有価証券報告書-第121期(令和1年10月1日-令和2年3月31日)
(業績等の概要)
当社は、2019年12月20日開催の第120回定時株主総会の決議により、決算日を従来の9月30日から3月31日に変更いたしました。
これにより、当第121期事業年度が2019年10月1日から2020年3月31日までの6カ月となったため、当連結会計年度においては業績に関する前期比増減の記載を省略しておりますのでご了承くださいますようお願い申しあげます。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、堅調な企業業績を背景に雇用情勢が改善し、個人消費が持ち直すなど緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、年度後半は、米中通商問題を巡る緊張や英国のEU離脱などの海外経済の動向から景気の先行きに不透明感が高まりました。さらに、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により実体経済は足元で大幅に下押しされており厳しい状況にあります。
農業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展を背景とした農産物需要の拡大から農業生産は引き続き伸長するものと考えられます。世界の農薬市場は、ここ数年成長が鈍化していましたが、米州などの需要増加から再び拡大基調にあります。当社グループの主要な販売地域に目を転じますと、北米は温暖な気候が続いたことから農薬需要は堅調に推移しました。中南米では、世界最大のブラジル市場で過年度の流通在庫の消化が進んだことから市場全体は増加に転じていますが、販売競争の激化により先行きは不透明な状況にあります。また、アジアでは、天候に恵まれたインドなどで需要が拡大しました。
一方、国内農業においては農家の高齢化や後継者不足の深刻化、耕作放棄地の増加などの構造的課題の解決は進んでいません。これに対して政府の農林水産業・地域の活力創造本部ではロボット、AIなどを活用したスマート農業の実践による生産性の向上が議論されています。なお、当社は本年4月より農業生産の効率化による生産者支援の一環として農作物や圃場に発生する病害虫、雑草の防除に適切な農薬情報を検索するツールのスマートフォン用アプリケーション「レイミーのAI病害虫雑草診断(水稲版)」の配信サービスを開始しました。
このような状況下、当社グループは中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」に取り組み、収益性の向上とグループ力強化を目指しております。当連結会計年度における当社グループの売上高は356億74百万円となりました。海外売上高は194億36百万円、海外売上高比率は54.5%となりました。利益面では、営業利益は40億5百万円、経常利益は40億4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として連結子会社Sipcam Nichino Brasil S.A.に係るのれんの減損損失を計上したこともあり、14億77百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
① 農薬事業
農薬事業の売上高は327億40百万円、セグメント利益(営業利益)は35億7百万円となりました。
② 農薬以外の化学品事業
農薬以外の化学品事業の売上高は18億55百万円、セグメント利益(営業利益)は6億39百万円となりました。
③ その他
その他の売上高は10億78百万円、セグメント利益(営業利益)は2億58百万円となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ、77億49百万円増の1,022億14百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、75億74百万円増の438億41百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、1億74百万円増の583億72百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ37億16百万円減少し、当連結会計年度末は125億86百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、59億54百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益25億19百万円、仕入債務の増加額42億32百万円による資金の増加があった一方、売上債権の増加額96億6百万円、たな卸資産の増加額32億18百万円による資金の減少があったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は、47百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出3億40百万円があった一方、親会社株式の売却による収入4億77百万円があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、22億48百万円となりました。これは長期借入金の返済による支出29億67百万円、配当金の支払額5億90百万円があった一方、短期借入れによる収入56億79百万円があったことが主な要因であります。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年10月1日から2020年3月31日までの6カ月間となっています。このため、前年同期比(%)については記載していません。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は、製品製造原価によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は、仕入価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方、国内では、農業従事者の高齢化、後継者不足の深刻化による耕作面積の減少、政府による農業資材費低減方針などを背景に、農薬市場は漸減傾向が継続するものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加により、新規薬剤開発コストが増大し、開発期間も長期化しております。さらに、各国の農薬登録制度における要件の厳格化、ジェネリック農薬との価格競争、原材料費や委託製造費の高騰、異常気象による農作物への影響など当社グループを取り巻く事業環境は一層厳しさを増しております。
