半期報告書-第105期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、長期収載品の選定療養制度の導入が決まるなど、当中間連結会計期間においても引き続き厳しい事業環境にあります。
このような環境の中、当社グループは、2022年を起点とする10か年の経営計画において、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進めております。農業薬品事業におきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の成長戦略を柱とした価値の最大化をはかっております。以上の戦略を通じて経営計画達成に向けて取り組んでおります。
当社グループの当中間連結会計期間の業績は、増収増益となりました。2024年5月29日に公表しました「「NM26」の知的財産譲渡及び販売提携オプション契約の締結」に基づいてジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下、「J&J社」という。)、ニューマブ・セラピューティクス社(以下、「ニューマブ社」という。)より総額8,600万米ドルを契約一時金として受け取り、海外売上が増加したことが増収増益の主な要因であります。売上高は51,372百万円(前中間連結会計期間比42.0%増)、営業利益は19,579百万円(前中間連結会計期間比255.2%増)、経常利益は19,823百万円(前中間連結会計期間比246.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は14,286百万円(前中間連結会計期間比251.2%増)となりました。なお、研究開発費につきましては、5,973百万円(前中間連結会計期間比4.1%増)となりました。
当中間連結会計期間における事業の主な進捗は以下のとおりであります。
[研究開発]
・当社グループがニューマブ社とアトピー性皮膚炎を対象に共同開発していた新規多重特異性抗体「NM26」について、J&J社の関連会社であるシーラグ社との間で知的財産の譲渡及び販売提携オプション契約を締結いたしました。本契約締結に伴い、当社グループはJ&J社から契約一時金を受け取るとともに、今後のJ&J社の日本及びアジアでの開発の進捗及び売上の目標達成に応じたマイルストン収入、ならびにアジアでの売上に応じたロイヤリティ収入を受け取る権利を取得いたしました。加えて、J&J社が日本で承認取得するすべての適応症について販売提携契約を交渉するオプション権を有しております。一方、当社グループはニューマブ社と締結した「新規多重特異性抗体医薬に関するライセンス・共同開発契約」を解約してニューマブ社から契約一時金を受け取りましたが、J&J社の開発の進捗に応じたマイルストン収入を受け取る権利は存続しております。
・整形外科疾患の治療に関するプログラム医療機器の創出に向けたフィージビリティ・スタディ契約をクロスメッド㈱と締結いたしました。「長期経営計画2031」では新規分野へのチャレンジとして整形外科領域でのデジタル活用を掲げており、本契約締結によりデジタル製品の共同開発を進めてまいります。
[導入関連]
・製品ポートフォリオの拡充として、新規創傷治療材料「シルクエラスチン創傷用シート」の日本国内における独占的販売権に関するライセンス契約を三洋化成工業㈱と締結いたしました。当社グループが強みとする形成外科、皮膚科等の診療領域において、患者さんに新たな治療選択肢を提供することをめざしております。
[農業薬品]
・農薬業界で世界的にSDGsの取り組みが高まっていることを背景に、天然物質農薬「ポリオキシン」の欧米等での需要拡大が見込まれることから、当社グループの静岡工場内に、発酵農薬原体の製造工場を建設することを決定いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①薬業
1) 医薬品・医療機器
医薬品・医療機器につきましては、主に海外売上の増加により増収となりました。
[国内売上]
競合品の終売に伴う関節機能改善剤「アルツ」の伸長や、めまい・平衡障害治療剤「メリスロン」及び筋緊張改善剤「ミオナール」(2024年3月にエーザイ㈱と日本国内の製造販売承認を承継する契約を締結した2製品)の販売権の許諾に対するロイヤリティ収入等により国内売上が増加しました。
[海外売上]
「NM26」の知的財産譲渡に係る契約一時金に加え、爪白癬治療剤「クレナフィン」(販売名:Jublia)等の海外売上が増加しました。
2) 農業薬品
農業薬品につきましては、主力品である「ポリオキシン」が海外の販売先での在庫調整の影響を受けて売上が減少したため、減収となりました。
この結果、売上高は50,150百万円(前中間連結会計期間比43.5%増)、セグメント利益(営業利益)は18,903百万円(前中間連結会計期間比289.6%増)となりました。
なお、海外売上高は16,550百万円(前中間連結会計期間比501.7%増)となりました。
②不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は1,222百万円(前中間連結会計期間比0.8%増)、セグメント利益(営業利益)は676百万円(前中間連結会計期間比2.3%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
当中間連結会計期間末における総資産は187,123百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,500百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加によるものであります。
負債は32,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,850百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等の増加によるものであります。
