有価証券報告書-第18期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して977,513千円減少して4,338,916千円となりました。当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比較して167,842千円減少して68,619千円となりました。当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比較して809,671千円減少して4,270,297千円となりました。
b.経営成績
当事業年度のわが国の経済は、2019年12月まで比較的好調に推移していたものの、その後発生した新型コロナウイルスの影響により、日本経済だけでなく世界経済が大混乱に陥りました。リーマンショックを超える経済ダメージを予測する識者も多く、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。
医薬品開発を生業とする当社は、この問題に対して積極的に関与する責務があると受け止め、当社が得意とするドラッグ・リポジショニングの技術・ノウハウ・研究資源(既承認薬ライブラリー)等を活用し、新型コロナウイルス治療薬の開発に貢献することにしました(詳細は「5研究開発活動」参照)。
新型コロナウイルスの影響を除けば、わが国の医薬品業界におけるトレンドは変わっておりません。グローバルメガファーマは有望なパイプラインの導入に積極的になっています。一方、中小製薬企業は長期収載品(※)に頼った経営が限界に来ており、ベンチャーとの協業により主にニッチな領域の新薬開発に目を向けております。このような状況下、ベンチャー企業は自分たちが創薬の担い手であるという自負を持ち、リスクを取って医薬品開発に邁進することが社会的に求められています。
(※)既に特許が切れている、もしくは再審査期間が終了しており、同じ効能・効果を持つ後発医薬品(ジェネリック医薬品)が発売されている薬のこと。
このような環境の中、当社の当事業年度の売上高は北京泰德制药股份有限公司(以下、北京泰徳製薬)との包括的支援契約に基づく報酬等により18,545千円(前期比32.1%減)となりました。販売費及び一般管理費の研究開発費は、LT-4002の第Ⅱ相臨床試験等により593,352千円(前期比29.7%増)、販売費及び一般管理費のその他は支払報酬の減少等により115,566千円(前期比19.8%減)となったため、営業損失は693,604千円(前期比20.8%損失増)となりました。また、中国における新型コロナウイルスの影響により北京泰徳製薬の配当決議が延期され、北京泰徳製薬の受取配当金の計上がなかったことから、経常損失は728,982千円(前期は経常利益394,507千円)、当期純損失807,206千円(前期は当期純利益327,130千円)となりました。
創薬事業における現在開発中のパイプラインの状況は次のとおりであります。

当事業年度において、「PC-SOD(LT-1001)」は、ライセンス先の北京泰徳製薬による心筋梗塞を対象とする開発では、第Ⅰ相臨床試験を完了し良好な結果が得られており、当事業年度では第Ⅱ相臨床試験を開始しました。また前事業年度に発見した、全く新しい適応疾患(非開示)に興味を持った製薬企業と共同研究に関して協議を進め、共同研究契約の締結に至りました。一方、腎疾患を対象とした開発に関しましても、大学との共同研究として進めております。
「ドライアイ治療薬(LT-4002)」は、前期第Ⅱ相臨床試験では良好な結果が得られています。当事業年度では、後期第Ⅱ相臨床試験を開始し年度内に臨床試験を完了することが出来ました。現在、結果の解析を行っておりますが、終了次第なるべく早く結果をお知らせする予定です。
前事業年度に新設した湘南研究所は、研究室の立ち上げを完了し、本格的な研究活動を開始しました。その結果、DRに関する新しいスクリーニングで複数の候補薬を発見したり、新しいDDS新薬を合成しその効果を細胞レベルで確認したりするなどの成果が産まれました。また、湘南アイパークに同居する多くの企業と交流し、事業提携に関する協議を行いました。その結果、共同研究や受託研究を念頭においた秘密保持契約を締結するなどの大きな進展が見られました。
以上、主要なパイプラインの研究開発状況につきましては「5研究開発活動」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ244,809千円減少し、2,492,457千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、56,554千円(前事業年度は284,197千円)となりました。主な増加要因は配当金の受取額907,804千円であります。主な減少要因は税引前当期純損失△729,199千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前事業年度と比較して507,181千円減少し、300,216千円となりました。この主な理由は、前事業年度において投資有価証券の取得による支出が800,000千円であったところ、当事業年度では300,000千円であったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前事業年度と比較して255,441千円減少し、1,147千円となりました。これは、前事業年度においては配当金の支払決議があったものの、当事業年度においては配当金の支払決議がなかったことによる減少であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の業務は、業務の性格上、生産実績として把握することが困難であるため、その実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社の売上高(事業収益)は、北京泰德制药股份有限公司の包括的支援契約に基づく報酬等であり、受注生産は行っておりませんのでその実績は記載しておりません。
c.販売実績
当社は単一セグメントであり、その実績は以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) |
| 創薬事業(千円) | 18,545 | 67.8 |
| 合計(千円) | 18,545 | 67.8 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 北京泰德制药股份有限公司 | 24,812 | 90.7 | 16,885 | 91.04 |
2.本表の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。また、重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産の部)
当事業年度末における資産合計の残高は、前事業年度末と比較して977,513千円減少して4,338,916千円となりました。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計の残高は、前事業年度末と比較して167,842千円減少して68,619千円となりました。この主な要因は、未払金が74,778千円、未払法人税等が99,170千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して809,671千円減少して4,270,297千円となりました。この主な要因は、繰越利益剰余金が807,206千円減少したことによるものであります。
③当事業年度の経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、18,545千円(前期比32.1%減)となりました。内容は北京泰德制药股份有限公司に対する包括的支援契約による報酬が主なものとなっております。
(営業損失)
当事業年度の営業損失は、693,604千円(前期比20.8%損失増)となりました。この主な要因は、研究開発費の増加によるものであります。
(経常損失)
当事業年度の経常損失は、728,982千円(前事業年度は経常利益394,507千円)となりました。この主な要因は、受取配当金の減少によるものであります。
(当期純損失)
当事業年度の当期純損失は、807,206千円(前事業年度は当期純利益327,130千円)となりました。この主な要因は、経常損失が発生したことによるものであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の事業資金は北京泰德制药股份有限公司の配当金によりそのほとんどが賄われており、キャッシュ・フローの状況につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。