なお、今後の見通しにつきましては、国内外ともに新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の終息が見通せず、企業収益や雇用環境などの悪化により世界経済の減速が懸念されます。当社グループの中核事業である農薬事業は、食料安定化供給を支える農業生産の根幹に関わるビジネスであるため、他の業種に比し影響は限定的であると考えられますが、生産、調達などへの直接的な影響や農業を取り巻く環境変化による間接的な影響が想定されます。
このような事業環境下、グループビジョン「Nichino Group-Growing Global 世界で戦える優良企業へ」のもと、当社グループは中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」に取り組み、収益性の向上とグループ力強化を目指しております。当連結会計年度における当社グループの売上高は356億74百万円となりました。利益面では、営業利益は40億5百万円、経常利益は40億4百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として連結子会社Sipcam Nichino Brasil S.A.に係るのれんの減損損失を計上したこともあり、14億77百万円となりました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりです。
(農薬事業)
国内農薬販売では、新製品3剤の販売を開始し品目ポートフォリオの拡充を図るとともに、水稲用殺菌剤「ブイゲット」などの主力自社開発品目の普及拡販に努めました。しかしながら、流通在庫の圧縮を進めたことなどから売上高が伸び悩みました。
海外農薬販売では、インドでNichino India Pvt.Ltd.の乾季作向け農薬販売が堅調に推移しました。また、米国で新型コロナウイルス感染症拡大による流通への影響懸念から荷動きが早まったことからNichino America,Inc.の前倒し出荷が進みました。さらに、欧州では殺菌剤「モンカット」や除草剤「ET」の販売が好調に進展し、Nichino Europe Co.,Ltd.の売上高が伸長しました。一方、ブラジルでは農薬需要は回復したものの、競争激化からSipcam Nichino Brasil S.A.の販売が伸び悩みました。
ノウハウ技術料収入は、技術導出先による当社開発品目の販売が好調に推移したことなどから増加しました。
以上の結果、農薬事業の売上高は327億40百万円、セグメント利益(営業利益)は35億7百万円となりました。
(農薬以外の化学品事業)
化学品事業では、シロアリ薬剤分野で株式会社アグリマートとの協働による販売戦略が奏功し、売上高が伸長しました。医薬品事業では、外用抗真菌剤「ルリコナゾール」の爪白癬分野の販売が好調に推移しました。
以上の結果、農薬以外の化学品事業の売上高は18億55百万円、セグメント利益(営業利益)は6億39百万円となりました。
(その他)
緑化造園工事事業では、官公庁関連の新規受注などに注力した結果、売上高が伸長しました。
分析事業では、注力分野を明確化し受注活動に努めた結果、売上高が増加しました。
以上の結果、その他の売上高は10億78百万円、セグメント利益(営業利益)は2億58百万円となりました。
(2) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、2013年度に当社の将来のありたい姿として「日農グループビジョン」を策定いたしました。本ビジョンでは、作物保護や生活環境改善など、これまで農薬化学事業で培ってきた技術をさらに高めることにより人類の未来に貢献するグループを目指しており、数値目標として、2021年度売上高1千億円、さらには、継続的な創薬で社会に貢献するために、将来安定的事業推進とプレゼンスが確保できる多国籍大手4社に次ぐ売上高2千億円規模の研究開発型企業を目指すことを定めております。
2019年9月期を初年度とする中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」においては、最終年度となる2021年3月期の目標売上高1千億円、計画数値として売上高763億円、営業利益47億円を設定し、これまで実施した出資や買収案件の収益への貢献を最大化していくと同時に、さらなる成長戦略の遂行により業容の拡大を図る計画としております。
2年度となる当連結会計年度においては、ターゲット市場における重点剤の登録申請と開発推進、パイプラインの充実化、インドにおける製販体制強化、スマート農業への対応、業務改革・働き方改革の推進など、事業基盤の強化に一定の成果を上げることができました。また、株式会社ADEKAとの資本業務提携によるシナジーを早期に創出し発揮するべく活動を推進してきました。
当連結会計年度においては、計画数値として売上高370億円および営業利益32億円を設定し、業績向上に努めてまいりました。海外農薬販売において、インド、韓国および欧州などの地域で販売が伸長したものの、ブラジル市場の競争激化の影響から連結子会社のSipcam Nichino Brasil S. A. の販売が伸び悩みました。これらの結果、売上高は計画値を下回りました。一方、利益面においては、2020年3月後半より米国や欧州などで新型コロナウイルス感染拡大による流通への影響懸念などを背景に荷動きが早まり、同地域の当社連結子会社にて翌期向けの在庫の消化が前倒しで進んだことから、営業利益は計画値を上回りました。
(3) 財政状態の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度末の総資産は、のれんが減少したものの、売上債権及びたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ、77億49百万円増の1,022億14百万円となりました。
