有価証券報告書-第119期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

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2018/12/25 10:44
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【項目】
121項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、相次いだ自然災害の影響が懸念されたものの、好調な企業収益を背景に雇用情勢が改善し、個人消費が持ち直すなど引き続き緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、景気の先行きは、アジア新興国経済の下振れリスクや米国を中心とした保護主義的な通商政策の影響などから依然不透明な状況にあります。
農業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展を背景とした農産物需要の拡大から農業生産は引き続き伸長するものと考えられます。これに伴い世界の農薬市場は、平成26年には564億ドルへと、5年間でその規模が約1.5倍となる大きな成長を遂げました。しかしながら、ここ数年は、最大の市場であるブラジル市場が遺伝子組み換え作物の拡大や過年度の流通在庫の影響から伸び悩み、世界の農薬需要も拡大の勢いが鈍化しています。当社の主要な販売地域に目を転じますと、北米は安定した気候や棉の作付面積の拡大などから農薬市場は堅調に推移しています。一方、アジアではインド市場が底堅かったものの、中国やベトナムなどの一部地域は病害虫の小発生などから市場は弱含みの状況にあります。
国内農業においては、政府が「農業競争力強化プログラム」を掲げ、農業従事者の所得向上を目指していますが、その高齢化や後継者不足の深刻化、耕作放棄地の増加などの構造的課題の解決は進んでいません。また、同プログラムでは農業資材価格引き下げのための施策が検討されており、国内農薬事業への影響を注視する必要があると考えられます。なお、国内農薬市場は流通在庫圧縮の影響などから、ほぼ横ばいで推移しております。
このような状況下、当社グループは中期経営計画「Advance to Growing Global 2018(AGG2018)グローバル企業への前進」に取り組み、自社開発品目を中心とした普及拡販と海外事業の拡大を目指しました。当連結会計年度における当社グループの売上高は、海外事業の拡大やSipcam Nichino Brasil S.A.の決算期変更による業績計上時期の変更などから612億13百万円、前年同期に比べ11億80百万円(2.0%)の増収となりました。利益面では、ノウハウ技術料収入は減少したものの、増収効果に加えNichino America,Inc.の業績伸長などにより、営業利益は41億72百万円、前年同期に比べ6億76百万円(19.3%)の増益、経常利益は36億51百万円、前年同期に比べ54百万円(1.5%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は25億7百万円、前年同期に比べ7億89百万円(45.9%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
① 農薬事業
農薬事業の売上高は555億4百万円、前年同期に比べ12億20百万円(2.2%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は33億95百万円、前年同期に比べ6億13百万円(22.0%)の増益となりました。
② 農薬以外の化学品事業
農薬以外の化学品事業の売上高は39億41百万円、前年同期に比べ1億2百万円(2.7%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は12億58百万円、前年同期に比べ81百万円(6.9%)の増益となりました。
③ その他
その他の売上高は17億67百万円、前年同期に比べ1億42百万円(7.5%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は3億82百万円、前年同期に比べ17百万円(4.9%)の増益となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ、97億50百万円増の984億63百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、10億41百万円増の408億87百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、87億8百万円増の575億76百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ74億5百万円増加し、当連結会計年度末は175億34百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、8億19百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益38億30百万円、減価償却費14億21百万円による資金の増加があった一方、売上債権の増加額24億62百万円、たな卸資産の増加額35億31百万円による資金の減少があったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は、7億67百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出20億87百万円があった一方、有形固定資産の売却による収入26億87百万円があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、77億85百万円となりました。これは長期借入金の返済による支出44億35百万円、配当金の支払額10億2百万円があった一方、株式の発行による収入78億73百万円、長期借入れによる収入30億円があったことが主な要因であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業34,1901.5
農薬以外の化学品事業4584.6
その他405△6.8
合計35,0551.4

(注) 1 金額は、製品製造原価によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業8,55930.7
農薬以外の化学品事業1,4546.3
その他688.2
合計10,08226.3

(注) 1 金額は、仕入価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業----
農薬以外の化学品事業----
その他482△0.9733.5
合計482△0.9733.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業55,5042.2
農薬以外の化学品事業3,9412.7
その他1,767△7.5
合計61,2132.0