また、純資産は154,405百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,650百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
自己資本比率は、82.5%(前連結会計年度末83.8%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18,661百万円増加し、83,987百万円となりました。
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ24,177百万円収入が増加し、23,932百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ1,290百万円支出が増加し、2,432百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ25百万円支出が増加し、2,839百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額の増加によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更又は新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は5,973百万円であります。
当中間連結会計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりであります。
「薬業」において、当社グループがニューマブ社とアトピー性皮膚炎を対象に共同開発していた、新規多重特異性抗体「NM26(開発コード:NM26-2198)」は、J&J社の関連会社であるシーラグ社に知的財産を譲渡し、開発プロジェクトから外しましたが、当社グループはJ&J社が日本で承認取得するすべての適応症について、販売提携契約を交渉するオプション権を有しております。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、「薬業」の販売実績が著しく増加しております。当該販売実績につきましては、上記「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(7) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当中間連結会計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
提出会社
(注) 投資予定額には、解体費用は含まれておりません。
(1) 経営成績の状況
国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、長期収載品の選定療養制度の導入が決まるなど、当中間連結会計期間においても引き続き厳しい事業環境にあります。
このような環境の中、当社グループは、2022年を起点とする10か年の経営計画において、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進めております。農業薬品事業におきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の成長戦略を柱とした価値の最大化をはかっております。以上の戦略を通じて経営計画達成に向けて取り組んでおります。
当社グループの当中間連結会計期間の業績は、増収増益となりました。2024年5月29日に公表しました「「NM26」の知的財産譲渡及び販売提携オプション契約の締結」に基づいてジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下、「J&J社」という。)、ニューマブ・セラピューティクス社(以下、「ニューマブ社」という。)より総額8,600万米ドルを契約一時金として受け取り、海外売上が増加したことが増収増益の主な要因であります。売上高は51,372百万円(前中間連結会計期間比42.0%増)、営業利益は19,579百万円(前中間連結会計期間比255.2%増)、経常利益は19,823百万円(前中間連結会計期間比246.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は14,286百万円(前中間連結会計期間比251.2%増)となりました。なお、研究開発費につきましては、5,973百万円(前中間連結会計期間比4.1%増)となりました。
当中間連結会計期間における事業の主な進捗は以下のとおりであります。
[研究開発]
・当社グループがニューマブ社とアトピー性皮膚炎を対象に共同開発していた新規多重特異性抗体「NM26」について、J&J社の関連会社であるシーラグ社との間で知的財産の譲渡及び販売提携オプション契約を締結いたしました。本契約締結に伴い、当社グループはJ&J社から契約一時金を受け取るとともに、今後のJ&J社の日本及びアジアでの開発の進捗及び売上の目標達成に応じたマイルストン収入、ならびにアジアでの売上に応じたロイヤリティ収入を受け取る権利を取得いたしました。加えて、J&J社が日本で承認取得するすべての適応症について販売提携契約を交渉するオプション権を有しております。一方、当社グループはニューマブ社と締結した「新規多重特異性抗体医薬に関するライセンス・共同開発契約」を解約してニューマブ社から契約一時金を受け取りましたが、J&J社の開発の進捗に応じたマイルストン収入を受け取る権利は存続しております。
・整形外科疾患の治療に関するプログラム医療機器の創出に向けたフィージビリティ・スタディ契約をクロスメッド㈱と締結いたしました。「長期経営計画2031」では新規分野へのチャレンジとして整形外科領域でのデジタル活用を掲げており、本契約締結によりデジタル製品の共同開発を進めてまいります。
[導入関連]