負債につきましては、仕入債務及び短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、75億74百万円増の438億41百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ、1億74百万円増の583億72百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ、4.3%減の55.2%になりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ126億60百万円増加し、919億92百万円となりました。
(農薬事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ125億82百万円増加し、869億99百万円となりました。
(農薬以外の化学品事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ1億31百万円増加し、26億23百万円となりました。
(その他)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ53百万円減少し、23億69百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④資本の財源および資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新剤開発・登録等にかかる研究開発費や開発途中の剤の生産設備の設置及び既存剤の生産効率化にかかる設備投資であり、これらを主に自己資金並びに金融機関からの借入金により調達しています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は125億86百万円であり、十分な手元流動性を確保しています。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しています。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると慎重に判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上していますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
b.固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損処理が必要となる可能性があります。
当社は、2019年12月20日開催の第120回定時株主総会の決議により、決算日を従来の9月30日から3月31日に変更いたしました。
これにより、当第121期事業年度が2019年10月1日から2020年3月31日までの6カ月となったため、当連結会計年度においては業績に関する前期比増減の記載を省略しておりますのでご了承くださいますようお願い申しあげます。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、堅調な企業業績を背景に雇用情勢が改善し、個人消費が持ち直すなど緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、年度後半は、米中通商問題を巡る緊張や英国のEU離脱などの海外経済の動向から景気の先行きに不透明感が高まりました。さらに、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により実体経済は足元で大幅に下押しされており厳しい状況にあります。
農業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展を背景とした農産物需要の拡大から農業生産は引き続き伸長するものと考えられます。世界の農薬市場は、ここ数年成長が鈍化していましたが、米州などの需要増加から再び拡大基調にあります。当社グループの主要な販売地域に目を転じますと、北米は温暖な気候が続いたことから農薬需要は堅調に推移しました。中南米では、世界最大のブラジル市場で過年度の流通在庫の消化が進んだことから市場全体は増加に転じていますが、販売競争の激化により先行きは不透明な状況にあります。また、アジアでは、天候に恵まれたインドなどで需要が拡大しました。
一方、国内農業においては農家の高齢化や後継者不足の深刻化、耕作放棄地の増加などの構造的課題の解決は進んでいません。これに対して政府の農林水産業・地域の活力創造本部ではロボット、AIなどを活用したスマート農業の実践による生産性の向上が議論されています。なお、当社は本年4月より農業生産の効率化による生産者支援の一環として農作物や圃場に発生する病害虫、雑草の防除に適切な農薬情報を検索するツールのスマートフォン用アプリケーション「レイミーのAI病害虫雑草診断(水稲版)」の配信サービスを開始しました。
このような状況下、当社グループは中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」に取り組み、収益性の向上とグループ力強化を目指しております。当連結会計年度における当社グループの売上高は356億74百万円となりました。海外売上高は194億36百万円、海外売上高比率は54.5%となりました。利益面では、営業利益は40億5百万円、経常利益は40億4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として連結子会社Sipcam Nichino Brasil S.A.に係るのれんの減損損失を計上したこともあり、14億77百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
① 農薬事業
農薬事業の売上高は327億40百万円、セグメント利益(営業利益)は35億7百万円となりました。
② 農薬以外の化学品事業
農薬以外の化学品事業の売上高は18億55百万円、セグメント利益(営業利益)は6億39百万円となりました。
③ その他