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたって、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、税金費用等の見積りはそれぞれ適正であると判断しています。
(2) 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方、国内では、農業従事者の高齢化、後継者不足の深刻化による耕作面積の減少、政府による農業資材費低減方針などを背景に、農薬市場は漸減傾向が継続するものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加により、新規薬剤開発コストが増大し、開発期間も長期化しております。さらに、各国の農薬登録制度における要件の厳格化、ジェネリック農薬との価格競争、原材料費や委託製造費の高騰など当社グループを取り巻く事業環境は一層厳しさを増しております。
このような状況下、当社グループは中期経営計画「Advance to Growing Global 2018(AGG2018)グローバル企業への前進」に取り組み、自社開発品目を中心とした普及拡販と海外事業の拡大を目指しました。当連結会計年度における当社グループの売上高は、海外事業の拡大やSipcam Nichino Brasil S.A.の決算期変更による業績計上時期の変更などから612億13百万円、前年同期に比べ11億80百万円(2.0%)の増収となりました。利益面では、ノウハウ技術料収入は減少したものの、増収効果に加えNichino America,Inc.の業績伸長などにより、営業利益は41億72百万円、前年同期に比べ6億76百万円(19.3%)の増益、経常利益は36億51百万円、前年同期に比べ54百万円(1.5%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は25億7百万円、前年同期に比べ7億89百万円(45.9%)の増益となりました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりです。
(農薬事業)
国内農薬販売では、新規自社開発品目の園芸用殺菌剤「パレード」を始めとする新製品10剤の販売を開始するとともに、園芸用殺虫剤「フェニックス」などの主力品目の普及拡販を目指しました。「パレード」の販売は、その作用性と防除効果が市場から評価され、計画を上回りました。また、農薬原体販売では、適用拡大の進んだ園芸用殺虫剤「コルト」の販社への販売が好調に推移しました。さらに、新たに販売権を取得した水稲用除草剤「バサグラン」の売上寄与もあり、国内販売全体の売上高は前期を上回りました。
海外農薬販売では、欧州ならびに米州の売上高が伸長しました。品目別では、乾燥した気候が続いた北米で果樹、種実類分野で害虫の発生が例年よりも多かったことから、Nichino America,Inc.の主力品目である殺虫剤「アプロード」の販売が好調に推移しました。また、Sipcam Nichino Brasil S.A.の当社開発品目の販売が本格化し、「アプロード」ならびに殺ダニ剤「ダニトロン」の売上高が伸長しました。
ノウハウ技術料収入は、技術導出先の主要販売地域での害虫の小発生の影響などから同導出先の売上高が伸び悩み、前期を下回りました。
以上の結果、農薬事業の売上高は555億4百万円、前年同期に比べ12億20百万円(2.2%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は33億95百万円、前年同期に比べ6億13百万円(22.0%)の増益となりました。
(農薬以外の化学品事業)
化学品事業では、シロアリ薬剤分野で株式会社アグリマートとの協働による販売戦略が奏功し、売上高は前期を上回りました。医薬品事業では、外用抗真菌剤「ルリコナゾール」の爪白癬分野の販売が好調に推移しました。
以上の結果、農薬以外の化学品事業の売上高は39億41百万円、前年同期に比べ1億2百万円(2.7%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は12億58百万円、前年同期に比べ81百万円(6.9%)の増益となりました。
(その他)
緑化造園工事事業では、主要受託先である官公庁の予算削減など依然厳しい状況が続いております。このような環境下、情報収集や積算提案に努め、中小型物件の受注に注力した結果、売上高は前期を上回りました。一方、分析事業では、環境分野は水質分析などの受注が堅調に推移し、売上高が前期から微増となったものの、主力の食品分野の業績が伸び悩んだ結果、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、その他の売上高は17億67百万円、前年同期に比べ1億42百万円(7.5%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は3億82百万円、前年同期に比べ17百万円(4.9%)の増益となりました。
(3) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、平成25年度に当社の将来のありたい姿として「日農グループビジョン」を策定いたしました。本ビジョンでは、作物保護や生活環境改善など、これまで農薬化学事業で培ってきた技術をさらに高めることにより人類の未来に貢献するグループを目指しており、数値目標として、平成33年度(2021年度)売上高1千億円、さらには、継続的な創薬で社会に貢献するために、将来安定的事業推進とプレゼンスが確保できる多国籍大手4社に次ぐ売上高2千億円規模の研究開発型企業を目指すことを定めております。
中期経営計画「Advance to Growing Global 2018(AGG2018)グローバル企業への前進」の最終年度である当連結会計年度においては、目標売上高700億円、計画数値として売上高680億円および営業利益44億円を設定し、業績向上に努めてまいりました。しかしながら、国内農薬販売で自社開発品目の販売が伸び悩んだほか、海外農薬販売ではNichino India Pvt.Ltd.が中国の環境規制問題により原材料の欠品、遅配、高騰が相次いだ影響から業績が伸び悩んだ結果、目標値および計画値を上回ることはできませんでした。一方、当連結会計年度において当社グループは、今後農薬市場の成長が期待されるベトナムへの現地法人設立およびコロンビアにおけるAdnicol社の子会社化を実施するなど、中期経営計画の基本方針に掲げている「事業基盤の強化」を着実に推進しており、業容の拡大に向けた基盤作りにおいて一定の成果を上げることができました。加えて、株式会社ADEKAとの資本業務提携による増資により、財務基盤を強化いたしました。
平成31年度から始まる新中期経営計画「Ensuring Growing Global(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」においては、これまで実施した出資や買収案件の収益への貢献を最大化していくと同時に、さらなる成長戦略の遂行により業容の拡大を図る計画としました。最終年度である平成33年度(2021年度)には既存事業による売上高800億円達成に加え、新たな成長戦略の実現により連結売上高1千億円を目指してまいります。
(4) 財政状態の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度末の総資産は、のれんが減少したものの、現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ、97億50百万円増の984億63百万円となりました。
負債につきましては、長期借入金が減少したものの、支払手形及び買掛金、及び短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、10億41百万円増の408億87百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ、87億8百万円増の575億76百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ、3.7%増の56.5%になりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ17億40百万円増加し、801億4百万円となりました。
(農薬事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ23億52百万円増加し、748億63百万円となりました。
(農薬以外の化学品事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ2億20百万円減少し、27億77百万円となりました。
(その他)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ3億90百万円減少し、24億63百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(業績等の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④資本の財源および資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新剤開発・登録等にかかる研究開発費や開発途中の剤の生産設備の設置及び既存剤の生産効率化にかかる設備投資であり、これらを主に自己資金並びに金融機関からの借入金により調達しています。また、本年9月に株式会社ADEKAを割当先とする第三者割当の方法による新株式の発行により80億円の資金調達を行いました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は175億34百万円であり、十分な手元流動性を確保しています。

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