企業活動の根幹に据え、「Patient(常に患者さんを中心に)」、「Trust(社会との深い信頼関係を築く)」、「Reputation(当社の評価をさらに高める)」、「Business(ビジネスを成長させる)」を優先順位とする価値観に従います。当社は、世界レベルのガバナンスと多様性あるリーダーシップのもとに、イノベーションを追求する、グローバルかつ機動的な組織です。
当社は、「オンコロジー(がん)」、「消化器系疾患」、「中枢神経系疾患」の3つの重点疾患領域と「ワクチン」に研究開発分野を絞り込み、高い実力を有する世界レベルの研究開発組織を構築するため、研究開発体制の変革に取り組んでいます。また、当社は、成長ドライバー(消化器系疾患、オンコロジー、中枢神経系疾患、新興国事業)への注力とコスト管理規律によって、収益力の向上をともなう成長戦略を推進します。当社は、「Grow Portfolio(事業ポートフォリオの成長)」、「Rebuild Pipeline(研究開発パイプラインの再構築)」、「Boost Profitability(利益率の向上)」を中期的な優先事項として取り組んでいます。
Grow Portfolio(事業ポートフォリオの成長)
・成長ドライバーの主力製品に注力
・スペシャリティ事業の実力強化
・資産売却および取得の機会追求
Rebuild Pipeline(研究開発パイプラインの再構築)
・疾患領域の専門性をいかした革新的研究開発課題の推進
・社内育成と外部提携を通じた研究開発力の強化
・研究開発組織の活性化
Boost Profitability(利益率の向上)
・実質的なCore Earningsの売上収益比率を年100-200bps向上
・Global Opex Initiative(グローバル経費削減イニシアチブ)の推進
・遊休資産の現金化と収益力の向上をともなう成長への投資
<今後の見通し>(2017年度の業績予想)
売上収益16,800億円[ 前年度比521億円( 3.0%)減 ]
Core Earnings2,575億円[ 〃124億円( 5.0%)増 ]
営業利益1,800億円[ 〃241億円( 15.5%)増 ]
税引前当期利益1,900億円[ 〃467億円( 32.5%)増 ]
当期利益
(親会社の所有者帰属分)
1,380億円[ 〃231億円( 20.1%)増 ]
EPS176円73銭[ 〃29円58銭( 20.1%)増 ]

目標とする経営指標(マネジメントガイダンス) - 実質的な成長(注)
2017年度 マネジメントガイダンス (成長率 %)
実質的な売上収益1桁台前半
実質的なCore Earnings10%台半ばから後半
実質的なCore EPS10%台前半から半ば

(注) 「実質的な成長」については、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当年度の経営成績の分析 ②当年度の実質的な成長の概要」参照。
[売上収益]
売上収益は、製品・事業等の売却影響(1,293億円の減収)により、当年度から3.0%減収の16,800億円を見込んでいます。一方、製品・事業等の売却影響と為替影響を除いた実質的な売上収益は、「1桁台前半の成長」を見込んでいます。
「エンティビオ」、「タケキャブ」、「トリンテリックス」が引き続き力強く成長し、「ニンラーロ」もグローバルに売上が拡大することを見込んでいます。また、アリアド社買収により獲得した「アイクルシグ」と「ALUNBRIG」も即時に売上に貢献します。これら製品の大幅な増収影響は、米国で独占販売期間満了を迎える「ベルケイド」の減収や、日本において一部仕入品の販売が終了したことによる減収の影響を上回る見込みです。
[営業利益]
営業利益は当年度から15.5%増益の1,800億円を見込んでいます。当年度は、日本の長期収載品事業を武田テバ薬品株式会社へ移管した際に生じた事業譲渡益1,029億円を計上した一方、翌期は、和光純薬工業株式会社の株式売却益1,063億円を計上するため、これらの影響は相殺されます。
当社は、当年度に営業利益460億円を計上した製品・事業等を売却しましたが、これによる翌期の減益影響や為替影響等を除いた実質的なCore Earningsは、「10%台半ばから後半の成長」を見込んでいます。
[当期利益(親会社の所有者帰属分)]
当期利益(親会社の所有者帰属分)は、当年度から20.1%増益の1,380億円を見込んでいます。
営業利益の増益に加え、投資有価証券の売却による金融損益の改善等により、利息費用の増加や実際負担税率が約7%上昇する影響等を吸収する見込みです。
[主な見通しの前提条件]
・翌年度の為替レート:1米ドル=110円、1ユーロ=120円、1ロシアルーブル=1.9円、
1ブラジルレアル=36.4円、1中国元=16.6円
・研究開発費: 3,100億円
・製品等に係る無形資産償却費: 1,200億円
・製品等に係る減損損失 (予算枠): 325億円
・和光純薬工業株式会社の株式売却益: 1,063億円
・固定資産の売却益: 160億円
・長期収載品の事業譲渡益: 60億円
・研究開発体制の変革にかかる導入費用: 180億円
・グローバル経費削減イニシアチブなど事業運営体制の効率化にかかる予算額: 300億円
・アリアド社にかかる一時費用: 50億円
・投資有価証券の売却益: 300億円
[見通しに関する注意事項]
本資料に記載の「業績予想」は、現時点で入手可能な情報と前提条件に基づく見込みであり、その実現を約束する趣旨ではございません。実際の業績は事業環境の変化や為替変動など様々な要因により変動し、異なる結果を招きうる不確実性を含んでいます。業績予想を修正すべき重大な要因が発生した場合には、速やかにご報告いたします。