有価証券報告書-第122期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 10:12
【資料】
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【項目】
147項目
(業績等の概要)
当社は、2019年12月20日開催の第120回定時株主総会の決議により、決算日を従来の9月30日から3月31日に変更いたしました。
これにより、前連結会計年度が2019年10月1日から2020年3月31日までの6カ月となったため、当連結会計年度においては前連結会計年度との比較は行っておりませんのでご了承くださいますようお願い申しあげます。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により企業収益の減少や個人消費の低迷、雇用環境の悪化などから厳しい状況で推移いたしました。足下では企業の生産活動や設備投資に持ち直しの動きがみられるものの、新型コロナウイルス変異株の広まりなどから感染者数が再び増加傾向に転じており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
農業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした農産物需要の拡大から農業生産は引き続き伸長するものと考えられます。世界の農薬市場は、ここ数年成長が鈍化していましたが、米州などの需要増加から再び拡大基調にあります。当社グループの主な販売地域に目を転じますと、天候に恵まれた北米では農薬市場は堅調に推移しました。中南米では、ブラジルで大豆やトウモロコシの作付面積の拡大などから需要が増加しました。また、アジアでは、温暖な気候が続いた中国やモンスーンの降雨量が豊富だったインドなどの需要が増加しました。一方、欧州は天候不順や過年度の流通在庫の影響から市場全体が伸び悩みました。
国内農業においては農家の高齢化や後継者不足の深刻化、耕作放棄地の増加などの構造的課題の解決は進んでいません。これに対して政府の農林水産業・地域の活力創造本部ではロボット技術やICTなどを活用したスマート農業の実践による生産性の向上が議論されています。また、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための政策方針として「みどりの食料システム戦略」を策定しています。なお、この戦略では化学農薬使用量(リスク換算)低減のための施策が検討されており、国内農薬事業への影響を注視する必要があると考えられます。
当社グループの農薬事業は、世界の食の安定供給に貢献するという社会的使命を担っています。コロナ禍においてもこの使命を果たすため、使用者への農薬製品の安定供給に努めております。
このような状況下、当社グループは中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」に取り組み、収益性の向上とグループ力強化を目指しました。当連結会計年度における当社グループの売上高は715億25百万円となりました。海外売上高は448億64百万円、海外売上高比率は62.7%となりました。利益面では、営業利益は69億81百万円、経常利益は57億22百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は43億44百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
① 農薬事業
農薬事業の売上高は653億86百万円、セグメント利益(営業利益)は59億98百万円となりました。
② 農薬以外の化学品事業
農薬以外の化学品事業の売上高は42億79百万円、セグメント利益(営業利益)は14億70百万円となりました。
③ その他
その他の売上高は18億59百万円、セグメント利益(営業利益)は3億82百万円となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ、57億55百万円増の1,079億69百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、20億56百万円増の458億97百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、36億98百万円増の620億71百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ48億28百万円増加し、当連結会計年度末は174億14百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、57億76百万円となりました。これは売上債権の増加額25億89百万円による資金の減少があった一方、税金等調整前当期純利益58億50百万円、仕入債務の増加額19億15百万円による資金の増加があったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、2億83百万円となりました。これは有形固定資産の売却による収入17億円があった一方、有形固定資産の取得による支出12億35百万円、無形固定資産の取得による支出1億88百万円、定期預金の預入、払戻による純減の支出4億21百万円があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、1億97百万円となりました。これは短期借入れによる収入57億25百万円があった一方、短期借入金の返済51億91百万円、配当金の支払額9億17百万円があったことが主な要因であります。
(生産、受注及び販売の状況)
前連結会計年度は、決算期の変更により、2019年10月1日から2020年3月31日までの6カ月間となっています。このため、前年同期比(%)については記載していません。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業42,736-
農薬以外の化学品事業837-
その他520-
合計44,094-

(注) 1 金額は、製品製造原価によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業12,411-
農薬以外の化学品事業1,082-
その他98-
合計13,592-

(注) 1 金額は、仕入価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業----
農薬以外の化学品事業----
その他618-57-
合計618-57-

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
農薬事業65,386-
農薬以外の化学品事業4,279-
その他1,859-
合計71,525-