・製品ポートフォリオの拡充として、新規創傷治療材料「シルクエラスチン創傷用シート」の日本国内における独占的販売権に関するライセンス契約を三洋化成工業㈱と締結いたしました。当社グループが強みとする形成外科、皮膚科等の診療領域において、患者さんに新たな治療選択肢を提供することをめざしております。
[農業薬品]
・農薬業界で世界的にSDGsの取り組みが高まっていることを背景に、天然物質農薬「ポリオキシン」の欧米等での需要拡大が見込まれることから、当社グループの静岡工場内に、発酵農薬原体の製造工場を建設することを決定いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①薬業
1) 医薬品・医療機器
医薬品・医療機器につきましては、主に海外売上の増加により増収となりました。
[国内売上]
競合品の終売に伴う関節機能改善剤「アルツ」の伸長や、めまい・平衡障害治療剤「メリスロン」及び筋緊張改善剤「ミオナール」(2024年3月にエーザイ㈱と日本国内の製造販売承認を承継する契約を締結した2製品)の販売権の許諾に対するロイヤリティ収入等により国内売上が増加しました。
[海外売上]
「NM26」の知的財産譲渡に係る契約一時金に加え、爪白癬治療剤「クレナフィン」(販売名:Jublia)等の海外売上が増加しました。
2) 農業薬品
農業薬品につきましては、主力品である「ポリオキシン」が海外の販売先での在庫調整の影響を受けて売上が減少したため、減収となりました。
この結果、売上高は50,150百万円(前中間連結会計期間比43.5%増)、セグメント利益(営業利益)は18,903百万円(前中間連結会計期間比289.6%増)となりました。
なお、海外売上高は16,550百万円(前中間連結会計期間比501.7%増)となりました。
②不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は1,222百万円(前中間連結会計期間比0.8%増)、セグメント利益(営業利益)は676百万円(前中間連結会計期間比2.3%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
当中間連結会計期間末における総資産は187,123百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,500百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加によるものであります。
負債は32,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,850百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等の増加によるものであります。
また、純資産は154,405百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,650百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
自己資本比率は、82.5%(前連結会計年度末83.8%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18,661百万円増加し、83,987百万円となりました。
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ24,177百万円収入が増加し、23,932百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ1,290百万円支出が増加し、2,432百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、前中間連結会計期間に比べ25百万円支出が増加し、2,839百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額の増加によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更又は新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は5,973百万円であります。
当中間連結会計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりであります。
「薬業」において、当社グループがニューマブ社とアトピー性皮膚炎を対象に共同開発していた、新規多重特異性抗体「NM26(開発コード:NM26-2198)」は、J&J社の関連会社であるシーラグ社に知的財産を譲渡し、開発プロジェクトから外しましたが、当社グループはJ&J社が日本で承認取得するすべての適応症について、販売提携契約を交渉するオプション権を有しております。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、「薬業」の販売実績が著しく増加しております。当該販売実績につきましては、上記「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(7) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当中間連結会計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
提出会社
事業所名 (所在地) | セグメント の名称 | 区分 | 設備の内容 | 投資予定額 | 資金調達 方法 | 着手年月 | 完了予定 年月 | 完成後の 増加能力 | |
総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | ||||||||
静岡事業所 (静岡県藤枝市) | 薬業 | 建替 | 医薬品生産設備 | 3,240 | 1,053 | 自己資金 | 2024年 1月 | 2025年 1月 | 生産能力の増強 |
(注) 投資予定額には、解体費用は含まれておりません。