有価証券報告書-第20期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して238,272千円減少して4,035,252千円となりました。当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比較して20,947千円増加して103,281千円となりました。当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比較して259,219千円減少して3,931,971千円となりました。
b.経営成績
当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス蔓延によるダメージから回復の兆しがみられ始めましたが、ウクライナ情勢とそれに連動した円安・物価高の影響も出始め、予断を許さない状況が続いております。
医薬品業界では、新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬の開発で遅れを取った日本の製薬企業を再び世界のトップに押し上げるために、官民をあげた取り組みが始まっております。当社も「ベンチャー企業が創薬の担い手である」という自負を持ち、リスクを恐れず医薬品開発に邁進していく気持ちを新たにしております。
このような環境の中、当社の当事業年度の売上高は5,116千円(前期比79.4%減)となりました。内容は北京泰德製薬股份有限公司に対する包括的支援契約による報酬や製薬企業からのDRコンサルティングの受注等が主なものとなっております。販売費及び一般管理費の研究開発費は、CIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)を対象とする臨床試験を開始したこと等により435,091千円(前期比16.6%増)、販売費及び一般管理費のその他は支払報酬の減少等により188,590千円(前期比29.7%減)となったため、営業損失は618,643千円(前期は営業損失630,214千円)となりました。営業外収益として、北京泰徳製薬の2020年12月期に属する配当を当期に395,562千円計上しております。このほか、2021年12月期に属する配当につきましては、2022年3月に開催された同社の株主総会で883,553千円を配当する事が事実上決定しておりますが、中国での新型コロナウイルス感染拡大の影響で同社の董事(役員)全員の署名が完了していないため、当該配当は翌期に計上することを予定しております。そのため、経常損失は221,583千円(前期は経常利益271,089千円)、当期純損失は263,499千円(前期は当期純利益181,397千円)となりました。
創薬事業における現在開発中のパイプラインの状況は次のとおりであります。

当事業年度において、「PC-SOD(LT-1001)」はライセンス先の北京泰徳製薬による心筋梗塞を対象とする開発では、新型コロナウイルス感染症の影響などにより第Ⅱ相臨床試験が遅れておりましたが、本年中には終了する予定となりました。当社においては、CIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)を対象とする臨床試験を当事業年度に開始しました。2021年9月には臨床試験実施計画書を完成させ、PMDAに治験届を提出、2022年1月には最初の被験者が登録となり、治験薬の投与を開始しました。本剤に興味を持った国内製薬企業と共同研究契約を締結済で、今回の臨床試験も本契約に則って実施しており、臨床試験で有効性と安全性が確認できましたら、上市への道筋が見えて参ります。
ノーベルファーマ株式会社との共同開発では、同社が既に発売している既承認薬(LT-5001)を別の疾患に適応拡大(DR)することを目指し、臨床試験を共同で実施して参りました。当事業年度にPMDAとの対面助言を実施するなど第Ⅲ相臨床試験の実施に向け検討を進め、2022年度中に第Ⅲ相臨床試験を開始する見通しも立ちましたので、2024年度中の医薬品上市の可能性も見えて来ました。当社が第Ⅲ相臨床試験を実施するのは、2006年以来であり、その成功(医薬品の上市)に向けて今後も鋭意努力して参ります。
「新型コロナウイルス感染症治療薬(LT-4012)」は、筑波大学医学部のスクリーニング系と当社のDR技術により発見し、特許を共同で出願したパイプラインです。新しいメカニズムで新型コロナウイルスの増殖を抑える既承認薬であり、試験管内ではウイルスの増殖をほぼ完全に抑える効果が得られております。当事業年度は、動物実験において新型コロナウイルス依存の個体死をこの既承認薬が抑制することを見出しましたので、大手製薬企業とライセンスや共同開発に関する交渉を進めると共に、国からの研究費の獲得に向けた活動を筑波大学と協力して進めております。
以上、主要なパイプラインの研究開発状況につきましては「5研究開発活動」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ58,662千円増加し、2,713,215千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、235,991千円(前事業年度は221,993千円の収入)となりました。この主な要因は、利息及び配当金の受取額が507,466千円減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、前事業年度と比較して99,051千円増加し、295,750千円となりました。この主な理由は、投資有価証券の償還による収入300,000千円であったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前事業年度と比較して255,500千円減少し、1,096千円となりました。これは、配当金の支払額が減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の業務は、業務の性格上、生産実績として把握することが困難であるため、その実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社の売上高(事業収益)は、北京泰徳製薬の包括的支援契約に基づく報酬等であり、受注生産は行っておりませんのでその実績は記載しておりません。
c.販売実績
当社は単一セグメントであり、その実績は以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 前期比(%) |
| 創薬事業(千円) | 5,116 | 20.6 |
| 合計(千円) | 5,116 | 20.6 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) | 当事業年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| あすか製薬株式会社 | - | - | 3,000 | 58.6 |
| 北京泰德製薬股份有限公司 | 17,397 | 69.9 | 2,000 | 39.0 |
| 武田薬品工業株式会社 | 7,500 | 30.1 | - | - |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産の部)
当事業年度末における資産合計の残高は、前事業年度末と比較して238,272千円減少して4,035,252千円となりました。この主な要因は、投資有価証券の償還により300,000千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計の残高は、前事業年度末と比較して20,947千円増加して103,281千円となりました。この主な要因は、未払金が24,330千円増加したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して259,219千円減少して3,931,971千円となりました。この主な要因は、繰越利益剰余金が263,499千円減少したことによるものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、5,116千円(前期比79.4%減)となりました。内容は北京泰德製薬股份有限公司に対する包括的支援契約による報酬や製薬企業からのDRコンサルティングの受注等が主なものとなっております。
(営業損失)
当事業年度の営業損失は、618,643千円(前事業年度は営業損失630,214千円)となりました。この主な要因は、支払報酬の減少等によるものであります。
(経常利益)
当事業年度の経常損失は、221,583千円(前事業年度は経常利益271,089千円)となりました。この主な要因は、受取配当金の減少等によるものであります。
(当期純利益)
当事業年度の当期純損失は、263,499千円(前事業年度は当期純利益181,397千円)となりました。この主な要因は、経常損失を計上したことによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の事業資金は北京泰徳製薬の配当金によりそのほとんどが賄われており、キャッシュ・フローの状況につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。