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方、国内では、農業従事者の高齢化、後継者不足の深刻化による耕作面積の減少、政府による農業資材費低減方針などを背景に、農薬市場は漸減傾向が継続するものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加により、新規薬剤開発コストが増大し、開発期間も長期化しております。さらに、各国の農薬登録制度における要件の厳格化、ジェネリック農薬との価格競争、原材料費や委託製造費の高騰、異常気象による農作物への影響など当社グループを取り巻く事業環境は一層厳しさを増しております。
なお、今後の見通しにつきましては、昨年度に引き続き国内外ともに新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大の終息が見通せず、企業収益や雇用環境などの悪化により世界経済の減速が懸念されます。当社グループの中核事業である農薬事業は、食料安定供給を支える農業生産の根幹に関わるビジネスであるため、他の業種に比し影響は限定的であると考えられますが、生産、調達などへの直接的な影響や農業を取り巻く環境変化による間接的な影響が想定されます。
このような事業環境下、グループビジョン「Nichino Group-Growing Global 世界で戦える優良企業へ」のもと、当社グループは中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」に取り組み、収益性の向上とグループ力強化を目指しました。当連結会計年度における当社グループの売上高は715億25百万円となりました。利益面では、営業利益は69億81百万円、経常利益は57億22百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は43億44百万円となりました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりです。
(農薬事業)
国内農薬販売では、水稲用殺菌剤チアジニル(「商品名「ブイゲット」)や園芸用殺菌剤ピラジフルミド(商品名「パレード」)などの主力自社開発品目の普及拡販に努めました。また、前期より商慣習改善による農薬の使用時期および流通実態に即した販売の平準化を図ったことなどから売上高が伸長しました。なお、当社が2020年4月より配信しておりますスマートフォン用アプリケーション「レイミーのAI病害虫雑草診断」は、本年1月に診断作物を既存の水稲に加えキャベツ、レタス、はくさい、ブロッコリーおよびねぎを追加し、スマート農業を通じた生産者の利便性の向上を図っています。
海外農薬販売では、世界最大の農薬市場であるブラジルは需要が回復基調にあるものの競争激化などからSipcam Nichino Brasil S.A.の販売が伸び悩みました。一方、北米ではNichino America,Inc.において技術普及活動が奏功した殺虫剤ブプロフェジンと落花生の作付面積拡大により需要が増加した殺菌剤フルトラニルの販売が牽引し売上高が伸長しました。また、インドのNichino India Pvt.Ltd.では良好なモンスーンの降雨に加え今期より販売を開始した園芸用殺虫剤トルフェンピラドと殺虫剤フルベンジアミドの寄与もあり売上高が伸長しました。さらに、欧州では競合剤から市場シェアを獲得したばれいしょ枯凋剤ピラフルフェンエチルの販売が増加したことなどからNichino Europe Co.,Ltd.の売上高が伸長しました。
ノウハウ技術料収入は、技術導出先の販売が伸び悩んだことなどから減少しました。
以上の結果、農薬事業の売上高は653億86百万円、セグメント利益(営業利益)は59億98百万円となりました。
(農薬以外の化学品事業)
化学品事業では、住宅着工戸数の減少などから株式会社アグリマートのシロアリ薬剤の販売が伸び悩みました。一方、医薬品事業では、外用抗真菌剤ルリコナゾールおよびラノコナゾールの足白癬分野の売上高が伸長しました。
以上の結果、農薬以外の化学品事業の売上高は42億79百万円、セグメント利益(営業利益)は14億70百万円となりました。
(その他)
緑化造園工事事業では、東京オリンピック開催の延期に伴い大型工事の発注が延期になったことなどから売上高が減少しました。
分析事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により主力のコーヒー分野の受注が伸び悩んだ結果、売上高が減少しました。
以上の結果、その他の売上高は18億59百万円、セグメント利益(営業利益)は3億82百万円となりました。
(2) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、2013年度に当社の将来のありたい姿として「日農グループビジョン」を策定いたしました。本ビジョンでは、作物保護や生活環境改善など、これまで農薬化学事業で培ってきた技術をさらに高めることにより人類の未来に貢献するグループを目指しており、数値目標として、2021年度売上高1千億円、さらには、継続的な創薬で社会に貢献するために、将来安定的事業推進とプレゼンスが確保できる多国籍大手4社に次ぐ売上高2千億円規模の研究開発型企業を目指すことを定めております。
2019年9月期を初年度とする中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」においては、最終年度となる2021年3月期の目標売上高1,000億円、計画数値として売上高763億円、営業利益47億円を設定し、これまで実施した出資や買収案件の収益への貢献を最大化していくと同時に、さらなる成長戦略の遂行により業容の拡大を図る計画としております。
最終年度となる当連結会計年度においては、ターゲット市場における重点剤の登録申請と開発推進、パイプラインの充実化、インドにおける製販体制強化、スマート農業への対応、業務改革・働き方改革の推進など、事業基盤の強化に一定の成果を上げることができました。また、株式会社ADEKAとの資本業務提携によるシナジーを早期に創出し発揮するべく活動を推進してきました。
当連結会計年度においては、上記計画値の達成に向け業績向上に努めてまいりました。海外農薬販売において、欧州などの地域で販売が伸長したものの、ブラジル市場の競争激化の影響から連結子会社のSipcam Nichino Brasil S. A. の販売が伸び悩みました。これらの結果、売上高は計画値を下回りました。一方、利益面においては、欧州をはじめとした海外農薬販売の増加や諸経費の削減などにより営業利益は計画値を上回りました。
(3) 財政状態の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金並びに売上債権が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ、57億55百万円増の1,079億69百万円となりました。
負債につきましては、社債及び長期借入金が減少したものの、仕入債務及び短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、20億56百万円増の458億97百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ、36億98百万円増の620億71百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ、1,2%増の56.4%になりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ36億46百万円増加し、956億39百万円となりました。
(農薬事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ28億40百万円増加し、898億40百万円となりました。
(農薬以外の化学品事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ6億76百万円増加し、33億円となりました。
(その他)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ1億29百万円増加し、24億98百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④資本の財源および資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新剤開発・登録等にかかる研究開発費や開発途中の剤の生産設備の設置及び既存剤の生産効率化にかかる設備投資であり、これらを主に自己資金並びに金融機関からの借入金により調達しています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は174億14百万円であり、十分な手元流動性を確保しています。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しています。

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