その他の売上高は10億78百万円、セグメント利益(営業利益)は2億58百万円となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ、77億49百万円増の1,022億14百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、75億74百万円増の438億41百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、1億74百万円増の583億72百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ37億16百万円減少し、当連結会計年度末は125億86百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、59億54百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益25億19百万円、仕入債務の増加額42億32百万円による資金の増加があった一方、売上債権の増加額96億6百万円、たな卸資産の増加額32億18百万円による資金の減少があったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は、47百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出3億40百万円があった一方、親会社株式の売却による収入4億77百万円があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、22億48百万円となりました。これは長期借入金の返済による支出29億67百万円、配当金の支払額5億90百万円があった一方、短期借入れによる収入56億79百万円があったことが主な要因であります。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年10月1日から2020年3月31日までの6カ月間となっています。このため、前年同期比(%)については記載していません。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 農薬事業 | 20,874 | - |
| 農薬以外の化学品事業 | 360 | - |
| その他 | 317 | - |
| 合計 | 21,552 | - |
(注) 1 金額は、製品製造原価によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 農薬事業 | 4,696 | - |
| 農薬以外の化学品事業 | 474 | - |
| その他 | 57 | - |
| 合計 | 5,228 | - |
(注) 1 金額は、仕入価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 農薬事業 | - | - | - | - |
| 農薬以外の化学品事業 | - | - | - | - |
| その他 | 360 | - | 86 | - |
| 合計 | 360 | - | 86 | - |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 農薬事業 | 32,740 | - |
| 農薬以外の化学品事業 | 1,855 | - |
| その他 | 1,078 | - |
| 合計 | 35,674 | - |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方、国内では、農業従事者の高齢化、後継者不足の深刻化による耕作面積の減少、政府による農業資材費低減方針などを背景に、農薬市場は漸減傾向が継続するものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加により、新規薬剤開発コストが増大し、開発期間も長期化しております。さらに、各国の農薬登録制度における要件の厳格化、ジェネリック農薬との価格競争、原材料費や委託製造費の高騰、異常気象による農作物への影響など当社グループを取り巻く事業環境は一層厳しさを増しております。
なお、今後の見通しにつきましては、国内外ともに新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の終息が見通せず、企業収益や雇用環境などの悪化により世界経済の減速が懸念されます。当社グループの中核事業である農薬事業は、食料安定化供給を支える農業生産の根幹に関わるビジネスであるため、他の業種に比し影響は限定的であると考えられますが、生産、調達などへの直接的な影響や農業を取り巻く環境変化による間接的な影響が想定されます。
このような事業環境下、グループビジョン「Nichino Group-Growing Global 世界で戦える優良企業へ」のもと、当社グループは中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」に取り組み、収益性の向上とグループ力強化を目指しております。当連結会計年度における当社グループの売上高は356億74百万円となりました。利益面では、営業利益は40億5百万円、経常利益は40億4百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として連結子会社Sipcam Nichino Brasil S.A.に係るのれんの減損損失を計上したこともあり、14億77百万円となりました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりです。
(農薬事業)
国内農薬販売では、新製品3剤の販売を開始し品目ポートフォリオの拡充を図るとともに、水稲用殺菌剤「ブイゲット」などの主力自社開発品目の普及拡販に努めました。しかしながら、流通在庫の圧縮を進めたことなどから売上高が伸び悩みました。
海外農薬販売では、インドでNichino India Pvt.Ltd.の乾季作向け農薬販売が堅調に推移しました。また、米国で新型コロナウイルス感染症拡大による流通への影響懸念から荷動きが早まったことからNichino America,Inc.の前倒し出荷が進みました。さらに、欧州では殺菌剤「モンカット」や除草剤「ET」の販売が好調に進展し、Nichino Europe Co.,Ltd.の売上高が伸長しました。一方、ブラジルでは農薬需要は回復したものの、競争激化からSipcam Nichino Brasil S.A.の販売が伸び悩みました。
ノウハウ技術料収入は、技術導出先による当社開発品目の販売が好調に推移したことなどから増加しました。
以上の結果、農薬事業の売上高は327億40百万円、セグメント利益(営業利益)は35億7百万円となりました。
(農薬以外の化学品事業)
化学品事業では、シロアリ薬剤分野で株式会社アグリマートとの協働による販売戦略が奏功し、売上高が伸長しました。医薬品事業では、外用抗真菌剤「ルリコナゾール」の爪白癬分野の販売が好調に推移しました。
以上の結果、農薬以外の化学品事業の売上高は18億55百万円、セグメント利益(営業利益)は6億39百万円となりました。
(その他)
緑化造園工事事業では、官公庁関連の新規受注などに注力した結果、売上高が伸長しました。
分析事業では、注力分野を明確化し受注活動に努めた結果、売上高が増加しました。
以上の結果、その他の売上高は10億78百万円、セグメント利益(営業利益)は2億58百万円となりました。
(2) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、2013年度に当社の将来のありたい姿として「日農グループビジョン」を策定いたしました。本ビジョンでは、作物保護や生活環境改善など、これまで農薬化学事業で培ってきた技術をさらに高めることにより人類の未来に貢献するグループを目指しており、数値目標として、2021年度売上高1千億円、さらには、継続的な創薬で社会に貢献するために、将来安定的事業推進とプレゼンスが確保できる多国籍大手4社に次ぐ売上高2千億円規模の研究開発型企業を目指すことを定めております。
2019年9月期を初年度とする中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」においては、最終年度となる2021年3月期の目標売上高1千億円、計画数値として売上高763億円、営業利益47億円を設定し、これまで実施した出資や買収案件の収益への貢献を最大化していくと同時に、さらなる成長戦略の遂行により業容の拡大を図る計画としております。
2年度となる当連結会計年度においては、ターゲット市場における重点剤の登録申請と開発推進、パイプラインの充実化、インドにおける製販体制強化、スマート農業への対応、業務改革・働き方改革の推進など、事業基盤の強化に一定の成果を上げることができました。また、株式会社ADEKAとの資本業務提携によるシナジーを早期に創出し発揮するべく活動を推進してきました。
当連結会計年度においては、計画数値として売上高370億円および営業利益32億円を設定し、業績向上に努めてまいりました。海外農薬販売において、インド、韓国および欧州などの地域で販売が伸長したものの、ブラジル市場の競争激化の影響から連結子会社のSipcam Nichino Brasil S. A. の販売が伸び悩みました。これらの結果、売上高は計画値を下回りました。一方、利益面においては、2020年3月後半より米国や欧州などで新型コロナウイルス感染拡大による流通への影響懸念などを背景に荷動きが早まり、同地域の当社連結子会社にて翌期向けの在庫の消化が前倒しで進んだことから、営業利益は計画値を上回りました。
(3) 財政状態の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度末の総資産は、のれんが減少したものの、売上債権及びたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ、77億49百万円増の1,022億14百万円となりました。
負債につきましては、仕入債務及び短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、75億74百万円増の438億41百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ、1億74百万円増の583億72百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ、4.3%減の55.2%になりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ126億60百万円増加し、919億92百万円となりました。
(農薬事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ125億82百万円増加し、869億99百万円となりました。
(農薬以外の化学品事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ1億31百万円増加し、26億23百万円となりました。
(その他)
当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ53百万円減少し、23億69百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④資本の財源および資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新剤開発・登録等にかかる研究開発費や開発途中の剤の生産設備の設置及び既存剤の生産効率化にかかる設備投資であり、これらを主に自己資金並びに金融機関からの借入金により調達しています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は125億86百万円であり、十分な手元流動性を確保しています。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しています。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると慎重に判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上していますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
b.固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損処理が必要となる可能性があります。